保育士の手取り13万円は本当?現役保育士の給与事情と手取りを増やす5つの方法

保育士の手取り13万円は本当?現役保育士の給与事情と手取りを増やす5つの方法

保育士の手取りは“安い”というイメージがありますが、月13万円というのは本当でしょうか?

また、もっと収入を増やす方法を知りたいという声も少なくありません。

本記事では、保育士の手取り13万円の真相や現役保育士の給与事情などを詳しくご紹介します。

収入を増やしたいとお考えの保育士は、ぜひ最後までお読みください。

この記事をまとめると
  • 地域や施設によって、保育士の手取りが13万円のケースがある
  • 保育士の給与は年々少しずつ改善されている
  • 保育士が手取りを増やすには「役職に就く」「転職する」「副業する」といった方法がある
  • 条件の良い職場に転職する際は、「保育士ワーカー」「マイナビ保育士」といった転職サイトの利用がおすすめ
【元保育士】ゆぴライター

「保育士を目指したいけれど、給与が低いのが気になる…」という方は多いと思います。ですが、勤務地を変える、副業するなど行動次第で収入を増やすことは可能です。夢を諦めずに行動に移してみてくださいね!

この記事を書いた人
岡本

ゆぴ  元保育士ライター

保育士歴9年。ピアノが得意で、子どもと一緒に歌をうたうことが好きでした。現在は、専業主婦兼Webライターとして活動中です。保育士や保育士を目指す方の、力になれるような記事を執筆しています。

目次

保育士の手取り13万円は本当?

保育士の手取りが13万円というのは、一部のケースでは事実です。

特に新卒や地方で働く保育士の場合、初任給が低い・地域差・手当の少なさといった理由から手取りが低い傾向にあります。

ここでは、保育士の月給の手取り相場や、保育士の給与が改善しつつあることを解説します。

保育士の平均年収・月給の手取り相場

保育士の平均年収
  • 正社員の平均年収:339万円
  • アルバイト・パートの平均時給:1,151円
  • 派遣社員の平均時給:1,446円

正社員で働く保育士の平均年収はおよそ320〜340万円前後となっています。

月給換算では約20〜28万円程度が目安で、手取りとしては社会保険・税金などを差し引いておおよそ16〜22万円前後が一般的です。

地域や施設の種類(公立・私立)や経験年数により大きく変動するので、転職や就職を考える際にはこれらの条件も確認するとよいでしょう。

参考:求人ボックス給料ナビ

保育士の給与は改善しつつある

処遇改善加算
  • 事業所が職員の賃金改善や職場環境整備を行うことで、加算という形で支援を受ける制度
  • 加算を受けるには「キャリアパスの整備」「月額賃金の改善」「職場環境等の整備」などの要件を満たす必要あり
  • 令和6年度から加算率が引き上げられ、ベースアップ(+2.5%)へ繋がる仕組みが強化されている
  • 子どもや保育に関わる職場でも、こうした制度を活用して給与や待遇の改善が少しずつ進んでいる

近年、保育士の給与は少しずつ上昇傾向にあります

背景にある「処遇改善加算」は国が進める制度で、職員の賃金アップや職場環境の整備を目的とした支援です。

これにより、経験やスキルに応じたキャリアアップがしやすくなり、長く安心して働ける環境づくりが進められています。

参考:令和6年度 幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果<速報>​​/こども家庭庁

保育士の手取りが13万円になる原因5つ

「保育士は体力的にも精神的にもハードワークなのに、どうして手取りが少ないの?」と疑問に思う方も多いと思います。

低賃金の背景には保育士の年齢や勤務地、施設の運営体制など様々な原因があるのです。

ここでは、保育士の手取りが13万円になる原因を5つの項目別に解説します。

①新人保育士である

新人保育士の手取りは、以下のように低く設定される傾向があります。

  • 初任給自体が額面で15〜20万円程度と低めである
  • 税金・社会保険料などの控除を引くと手取りが額面の約75〜80%程度になる
  • 賞与(ボーナス)が少ない、または支給対象外のことが多い
  • 経験年数や役職がないため、手当が少なく昇給のスピードも遅い

新人保育士の場合、額面の給与がそもそも低めであるうえ、控除後の手取り額もその分少なくなります

さらに、賞与や役職による手当がほとんど付かない時期が続くため、実感として収入が少なめに感じられやすいです。

経験を積み、役割が増えることで手当や昇給が進むため、初期段階では「手取りが安い」と感じるのは自然なことと言えるでしょう。

②給与の低い地域で働いている

地域によって給与水準が異なるため、例えば地方で働くと手取りが低くなりやすい現状があります

都市部では月収が 25万円以上となることが多いのに対し、地方では 17〜20万円程度となるのが一例です。

また、地域別の平均賃金調査でも、東京都では月収40万円超となる一方、地方ではこれをかなり下回る値となっています。

このように、地域経済の規模や生活コスト、保育需要の違いが給与に影響を与えるため、地方で働く保育士は都市部と比べて手取りが少なくなる傾向があるでしょう。

参考:厚生労働省 都道府県別賃金(男女計)

③月給が抑えめでボーナスが高く設定されている

保育施設では、以下のように月給を抑える分ボーナスを高く設定する場所が多いです。

  • 月給が全体的に低めに設定されている
  • その分、賞与が年2〜3回と高めに支給される仕組みになっている
  • ボーナスは年収に含まれるが、毎月の給与には反映されない
  • 月々の手取り額が少なく感じやすい

保育士の給与は、年収で見るとほかの福祉職と大きな差はありませんが、毎月の給料が少なめで、ボーナスに重きを置いている園が多い傾向にあります。

そのため、月々の手取り額が少なく感じられても、ボーナスを含めると年収全体では一定の水準を保つケースが多いのが特徴です。

④園側が保育士を多めに配置している

保育園側が保育士を多めに配置していることが、保育士の手取りを低くしてしまう一因となっています。

保育士の多めの配置により、予算内で人件費の調整が必要になり、月給が抑えられやすくなります

また、配置基準を満たすために人員を増やしても、保育料収入や補助金がその分増えるわけではない場合、賃金改善に回せる余裕が限定され、結果として手取りが低めになってしまうのです。

⑤みなし残業制度が導入されている

保育士の手取りが低く感じる理由の一つに、「みなし残業制度」の導入があります。

みなし残業とは、実際に残業をしなくてもあらかじめ一定時間分の残業代が給与に含まれている制度です。

保育士の場合、日々の事務作業や製作準備で残業が発生しても、みなし残業時間を超えない限り追加の残業代は支払われません。

そのため、実際の労働時間に対して賃金が見合わず、結果的に手取り額が少なく感じてしまうことがあります。

【先輩保育士の体験談】実際の手取りはいくらだった?

実際に働いている保育士の手取りはいくらくらいだったのか、以下の表にまとめました。

今後転職を検討している方は、参考にしてみてください。

AさんBさんCさん
勤務先の種類私立保育園私立保育園公立保育園
雇用形態正社員正社員正社員
月の手取り額(初任給)約17万19万円約20万円
月の手取り額(退所前〇年目の手取り)退所前7年目の手取り:約22万2年目の手取り19万5年目の手取り約23万円
残業の有無と時間ほぼ無し。行事前は2〜3時間あり、行事前に5時間前後。サビ残のため給与に関係はなし。ほぼ毎日。年長担当時は2時間程度。
賞与あり。年に2回。4.5ヶ月分あり。年2回3ヵ月分あり。年2回3ヶ月分
勤務地関東関東関東
給与への満足度★★★★★★★★★★★★
一言コメント保育士としてはいただいていた方だと思うので、給料面での不満はありませんでした。住宅手当(2万円)があったので給与はそんなに低くありませんでした。もし、住宅手当がなかったら、手取り17万円です。残業に加え持ち帰りの仕事もあったため、上記の給与にはあまり満足していなかった。

表から分かる通り、施設形態や雇用形態、勤務地が同じで合っても園によって月の手取り額や残業時間、賞与などには差があります

職場を選ぶ際は、「手取り額」「残業量」「賞与額」などどれを優先するのかを決めておくとよいでしょう。

保育士が手取りを増やすための5つの方法

「保育士を続けながら手取りを増やしたい!」と言う方のために、手取りを増やすための5つの方法をご紹介します。

役職に就く、転職する、副業するといった方法を実行に移すのは簡単なことではありませんが、手取りが増えるだけでなくキャリアアップに繋がる可能性もあるでしょう。

挑戦できそうな方法を選択してみてくだださいね。

①役職に就いて昇給をねらう

保育士が手取りを上げる方法のひとつが、役職に就いて昇給を目指すことです。

主任保育士や副園長、園長といった管理職になると、責任が増える分、基本給や役職手当が上がります。

また、キャリアアップ研修の受講や実務経験の積み重ねによって、昇進のチャンスも広がりますよ。

特に、職員をまとめるリーダーシップや保護者対応などのスキルを磨くことで、評価されやすくなります。

長期的に安定した収入を得たい人には有効な手段です。

②公立保育士へ転職する

保育士が手取りを上げたい場合、公立保育園への転職を目指すのも効果的な方法です。

公立保育士は地方公務員として働くため、民間園に比べて基本給やボーナスが高く、福利厚生も充実しています。

また、勤続年数に応じて確実に昇給する仕組みが整っており、安定した収入が見込めます。

ただし、公立保育士になるには自治体が実施する採用試験に合格する必要があるため、試験対策や募集時期の確認を早めに行い、計画的に準備を進めることが大切です。

③副業して別の収入源を得る

副業が禁止されていない保育園に勤めている場合、副業を行い別の収入源を得るのも手取りを増やす一つの方法です。

実際に、下記のように保育士と副業を掛け持ちしている保育者の方は大勢います。

ちあき【元保育士ライター】

【経験があるダブルワーク】職種・花屋
【仕事内容】パンフレットの折込、シール貼り、資材の仕分けなど
【時給】1000円ほど

元保育士ライター

【経験があるダブルワーク】ベビーシッター
【仕事内容】未就学児の保育
【時給】1500円

副業を検討する際は、勤務先の園が副業禁止でないか確認し、ハードワークにより体調を壊さない程度の働き方を考えましょう。

ベビーシッターなど、子どもに関わる仕事に就くと保育士としての実績やスキルが生かされやすいためおすすめです。

④条件が良い園への転職

給与や待遇の良い園への転職は、保育士の手取りを上げる近道です。

園によっては基本給が高かったり、残業代がしっかり支給されたり、住宅手当や処遇改善手当が充実している場合があります。

また、企業主導型保育園や社会福祉法人が運営する園は、比較的給与水準が高い傾向です。

転職サイトなどを活用して複数の求人を比較し、自分の経験や資格を活かせる園を選ぶことで、収入アップに繋げることができます。

⑤関東の保育園に転職

保育士の手取りを上げたい場合、関東エリアの保育園へ転職するのも効果的です。

東京都や神奈川県などの都市部は全国平均よりも給与水準が高く、賞与額も比較的安定しています。

関東の保育園の給与が高い理由
  • 自治体の財政力が強く、補助制度が充実している
  • 都市部では最低賃金が高い
  • 人材確保のために給与を高く設定する必要がある
  • 私立園の割合が高く、給与体系が柔軟

ただし、生活費も上がるため、手取りの増加分を実感しづらいこともあります。

転職前に家賃補助や通勤手当の有無など、総合的に確認しましょう。

手取り13万から脱却したい保育士のための転職サイト3選

保育士の手取りを13万円から上げる方法の一つが、高給与や待遇の良い園への転職です。

条件が良い園に転職する際は、保育士に特化した転職サイトの利用をおすすめします。

ここでは、数多くあるサイトの中から「保育士ワーカー」「マイナビ保育士」「保育士人材バンク」の3つを紹介するので、気になるものがあればチェックしてみてくださいね。

保育士ワーカー

保育士ワーカー
運営会社株式会社トライトキャリア
求人数約20,328件(2025年10月時点)
対応エリア全国
雇用形態正社員・契約社員・パート
公式サイトhttps://hoikushi-worker.com

保育士ワーカーは、非公開求人や高待遇求人が豊富な点が大きな魅力です。

給与や手当、賞与の条件が良い園を優先的に紹介してもらえるため、現状の手取りに不満がある保育士に向いています。

また、専任のコンサルタントが希望条件やキャリアに合わせて求人を提案してくれるので、昇給や処遇改善の制度が整った園を効率よく探せます。

結果として、転職による手取りアップを狙いやすいサイトです。

マイナビ保育士

マイナビ保育士
運営会社株式会社マイナビ
求人数約20,699件(2025年10月時点)
対応エリア全国
雇用形態正社員・契約社員・非常勤・パート
公式サイトhttps://hoiku.mynavi.jp

マイナビ保育士は、大手ならではの情報網とサポート力が強みです。

全国の保育園情報を幅広くカバーしており、給与や福利厚生が充実した園を優先的に提案してもらえます。

特に都市部や待遇の良い社会福祉法人運営園の求人が多く、手取りを増やしたい保育士におすすめです。

キャリアアドバイザーが条件交渉や応募書類のアドバイスも行うため、給与改善を目指す転職がスムーズに進められますよ。

保育士人材バンク

保育士人材バンク
運営会社株式会社エス・エム・エス
求人数約38,636件(2025年10月時点)
対応エリア全国
雇用形態正社員・契約社員・パート・アルバイト
公式サイトhttps://hoiku.jinzaibank.com

保育士人材バンクは地域別の求人に強く、都市部や処遇改善加算の整った園など、手取りアップに直結する職場を効率よく探せます

条件交渉や面接日程の調整をサポートしてくれるので、初めて転職をする方も安心して使用できるでしょう。

また、非公開求人も多く、給与水準が高い園や手当が充実した園に出会いやすいのが特徴のため、現状の手取りを改善するチャンスを広げられますよ。

まとめ

保育士の手取り13万円という金額は、新卒や地方で働く場合によく見られるケースで、賃金の仕組みや地域の物価、各種手当の有無などが大きく関係しています

しかし、役職に就く、公立保育士へ転職する、条件の良い園や都市部の園に転職するなどの方法で、手取りを増やすことは可能です。

自分のキャリアや生活に合った選択を検討し、安定した収入と働きやすさの両立を目指しましょう。

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この記事を書いた人

保育士歴9年。ピアノが得意で、子どもと一緒に歌をうたうことが好きでした。現在は、専業主婦兼Webライターとして活動中です。保育士や保育士を目指す方の力になれるような記事を執筆しています。

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