子どもと関わる仕事を思い浮かべると保育士や幼稚園の先生を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
仕事で子どもと関われるものは他にも数多くあり、中には資格を保有していなくても働ける仕事もあります。
本記事では子供と関わる仕事と働くために必要な資格、子どもと関わる仕事に向いている人の特徴についても紹介します。
自分に合った子供と関わる仕事が見つかるので、ぜひ最後までお付き合いください。
- 子どもと関わる仕事には資格が必要なものと不要なものがある
- 主に保育園や幼稚園など省庁が管轄している施設で働く時に資格が必要
- 資格が不要な仕事の業務内容は施設によるため自由度が高い
- 子どもが好きで体力と責任力がある人は子どもと関わる仕事に向いている
資格が必要な子どもと関わる仕事12選
子どもと関わる仕事には、厚生労働省、文部科学省といったように省庁が管轄しているものが多くあります。
省庁が管轄している仕事にはさまざまな決まりがあり、働く職員の資格も例外ではありません。
本章では、子どもと関わるために資格が必要とされる仕事について12種類を紹介します。
①保育園
保育園は保護者が働いているなどの理由で家庭での保育が難しい場合に子どもを預かり、日常生活をサポートする施設です。
0歳から就学前までの子どもが対象で、遊びや体験を通じて体と心の発達を促し、食事やおやつの提供、必要に応じて幼児教育を行います。
- 保育士資格
保育士資格は指定保育士養成施設を卒業するか保育士試験に合格すれば取得が可能です。
保育園で働く保育士となるためには資格が必要となりますが、保育補助の場合は資格が不要となっています。
②幼稚園
見幼稚園は文部科学省の教育要領に基づいた教育が受けられ、3歳から就学前の子どもが対象の学校です。
ただし教科書などは使用せず、遊びを中心とした学びを行っています。
預かり保育を行っている幼稚園もありますが、幼稚園の保育時間は4~5時間、夏休みなどの長期休みは原則閉園です。
- 幼稚園教諭免許
保育士資格の保有者は幼稚園教諭免許を取得する上で幼保特例制度(期限令和12年3月31日まで)の利用ができます。
保育補助であれば保育園と同様で資格は不要です。
③小学校・中学校
小学校・中学校には多くの子どもが通い、国語や算数などの教科ごとに授業を受け、道徳や外国語なども学びます。
先生になれば、授業で行う教科指導の他に子どもたちの生活や行動についても生活指導として深く関わることになるでしょう。
- 小学校教諭免許
- 中学校教諭免許
教諭免許は教職課程のある四年制大学や短期大学などで単位を取得して、教育委員会に申請して取得します。
さらに公立学校に勤めるためには、教職員採用試験に合格することが必要です。
④認定こども園
認定こども園とは幼稚園での教育と保育園のような日常生活のサポートが一緒に行われる施設です。
預かる子どもは0歳から就学前まで、満3歳以上は保護者の勤労などの条件なく預かり可能です。
また、預かる時間は子どもの年齢と保育の必要性によって変わります。
- 保育士資格
- 幼稚園教諭免許
必要な資格はこども園のタイプと担当する子どもの年齢によって異なりますが、幼保連携型こども園は保育士資格、幼稚園教諭免許の両方の保有が必要です。
⑤企業内保育所・院内保育施設
企業内保育所は特定の企業、院内保育施設は特定の病院で働く職員の子どもを預かる施設です。
職員への福利厚生の意味合いがあるため、会社や病院内、または近隣地域にあり、医療従事者が利用する院内保育所の中には24時間365日保育を行う施設もあります。
一般的な保育園と比較すると小規模の園が多く、行事は少ない傾向です。
- 保育士資格
保育園と同じく厚生労働省が管轄する保育施設なので保育士資格が必要となります。
⑥病児保育所
保護者が働いているなどの理由で保育が難しい病気や病気後の子どもを一時的に預かる施設で、預かる子どもの年齢は0歳から小学生までです。
病児保育所では、スタッフが連携して検温・体調確認をしながら子どもの身の回りの世話や負担とならないような遊びを行います。
事業の種類によって職員の配置人数が異なり、配置基準で定められている職種は保育士と看護師です。
- 保育士資格
- 看護師免許
看護師は大学や短大などで教育を受けて看護師国家試験に合格する必要があります。
⑦プリスクール・インターナショナルスクール
プリスクールは主に日本語を使用する未就学児の子どもが通い、インターナショナルスクールは主に英語を使用する子どもが通う施設です。
インターナショナルスクールの対象は本来海外で過ごしていた子どもですが、最近は日本で育った子どもも入学しています。
プリスクール、インターナショナルスクールのどちらも施設内の日常会話は英語を使用します。
- 保育士資格
- 幼稚園教諭免許
どちらも管轄している省庁はありませんが上記の資格が求められ、他にも英語を日常的に使うため英語力が必要になる仕事です。
⑧児童養護施設
虐待などで家庭での生活が困難な子どもを保護して生活を支える施設で、入所する子どもの年齢は1~18歳までとなっています。
施設に入所した子どもたちは共同生活をしますが、家族のように少人数での生活が基本です。
そのため、働くスタッフも養育者として家族のように子どもたちに接し、朝昼晩のご飯、就寝する場を提供して24時間365日見守ります。
- 保育士資格
- 児童指導員任用資格
- 医師免許
- 看護師免許
- 社会福祉士資格
- 臨床心理士資格
- 調理師免許
- 栄養士免許 など
日常生活をサポートするだけでなく、心のケアや退所後もアフターケアなどの役割も担う施設のため、職員の職業も多岐にわたります。
⑨乳児院
乳児院とは、さまざまな事情によって家庭での育児が難しい乳児を預かり、保護者の代わりに養育する施設です。
入所する子どもの年齢は原則0〜1歳までとなり、児童養護施設と同様に入所した子どもは乳児院で24時間過ごします。
養育の他にも、家庭復帰に向けた支援や里親や養子縁組の斡旋なども乳児院の役割です。
- 保育士資格
- 児童指導員任用資格
- 医師免許
- 看護師免許
- 社会福祉士資格
- 精神保健福祉士資格
- 調理師免許
- 栄養士免許 など
入所した子どもを養い育てるため、さまざまな職種のスタッフが連携して対応します。
⑩児童発達支援センター
児童発達支援センターは身体の障害、知的障害、発達障害などの障害を抱える子どもが通っています。
対象年齢は0〜18歳で、就学前の5歳までの利用が多い傾向です。
また、施設では日常生活での基本動作の指導や自立した生活に必要な知識、集団生活への適応の訓練を行っており、他にも障害児をもつ家族からの相談、援助や助言する役割を担っています。
- 保育士資格
- 児童指導員任用資格
- 調理師免許、栄養士免許
- 医師免許
- 看護師免許 など
配置基準で定めのない職種、資格保有者でも求人の募集があるので確認してみましょう。
⑪特別支援学校
特別支援学校とは、さまざまな障害のある子どもが通って幼稚園から高等学校のような教育を受ける学校です。
ただ学習するだけではなく日常生活での自立に必要な知識や技能を学ぶことも目的となっています。
また、年齢に応じて幼稚部、小学部、中学部、高等部があり少人数で編成されているのが特徴です。
- 幼稚園教諭・小学校教諭・中学校教諭と特別支援教育教諭免許の両方
3〜5歳を対象とした幼稚部は先生や他の子どもと関わり、集団行動を学び、遊びや体験を通じて心と身体の発達を促します。
⑫スクールカウンセラー
スクールカウンセラーは学校に通う児童、保護者および教職員の悩みを聞き、解決まで助言などを行う仕事です。
仕事内容は児童へのカウンセリングに留まらず、教職員への研修、何らかのトラブルに遭った児童の心のケアなど仕事内容は多岐にわたります。
- 臨床心理士資格
- 公認心理師資格
- 精神科医免許など
子どもだけではなく大人に対してのカウンセリングが必要になるため、人の心理に詳しい資格が必要となります。
資格が不要な子どもと関わる仕事8選
子どもと関わる仕事は資格が必要なものばかりではなく、資格が不要な仕事も数多くあります。
資格が不要な子どもと関わる仕事は業務内容の自由度が高いので、自分の強みやスキルを存分に活かしたい人におすすめです。
本章では子どもと関わる仕事の中でも資格が不要な8種類について紹介します。
①ベビーシッター
ベビーシッターは利用者の子どもの保育をする仕事で、自宅以外にも外出先での保育などにも対応します。
対象年齢は派遣会社によって異なりますが0〜12歳程度で、兄弟がいれば複数人の保育をする場合もあります。
利用料を自分で設定できる場合も多く、バイリンガルなど需要の高いスキルがあれば仕事を得やすく高収入が見込める仕事です。
必須資格はありませんが、保育士資格は利用者からの信頼を得られるので需要があります。
②子育て支援センター
子育て支援センターは身近な保育所、児童館、公民館、公共施設に開設された地域の子育てしている家庭への育児支援を行っている場所で、主な役割は下記のとおりです。
- 子どもの遊び場の提供
- 保護者からの育児相談への対応
- 子育て関連のイベント開催
- 地域の子育てに関する情報の提供
子育て支援センターに行けばさまざまな情報が得られるため、地域の子育て家庭が集まる交流の場にもなっています。
資格がなくても勤められますが、保育士資格があればさらに活躍できる仕事です。
③託児所
託児所とは商業施設や駅の近くに設置されている認可外保育施設です。
保育園などの認可保育施設は預けるために勤労といった理由が必要であるのに対し、託児所は理由に関係なく子どもの一時保育に利用できます。
預かる子どもの年齢は施設によって異なり、未就学児までのところから小学生まで預かれる託児所もあります。
資格がなくても勤務可能ですが、託児所を含めた認可外保育施設では保育に従事する3分の1が保育士と定められているので、保育士資格があれば採用されやすいでしょう。
④幼児教室
幼児教室は未就学児までを対象とした教室のことを指し、学べる内容は施設によって異なり多種多様です。
幼稚園でも教育を行っていますが、幼児教育は英語や音楽、知育など特定分野に特化した学習ができるという特徴があります。
特に資格は不要ですが、子どもに教えられるレベルのスキルが求められます。
幼児の時期から何か身につけてもらいたいという保護者は多く、高い需要が見込まれる仕事です。
⑤学童支援員
学童支援員は、平日の放課後、土曜日、長期休暇中に小学生が利用する学童に勤める職員です。
保護者の代わりに子どもを見守るのが仕事内容であるため、昼ご飯やおやつの提供、子どもの日常生活や心身のサポートを行います。
仕事内容は保育園と似ていますが相手が幼児ではなく児童となるため、複雑な心の発達への対応や力がついてきた高学年への対応など、子どもへの接し方は異なります。
必須ではありませんが、採用されやすく高い給与を得られる放課後児童支援員の資格取得がおすすめです。
⑥テーマパークやレジャー施設
- 東京ディズニーリゾート
- キッザニア
- レゴランド・ディスカバリー
テーマパークやレジャー施設とは自由な時間をつかって楽しむ場所や施設のことで全国各地にあります。
子どもから大人まで楽しめるところもあれば子ども向けのところもあり、職業体験、忍者体験、鉄道の運転体験など種類も豊富です。
施設によってはキッズ向けのエリアが設けられているため、担当になれば子どもと多く触れ合えます。
急な要望やトラブルにも柔軟に対応して、子どもや家族を楽しませるスキルが必要です。
⑦写真スタジオ
写真スタジオは誕生日、七五三、入園・卒園、入学式・卒園式など、子どものイベントで利用される場所です。
緊張する子どもに話をふってリラックスさせたり玩具で子どもの注目を集めたりするなど、子どもの最高の瞬間を撮影するためにさまざまな工夫をしています。
カメラ技術はもちろん、他にもヘアセットや衣装合わせ、着付けをする場合もあるので、ある程度のセンスが問われる仕事です。
⑧学習塾
学習塾は小学校、中学校、高校が通って学力を向上させる場で、主に受験対策として利用されています。
子どもの年齢が高くなればなるほど各教科の内容が難しくなるため、塾講師には一定レベルの学力が必要です。
さらに、受験のプレッシャーを感じている生徒へのフォローや受験が終わるまで生徒に根気強く教え続けるなど、学力以外のコミュニケーション力や責任力が問われます。
資格は不要ですが、塾の学力レベルによっては学歴などが重視されるケースもあるので調べておくと良いでしょう。
子どもに関わる仕事をおすすめする人
子どもと関わる仕事の種類が分かっても「実際に働けるだろうか」と心配になりますよね。
本章では実際に保育園で働いた経験をもとに、子どもに関わる仕事に向いている人の特徴を説明します。
下記の特徴に当てはまれば子どもと関わる仕事にも上手く対応できるでしょう。
体力に自信がある人・健康管理ができる人
子どもはとにかく動き回り年齢が上がると力も体力もついてくるため、体力に自信がある人は子どもと関わる仕事に向いています。
とくに保育が必要な仕事は、子どもと触れ合う時だけでなく食事の準備や昼寝の準備など常に動き回ることが多いです。
実際に働いていた保育園では、常に動き回りお昼時間にやっと一息つけるという目まぐるしさで保育士の方々が働いていました。
また、集団生活する機会が多い子どもから風邪やインフルエンザなどの病気をもらう可能性もあるので、健康管理をして予防をする必要があります。
子どもが好きな人
子どもが好きな人は仕事で大変なことがあっても、目の前の子どもたちから癒しや活力を得てモチベーションを保ちながら働けます。
さらに、子どもに寄り添った対応ができるため子どもから好かれ、同時に保護者や同僚の先生たちからも信頼されるでしょう。
仕事で良い成果が出せるので職場からの評価もあがり、給与アップやキャリアアップのチャンスをつかむ機会を得られます。
実際に保育園で働いていた時は、子ども達の泣き声にも可愛らしさを感じ、触れ合い遊びも苦に感じることはありませんでした。
責任感の強い人
子どもと関わる仕事の中には年単位で子どもと関わりが必要な仕事や、最終的に結果を求められる仕事もあります。
心も体も発達の途中の子どもたちは、なかなか言うことを聞いてくれず、仕事には子ども同士のトラブルや保護者からのクレームはつきものです。
そのため、トラブルやクレームがあっても責任逃れをせず、根気強く子どもたちや保護者と関われる責任感が強い人は子どもと関わる仕事も上手くできるでしょう。
実際にトラブルを経て保護者から信頼を得ている保育士の先生がいましたよ。
まとめ
子どもと関わる仕事は資格が必要なものから不要なものまで数多くあります。
保育士資格を持っていても資格不要の仕事に魅力を感じたらチャレンジするのも良いでしょう。
一方で労力や時間はかかりますが、保有していない資格を取得できれば一気に将来の選択肢が広がります。
子どもと関わることに自分が向いているか悩んだら、向いている人の特徴を参考にして自分に特性があるか考えると良いですね。
子どもとの関わりに魅力を感じたら、本記事で紹介した内容を参考に自分にあった仕事を選び挑戦してみましょう。
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