保育教諭は、認定こども園で子どもの保育・教育を同時に行う保育者です。
保育士資格、幼稚園教諭免許の両方の取得が必要で、保育と教育に関する専門的な知識を持ちあわせるスペシャリストと言えます。
本記事では、保育教諭の仕事内容や取得方法を詳しく解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
- 保育教諭は保育士と幼稚園教諭両方の資格を持ち、認定こども園で子どもたちを支援する者を指す
- 「保育」「教育」の2つの視点から子どものサポートを行う
- 保育教諭を目指す最短ルートは、養成課程のある学校に通い卒業すること
- 粘り強く、臨機応変に対応できる人やチームで協力して仕事ができる人に向いている
【元保育士】ゆぴライター共働き家庭の増加や認定こども園の普及に伴い、保育教諭の需要は以前より高くなっており、求人サイトでも募集職種として見かける機会が増えています。「保育・教育どちらも携わってみたい」という方にぴったりの働き方です。


ゆぴ 元保育士ライター
保育士歴9年。ピアノが得意で、子どもと一緒に歌をうたうことが好きでした。現在は、専業主婦兼Webライターとして活動中です。保育士や保育士を目指す方の、力になれるような記事を執筆しています。
保育教諭とは?
保育教諭は、保育士および幼稚園教諭の資格を併せ持ち、認定こども園において保育と教育の両面から子どもを支援する専門職です。
年齢、発達に合わせて遊びや学びを支え、生活の中で子どもが安心して成長できるよう寄り添います。
歌や製作、行事などを通して、子どもの「できた!」という喜びを一緒に見守る、あたたかな存在です。
保育教諭の定義と役割
保育教諭の定義は「保育士資格と幼稚園教諭免許の両方を持っている保育者」で、認定こども園で子どもの保育と教育を行う役割があります。
発達のサポートや子育て支援、行事の計画など多方面から保育に携わります。
- 0歳から就学前までの子どもの成長・発達を支える
- 遊びや生活を通して心と体の発達を促す
- 家庭と連携し、子育て支援を行う
- 行事や日々の活動を企画・実施する
保育教諭は、子どもが安心して過ごせる環境を整えながら、学びの芽を育てる大切な存在です。
保育士・幼稚園教諭との違い
保育士と幼稚園教諭はどちらも子どもの成長を支える仕事ですが、働く場所や役割に少し違いがあります。
- 保育士:保育園などで0歳〜就学前の子どもの生活全般を支える。食事・排せつ・着替えなど日常生活の援助が中心
- 幼稚園教諭:幼稚園で3歳〜就学前の子どもに、遊びや活動を通して教育を行う
つまり、保育士は「生活の中で育てる」、幼稚園教諭は「学びを通して育てる」役割が強く、どちらも子どもの健やかな成長に欠かせない存在です。
保育教諭が働く「認定こども園」とは?
保育教諭が働く認定こども園には4つのタイプがあり、それぞれ運営主体や特徴が異なります。
| タイプ | 主な運営主体 | 特徴・役割 |
|---|---|---|
| 幼保連携型 | 自治体・法人など | 幼稚園と保育園の機能を一体化。すべての年齢に保育教諭が対応 |
| 幼稚園型 | 学校法人など | 幼稚園が保育機能を追加。教育重視のこども園 |
| 保育所型 | 社会福祉法人など | 保育園が教育機能を取り入れた形。長時間保育が可能 |
| 地方裁量型 | 自治体 | 地域の実情に応じて柔軟に運営されるタイプ |
それぞれの施設で地域のニーズに合った支援を行っています。


認定こども園と保育園・幼稚園との違い
「認定こども園や保育園、幼稚園の違いがいまいち分からない」という人も多いでしょう。
以下の表は、それぞれの特徴や違いを簡単にまとめたものです。
| 項目 | 認定こども園 | 保育園(保育所) | 幼稚園 |
|---|---|---|---|
| 管轄 | 内閣府(文科省・厚労省と連携) | 厚生労働省 | 文部科学省 |
| 対象年齢 | 0歳〜就学前 | 0歳〜就学前 | 3歳〜就学前 |
| 利用条件 | 誰でも利用可能(就労の有無を問わない) | 保護者が働いているなど「保育の必要性」がある場合 | 満3歳以上で希望すれば誰でも可 |
| 保育時間 | 7:00〜18:00前後(園により異なる) | 7:00〜19:00前後(延長保育あり) | 9:00〜14:00前後(預かり保育あり) |
| 職員資格 | 保育教諭(保育士+幼稚園教諭免許) | 保育士 | 幼稚園教諭 |
認定こども園は、保育園と幼稚園の両方の機能をあわせもち、「保育」と「教育」を一体的に行う施設です。
家庭の状況に関わらず利用できるのが大きな特徴でしょう。
保育教諭の仕事内容
保育教諭の仕事は、保育士や幼稚園教諭と何が違うのか気になりますよね。
実際の仕事内容は子どもの生活のサポート、行事や製作の企画など他の保育職とさほど変わりありません。
ここでは保育教諭の仕事内容や勤務体制を解説します。
保育教諭の仕事内容をしっかりと理解しておくことで、スムーズに働けるでしょう。
保育教諭の主な仕事内容
保育教諭は、認定こども園で子どもたちの「保育」と「教育」の両方を行うのが主な仕事内容です。
年齢や発達に合わせて、一人ひとりの成長を見守りながら日々の生活を支えます。
- 食事・着替え・排せつなど生活習慣のサポート
- 遊びや活動を通した心と体の発達支援
- 行事や製作、季節のイベントの企画・実施
- 保護者への連絡・相談対応や子育て支援
- 記録やカリキュラムの作成
子どもたちが安心して笑顔で過ごせるよう、生活と学びの両面から寄り添うのが保育教諭の大切な役割です。
保育士・幼稚園教諭との業務の違い
保育教諭は、保育士と幼稚園教諭両方の役割を担うのが特徴です。
| 職種 | 主な業務 |
|---|---|
| 保育士 | 乳幼児の生活全般の援助(食事・排せつ・着替えなど) |
| 幼稚園教諭 | 遊びや活動を通した教育、学びの指導 |
| 保育教諭 | 上記両方を担当し、生活と学びを一体的に支える |
保育教諭は、子どもが安心して過ごせる環境を整えつつ、成長や発達に合わせて生活と教育をバランスよく行う必要があります。
保育教諭の勤務体制
保育教諭の1日のスケジュール例は、以下の通りです。
| 時間 | 主な活動 |
|---|---|
| 7:00〜9:00 | 登園・自由遊び・受け入れ対応 |
| 9:00〜10:00 | 朝の会・体操・歌・絵本の読み聞かせ |
| 10:00〜11:30 | 年齢別活動(製作・外遊び・学びの遊び) |
| 11:30〜12:30 | 昼食・歯みがき・休息のサポート |
| 12:30〜14:30 | 午睡・見守り・個別対応 |
| 14:30〜15:30 | おやつ・自由遊び |
| 15:30〜17:00 | 帰りの会・保護者対応・片付け |
| 17:00〜18:00 | 延長保育・日誌作成・翌日の準備 |
園や年齢によって内容、時間は前後する場合もあるでしょう。
保育教諭のリアルな声を聞いてみた!「正直、大変ですか?」
「保育教諭は大変って言うけれど、実際はどうなのだろう?」「保育教諭として働いている方の体験談を聞きたい」と思う方もいると思います。
ここでは、実際に保育教諭として勤務経験がある3名の方のリアルな声をご紹介します。
保育教諭のやりがいや大変な点、日頃の悩みなどを詳しく挙げているので、働く前の参考にしてみてください。
体調管理が難しい(ましろさん/20歳/女性/保育教諭歴:新卒)
こちらの方は、子どもの成長を間近で見守れることをやりがいに感じている反面、風邪を引きやすい、睡眠不足などの悩みを抱えているようです。
【保育教諭になって良かった点は?】
0歳児副担任としてクラスに入っているのですが、子どもたちがつかまり立ちをできるようになったりそこから歩けるようになったり、入園当初は泣きじゃくっていたのが少しずつなれて来てくれたり…そんな子どもたちの凄まじい成長を近くで見守れることが幸せです
【保育教諭の大変な部分・日頃の悩みなどはありますか?】
子供の菌は強いです…よく風邪をもらってしまいます。
また、遅番の次の日が早番だと、どうしても睡眠時間を確保することが難しい場合もあり、悩んでいます



私も保育士時代、風邪や溶連菌、胃腸炎など子どもから様々な菌をもらっており、体調管理には苦戦していました。
【これから保育教諭を目指そうとしている人に一言お願いします!】
子どもたちはとにかく可愛いです。もちろん大変なこと、辛いと感じることもありますが子どもの成長をこんなに間近でサポートできるだなんてとても幸せなことだと思います。
学生時代はテストにレポートにアルバイトに…色々なことに追われて大変でしたが頑張って良かったなと保育教諭になった今感じています。
夢を諦めず、ぜひ最後まで頑張ってください



保育教諭として現場で働くまでは学ぶことも多く大変ですが、実際に子どもと関わりを持って働ける瞬間は、この上ない幸せです。
多様化する家庭環境や子どもへの援助の難しさを感じる(kappaさん/26歳/女性/保育教諭歴:5年6ヶ月)
子どもの笑顔を見れたり保護者からお礼を言われたりした時に喜びを感じると言うこちらの方は、複雑な家庭や障害を持つ子どもそれぞれへの援助に苦労しているようです。
【保育教諭になって良かった点は?】
運動会、お遊戯会等の行事に注力している園なので、本番の達成感や子どもの出来たと喜んでいる姿が嬉しいです。子どもたちが自分を好きだと言ってくれる時や、子どもの笑顔を見れた時が幸せです。
保護者の方から自分が担任でよかったや、卒園後幼稚園に戻りたいと言っていただけた時はすごく嬉しいです。
小さな成長を感じた時や、卒園時の感慨深さは、オフィスで働いている方にはなかなか経験できない感情だと思います。
【保育教諭の大変な部分・日頃の悩みなどはありますか?】
様々な家庭があるので複雑なご家庭への援助。障がいを持たれている子や、特徴を持った子が増えているように感じ、援助が難しいなと思います。
幼稚園は1人担任の場合も多く、1人で25人前後30人弱をみることに大変さを感じます。
行事に力を入れている園のため、その年の実際の子どもの様子と、例年の子どもたちの出来具合を園長が比べることがあり、行事自体の完成度の高さを求められることが大変だと感じます。



複雑な家庭、障害をもつ子などの援助は誰でも苦戦するもの。とにかくたくさん経験を積むことが、一人前の保育教諭になる道への鍵です。
【これから保育教諭を目指そうとしている人に一言お願いします!】
自分の理想とする保育と、実際にお仕事する園の保育方針を妥協せずに選ぶことが大事だと思います。
学生時代の実習が一番大変ですが、仕事の方が辛いことは少ないように感じます。
実習を乗り越えて、大好きな子どもたちと楽しく過ごせる素敵な職を選んでいただきたいです。
園選びは本当に重要です。沢山見て選んでください。



園によって保育方針や力を入れている行事、カリキュラムなどが大きく異なります。自分の理想に合う職場を探してみてください。
子どもたちの可能性を伸ばす・引き出す支援の大切さを感じる(nya_naさん/30歳/女性/保育教諭歴:10年)
幼い頃からの夢である保育教諭になれたこちらの方は、実際に働いてみて命を預かる責任、子どもの可能性を伸ばす支援など、毎日が大変でありながらも充実感を持って働いています。
【保育教諭になって良かった点は?】
保育教諭の夢は、小学生の頃からだったので念願の夢が叶ってまずは嬉しかった。
今は、10年が経ち、3園目ではありますが、2年ほど前に初めての年長クラスを持てたことが1番喜びだし、それぞれお世話した子が大きくなる成長を見たり、保護者からクラス離れても声掛けてくださると嬉しい。
【保育教諭の大変な部分・日頃の悩みなどはありますか?】
毎日が大変だと感じています。
まずは命を預かっている責任もある中で子どもたちの可能性を伸ばしたり引き出さなければならないし、噛みつきなどの成長過程も通って当たり前ですがやはり防ぐのに毎日苦労はしています。



特に乳児は怪我が付きもの。私も0歳児を担当していた際は、怪我や子ども同士のトラブルが発生しないよう神経を尖らせて見守っていました。
【これから保育教諭を目指そうとしている人に一言お願いします!】
保育教諭は、遊んでるだけでしょ。大変でしょ。って偏見があるかもしれません。
正直、学校で学んだことよりも実際現場に入って初めて経験することも数多くあります。
折れてしまう事があったり、身体を痛めやすいこともあるかもしれませんが、子どもの笑顔に勝てるものはありません。
どんなに辛くても子どもの笑顔、せんせー。って呼んでくれたり時にはギューって甘えてくれる姿に癒されることでやりがいだったりになること間違いなしです。
自信もって頑張ってください。そして自分なりにオンオフを作って楽しみましょ。



保育教諭は体力的にもハードな仕事ですが、子どもの笑顔を見れば疲れが一気に吹っ飛びますよ!
保育教諭の資格取得方法
保育教諭になるためには、保育士資格と幼稚園教諭の両方の資格を取得する必要があります。
取得ルートはいくつかありますが、大学や専門学校など養成課程の学校に通うのが最短ルートでしょう。
保育教諭を目指す方は、今のうちに取得方法を頭に入れておいてくださいね。


最短ルートは養成課程のある学校
保育教諭を目指すなら、保育士と幼稚園教諭の両方の資格を同時に取得できる、養成課程のある学校に通うのが最短ルートです。
- 短大・専門学校・大学で「保育士養成課程」と「幼稚園教諭養成課程」を併修
- 卒業と同時に両方の資格を取得可能
- 学校では実習も組み込まれており、現場経験を積みながら資格取得ができる
このルートなら、資格取得までの時間を最小限に抑えつつ、認定こども園で働く準備を効率的に進められます。
すでに資格を持っている人は特例制度が使える
保育士資格を取得していれば、幼稚園教諭免許状取得の特例制度を活用することで保育教諭への道が開けます。
- 保育士資格を保有している
- 保育士としての勤務経験が「3年かつ4,320時間以上」ある人
幼稚園教諭免許状の取得方法は以下の通りです。
- 指定の大学等で「8単位」を修得
- 各都道府県の教育委員会に申請し、教育職員検定を受験
- 合格後、幼稚園教諭免許状が授与される
この特例制度を活用すれば、保育士資格を活かしながら保育教諭としてのキャリアを築くことができます。
詳細や手続きについては、お住まいの自治体にお問い合わせください。
資格取得にかかる時間と費用
保育教諭になるには、保育士と幼稚園教諭の両資格を取得する必要があり、学習期間や費用面での負担も生じるため、計画的な準備が求められます。
最短ルートは両方の資格を同時に取得できる養成課程に通うことで、時間と費用を効率的に抑えられます。
- 短大・専門学校:2〜3年で両方の資格を同時取得可能
- 大学:4年間で取得可能
- 片方の資格をすでに持っている場合は、追加取得で1〜2年程度
- 短大・専門学校:総額200〜300万円程度
- 大学:総額400〜600万円程度
- 既存資格を活かす場合は、単位取得のみで数十万円〜で済むことも
保育教諭の給料や待遇は?
保育教諭の給料や待遇は勤務先の種類や地域、年齢などによって異なりますが、キャリアアップしたり家賃補助制度などを使用したりすることで、納得のいく給料を得ることも可能です。
ここでは、保育教諭の平均年収や待遇などを詳しく解説します。
保育教諭を目指す方も、保育教諭として給料を上げたい方もぜひ参考にしてみてください。
保育教諭の平均年収・賞与
保育教諭の平均年収は、令和6年度の賃金構造基本統計調査によると約406万8,100円です。
この内訳は、月額給与が約277,200円、年間賞与等が約741,700円となっています。
また、保育教諭の年間賞与額は、同調査によれば約808,100円であり、保育士の平均賞与額(約741,700円)よりも高い水準となっています。
なお、これらの数値は全国平均であり、地域や勤務先の種類(公立・私立)、経験年数などによって異なる場合があるでしょう。


キャリアアップ制度や家賃補助は使える?
保育教諭は、公立・私立に関わらずキャリアアップ制度や家賃補助などの福利厚生を利用できる場合があります。
- キャリアアップ制度:研修や資格取得支援、主任保育士・園長への昇進など、経験やスキルに応じた制度があり、給与や役職に反映される
- 家賃補助:自治体や法人によっては、転居を伴う就職者向けに家賃補助や借り上げ社宅制度があり、生活費の負担を軽減できる
制度の内容や条件は園や自治体ごとに異なるため、事前確認を忘れないようにしましょう。
主幹保育教諭・指導保育教諭とは?
認定こども園や保育園では、経験やスキルに応じて「主幹保育教諭」「指導保育教諭」という上位職があります。
それぞれの役割と待遇の目安をまとめました。
| 職種 | 役割 | 待遇の目安 |
|---|---|---|
| 指導保育教諭 | 現場の保育教諭を指導・助言し、保育の質を向上させる | 経験や役割に応じて給与加算や手当あり |
| 主幹保育教諭 | 園全体の保育計画・運営の中心となり、指導保育教諭を統括 | 指導・管理職手当が付き、主任より高待遇の場合もある |
どちらも園内で教育・保育の質を高める重要なポジションで、給与や責任は一般の保育教諭より上がります。
経験年数や資格、研修の修了が昇格条件になることが多いです。
保育教諭に向いている人・向いていない人
「どのような人が保育教諭に向いているんだろう」「保育園でしか勤務経験がないけれど、役割が務まるか不安」という人もいるのではないでしょうか。
保育教諭は、子どもと密に関わり生活と学びを支える仕事であるため、どうしても向き不向きがあります。
自分は保育教諭に向いているか、事前に確認しておくことが大切です。
向いている人の特徴
子どもと関わることが好きで、日々の小さな成長を喜べる人は保育教諭に向いています。
柔軟に対応でき、臨機応変に行動できることも大切です。
チームで協力して仕事を進められ、子どもや保護者、同僚に寄り添う気持ちを持てる人は、安心できる環境づくりや教育・保育の質向上にも貢献できます。
- 子どもと関わることが好きで、笑顔を大切にできる
- 粘り強く、臨機応変に対応できる
- チームで協力して仕事ができる
向いていない人の傾向
子どものペースや感情に合わせることが苦手な人、ストレスや変化に弱い人は長期的に保育教諭を続けるのが難しい場合もあります。
体力的・精神的な負荷が大きいため、集中力や忍耐力に自信がない人は、仕事のやりがいや子どもとの関わりを楽しむことが難しくなるケースもあるでしょう。
- 集中力や忍耐力に自信がない
- 人のペースや感情に合わせることが苦手
- 体力的・精神的な負荷に弱い


保育教諭として働くメリット・デメリット
保育教諭は「教育・保育両面のスキルが身に付く」「キャリアアップが見込める」などのメリットがある一方、「資格取得が大変」「休みが不規則」といったデメリットも少なからず存在します。
事前にメリット・デメリット両方を理解しておくことで、就職後のギャップを防げるでしょう。
保育教諭として働くメリット【スキル・将来性などで有利】
保育教諭として働く主なメリットは以下の3点です。
- 教育・保育両面のスキルが身につく
- 将来性がある
- 保護者からの信頼を得やすい
生活面の支援だけでなく、就学に向けた教育的な指導も行うため、幅広い専門性が培われます。
また、認定こども園や共働き家庭の増加により、今後もニーズが高まる将来性のある職業です。
さらに、子どもの成長を家庭と連携して支える立場のため、保護者から信頼を得やすく、「先生がいてくれて安心」と感謝される場面も多く、やりがいを感じられるでしょう。
保育教諭として働くデメリット【資格取得までが大変】
メリット以外に、保育教諭として働くデメリットもあります。
- 資格取得に時間と費用がかかる
- 休みが不規則になることがある
保育教諭になるには「保育士資格」と「幼稚園教諭免許」の両方が必要で、最短でも2〜3年の養成課程を修了しなければなりません。
そのため、学費や学習負担が大きくなります。
もう一つのデメリットは、休みが不規則になりやすい点です。
園によっては土曜日保育や行事の準備で休日出勤する場合もあり、一般的な土日休みとは異なる勤務体制になるため、家庭やプライベートとの両立が課題になることもあるでしょう。
保育教諭への転職・キャリアアップの方法
保育教諭を目指す場合は、保育士や幼稚園教諭と同様に履歴書作成、面接対策などの準備が必要です。
「履歴書の書き方がわからない」「面接では何に注意したら良い?」と準備する上での不安要素は多いと思います。
それぞれのポイントを理解し、万全の状態で就職・転職活動に臨めるようにしましょう。


履歴書・職務経歴書の書き方
保育教諭を目指す場合、履歴書・職務経歴書は子どもへの思いや自身の実務スキルを具体的に伝えることが大切です。
- 志望動機:子どもへの思いと、教育・保育両面で貢献したい姿勢を明確に書く
- 自己PR:コミュニケーション力・責任感・柔軟性などを具体的なエピソードで示す
- 職務経歴書:経験園での担当業務や行事運営の実績を簡潔にまとめる
文章を通し、「子どもの成長を支えるやりがい」や「チーム保育への意欲」を伝えると好印象です。
現場経験がある場合は、年齢別保育や保護者対応の経験も強みになります。


面接でのポイント
保育教諭の面接では、人柄や子どもへの思いや協調性が重視されるので、知識や経験だけでなく、温かさや誠実さが伝わる受け答えが大切です。
- 笑顔と明るい挨拶を意識する
- 子どもへの思いを具体的に語る
- 同僚や保護者との協力を大切にする姿勢を示す
また、「敬語や姿勢など基本的なマナーを意識する」「園の方針を理解して受け答えする」といった点に注意しましょう。
自分の経験を交えつつ、子どもや職員への思いやりを感じさせる受け答えができると好印象です。


保育教諭を辞めたくなったらどうする?
保育教諭として働く中で、人間関係や忙しさから「辞めたい」と感じる場合もあるでしょう。
そんな時は、無理をして続けるより自分に合った職場環境を見つけることも大切です。
近年では、保育士や保育教諭向けの転職支援サイトやエージェントを利用する人が増えています。
非公開求人や職場の雰囲気を詳しく知れるサービスも多く、安心して転職活動を進められるので、今の働き方に悩んでいる場合は一度プロに相談してみるのもおすすめです。


保育教諭にまつわるよくある質問Q&A
「保育教諭は国家資格なの?」「英語やピアノはできた方がよい?」など、保育教諭にまつわる疑問は多いと思います。
今回は、その中でもよくある質問を4つ挙げました。
就職する前に気になる疑問を解決しておけば、心にゆとりを持って働き始められるので、この際にチェックしておきましょう。
英語やピアノは必要?
結論から言うと、保育教諭になるために英語やピアノの実力はあれば有利であるものの、必須ではありません。
英語力が求められるのは、英語教育に力を入れている園やインターナショナル園であるため、一般の保育園やこども園では英語が話せなくても問題ないでしょう。
ピアノについては、弾けなくてもCD音源を使う園も多いので完璧に弾ける必要はありません。
欲を言えば、簡単な童謡が弾ける程度のスキルがあると良いですね。
認定こども園で働けるのは保育教諭だけ?
認定こども園で働けるのは保育教諭だけではないです。
ただし、どのような役割で働くかによって以下のように必要な資格が異なります。
| 職種 | 主な仕事内容 | 必要な資格 |
|---|---|---|
| 保育教諭 | 0歳~就学前の子どもの保育・教育 | 保育士資格+幼稚園教諭免許(両方) |
| 保育士 | 乳児など主に「保育」担当 | 保育士資格 |
| 幼稚園教諭 | 主に3歳以上児の「教育」担当 | 幼稚園教諭免許 |
| 保育補助(無資格) | 保育教諭のサポート、掃除や見守りなど | 資格不要(園による) |
将来長く働きたい、キャリアアップしたい方は保育教諭になるのが有利でしょう。
保育教諭は国家資格ですか?
「保育教諭」という国家資格は存在しないものの、保育教諭になるためには「保育士資格」「幼稚園教諭免許状」どちらかの国家資格を取得する必要があります。
| 必要な資格 | 種類 | 管轄 |
|---|---|---|
| 保育士資格 | 国家資格 | 厚生労働省 |
| 幼稚園教諭免許状 | 国家資格(教員免許) | 文部科学省 |
保育教諭は認定こども園で働くための職種であり、上記2つの資格を両方取得しなければなりません。
保育教諭は公務員ですか?
保育教諭は勤務先のこども園の運営主体により、公務員にも民間職員にもなれます。
市町村が運営する公立こども園に採用される場合は公務員、私立の認定こども園で働く場合は民間の職員になります。
どちらであっても保育教諭という職種自体は同じで、公立か私立かで雇用形態が変わるイメージです。
まとめ
保育教諭は、子どもの生活と学びの両面を支える専門的な職業です。
保育士と幼稚園教諭の役割をあわせ持ち、子どもの成長に深く関わるやりがいがあります。
資格取得には一定の時間と費用が必要ですが、その分幅広い知識や経験を得られるのが魅力です。
近年は待遇やサポート体制も改善されており、自分に合う環境を選ぶことで安心して長く働ける職場を見つけることができるので、納得のいく職場を見つけてみてくださいね。








