2歳児になると指先の機能が発達し、紙を破ったり物をねじったりなどの手先を使う動作が活発になります。
「2歳児でできる製作には何があるだろう?」「はさみを使うのはまだ危ないかな?」
このように、2歳児の製作に悩む保育者の方もいるのではないでしょうか。
本記事では、2歳児の製作でできることや、季節別のおすすめ製作物をご紹介します。
2歳児の保育に携わっている保育者の方は、ぜひ最後までご覧ください。
- 簡単こいのぼり
- ソフトクリーム作り
- ふっくらさつまいも
- ちぎり絵で作る鬼のお面
2歳児ができることとは?ハサミは使える?【製作を選ぶ時のポイントとは】
2歳児になると、以下のようにできることが増えます。
- クレヨンで「かお」「くるま」など自分なりにイメージしたものを描く
- 積み木やブロックを組み合わせたりさまざまな形に作り上げたりする
- 粘土を手のひらで広げたり細く伸ばしたりする
- 袋に物を入れたり布で物を包んだりする
特に指先の発達が進むので、細かい動きができるようになり、ハサミなら1回切り程度ならできるようになります。
また、2歳児は自己主張が強くなる時期でもあり、「自分でやりたい」「この色がいい」などこだわりがでてくるのが特徴です。
製作を選ぶときは、「クレヨンやのり、粘土など指先を使う道具を使用するか」「材料の形や色など、子どもが選択できる要素があるか」などに注目してみてください。
2歳児ができるおすすめの製作【春】
ひなまつり製作
3月は、お花紙で作る「ひなまつり製作」がおすすめです。
お花紙をちぎったり丸めたりする工程は、指先がしっかり使えます。
顔の部分はシールを貼ってもよいですが、クレヨンで顔を描いてもかわいく仕上がります。
台紙の上部に開けた穴に紐を通して吊るす、背面に画用紙を貼って立てかけるなど、飾り方はお好みで選んでみてください。
飾った製作物を見ながらひなまつりの歌をうたえば、よりひなまつり気分を味わえますよ。
適した年齢:2〜3歳児
必要な材料と道具
必要な材料
- お花紙
- 色画用紙
- 丸シール
必要な道具
- のり
- 両面テープ
- はさみ
作り方
- 花紙をちぎって丸める(何色か用意しておくとかわいい仕上がりになります)
- 丸く切っておいた体の台紙に両面テープを貼る(この工程は保育者が行います)
- 花紙を貼り付ける
- 用意しておいた顔の台紙にシールで作った顔のパーツを貼る(クレヨンで描いてもかわいいです)
ちょうちょ製作
新年度が始まって間もないうちは子どもも保育者も環境に慣れていないので、工程が少なく難易度の低い製作物を選び、落ち着いた雰囲気のなかで活動に取り組めるようにしましょう。
シールで模様を描くちょうちょ作りは、簡単に作れる春にぴったりの製作です。
シールを剥がしたり貼ったりする姿をみながら、子ども一人ひとりの指先の発達具合を確認してみるのもよいですね。
完成したら壁面にして、子どもと一緒に春の訪れを感じてみてください。
適した年齢:1歳児〜2歳児
必要な材料と道具
必要な材料
- 丸シール
- 色画用紙
- モール
必要な道具
- はさみ
- のり
- セロハンテープ
作り方
- 作っておいたちょうちょの台紙にシールを貼る
- あらかじめ用意した顔と体のパーツをのりで貼る(クレヨンで顔を描いてもかわいいです。糊付けが難しければ保育者が行いましょう)
- セロハンテープでモールをつけて完成(この工程は保育者が行います)
簡単こいのぼり
こどもの日がある5月は、「こいのぼり製作」をしてみてはいかがでしょうか。
こいのぼりの台紙やシールは数種類用意しておき、子どもたちが自分で好きなものを選べるようにしましょう。
シールを剥がす作業は、指先をしっかり使えます。
丸く切っておいた画用紙に、のりをつけて貼ってみるのもよいですね。
完成したこいのぼりは壁面にするとかわいいですが、ストローやチラシなどを棒状にしたものを台紙に貼れば持ち運びも可能なので、お散歩のお供にもぴったりです。
適した年齢:2歳児〜4歳児
必要な材料と道具
必要な材料
- 色画用紙
- 半分に切った丸シール
必要な道具
- はさみ
- クレヨン
- マジックペン
作り方
- 事前にこいのぼりの台紙を画用紙で作っておく(この工程は保育者が行います)
- 半分に切っておいたシールを貼る(画用紙で代用してもOK、何種類かの色や大きさを用意しておくとかわいく仕上がります)
- 目(丸く切った画用紙)やひげをつけて完成(クレヨンやマジックペンで黒目やひげを描いてもOK)
2歳児ができるおすすめの製作【夏】
オクラスタンプであじさい製作
野菜の断面を使用する「野菜スタンプ製作」は、野菜の形や感触に興味がもてて食育にもつながります。
今回はオクラを使用していますが、レンコンやピーマン、玉ねぎなども野菜スタンプにおすすめの食材です。
保育施設で野菜を育てている場合は、収穫した野菜を使用すればより子どもの興味関心を引き立てられるでしょう。
生のオクラは、産毛やトゲがチクチクと当たり手に刺さる危険があるので、必ず下処理をしてから使用してください。
室内活動が増える梅雨の時期は、室内でのんびりと製作を楽しんでくださいね。
適した年齢:0歳児〜5歳児
必要な材料と道具
必要な材料
- オクラ
- 画用紙
必要な道具
- 絵の具
- パレット(容器の蓋などを代用してもOK)
- クレヨン
- はさみ
作り方
- 下処理したオクラをヘタがつまめるくらいの幅に切り落とす(オクラに塩をまぶし、まな板の上でゴロゴロ転がすと産毛やトゲがとれます)
- パレットに絵の具をいれる(水分は多過ぎない方がきれいに押せます)
- オクラを絵の具につけて画用紙にスタンプする(画用紙をあじさい型に切ってもかわいいです)
- クレヨンで葉っぱを描いて完成(かたつむりやかえるを描いたり折り紙で作ったりして貼るのもおすすめです)
プチプチ金魚鉢
「プチプチ金魚鉢」は、立てて飾れる夏にぴったりの製作物です。
プチプチの模様が、本当の泡のように見えるのがポイント。
気泡緩衝材をポンポンと当てる工程は、インク型のスタンプとは異なる感触を味わえます。
クレヨンで魚や水草を描いて、一人ひとりオリジナルの金魚鉢を作ってみても楽しいです。
完成後は室内のロッカーの上などに飾ると、暑い夏でも一気に涼しさを感じられますよ。
適した年齢:2〜3歳児
必要な材料と道具
必要な材料
- 色画用紙
- 小さいペットボトル
- 気泡緩衝材(プチプチ)
- 輪ゴム
必要な道具
- 絵の具
- クレヨン
- はさみ
- のり
- パレット
作り方
- ペットボトルに気泡緩衝材(プチプチ)をつけ、絵の具でスタンプする
- 画用紙を切り金魚鉢の台紙に貼る(切る工程は保育者が行います)
- 用意しておいた金魚や水草の画用紙をのりで貼る(金魚の顔や水草をクレヨンで描いてもかわいいです)
- 丸い画用紙を半分に切り台紙の後ろに貼って完成(この工程は保育者が行います)
ソフトクリーム作り
暑い夏にぴったりなのが、「ソフトクリーム作り」です。
色画用紙を細かく切る工程は、はさみの1回切りの練習にちょうどよいです。
2歳児がはさみを使うには慣れていない時期なので、はさみの使用時は必ず保育者が側で見守り、危険のないように十分注意してください。
また、画用紙をのりで貼ったりフラワーペーパーを丸めたりと指先を使う練習になります。
完成したソフトクリームは、ごっこ遊びや夏祭りの飾りなど夏の遊びに大活躍しますよ。
適した年齢:2〜3歳児
必要な材料と道具
必要な材料
- 色画用紙
- 紙コップ
- ストロー
- マスキングテープ(折り紙でも代用OK)
- フラワーペーパー
必要な道具
- はさみ
- のり
作り方
- 紙コップにマスキングテープを貼ってコーンを作る(この工程は難しいので保育者が行ってもよいでしょう)
- 色画用紙を細かく切ってトッピングを作る(切った色画用紙を入れる箱を用意しておきましょう)
- フラワーペーパーを丸めてコーンに入れる
- のりでトッピングを貼り付ける
- ストローを刺して完成
2歳児ができるおすすめの製作【秋】
コロコロどんぐりくん
「コロコロどんぐりくん」は、ビー玉を転がしてどんぐりの帽子の模様を作る、秋ならではの製作です。
絵の具をつけたビー玉がコロコロと転がって模様を描く様子は、子どもはもちろん大人が見ていても面白いです。
念のため、ビー玉の誤飲には十分注意してください。
画用紙を貼る、モールを丸める工程は、指先の発達が期待できます。
完成したどんぐりは、園庭や散歩先で拾ったどんぐりと一緒に室内に飾れば、より秋を演出してくれますよ。
適した年齢:2〜5歳児
必要な材料と道具
必要な材料
- 画用紙
- ビー玉
- モール
必要な道具
- 絵の具
- クレヨン
- テープ
- のり
- はさみ
- トレー
作り方
- 画用紙をどんぐり型に切っておく(この工程は保育者が行います)
- 絵の具をつけたビー玉をトレーに入れた画用紙の上で転がす(何色か使用するときれいな模様になります)
- 絵の具が乾いたら画用紙を帽子の形に切りどんぐりの台紙にのりで貼る(切る工程は保育者が行います)
- モールを手足用に4本ずつカットし先を丸める(切る工程は保育者が行います。丸める工程は様子を見ながら援助してあげましょう)
- クレヨンで顔を描き手足をつけて完成(モールをつける工程は保育者が行います)
秋色のあおむしさん
「秋色のあおむしさん」は、秋にぴったりなあおむしの製作です。
普段投げたり飛ばして遊ぶ風船が製作の道具に一変し、子どもたちの興味を引き立てます。
子どもが1人で風船を持つのは難しいため、保育者が手を添えてあげると押しやすいです。
子どもたちが大好きな「はらぺこあおむし」の曲を歌いながら製作すれば、より楽しめますよ。
完成したら、壁面にしたりストローをつけてペープサートごっこをしたりしても面白いです。
適した年齢:2〜3歳児
必要な材料と道具
必要な材料
- 画用紙
- 風船
必要な道具
- 絵の具
- パレット
- はさみ
- のり
作り方
- 風船は保育者があらかじめふくらましておく
- 風船の下部に好きな色の絵の具をつけて画用紙にスタンプする(あおむしの体に見立てるために丸くなるように援助します)
- 絵の具が乾いたら周りを丸く切る(この工程は保育者が行います)
- あらかじめ作っておいた顔のパーツにのりで体のパーツを貼って完成(顔はクレヨンで描いてもかわいいです)
ふっくらさつまいも
さつまいもがおいしいこの時期は、手作りの「ふっくらさつまいも」を作ってみてはいかがでしょうか。
フラワーペーパーを使用して作る立体型のさつまいもは、まるで本物そっくり。
子どもからも人気のある製作です。
フラワーペーパーを丸めたり袋に詰めたりする工程は、2歳児の手や指先の発達にもぴったりなので、夢中で取り組めるでしょう。
作ったさつまいもは、ごっこ遊びに取り入れれば大活躍します。
お芋掘りの行事がある施設では、活動の導入に使用してもよいですね。
適した年齢:2〜3歳児
必要な材料と道具
必要な材料
- ラッピング袋
- フラワーペーパー
- 色画用紙
- 綿ロープ
必要な道具
- 両面テープ
- はさみ
作り方
- フラワーペーパーをばらしクシャクシャに丸める(何色か用意しておくとかわいいです)
- 丸めたフラワーペーパーをラッピング袋に入れる
- 袋の口を綿ロープで結び画用紙で作っておいた葉っぱを両面からロープにつけたら完成(この工程は保育者が行います)
2歳児ができるおすすめの製作【冬】
キラキラシールで作るクリスマスリース
クリスマスで盛り上がる12月は、「クリスマス製作」がおすすめです。
タンポは強く叩くと色がはっきりつき、こするようにすると色が薄づきになるので、力の入れ具合を調節すれば多様な色づき方が楽しめます。
また、シールを剥がす工程は指先の発達を促すだけでなく集中力も必要とするので、2歳児にぴったりです。
完成したリースは、室内に飾ったりクリスマス会で紹介したりすれば、子どもたちもよろこぶこと間違いありません。
適した年齢:1歳児〜3歳児
必要な材料と道具
必要な材料
- 画用紙
- キラキラシール
必要な道具
- マスキングテープ
- 絵の具
- タンポ
- はさみ
作り方
- 画用紙にマスキングテープを貼る(難しければ保育者が貼ります)
- タンポで絵の具をポンポンとつける(ほぼ原液の状態でつけて構いません)
- 絵の具が乾いたらテープを剥がす(破けないように慎重に剥がしましょう)
- 真ん中を切り抜く(この過程は保育者が行います)
- 好きな場所にシールを貼る(折り紙や色画用紙にのりをつけて貼ってもかわいいです)
- お好みでリボンをつけて完成(画用紙で作った立体のリボンがおすすめ)
ビニール袋で凧作り
1月は、正月遊びの定番である「凧製作」を取り入れてみてはいかがでしょうか。
ビニール袋やマジックペンなど、身近な材料や道具で簡単に作れます。
画用紙にクレヨンで絵を描くのと、ビニール袋にマジックペンで絵を描くのでは大きく感触が異なるので、お絵描きを通した感触の違いを感じるのもこの製作のねらいです。
ビニール凧は乳児から幼児まで作れる製作なので、4〜5歳児と一緒に製作をすれば凧糸を切ったり結んだりしてもらえ、異年齢交流も期待できます。
完成したら、ホールや園庭などの広い場所で飛ばして遊んでみてくださいね。
適した年齢:1歳児〜5歳児
必要な材料と道具
必要な材料
- ビニール袋(取手付き)
- 新聞紙
- すずらんテープ
- シール(なくてもOK)
必要な道具
- マジックペン
- 凧糸
- はさみ
- セロハンテープ
作り方
- 新聞紙の上にビニール袋を広げ、マジックペンで自由に絵を描く(ペンがにじまないように気をつけてください)
- 凧糸2本を60センチ程度に切り、持ち手の2箇所に通して結ぶ(この工程は保育者が行います)
- 20センチ程度の凧糸をさらに1本切り、持ち手のそれぞれの輪っかに通して結ぶ
- 2〜3本程度のすずらんテープをビニール袋の下側にセロハンテープで止める
- お好みでシールをつけて完成
ちぎり絵で作る鬼のお面
節分がある2月は、「鬼のお面製作」が人気です。
ちぎり絵の折り紙をちぎる、貼る動作は、指先の発達だけでなく集中力のアップも期待できます。
また、折り紙だけでなく、厚紙やお花紙など素材の違う紙を用意しておくと、ちぎるときの感触の違いや指の力の入れ具合の変化を感じられます。
すべての工程を終えるまでに時間がかかるので、製作時間を2〜3回に分けてもよいかもしれません。
完成したお面は、節分の豆まきで被るのはもちろん、壁面にして飾ってもかわいいですよ。
適した年齢:1歳児〜2歳児
必要な材料と道具
必要な材料
- 画用紙
- 折り紙
- 厚紙
必要な道具
- はさみ
- のり
- 輪ゴム
- ホッチキス
- 両面テープ
作り方
- 作っておいた鬼の顔のパーツを組み合わせてのりで貼る(パーツは何種類か用意しておくと個性が出てかわいいです)
- 折り紙を自由にちぎる(ちぎった折り紙を入れる箱を用意しておくと便利です)
- 鬼の髪の毛の部分にのりを塗る
- ちぎった折り紙を貼る(この状態で壁面にしても使えます)
- 厚紙と輪ゴムで輪っかを作る(この工程は保育者が行います)
- 鬼の顔の後ろに両面テープをつける
- 厚紙を貼って完成
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