乳児院で働くにはどうするべき?仕事内容から必要資格・就職の方法まで詳しく解説

乳児院

やむを得ない事情によって保護者の元を離れた乳児や低年齢の子供を預かる場所として乳児院があります。

社会貢献できる場所として乳児院で働きたいと思っても「具体的にどのような行動をとれば働けるのだろうか」と悩みますよね

また一般的な保育園と違い、どのようなメリットや注意点があるのでしょうか。

本記事では、乳児院で働きたいと考えている方向けに乳児院で働くための方法や働く場合のメリットと注意点について紹介します。

この記事を要約すると
  • 乳児院とはさまざまな事情によって家庭で育児が難しい子供を保護して養育する施設
  • 保育士が乳児院で働くためには保育士資格があれば問題なし
  • 求人サイトや施設の公式サイトに乳児院の求人が掲載されいている
  • 乳児院で働くと、子どもと深く関われるため、大きなやりがいを感じられる
  • 乳児院で働くときは休みが取りづらく関われる子供の年齢が限られている点などに注意する
目次

乳児院とは?

乳児院とは、さまざまな事情によって家庭で育児が難しい子供を保護または預かって保護者の代わりに養育する施設です。

3歳ごろまで入所している施設も多くありますが、入所する子供の年齢は原則として0~1歳未満です。

入所した子供たちは24時間施設で過ごし、乳児院のスタッフたちは子供たちのお世話や下記の業務を行います

乳児院の主な役割
  • 入所した子供の保護と養育
  • 家庭復帰に向けた支援
  • 家庭復帰後のアフターケア
  • 里親委託や養子縁組の斡旋
  • ショートステイなどの一時保育

乳児院と言えば子供の養育のイメージが強いですが、社会情勢の変化に伴い地域に根差した「乳幼児総合支援センター」という役割を担っています

参考:乳児院運営指針 「乳児院は赤ちゃんのもうひとつのあったかいおうち」

乳児院で保育士が働くために必要な資格や経験

必要な資格
  • 保育士資格

乳児院で保育士が働くためには保育士資格があれば問題ありません。 

ただし、公立の乳児院で働く場合には公務員試験に合格する必要があります。

他にも乳児院で活躍が期待できる資格や経験があるため紹介します。

乳児院で活躍が期待できるの資格と経験
  • 医師免許
  • 看護師免許
  • 栄養士または調理師免許
  • 社会福祉士または精神保健福祉士の資格
  • 児童指導員任用資格
  • 乳児院での実習・ボランティアの経験
  • 0~3歳児の保育経験

乳児院では24時間365日、入所した子供を養育するためにさまざまな職種のスタッフが働いており、医師、看護師、家庭支援専門相談員などは乳児院に必ず配置が必要です。

乳児院で働くスタッフに必要な上記の資格と保育士資格と併せて保有していれば、貴重な人材として重宝されるでしょう。

また、乳児院での実習・ボランティアや0~3歳児の保育経験があれば、未経験者より即戦力としての活躍が期待できます。

参考:児童福祉施設の設備及び運営に関する基準

乳児院で働く・就職する方法

保育士資格があれば乳児院で働けると分かっても、就職のために具体的に何をすれば良いか迷いますよね。

実際に乳児院で働くためには、どのような乳児院があるかを知り、希望の求人への応募が必要です。

下記の3つの方法を上手く活用して希望の乳児院に応募してみましょう。

求人サイトから応募する

求人を探す方法として、下記のような福祉関係、保育士に特化した求人サイトで検索する方法があります。

  • 保育士バンク!
  • ジョブメドレー
  • マイナビ保育士

求人サイトの利点は何といっても自分のベースで気軽に応募先を探せることです。

求人サイトには多くの求人が登録されているため、希望する勤務地や雇用形態で絞り込みができ、求人内容の比較ができます。

ただし、掲載されている内容だけでは施設の実態がわからないというデメリットもあるため、口コミを確認するなど情報収集を合わせて行いましょう。

福祉施設の就職フェアに参加する

就職フェアとは、採用担当者が会場に集まり求職者へ施設について説明をするイベントです。

各自治体にある社会福祉協議会が定期的に福祉施設の就職フェアを開催しており、社会福祉評議会の公式サイトを見ると、開催日や参加施設を確認できます。

参加すれば、メールや電話では聞きづらい質問ができるだけでなく採用担当者を通じて施設の雰囲気を感じることが可能です。

ただしイベント時間が限られているため、どの施設の説明を優先して聞くかなど、足を運ぶ施設を絞ってから参加すると良いでしょう。

施設が出す求人へ直接応募する

乳児院の求人は求人サイトだけではなく施設の公式サイトにも掲載されている場合があり、フォームへの入力、メールまたは電話で応募が可能です。

直接応募は自分で全てのやり取りをするので手間はかかりますが、「わざわざ公式サイトまで見に来てくれた」という志望動機の強さをアピールできます

とはいえ、求める人物像やスキルに合致しなければ不採用となるため、書類や面接の準備を怠らないようにしましょう。

施設の中には求人サイトを使用していない所もあるため、求人の取りこぼし防止にもなりますね。

保育士で働く乳児院の平均月収

20代の乳児院で働く保育士の月収
  • 新卒の場合は約22万3千円
  • 勤続3年目になると約24万3千円
30〜40代の乳児院で働く保育士の月収(経験豊富な方)
  • 勤続7年目で約28万7千円
  • 勤続10年以上で役職がつくと約37万7千円

上記の金額は実際に出されている求人に掲載されている給与を基に計算しました。

20代の場合、短大・専門学校または四年制大学のどちらを卒業したかによって約2~3万程度の差が出ています。

新卒の月収勤続3年目の月収
短大・専門学校卒約21万3千円約22万円
四年制大学卒 約22万9千円約25万1千円
差額 約1万6千円約3万1千円
開示されている給与モデルを参考

勤続年数と月収から昇給額は数千~1万円と決して多いとは言えないものの、勤続7〜10年になると約30万円程度の月収となる見込みです。

勤続15年程度経過するとリーダーなどの役職がつき35〜40万程度の月収となるため、経済的に余裕をもって働けるようになるでしょう。

乳児院で働く喜びやメリット

実際に求人に応募をして採用されたとしても、乳児院が自分に合っているか気になりますよね

24時間365日、子供を養育するからこそ一般的な保育園では得られないメリットがあります

紹介する乳児院で感じられる喜びやメリットに強く魅かれるのであれば、実際に働いてもやりがいを持って働けるでしょう。

子供達と深く密に関われる

一般的な保育園では年齢ごとに分けたクラスの子供を一斉に保育しますが、乳児院では子供ごとに養育する職員が決まっている担当養育制が導入されています。

一斉保育では一人一人の個性に合わせた保育が難しい一方で、乳児院の担当養育制は一人の子供に深く関わることが可能です。

そのため、担当の子供が何かに困っていても、手伝うべきか自分の力で乗り越えてもらうか、子供の発達状況に合わせて柔軟に対応できます

乳児院で働けば「自分の保育が子供の成長に活きている」という実感を得られるでしょう。

やりがいを感じやすい

乳児院は育児が困難な子供と家族を支えるという役割を担っているため、社会貢献を強く感じながら働くことになります

保育士と保護者が協力して子供に関わる保育園と違い、保育士の行動が子供の体や心にダイレクトに響くため一般的な保育園より大きな責任を感じるでしょう。

しかし、医師や他のスタッフと連携して養育するので保育園では得られない経験ができます。

乳児院での勤務は大変な面があるからこそ、やりがいが実感できる仕事です。

保育園よりも待遇や給与が高い場合が多い

求人を実際に見ると乳児院の保育士の求人では約20~24万円、保育士全体の求人の平均22万円と同程度の月収です。

ですが、乳児院には夜勤手当や他の手当があるため、保育士全体の平均給与より高い給与をもらえる場合が多いと言えます。

実際の口コミでも夜勤手当やさまざまな手当が支給されるため、経済面で安心して働けるという内容がありました。

乳児院で支給される
  • 夜勤手当
  • 宿直手当
  • 拘束手当
    • 8時間以上勤務かつ拘束がある場合に支給
  • 初動手当
    • 施設の近隣に自宅があり、緊急時に駆けつけ可能な場合に支給

福利厚生は借り上げ社宅・住宅手当・寮など居住に関するものはもちろん、交通費の支給など手厚い内容です。

求人が多い シフトは8時間ごとに分けられ、一人に負担がかからないように工夫されています。

参考:職業情報提供サイトjobtag

乳児院で働く際に知っておきたい注意点

乳児院で働きながら得られるメリットがあるのと同時に、知っておいてほしい注意点もあります

得られるメリットにばかり目を向けてしまうと、働き始めたときに「こんなはずではなかった」と落胆することになりかねません

働いてから後悔しないためにも、事前に注意点を確認しておきましょう。

休みが取りづらいことも

24時間365日、常に子供を見守る仕事であるため、乳児院では固定で休める曜日が決まっていません

さらに、担当養育制かつ一定人数の職員が常に乳児院にいる必要があることから、休みがかぶらないようにする必要があります。

施設側が休みの日程を決めてしまい、希望の休みを申請しても取れない場合もあります。

年間休日や休日の取り方は施設によって異なりますが、乳児院の特性から希望の休みは取りづらいと言えるでしょう。

関わる子供の年齢の幅が少ない

就学前まで子供を養育する施設もありますが、乳児院で預かる子供は原則0~1歳未満であり、長くても3歳まで預かる施設が多い状況です。

医師や看護師などさまざまな分野の専門家と連携して養育できるため、0~3歳児に関する知識やスキルがつく一方で4歳児以上の子供に対する知識やスキルは得にくいでしょう。

また、言葉を覚え始めて会話ができるようになる頃に手から離れてしまうため、もどかしさを感じる可能性もあります。

乳児院だからこそ子供との関わりに悩む人も多い

乳児院では、子供と親のような関係となり愛情を育むため、保育園で先生として子供と接するより丁寧に尽くす形で子どもと関わります。

入所した子の中には、病気や障害をもつ子供もいるので接し方に戸惑うこともあるでしょう。

健常な子供でも、入所した理由が辛い内容であれば感情移入してしまい、気持ちの切り替えができず辛くなる人もいます。

他にも「夜泣きで赤ちゃんの声が苦手になってしまった」という体験談もありました。

保護者のように子どもに接するからこそ、難しく覚悟がいる仕事だと言えます

まとめ

乳児院は、虐待や保護者の病気などの事情で家庭で育てるのが困難になった子供を保護者の代わりに育てる場所です。

施設数は少ないものの保育士資格さえあれば応募できるので、求人サイトなどで保育士を募集している求人を探し、応募してみましょう。

また、乳児院では24時間施設にいる子供たちと深いかかわりが築けるため、大変な面はありますが大きなやりがいを感じられますよ

本記事を読んで乳児院の働き方が自分に合うと感じた人は、乳児院の求人へぜひ応募してみてください。

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この記事を書いた人

ほいポケ編集部のアバター ほいポケ編集部 保育士ライター集団

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