「ヨコミネ式ってどのような教育法だろう?」と気になる保育者は多いのではないでしょうか。
本記事では、ヨコミネ式とは何か保育方針やメリットデメリットなどを詳しくご紹介します。
ヨコミネ式を取り入れてみたい、ヨコミネ式を採用している園で働いてみたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。
- ヨコミネ式とは「心の力・学ぶ力・体の力」をバランスよく育てながら自立を目指す教育法
- 体操・読み書き・計算などの活動を行いながら主体性を伸ばせるようにする
- 「才能開花の法則」とは、好循環の中で能力を伸ばしていくという考え方
- ヨコミネ式はすべての子どもに合うわけではない
【元保育士】ゆぴライターヨコミネ式を実践する際は、子どもの成長を周囲と比べるのではなく、一人ひとりのペースや努力の過程を大切にしながら関わることを意識してみてくださいね。


ゆぴ先生 元保育士ライター
保育士歴9年。ピアノが得意で、子どもと一緒に歌をうたうことが好きでした。現在は、専業主婦兼Webライターとして活動中です。保育士や保育士を目指す方の、力になれるような記事を執筆しています。


ヨコミネ式とはどんな教育法?
ヨコミネ式保育とは、子どもが本来持っている「やってみたい」という意欲を大切にし、運動や読み書きなどの活動を通して主体性や自立心を育てる教育法です。
子ども同士の刺激や成功体験を積み重ねながら、「できた」という自信を育てることを重視しています。
- 創設者:横峯吉文
- 生まれた背景:鹿児島県の保育園で、子どもが本来持つ能力を引き出す保育を実践する中で体系化された
- 教育理念:子どもの「やりたい」という気持ちを引き出し、挑戦と成功体験を重ねて成長を促す
- 目標(ゴール):将来に向けて自分で考え行動できる「自立した子ども」を育てること
- 特徴:体操・読み書き・計算などの活動を通して、心と体のバランスの取れた成長を目指す
ヨコミネ式の保育方針「3つの力」
ヨコミネ式では、子どもの成長を支える大切な要素として「心の力・学ぶ力・体の力」の3つを重視しています。
これらは、子どもが将来にわたって自分の力で生きていくための基礎となる力です。
日々の活動やさまざまな経験を通してバランスよく育てていくことで、主体的に考え行動できる子どもへと成長していくことを目指していますよ。
心の力・・・くじけない力や思いやりの心
- くじけない気持ち
- 思いやりや協力する心
- 最後までやり抜こうとする意欲
ヨコミネ式で大切にされている「心の力」とは、困難に直面してもあきらめずに挑戦し続ける強さや、周囲の人を思いやる気持ちを育てることを指します。
活動の中で成功だけでなく失敗も経験しながら、もう一度挑戦しようとする姿勢を育むことが重視されていますよ。
また、友だちと関わる中で相手の気持ちを考えたり助け合ったりする経験を重ねることで、社会性や思いやりの心を身につけていくことも目的の一つです。
学ぶ力・・・自力で問題解決できる人へ
- 自分で考える力
- 問題を解決しようとする力
- 学び続けようとする姿勢
「学ぶ力」とは、知識を覚えるだけではなく、自分で考えながら問題を解決していく力を育てることです。
ヨコミネ式では、読み書きや計算などの活動を通して、子どもが主体的に学ぶ姿勢を身につけることを大切にしています。
自分で考え、試しながら答えを見つけていく経験を重ねることで、学ぶことへの意欲が高まりやすくなりますよ。
こうした経験は、将来にわたって学び続ける姿勢を育てる基礎にもつながると考えられています。
体の力・・・なにごとにも挑戦できる体力
- 体をしっかり動かす体力
- 挑戦するための基礎となる身体能力
- 継続して取り組むための健康な体
「体の力」とは、さまざまな活動に前向きに挑戦するための体力や身体能力を育てることを指します。
ヨコミネ式では体操やかけっこなどの運動を日常的に取り入れ、体を動かす楽しさを感じながら体力づくりを行います。
十分な体力があることで、運動だけでなく学習や生活のさまざまな場面にも意欲的に取り組みやすいです。
体を動かす経験を積み重ねることで、健康な体づくりと挑戦する意欲の両方を育てることをねらいとしています。
子どもが伸びる「才能開花の法則」とは
ヨコミネ式の「才能開花の法則」とは、子どもは「できることが増えると楽しくなり、楽しいからさらに挑戦する」という好循環の中で能力を伸ばしていくという考え方です。
例えば、子どもが縄跳びに挑戦する場面を例にすると、最初は数回しか跳べなくても練習して10回跳べるようになると「もっとやりたい」と感じます。
すると毎日練習するようになり、20回、30回と跳べるように。
上達するとさらに楽しくなり、「次は二重跳びをしてみたい」と新しい目標が生まれます。
- 「できる」=「面白い」
- 面白いと練習も楽しみに
- 練習することで上手になる
- 上手になると「大好き」になる
- 自然とステップアップしたくなる
「できる→面白い→もっと練習する→さらに上達する→次の挑戦をしたくなる」というサイクルを繰り返すことで、子どものやる気と能力が自然に高まっていくと考えられていますよ。
ヨコミネ式の子供をやる気にさせる「4つのスイッチ」
ヨコミネ式では、子どもが本来持っている「やってみたい」という意欲を引き出すことを大切にしています。
その考え方の一つとして知られているのが、子どものやる気を引き出す「4つのスイッチ」。
子どもの性質や心理を活かしながら、自然と挑戦する気持ちを育てていくことが特徴です。
ここでは、ヨコミネ式で大切にされている「4つのスイッチ」について分かりやすく紹介します。
子どもは競争したがる
子どもが本来持っている「負けたくない」「もっと上手になりたい」という気持ちを大切にしているのがヨコミネ式です。
友だちと競い合う環境の中で、「次は自分もできるようになりたい」と意欲が高まることがあります。
競争といっても順位だけを重視するのではなく、挑戦する過程や努力を認めることが重要とされています。
こうした経験を通して、子どもは楽しみながら努力する姿勢や最後までやり抜こうとする気持ちを育んでいきますよ。
子どもはまねをしたがる
子どもは友だちや年上の子どもの行動を見て、「自分もやってみたい」と感じることがあります。
ヨコミネ式では、このまねをしたいという気持ちを大切にし、子ども同士が良い刺激を受け合う環境をつくることを重視していますよ。
できる子の姿を見ることで目標が生まれ、「自分も同じようにやってみよう」という意欲につながると考えられています。
身近な存在を手本にすることで、自然と挑戦する気持ちや向上心が育っていく点が特徴です。
子どもは少しだけ難しいことをやりたがる
子どもは簡単すぎることよりも、「少し頑張ればできそう」と感じる課題に興味を持ちやすいとされています。
ヨコミネ式では、この気持ちを活かして子どもにとって少しだけ難しい目標に挑戦する機会を大切にしています。
努力して達成できたときの喜びは大きく、次の挑戦への意欲にもつながるでしょう。
無理のない範囲で段階的に課題を設定することで、子どもは楽しみながら力を伸ばしていくことができます。
子どもは認められたがる
子どもは、大人や友だちから努力や成長を認められることで大きな喜びを感じます。
結果だけでなく、挑戦した過程や頑張りをしっかり認めることを大切にしているのがヨコミネ式の特徴です。
「できたね」「頑張ったね」と声をかけてもらうことで、自信や達成感を感じやすくなりますよ。
こうした経験を積み重ねることで、子どもは自分の力を信じる気持ちを育て、さらに新しいことに挑戦しようとする意欲を高めていきます。
ヨコミネ式で保育士として働くには?
ヨコミネ式の園で保育士として働くには、基本的に保育士資格があれば応募可能です。
その他特別な資格は必要なく、入職後に研修や実務を通して保育方法を学んでいくケースが一般的です。
- ヨコミネ式の園は特別な資格がなくても応募できる
- 入職後の研修や実践で指導方法を学ぶことが多い
- 保育士向けの転職サイトやエージェントで求人を探せる
ヨコミネ式を導入している園を探すには、求人サイトや転職エージェントを活用すると効率よく見つけられますよ。


ヨコミネ式のメリットとデメリット
子どもの自立心や主体性を育てる教育法として注目されているヨコミネ式。
運動や学習活動を通して子どもの可能性を引き出す取り組みが魅力とされる一方で、園によって実践内容に違いがあることや、すべての子どもに合うとは限らないといった声もあります。
ここでは、ヨコミネ式保育の特徴を踏まえながら、主なメリットとデメリットについて分かりやすく紹介します。
メリット①就学前に学力・体力が身に付く
ヨコミネ式では、日々の保育の中で体操やかけっこ、読み書き、計算などの活動を取り入れています。
こうした取り組みを継続することで、遊びの延長として体を動かす習慣や学習の基礎が身につきやすいとされています。
幼児期から体力づくりや集中して取り組む経験を重ねることで、小学校入学後の学習や運動にもスムーズに取り組みやすくなる点がメリットです。
また、継続して挑戦する経験を通して、努力する姿勢も育ちやすいといわれています。
メリット②自己肯定感が高い子どもになる
ヨコミネ式では、子どもが自分で挑戦し「できた」という経験を積み重ねることを大切にしています。
最初は難しく感じることでも、練習や挑戦を繰り返すことで達成できるようになり、その成功体験が自信につながりますよ。
自分の努力でできることが増えていく経験は、「自分はできる」という前向きな気持ちを育てるきっかけになります。
こうした経験を通して、子どもが自分の力を信じる気持ちを持ちやすくなり、自己肯定感の向上につながると考えられるでしょう。
メリット③主体的に学ぶ姿勢が身につく
ヨコミネ式の保育では、子ども同士が刺激し合う環境づくりが重視されています。
周囲の友だちが挑戦している姿を見ることで、「自分もやってみたい」という意欲が生まれやすくなるでしょう。
こうした環境の中で活動に取り組むことで、指示を待つだけではなく自分から行動する姿勢が育ちやすくなるとされています。
自分で考えて挑戦する経験を積み重ねることで、学びに対して前向きに取り組む態度や主体性が育まれる点が大きな特徴です。
デメリット①導入園の質にばらつきがある
ヨコミネ式は特定の園だけが行う保育ではなく、さまざまな園が導入しています。
そのため、指導方法や保育環境、取り組み方は園によって違いが見られることがあるかもしれません。
理念や方針をしっかり理解して実践している園もあれば、活動の一部だけを取り入れている園もあるため、保育内容の質に差が出る場合があります。
ヨコミネ式に興味を持つ場合は、実際の保育内容や園の方針を見学などで確認することが大切です。
デメリット②すべての子に合うわけではない
ヨコミネ式では運動や学習活動に積極的に取り組む場面が多いため、子どもの性格や発達のペースによっては負担に感じることもあります。
活動への意欲が高い子どもには良い刺激になる一方で、ゆっくり取り組みたい子や慎重な性格の子には合わない場合も考えられるでしょう。
また、周囲と比べてしまうことでプレッシャーを感じる可能性もあるため、一人ひとりの個性やペースに合わせた配慮が必要です。
【保育士の体験談】ヨコミネ式園で働いてみた感想は?
実際にヨコミネ式を採用している園での勤務経験がある保育士3名に、働いて見た感想を調査しました。
カリキュラムが固定されていて分かりやすい
初めて就職した保育園がヨコミネ式でした。ヨコミネ式はカリキュラムがある程度固定されてるので、何をすればいいのか分かりやすかったです。まだ小さい子でも読み書きや計算、体操や逆立ちなど多くのことが出来るようになり、子どもの可能性は素晴らしいなと思いました。保育士としての指導能力が身につくいい経験になったと思います。毎年発表会があり、ある程度の完成度までは仕上げないといけないため、準備や指導は少し負担が大きいと感じました。常に動き回って、声出しも多い印象です。子ども達にも得意不得意があるので、個性を伸ばしていくとゆうよりかは統一感を求められる感じでした。(ねこさん・28歳・保育士歴3年)
ある程度カリキュラムが固定されていると保育者も1日の活動内容が立てやすいため、ヨコミネ式が初めての保育者でも働きやすいですね。



主活動を考えたり臨機応変に活動の流れを変えたりすることが苦手な保育者にとっては、分かりやすい仕組みだと思います。
時間に追われるくらいハードな活動量
以前、ヨコミネ式を取り入れた園で3年間働いていました。子どもたちが自分で考えて挑戦する姿勢が育つ点はとても良く、できることが増えていくスピードには毎回驚かされました。一方で、毎日の活動量が多く、子どもも職員も常に時間に追われるような感覚があり、もう少しゆったり関われる時間が欲しいと感じることもありました。これから働く方には、ヨコミネ式の理念を理解した上で、自分の保育観と合うかどうかを見極めて選ぶことをおすすめします。(みなみさん・30歳・保育士歴8年)
ヨコミネ式は体操や計算など、たくさん用意されているカリキュラムを1日の活動にギュギュッと詰め込んでいるので、子どもはもちろん保育者も時間に追われるくらいあっという間に時間が過ぎるようです。



のびのびと保育をしたい、自由遊びの中で主体性を伸ばしたいなど、保育観が合わないとヨコミネ式で保育を行うのは難しいかもしれません。
子どもと一緒に成長できる
ヨコミネ式保育園で働いていると、子どもたちが自分から積極的に体操や計算遊びに取り組む姿に毎日驚かされました。最初は一斉に進める運動やスピード重視の課題に戸惑うこともありましたが、小さな成功を褒めて次の挑戦に自然につなげる指導法は効果的で、集中力や自主性が着実に伸びていくのを実感しました。学年や個人に合わせて柔軟に対応する場面も多く、現場で迷ったときも研修や先輩のサポートが充実していたため安心できました。子どもたちの成長を間近で見ながら、自分自身も学び続けられる貴重な経験でした。(ももちいさん・32歳・保育士歴7年)
運動や音楽・計算など、できることが増えていく姿を間近で見ることができるヨコミネ式は、保育者もやりがいを感じられる保育です。



活動量や進めるスピードは通常の保育とは異なりますが、それでも子どもの成長や挑戦する姿を見守りたい人はヨコミネ式がぴったりです。
ヨコミネ式保育園に関するよくある質問
本記事で紹介した以外にも、「ヨコミネ式指導は未経験でもできるか」「ヨコミネ式保育園で培ったスキルはキャリアアップに活かせるか」など、気になることは多いと思います。
ここでは、ヨコミネ式保育園に関するよくある質問3つを挙げました。
ヨコミネ式の指導は、未経験でもできますか?
ヨコミネ式の指導は、未経験でも研修やマニュアルを通して基本を学べば実践できます。
ただし、運動や自立を重視した保育のため、子どもへの声かけや関わり方を現場で経験しながら身につけていくことが大切です。
保護者対応はどのような点で一般保育園と異なりますか?
ヨコミネ式では、子どもの挑戦や努力の過程を保護者に伝え、家庭でも自立を促す関わりをお願いすることが多いです。そのため、活動の目的や方針を丁寧に説明し、保護者の理解を得るコミュニケーションが特に重視されます。
ヨコミネ式の園での経験は、転職・キャリアアップに活かせますか?
ヨコミネ式の園での経験は、子どもの自立を促す関わりや運動指導などのスキルとして、転職やキャリアアップに活かせる場合があります。特に主体性を育てる保育や独自のカリキュラムに携わった経験は、保育の幅を広げる強みになります。
まとめ
ヨコミネ式は、子どもが本来持っている力を引き出し、「心の力・学ぶ力・体の力」をバランスよく育てながら自立を目指す教育法です。
競争心やまねをしたい気持ちなど、子どもの性質を活かしてやる気を引き出す点が特徴といえるでしょう。
一方で、園によって取り組み方に違いがあるため、理念や保育内容を理解することも大切。
特徴やメリット・デメリットを知り、子どもや家庭に合った保育環境を考えることが重要ですよ。








