12月は行事や季節の変化が重なり、2歳児の生活にも普段とは違う動きが生まれる時期。
だからこそ個人案では、行事の内容を並べるだけでなく、「その子が今、何に興味を持ち、心を動かしているのか」を捉えることが大切です。
本記事では、12月の子どもの姿をもとに、ねらいや環境構成、食育、自己評価・反省まで、個々の発達に合わせた個人案の文例を紹介します。
- 年末の慌ただしさに左右されず、個々の生活リズムを大切にする
- この時期は保育者の話を聞いて見通しをもって動こうとする
- 「冬だから」と季節にとらわれすぎず、その子が実際に見せている姿から内容を考える
【元保育士】ゆぴライター12月は予定が増えるからこそ、子どもたちの「やってみたい」を拾うことを忘れずに。 行事の流れに合わせるだけでなく、その子なりの楽しみ方を見つけられるようにすると、個人案もぐっと立てやすくなりますよ!


ゆぴ先生 元保育士ライター
保育士歴9年。ピアノが得意で、子どもと一緒に歌をうたうことが好きでした。現在は、専業主婦兼Webライターとして活動中です。保育士や保育士を目指す方の、力になれるような記事を執筆しています。


【2歳児】12月の個人案の作成ポイント
【先輩保育士からのアドバイス】
チェックしておこう!
- 年末の慌ただしさに左右されず、一人ひとりの生活リズムを大切にする
- 冬ならではの発見を、子ども自身の「気になる」から遊びにつなげる
- 季節の行事に参加する中で、見たり聞いたり感じたりしたことを表現できるようにする
- 「自分で決めた」「自分でできた」と感じられる場面を増やす
12月はお楽しみ会、大掃除など行事や年末の活動が増え、普段とは異なる環境になりやすい時期。
個人案では、予定をこなすことを優先するのではなく、その子が安心して過ごせる生活のリズムやペースを意識しましょう。
冬の自然や季節の行事も、保育者が一方的に体感させるのではなく、子どもの「なんだろう」「やってみたい」という気づきを拾うことが大切。
また、生活や遊びの中で自分で選択する機会を設け、主体的に動く経験につなげていきましょう。



子どもの興味や姿を見ながら、どんな経験をさせてあげたいのかを考えていきましょう。
【2歳児・12月の個人案】子どもの姿
【低月齢】2歳9ヵ月~3歳2ヵ月
- 冷たい風や吐く息の白さなど、冬ならではの変化に気づく
- 身近な素材を組み合わせながら、作ったり見立てたりする遊びを楽しむ
- 思い通りにならないときも、言葉や仕草で自分の気持ちを伝えようとする
外に出たときの風の冷たさや、朝の霜など、これまでとは異なる環境や自然の変化に興味を示す姿が見られます。
また、新聞紙やスズランテープなど身近な素材を使って、自分なりに「こうしたい」と試しながら遊ぶことも増えていくでしょう。
友だちとの関わりでは、まだ自分の気持ちをうまく言葉にできず、表情や行動で表す場面もあります。
保育者が思いを察しながら言葉を添えることで、自分の感情を伝える経験をさせてあげたいです。



自分の思いをうまく伝えられず、友だちをたたいたり、かんだりしてしまうことも。経験を積みながら友達との関わり方を身につけていきます。
【高月齢】3歳3ヵ月~3歳8ヵ月
- 友だちと相談しながら遊びの役割や進め方を決めようとする
- 身近な出来事を遊びに取り入れ、自分なりのイメージを形にする
- 年末ならではの雰囲気を感じ、いつもと異なる活動や行事に興味を示す
友だちとの関わりがより深まり、遊びの中で「こうしよう」「じゃあ私はこれ」と相談する姿が増えてきます。
また、体験したことや身近な出来事をもとに、遊びの設定を考えたり、必要なものを作ったりする姿も見られるでしょう。
行事や年末の活動では、普段とは異なるムードに期待を膨らませる一方、予定の変更に戸惑うこともあります。
子どもの発想を受け止めながら、あらかじめ活動の流れを伝え、見通しを持って参加できるよう支えていきましょう。



クリスマス会やお楽しみ会、大掃除など通常とは違う活動に興味を持って参加します。
2歳児共通の子どもの姿
- いつもと違う園内の雰囲気を感じ取り、周囲の様子に興味を示す
- 音や色、手触りなどを楽しみながら、自分なりの方法で表現する
- 保育者の話を聞いて次の活動を予想し、見通しを持って動こうとする
12月は、園内の飾りつけや行事など、普段とは異なる環境に触れる機会が増えます。
子どもたちは環境の変化を敏感に感じ取り、「これは何だろう」と周囲を見たり、気づいたことを伝えたりする姿を見せるでしょう。
また、歌や楽器、制作などを通して、音や色に触れる楽しさを味わう姿も見られます。
活動の流れを少しずつ理解し、次の行動を自分なりに予想したり、見通しを持って動こうとしたりする姿にも目を向けていきましょう。



タンバリン、鈴、カスタネットなど持ちやすい楽器が2歳児に向いています。
【2歳児・12月の個人案】ねらい
【低月齢】2歳9ヵ月~3歳2ヵ月
- 冬の身近な変化に触れ、気づいたことを保育者と共有する
- 自分で選んだ遊びにじっくり取り組み、試す楽しさを味わう
- 言葉や仕草で思いを表し、保育者とのやり取りを楽しむ
先回りして「できるようにする」ことよりも、子どもが自分から興味を示した瞬間をキャッチすることを意識できると◎。
12月は、冷たい風や冬の飾りなど、普段とは異なる環境に触れる機会が増えます。
こうした発見を遊びや会話へつなげながら、安心して自分の思いを表せるよう支えることが大切です。
また、行事が続く時期だからこそ、活動への参加を無理に求めず個々のスピードにも目を向けましょう。



風の冷たさ、クリスマスの装飾など、12月ならではの変化に気づけるよう環境を整えてみましょう。
【高月齢】3歳3ヵ月~3歳8ヵ月
- 遊びの中で思いついたことを試し、自分なりの方法で工夫する楽しさを味わう
- 友だちと考えを出し合いながら、一緒に遊びを組み立てる経験を重ねる
- 年末の活動に見通しを持ち、いつもと異なる取り組みにも興味を持って参加する
保育者が活動の答えを用意するのではなく、子ども自身が考えたり選んだりできるスペースを残すことが要点。
12月は行事や予定変更が多くなるため、活動への参加を一律に求めず見通しを持てるよう事前に知らせましょう。
また、友だちとの遊びが深まる一方で意見の激突も増えるため、すぐに介入せず、子ども同士で折り合いをつけようとする姿も大切にします。



友だちとの衝突が増えるのは心の成長の一つ。衝突を経験し、何を身につけてほしいのかまでねらいに落とし込めるとよいですね。
2歳児共通のねらい
- 年末ならではの園内の変化に触れ、普段との違いを楽しむ
- 自分の体調や気持ちの変化を、言葉や仕草で保育者に伝えながら、心地よく過ごす
- 歌や制作などさまざまな表現に触れ、感じたことを自由に表してみる
12月は行事や年末の準備など普段と異なる活動が増えるため、子どもが落ち着いて過ごせる時間も意識して設定しましょう。
体調面では、寒さだけに注目せず、疲れや食欲など日々のわずかな変化にも目を向けることが肝心。
また、行事への参加を一律に求めるのではなく、見て楽しむ、音だけを聞くなど、それぞれの関わり方を認めましょう。
表現活動では完成度を求めず、子どもなりの楽しみ方を受け止めます。



季節や年末の行事にどう参加するか、参加を通してどのような姿につなげたいかを考えてみましょう。
【2歳児・12月の個人案】環境構成と保育者の配慮
【低月齢】2歳9ヵ月~3歳2ヵ月
- 身支度に使う物を手の届きやすい場所に置き、自分で扱えるようにする
- 少人数でじっくり遊べる場を設け、その日の気分に合った遊びを選べるようにする
- 行事や活動の前後に落ち着ける時間を設け、気持ちを整えやすくする
12月は行事が続き、普段とは異なる流れになりやすいため、低月齢児が安心して過ごせる「いつもの場所」を意識して整えましょう。
身支度では、帽子や上着などを自分で取り出せる配置にし、試行錯誤する姿を見守ります。
また、遊びを一つに限定せず、静かな遊びと体を動かす遊びの両方を用意すると、その日の状態に合わせて選びやすくなります。
保育者は子どもの表情や動きを捉え、必要なときだけ言葉や手を添えていきましょう。



いきなり園内や室内の装飾や配置が変わると、ソワソワしてしまうことも。普段と変わらず、穏やかに過ごせる環境を残しておくことも重要です。
【高月齢】3歳3ヵ月~3歳8ヵ月
- 友だちと一緒に遊びを発展させられるよう、素材や道具を組み合わせて使えるようにする
- 年末の活動予定を見える形で知らせ、自分から次の行動へ移りやすくする
- 一人で集中したいときと友だちと関わりたいときの両方に対応できる空間を設ける
友だちと相談しながら遊びを展開させる姿が増えるため、素材を自由に選び、組み合わせられる環境を用意すると◎。
また、12月は行事や予定変更が多くなるため、活動の流れをあらかじめ伝え見通しを持てるようにします。
保育者は子ども同士のやり取りをすぐにまとめず、まずは考えを出し合う姿を見守ることが大切です。
必要に応じて子どもたちの思いを言葉にしたり、伝え方を補ったりしながら、自分たちで折り合いをつけられるよう支えていきましょう。



「〇〇ちゃんは何役がしたいの?」「剣は何で作ってみようか」など、子どもが意思決定できるような言葉掛けを意識しましょう。
2歳児共通の環境構成と保育者の配慮
- 季節の変化を感じられる素材を取り入れ、子どもが自由に触れられるようにする
- 活動の種類や人数に合わせて空間を区切り、落ち着いて過ごせる場所を確保する
- 冬場の生活で必要な物の位置をわかりやすくし、自分で取り組みやすい動線を整える
12月は行事や季節の活動が増えるため、普段の生活とのバランスを意識した環境づくりが大切です。
冬に見つけた自然物や季節に関する絵本などを身近に置き、子どもの「見てみたい」「触ってみたい」という気持ちを遊びにつなげましょう。
また、活動が続いて疲れたときには、静かに過ごせる場所へ移れるようにしておきます。
保育者は一人ひとりの表情や様子を観察し、必要以上に手を出さず自分で動こうとする姿を支えられると◎。



まつぼっくり、木の枝、氷など12月ならではの自然物を飾ると、「これは何?」と興味が湧きます。
【2歳児・12月の個人案】食育
【低月齢】2歳9ヵ月~3歳2ヵ月
- 料理に使われている食材に気づき、名前や色などに興味を持つ
- 自分の食べやすい方法を試しながら、食事を進める
- 食べ終わった食器を運ぶなど、食事後の活動にも関わってみる
冬に旬を迎える大根や白菜、みかんなどを題材に、食材そのものへの注目を育てていきましょう。
給食に出たものを見つけたり色や形について話したりするだけでも、食への興味につながります。
また、スプーンやフォークの扱い方を一方的に教えるのではなく子どもが試す姿を見守ることも大切。
食後には食器を決めた場所へ運ぶなど無理なく参加できる役割を用意し、「自分でできた」という実感につなげていきたいです。



冬の食材が出てくる絵本を読んだりペープサートを見るのも立派な食育です。
【高月齢】3歳3ヵ月~3歳8ヵ月
- 料理の中にある食材を見つけ、食べ物の組み合わせに興味を持つ
- 自分に合った量を知り、無理のないペースで食事を楽しむ
- 食事を通して感じたことを友だちや保育者と話し、食への関心を深める
冬の食材やさまざまな料理に触れる中で、「何が入っているのかな」と考える機会を作りましょう。
食材の名前を覚えることだけを目的にせず、色や形、味など子どもが気づいたことを言葉にできるよう促します。
また、食べる量には個人差があるため、完食を求めるのではなく自分なりに食べ進められたことを認める姿勢が大切です。
友だちとの会話も楽しみながら、食事を身近に感じられる経験につなげていきましょう。



「大根の葉っぱは何色かな?」「みかんはどんな味がする?」と言葉をかけて食材に対する好奇心を広げていきましょう。
2歳児共通の食育
- 冬の食卓に並ぶ料理に親しみ、食事を楽しみにする気持ちを育てる
- 食事を共にする人との会話を楽しみ、食卓での心地よい時間を味わう
- 食べる前後の準備や片付けに関心を持ち、できることを自分から行おうとする
12月は、普段の給食に加えて行事食など、いつもとは少し違う料理に出会う機会があります。
料理の見た目や香りなどにも目を向け、「今日は何かな?」と楽しみにする気持ちを育てましょう。
また、友だちや保育者と食事を囲みながら食べ物について話す時間も欠かせません。
準備や片付けでは、子どもができる範囲で役目を任せ食事に関わる経験そのものを楽しめるようにします。



お楽しみ会などの特別な食事は、異年齢や他のクラスの友だちと食べる機会を作るのも◎。楽しく食事ができるだけでなく、挨拶や食後の片付けをしてみようと刺激を受けられます。
【2歳児・12月の個人案】作成する際の注意点
12月は寒さや年末の行事に気を取られがちですが、子どもが毎日安定して過ごせるよう気遣うことが大前提。
保育者間で子どもの姿や小さな変化を周知しながら、各々に合う計画を立てましょう。
注意点を確認しておこう!
- 行事の予定を優先しすぎず、普段の生活とのつながりを意識する
- 「冬だから」と一括りにせず、その子が実際に見せている姿から内容を考える
- 寒さだけでなく、年末の疲れや気持ちの揺れにも目を向ける
- 子どもへの援助だけでなく、保育者同士で対応を共有できる内容にする
12月は行事や年末の予定が増えるため、子どもの普段の姿が見えにくくならないよう注意しましょう。
発達段階だけで判断せず、日々のわずかな変化や気持ちの揺れも捉えることが大切です。
また、体調や疲れ具合を考慮し、無理なく過ごせるサポートを考えましょう。
保育者間で情報を共有し、関わり方にばらつきが出ないようにすることも意識します。
【2歳児・12月の個人案】自己評価・反省の例文
12月は行事や普段と異なる活動が増えるため、子どもの様子だけでなく、保育者の向き合い方や環境の整え方も振り返ることが大切です。
ここでは、日々の保育で得た気づきを次の援助につなげるための自己評価・反省の例文を紹介します。
低月齢の自己評価・反省の例文
- 身支度では自分で考えながら進める時間を確保したことで、途中で保育者を頼ることなく最後まで取り組める場面が増えた。
- いつもと異なる活動に戸惑う姿には、事前に内容を知らせたり実際に様子を見せたりすることで、無理なく加われるよう工夫できた。
- 自分の思いを行動で示す場面では気持ちを十分に汲み取れないこともあったため、今後は表情や仕草の変化にも目を向け、子どもの意図を丁寧に捉えていきたい。



「できたこと」だけじゃなく、「どうしてできるようになったのか」まで検証すると、次の保育につながる反省が見つけやすいです。
高月齢の自己評価・反省の例文
- 友だち同士で遊びの流れを相談する場面が増えたため、保育者が答えを決めず、それぞれの考えを出し合えるよう支えることができた。
- 年末の行事や普段と異なる活動では、子どもが興味を持った部分を取り入れたことで、前向きに参加する姿につなげられた。
- 自分たちで解決しようとする姿を待つあまり、気持ちの衝突が長引いた場面もあったため、今後は介入するタイミングを見極めていきたい。



「子ども同士でどこまで任せられたかな?」を思い返すのが、援助のタイミングや見守り方の課題を見つけるコツです。
2歳児共通の自己評価・反省の例文
- 年末の行事や普段と異なる活動が続く中でも、子どもが無理なく参加できるように予定の伝え方や活動量を調整できた。
- 日々の遊びや生活場面で見つけた子どもの興味を職員間で周知し、翌日の環境づくりに反映することができた。
- 慌ただしい時間帯には一人ひとりの様子を十分に捉えきれない場面もあった。今後もより丁寧に一人ひとりの様子を捉えられるよう、職員間の連携や役割分担を工夫していきたい。



12月は何かとバタバタしやすい時期だからこそ、子ども一人ひとりとじっくり向き合えた場面を思い出しながら、次の保育に活かせるヒントを探してみましょう。







