保育園の公立と私立の違いは?実際の体験談を交えて解説!

保育園_公立_私立_違い

保育園を選ぶ時、公立と私立のどちらが自分に合っているか気になりますよね?

双方の差異を知ることは、就職先選びで重要なポイントになります。

働く環境や待遇、保育方針など、どちらの園にもメリットやデメリットがあり、それらを知ることで、どちらがあなたに合っているかを知るヒントになることでしょう。

本記事は、保育園における公立と私立の違い、そして実際に私立園で勤務していた保育士の体験談を紹介します。

この記事をまとめると
  • 双方の運用元が異なる
  • 双方の採用基準が異なる
  • 公立保育園は働く保育士が公務員である
  • 私立保育園は異動がないため深い人間関係を築ける
  • 双方の働き方と給与の違い
  • 私立保育園で勤務していた保育士の体験談
目次

公立保育園と私立保育園の違いとは?

保育士として就職を考える際、公立園と私立園の違いは必ず理解しておきたい重要なポイントです。

それぞれの特徴を知ることで、より自分に合った職場を選ぶことが可能になります。

大きな相違点として挙げられる「運営元」と「採用基準」について、次の章で詳しく解説していきますね。

公立保育園と私立保育園は「運営元」が異なる

まず1つ目に挙げられる大きな相違点は、運営元です。

公立保育園の運営は地方自治体であり、私立保育園の運営は企業や社会福祉法人、NPO法人などです。

運営元が異なるため、保育の質に多少のギャップがあり、公立保育園は、地域のニーズに応じた保育が特徴的です。

一方、企業や社会福祉法人、NPO法人などが運営する私立園は、それぞれの運営母体の子どもへの想いが反映された独自性のある保育方針やカリキュラムが特徴の保育を行っています。

保育士の採用基準が異なる

次に挙げられる相違点は、採用に至るまでのプロセスです。

公立保育園で勤務する保育士は公務員であるため、採用されるには、保育士資格の取得と公務員の採用試験の合格が必要です。

地方自治体によって差はありますが、難易度も倍率も高い場合が多いでしょう。

私立保育園の採用基準はそれぞれの保育園で異なりますが、一般的には保育士資格を有することと、園に合う人材かどうかで判断されます。

公立保育園の特徴

公立保育園は、地域に密着した保育が行われているため、多くの保護者から信頼を集めています。

本章では、公立保育園の特徴について解説します。

職員が公務員であることや保育内容の決定方法、さらには長い歴史のある伝統的な園が多い点など、公立保育園だからこそのポイントを理解することで、私立保育園との差がよりはっきり理解できるでしょう。

①保育士は公務員

公立園で勤務する保育士は、自治体に雇用されるため、地方公務員として働いています。

したがって、私立園と比較して給与や待遇は安定しており、労働環境が整っているケースが多いです。

また、公務員としての雇用の安定性により、職員の離職率が低く、ライフイベントで変化があっても産休や育休を取得して長く勤める人が多いのも特徴です。

経験豊富なベテラン職員が多く、保護者は安心して子どもを預けられます。

②保育内容は自治体によって決められている

公立保育園は、地方自治体が設定した基準に基づいた保育指針に沿って保育が行われます。

したがって、公立保育園の間で保育内容に大きな差は生まれません。

自治体の方針に従った保育を行うため、保育士にとっても安心感があり、保護者にとっても各園で大きな差がない中で子どもを預けられる安心感があります。

異動になった場合でも、どの園も決められた保育指針に沿った保育を行っているため馴染みやすいです。

③歴史ある保育園が多い

公立保育園は、経済状況や経営方針の変更に左右されにくく、安定して存続することができるため、長い歴史を持つ園が多く存在します。

地域に根差した長年の運営実績があることで、地元住民の信頼を得ており、中には世代を超えて利用されている園も少なくありません。

歴史が長いからこそ、地域の行事や地元住民との交流の機会、地元の食材を給食に取り入れているケースもあります。

地域との結びつきが強いので、地域と園の協力関係も築かれており、確かな安心と安全の中で子どもたちが成長できる基盤が整っています。

私立保育園の特徴

私立保育園は、企業や社会福祉法人、NPO法人などが運営し、公立園とは異なる独自の方針やサービスが特徴です。

園の方針や施設環境、保育のカリキュラムは多種多様で、保護者や子どものニーズに合わせた柔軟な対応を行っています。

本章は、私立保育園の具体的な特徴について詳しく解説します。

①基本的に異動がない

私立保育園では、1つの園で働き続けるケースが多く、異動がほとんどありません。

したがって、保育士は1つの園で深い人間関係を築き、長期間同じ子どもや保護者と関わり続けることが可能です。

保護者は、自分の子どもを担任してくれた保育士が長く園に在籍してくれることで、子どもの成長を長期的に見守ってもらえるので安心できるでしょう。

公立で働く保育士には数年に1度の異動があり、担任していた子どもの卒園のタイミングまで在籍できないことも少なくありません。

②保育内容は園によってさまざま

私立の保育園は、カリキュラムや運営方針に独自のスタイルを持つ園が多いです。

モンテッソーリ教育や英語教育を取り入れた園、スポーツや音楽など特定の分野に力を入れた園、お稽古事は一切せずに子どもの自由遊びを大切にする園など、特色ある保育内容を定めています。

働いている職員もカリキュラムや運営方針に共感して集まっている場合が多く、自身の強みを活かして保育を行ったり、運営方針やカリキュラムに沿うために研修等で学んだりする機会が設けられているケースもあります。

③施設の形態も園によって異なる

私立保育園は、施設の形態も園ごとに異なります。

ビルの一室を活用した小規模保育園、広々とした園庭を持つ大規模な保育園、最新の設備を導入している園や自然に囲まれた環境で保育を行う園など多種多様です。

それぞれ保育指針や保育内容に合わせた施設形態をとることによって、公立園ではカバーしきれない保護者が求めている保育ニーズを満たすことができます

公立保育園と私立保育園の働き方の違い

公立保育園と私立保育園では、勤務形態や待遇、保育内容、働き方も異なります。

公立保育園で勤務する保育士には公務員の働き方があり、私立保育園で働く保育士にはその園独自の働き方があります。

本章は、両者の働き方に注目して具体的に比較することで、どんな差異があるかを解説していきます。

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公立保育園私立保育園
保育内容自治体が決めている園ごとに特色がある
年齢制限の目安応募できる年齢が決まっている特に年齢制限がないことがほとんど
勤務時間8時間労働基本は8時間労働だがサービス残業があることも
給与面安定している運営母体の経営状況に左右されることもある
異動の有無基本的にはなし

公立保育園での働き方

公立保育園では、自治体が定めた基準に基づいた保育が行われています。

勤務時間は、8時間労働が遵守されており、残業が発生した場合でも規定通りに残業代が支払われるので、サービス残業の心配はありません。

地方公務員なので給与も安定していて、有休や産休・育休も申請をすればルール通りに取得できます。

定期的な異動もあるため、さまざまな地域や保育園以外の施設形態で保育士経験を積む機会があります。

私立保育園での働き方

私立保育園では、園ごとに保育方針や内容に多種多様な特色があり、柔軟な運営が行われています。

勤務時間は8時間労働が原則ですが、最近では週4日の勤務で1日10時間働くという働き方もあり、園によってさまざまな働き方があります。

給与面は、運営母体の経営状況に左右され不安定な面もありますが、私立園では異動がないため、1つの園で長く働くことが可能です。

子どもの成長を卒園まで見届けられるケースが多く、下に兄弟児がいればその子の成長も見る機会がありますので、深い人間関係を築けます。

公立保育園と私立保育園の費用面の違い

公立保育園で働く保育士は、公務員扱いとなります。

したがって、給与が安定していて、かつ、昇給やボーナス、福利厚生や有休休暇の取得のしやすさ、退職金制度など手厚い待遇を受けられます。

反対に私立保育園は、運営母体の経営状態によるところが大きく、一概に言えません。

園独自で保育士への手当を出すなどの工夫をする好待遇の園もあるなか、わずかなボーナスに長時間労働で給与も少なめの園もあります。

私立保育園で実際に働いた保育士さんの体験談

私は、複数の私立保育園で勤務した経験があります。

働いている中で、それぞれの園で方針やカリキュラム、働く環境や保育の内容などさまざまな点で日々違いを感じました。

実際に現場で体験したことを通じて、私立園ならではの柔軟性や個性豊かな保育がどのように展開されているかをご紹介します。

どんな私立保育園で働いていましたか?

新卒で就職した保育園は、私立の認可園です。

働き始めた年の4月から新規開園の保育園だったので、定員90名のところ60名前後の園児でスタート。

複数担任のクラスには保育経験がある保育士が1人は必ずいましたが、新規園ということもあり、経験年数の少ない若手が目立っていました。

英語に力を入れていて、幼児クラスには英語に触れる時間が定期的にあり、乳児クラスもその様子を見学に行くこともありました。

私立保育園で働いていてよかった面を教えてください

私立園で働いていてよかったと思う点は、若手保育士にもさまざまな経験をする機会が多い点です。

公立園は歴史ある保育園が多く、行事や保育環境などで新しい取り組みに挑戦したいと思っても若手には裁量がないことがほとんどです。

反対に私立園は、若手保育士の新しい挑戦を容認する風土がある園が多いと感じています。

私が新卒で働いた保育園では、特にその傾向が強く、新卒で運動会の司会進行を主任と一緒に務める貴重な体験ができました。

私立保育園で働いていて悪かった面を教えてください

サービス残業が黙認されている私立保育園は多いと思います。

公立園で働く友人保育士の話では、公立保育園では勤務時間内に書類作成や事務作業をする時間があるそうです。

私は今まで複数の私立園で勤務経験がありますが、シフト時間内に書類作成や事務作業にあてる時間が予め決まっていることはほぼありませんでした。

あったとしても、突発的に園児の欠席が多いからという理由で事務作業をする時間が生まれる程度で、書類作成や事務仕事は休憩時間を返上するかサービス残業をして終わらせるのが普通でした。

まとめ

公立保育園と私立保育園、同じ保育園という括りですが、それぞれに特徴やメリットがあり、働く環境も異なることがわかりました。

どちらが合っているかを見極めるためには、自分の理想の働き方や保育士としての価値観を明確にし、公立と私立の違いについて理解を深めて保育方針や職場の雰囲気を知ることが大切です。

ぜひ本記事を、あなたに合う保育園を選ぶための参考にしてくださいね。

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