夏の暑さがやわらぎ始める9月は、0歳児クラスの子どもたちにとって、生活リズムを立て直す大切な時期です。
夏の疲れが体調に出やすい一方で、涼しくなって外気浴や戸外活動を再開する園も多いですよね。
0歳児クラスは月齢差が大きく、低月齢と高月齢では発達段階が全く異なるため、個人案の書き方に悩む保育士さんも多いのではないでしょうか。
本記事では、月齢別に分けた9月の個人案の書き方や現場で役立つ視点をお伝えします。
- 月齢別に分けた9月の個人案の書き方を解説
- 夏の疲れや秋の感染症への配慮の視点を紹介
- 現場で活用しやすい自己評価の例文を月齢別に掲載
けんくん先生【保育士ライター】0歳児クラスは月齢の幅がとくに広く、個人案の書き分けに毎月頭を悩ませますよね。私も新人時代、低月齢と高月齢の姿の違いに戸惑った経験があります。本記事を参考にして、無理なく書き進めていきましょう!


けんくん先生 保育士ライター
幼稚園・保育士・小学校教諭の資格を持ち、保育現場で10年勤務してきました。
子どもたちの笑顔と成長に支えられながら、発達や心の育ちを大切にした保育を実践しています。悩む先生の心にそっと寄り添えるような、現場で役立つ言葉を届けていきます。


【0歳児】9月の個人案の作成ポイント
【先輩保育士からのアドバイス】
チェックしておこう!
- 月齢による発達差を踏まえて丁寧に書き分ける
- 夏の疲れや生活リズムの回復に配慮を入れる
- 戸外活動再開に向けた環境整備の視点を記載する
- 秋の感染症対策など健康面の配慮を盛り込む
0歳児クラスは6ヵ月〜1歳5ヵ月まで発達段階が大きく異なるため、月齢ごとに姿とねらいを丁寧に書き分ける視点が欠かせません。
夏の疲れが残る9月は体調変化に注意が必要で、離乳食の進み具合や睡眠リズムを個別に記録しましょう。
涼しくなり戸外活動が再開する時期でもあるため、外気浴や散歩を計画に組み込むこともポイントですね。



0歳児は言葉での訴えが難しいので、表情や仕草からの読み取りを大切にしましょう。
【0歳児・9月の個人案】子どもの姿
【低月齢】0歳6ヵ月~0歳9ヵ月
- お座りが安定しずり這いやハイハイを始める
- 特定の保育士への後追いや人見知りが強くなる
- 喃語で盛んに声を出し表現の芽が育っていく
低月齢の0歳児は、お座りが安定してくる中で、ずり這いやハイハイで自分の意思で動く楽しさを味わい始めます。
特定の保育士を目で追い、姿が見えなくなると泣き出す後追いも見られる時期ですね。
人見知りが強くなる子も多く、担当保育士との愛着関係が心の安定に欠かせません。
「あー」「うー」といった喃語で声を発する姿も増えますよ。



夏の疲れで機嫌の波が大きい時期です。
愛着関係を軸に安心感を届けましょうね。
【中月齢】0歳10ヵ月~1歳1ヵ月
- つかまり立ちや伝い歩きで移動範囲が広がる
- 指差しで気になる物や人を盛んに伝えようとする
- 簡単な言葉かけへの理解が少しずつ深まっていく
中月齢の0歳児は、つかまり立ちや伝い歩きで行動範囲が一気に広がる時期です。
「ワンワン」と指差して犬を伝えたり、「ちょうだい」と手を差し出したりと、意思を伝える力が育ってきます。
「まんま」「ぶーぶー」など初語が出始める子もいますよ。
「おいで」「ないないしようね」など簡単な言葉への理解も進み、大人とのやりとりを楽しむ姿が見られます。



行動範囲が広がる分、転倒防止の環境整備がより大切になる時期ですね。
【高月齢】1歳2ヵ月~1歳5ヵ月
- 歩行が安定し行きたい方向へ自分で進んでいく
- 「まんま」「わんわん」など単語がぐっと増える
- 大人のしぐさや動きを真似する模倣が盛んになる
高月齢の0歳児は歩行が安定し、興味のある物や人に自分から近づいていく姿が目立ってきます。
「まんま」「わんわん」「ないない」など単語が増え、簡単な言葉のやりとりを楽しむ姿も見られますね。
保育士がバイバイと手を振ると同じように振り返すなど、模倣遊びも盛んになりますよ。
0歳児クラスの中でもリーダー的存在として、他の子への興味を示す姿が芽生えてきます。



1歳児クラスへの進級を見据えた育ちの視点を記録し始めたい時期ですね。
0歳児共通の子どもの姿
- 夏の疲れから体調を崩しやすい傾向が見られる
- 涼しくなり戸外での活動に興味を示し始める
- 気温変化により鼻水や咳が出やすくなっていく
9月の0歳児クラスでは、月齢を問わず夏の疲れが体調に表れやすい姿が目立ちます。
朝の受け入れ時に鼻水が出ていたり、機嫌が優れない子が増える傾向があります。
涼しくなる後半にかけて、ベビーカーからの景色に興味を示したり、外気に触れて気持ちよさそうな表情を見せる子も出てきますよ。
夜間の気温差から鼻風邪をひく子も多く、健康観察を丁寧に行う時期です。



登園時の視診と保護者への聞き取りをいつも以上に丁寧に行いたい時期ですね。
【0歳児・9月の個人案】ねらい
【低月齢】0歳6ヵ月~0歳9ヵ月
- 特定の保育士との愛着関係の中で安心して過ごす
- ずり這いやハイハイで体を動かす心地よさを味わう
- 喃語や表情を丁寧に受け止めてもらう体験を重ねる
低月齢の0歳児にとって、9月のねらいの第一は「特定の保育士との愛着関係の中で安心して過ごすこと」に置きたい時期です。
後追いや人見知りが強くなる中、担当保育士のそばで安心感を積み重ねる時間を丁寧に保障しましょう。
ずり這いやハイハイで体を動かす楽しさを、安全な床環境の中でのびのび味わう体験も大切にしたいですね。



ご自身の吹き出しに変更喃語には必ず言葉で返す姿勢を意識すると、表現の芽がぐんぐん伸びていきます。
【中月齢】0歳10ヵ月~1歳1ヵ月
- つかまり立ちや伝い歩きで移動する楽しさを味わう
- 指差しで気持ちや興味を伝える体験を積み重ねる
- 大人との簡単なやりとりで応答の喜びを感じる
中月齢の0歳児のねらいでは、自分で移動する楽しさをたっぷり味わう体験を保障する視点が大切です。
つかまり立ちや伝い歩きで棚や壁を伝って進むとき、達成感を共有する声掛けを丁寧に積み重ねましょう。
指差しで気持ちを伝える姿には「わんわん、いたね」と応じることで、伝わる喜びを実感する体験を届けたいですね。
言葉のやりとりの土台を育てる時期ですよ。



指差しは言葉の芽です。
指差しの先を見て、必ず言葉で返してあげましょうね。
【中月齢】0歳10ヵ月~1歳1ヵ月
- 歩く楽しさを味わい行動範囲を主体的に広げる
- 簡単な単語で気持ちや要求を伝える経験を重ねる
- 模倣遊びを通じて大人や友だちとの関わりを楽しむ
高月齢の0歳児のねらいでは、歩行を通じた主体的な行動と、言葉や模倣による関わりの広がりを支える視点が中心になります。
「あそこまで行こうね」と目標を示すと、自分で歩く喜びが育っていきます。
「まんまだね」「わんわんいるね」など単語を添えて話しかけると、言葉での表現意欲がぐっと伸びますよ。
バイバイなどの模倣を通じ、大人との関わりも楽しみましょう。



「1歳児クラスでの育ち」を意識してねらいを切り替えたい時期ですね。
0歳児共通のねらい
- 夏の疲れをいやしながら生活リズムを整えていく
- 涼しい風や外の景色に触れる心地よさを味わう
- 感染症予防に配慮しながら健康的に過ごしていく
9月のねらいでは、月齢に関わらず夏の疲れの回復と、涼しくなる季節ならではの体験を組み合わせる視点が大切です。
生活リズムを整えるため、朝の受け入れ時の様子を保護者と共有し、無理のない活動計画を立てていきましょう。
涼しい風や落ち葉、秋の日差しなど、屋外の心地よさに触れる時間も少しずつ組み込みたいですね。



9月は秋の感染症予防と換気の徹底を、ねらいの土台として必ず意識したい時期です。
【0歳児・9月の個人案】環境構成と保育者の配慮
【低月齢】0歳6ヵ月~0歳9ヵ月
- ずり這いやハイハイに適した安全な床環境を整える
- 担当保育士が視界に入る位置で活動を進める
- 後追いには焦らず穏やかな声掛けで応じていく
低月齢の子がずり這いやハイハイでのびのび動く姿を支えるため、安全な床環境を整えたいですね。
ジョイントマットで衝撃を和らげ、家具の角にはコーナーガードをつける工夫が欠かせません。
担当保育士が離れる際は「先生ここにいるよ」と声をかけて安心感を届けましょう。
人見知りが強い子には無理に近づかず、そっと見守る配慮も大切ですよ。



後追いで泣く姿は「愛着形成の証」です。
焦らず抱きしめて安心を届けたいですね。
【中月齢】0歳10ヵ月~1歳1ヵ月
- つかまり立ちに適した高さの家具を配置する
- 転倒しても安全なマットを厚めに敷いておく
- 指差しには言葉で丁寧に応じて共感を伝える
中月齢の子には、つかまり立ちを支えるため、安定した棚や手すりを室内に配置しましょう。
ぐらぐらしない家具を選び、床にはクッション性のあるマットを厚めに敷いておくと転倒時の衝撃を和らげます。
指差しで「あ!」と伝えようとする姿には、「わんわんいたね」「お花きれいだね」と言葉を返し、伝わる喜びを届ける関わりを積み重ねましょう。



「先生見て!」の気持ちを大切に受け止めることで、伝えたい意欲がぐんと伸びますよ。
【高月齢】1歳2ヵ月~1歳5ヵ月
- 歩いて探索を楽しむ広い空間と動線を確保す
- 身近な物の名前を繰り返し伝えて言葉を育てる
- 手遊びや身振りで模倣を楽しむ機会を意識的に作る
高月齢の子には歩いて自由に探索する動線を確保しましょう。
障害物を減らし、玩具は取り出しやすい低い棚に配置すると、自分で選んで遊ぶ姿が育っていきます。
「これはお花だよ」「わんわんかわいいね」と身近な物の名前を繰り返し伝え、言葉のシャワーを注ぎましょう。
手遊びやいないいないばあなど、模倣遊びも意識的に取り入れたい時期ですよ。



1歳児クラスの姿に近づく高月齢は、遊びの主体性を尊重する視点が大切です。
0歳児共通の環境構成と保護者への配慮
- 気温変化に対応する肌着や着替えを多めに用意する
- 換気と加湿を意識し感染症予防の環境を整える
- 水分補給の時間を短い間隔でこまめに設ける
9月は日中と朝夕の気温差が大きく、体温調節が未熟な0歳児には細やかな配慮が欠かせません。
半袖と長袖、羽織り物を複数用意しておくと、その日の気温に合わせた対応がスムーズになりますね。
窓を開けての換気を1時間ごとに行い、鼻風邪の子が増える時期に備えましょう。
水分補給はエアコン下でも忘れず、白湯やお茶を少量ずつ何度も促していきます。



気温差の大きい日は、登園時の服装と体調をとくに細かく確認しておきましょう。
【0歳児・9月の個人案】食育
【低月齢】0歳6ヵ月~0歳9ヵ月
- 離乳食中期の食材や形状に少しずつ慣れていく
- スプーンから食べる姿勢を優しく支えていく
- 食事の時間を楽しく感じる雰囲気作りをする
低月齢の子は離乳食中期にあたり、7倍粥や柔らかく煮た野菜など、舌で潰せる固さの食材に少しずつ慣れていきます。
「あーん、おいしいね」と笑顔で声をかけながら、スプーンで一口ずつ届けましょう。
初めての食材は少量から始め、アレルギー反応の観察も丁寧に行う配慮が欠かせません。
膝の上や椅子で姿勢を支え、安心して食事を楽しむ環境も整えましょう。



「食べる=楽しい」の土台を作る時期です。
無理強いはせず、笑顔で寄り添いましょうね!
【中月齢】0歳10ヵ月~1歳1ヵ月
- 手づかみ食べで自分で食べる意欲を大切に育てる
- 離乳食後期から完了期へと形状を移行していく
- 食材の名前を伝えて食への興味を広げていく
中月齢の子は離乳食後期から完了期に移行する時期で、5倍粥から軟飯へ、歯茎で噛める固さの食材へと段階を進めていきます。
手づかみで自分から食べようとする姿が芽生えるので、汚れても叱らず「自分で食べたね」と意欲を認める関わりを大切にしましょう。
「ブロッコリーだよ」「にんじん甘いね」と食材の名前を伝え、食への興味を広げていきましょう。



手づかみ食べは指先の発達にも大きく影響します。
汚れる前提で環境を整えたいですね。
【高月齢】1歳2ヵ月~1歳5ヵ月
- 幼児食への移行を子どもの様子に合わせ進める
- スプーンやコップを自分で使う体験を重ねる
- 「いただきます」の挨拶を一緒に楽しんでいく
高月齢の子は離乳食完了期から幼児食へ移行する時期で、咀嚼力や食べ方の様子を見ながら段階的に進めていきましょう。
スプーンを持ちたがる子には少しずつ持たせ、こぼしても「上手だね」と意欲を認める姿勢が大切です。
「いただきます」の挨拶を保育士が手を合わせて見せると、真似して同じように手を合わせる姿が育っていきます。



1歳児クラスの姿に近づく時期です。
食事のマナーの芽を大切に育てていきましょうね。
0歳児共通の食育
- 秋の食材を食事やおやつで意識的に取り入れる
- 水分補給を食事の前後にこまめに促していく
- 夏の疲れによる食欲の変化を細かく観察する
9月の食育では、旬の秋の食材を積極的に取り入れる視点が大切です。
さつまいもやかぼちゃ、りんごなど、月齢に合わせて離乳食や幼児食に加えると、季節の味覚に触れる体験が広がりますよ。
「これはさつまいもだよ、甘いね」と声をかけると、食への興味も深まります。
夏の疲れで食欲が落ちる子には無理強いせず、量や温度を工夫して食べたい気持ちを引き出しましょう。



食欲が戻らない日が続く子は、保護者と共有して家庭での様子も確認しましょうね。
【0歳児・9月の個人案】作成する際の注意点
0歳児の個人案は月齢差と発達段階を丁寧に反映する視点が欠かせません。
書き始める前にチェックしましょうね。
注意点を確認しておこう!
- 月齢ごとに姿とねらいを具体的に書き分ける
- 夏の疲れや体調変化への配慮を盛り込む
- 戸外活動再開に向けた環境の視点を入れる
- 秋の感染症予防と健康観察を明記する
「ハイハイした」だけでは援助方針が立ちません。
「Aちゃんがハイハイでおもちゃまで進む場面で後ろから声をかけ意欲を支える」など、月齢の姿と援助を具体的に書きましょう。
【0歳児・9月の個人案】自己評価・反省の例文
個人案の最後に記載する自己評価・反省は、次月の保育計画へつなげる重要な見直しの機会です。
ここでは0歳児クラスの3つの月齢別に分けて、現場でそのまま活用しやすい例文をご紹介していきますね。
低月齢の自己評価・反省の例文
- 後追いで泣くA児には抱っこや歌で丁寧に応じ、少しずつ担当保育士のそばで安心して過ごす姿が増えた
- ずり這いでおもちゃに向かうB児に「上手だね」と声をかけ、意欲的に体を動かす場面が広がってきた
- 喃語での発信に必ず言葉で応じ、表情も豊かに反応する姿が見られるようになった



低月齢は「安心の土台」を軸に振り返りましょう!
中月齢の自己評価・反省の例文
- つかまり立ちに挑戦するC児を後ろから見守り、達成感を共有する声掛けを積み重ねた
- 指差しで「わんわん」と伝えるD児に「かわいいね」と応じ、伝わる喜びを一緒に味わう場面が増えた
- 手づかみ食べを大切に見守り、自分で食べたい意欲を尊重する関わりを継続した



行動範囲が広がる時期です。
安全面と意欲の両立を振り返りましょう。
高月齢の自己評価・反省の例文
- 歩行が安定してきたE児の探索を見守り、興味に応じた声掛けで意欲を支えた
- 「まんま」「わんわん」と単語で気持ちを伝えるF児に、言葉を添えて返す関わりを重ねた
- バイバイやパチパチの模倣遊びを楽しむ姿が広がり、友だちとの関わる姿が育ってきた



高月齢は1歳児クラスにつながる育ちの姿を意識して記録しましょう!







