8月は夏の暑さがピークを迎える時期です。
プール遊びや夏祭りなど特別な体験が増える一方、イヤイヤ期真っ只中の2歳児クラスでは、子どもの自己主張に向き合う場面も多くなりますよね。
月齢差や個性によって関わり方が大きく変わるため、個人案の書き方に頭を悩ませる保育士さんも多いのではないでしょうか。
本記事では低月齢と高月齢それぞれに合わせた書き方と、夏ならではの保育のポイントを整理してお伝えします。
- イヤイヤ期に寄り添う個人案の書き方を解説
- 8月ならではの環境構成と援助の視点を紹介
- 現場で活用しやすい自己評価・反省の例文を掲載
けんくん先生【保育士ライター】2歳児クラスはイヤイヤ期の影響で、毎日が予想外の連続ですよね。
私も担当していた頃、個人案を書きながら一人ひとりの個性に頭を悩ませました。
本記事を参考に、無理なく書き進めていきましょう!


けんくん先生 保育士ライター
幼稚園・保育士・小学校教諭の資格を持ち、保育現場で10年勤務してきました。
子どもたちの笑顔と成長に支えられながら、発達や心の育ちを大切にした保育を実践しています。悩む先生の心にそっと寄り添えるような、現場で役立つ言葉を届けていきます。
【2歳児】8月の個人案の作成ポイント


【先輩保育士からのアドバイス】
チェックしておこう!
- イヤイヤ期の表れ方を個別に捉えて記載する
- 二語文や三語文など言葉の発達状況を反映する
- 友だちとの関わりや関係性の変化を書き込む
- 夏特有の活動と健康面への配慮を盛り込む
2歳児のイヤイヤ期は、表れ方が一人ひとり大きく異なります。
「服を選びたい」「自分で靴を履きたい」など主張の中身を具体的に書き残すと、援助の方針が明確になりますよ。
言葉の発達も個人差が大きく、二語文中心の子もいれば、すでに会話のキャッチボールが始まる子もいる時期です。
友だちとの関わりでは、玩具の貸し借りや「○○ちゃんと一緒」など特定の関係性が芽生え始めます。
暑さや夏休み明けで生活リズムが大きく乱れがちな8月の時期は、生活面の変化も含めて、保育者間で情報を共有しながら丁寧に記録していきましょう。



2歳児の個人案は「困った姿」だけでなく、「新しく身についた姿」もセットで書くと、関わりの方向性が見えやすくなりますよ。
【2歳児・8月の個人案】子どもの姿
【低月齢】2歳5ヵ月~2歳10ヵ月
- イヤイヤ期が最盛期となり自己主張が強く表れる
- 二語文中心で気持ちを言葉にしようと挑戦する
- 友だちの隣で同じ遊びをする並行遊びが目立つ
低月齢の2歳児はイヤイヤ期が最も激しくなる時期で、「じぶんで!」「イヤ!」と自己主張が前面に出てきます。
やりたいことと現実のギャップに葛藤し、泣きながら床に寝転がる姿も日常的に見られます。
言葉は二語文が中心で、「ママ、ない」「ワンワン、いた」など状況を伝えようとする力が育ち始めますよ。
遊びの場面では、隣の友だちと同じ玩具を持って遊ぶ並行遊びが目立ち、まだ集団のルールには気づきにくい段階です。
一人ひとりの主張を丁寧に受け止め、気持ちの揺れに寄り添う関わりが何より大切な月齢ですね。



低月齢のイヤイヤ期は「成長の証」と捉えてみましょう。
否定せず受け止めることで、子どもの安心感が深まりますよ。
【高月齢】2歳11ヵ月~3歳4ヵ月
- 三語文を使い保育者との会話が成立する場面が増える
- ごっこ遊びを通じて役になりきる楽しさを味わう
- 着脱や排泄など身辺自立が大きく進んでいく
高月齢の2歳児は、言葉の発達が一気に進み、「せんせい、これなに?」「○○ちゃんといっしょにあそぶ」など三語文での会話が成立し始めます。
語彙が爆発的に増え、なんで?どうして?と質問が止まらない子も出てきますよ。
遊びの面では、お母さん役・赤ちゃん役といったごっこ遊びが盛んになり、友だちと役を分け合って関わる姿が多く見られます。
生活面では、Tシャツを自分で被る、トイレに自分から行くなど、身辺自立が大きく進む時期です。
年少クラスへの進級を見据えた育ちを意識した記録が大切になります。



高月齢は「3歳児クラスでの育ち」を意識した記載に切り替えていく時期です。発達の節目を逃さずキャッチしましょうね。
2歳児共通の子どもの姿
- プールや水遊びで開放的な表情を見せる姿が多い
- 暑さで疲れがたまり午睡時間が長くなる傾向がある
- 夏休み明けは登園を渋ったり不安定さを見せたりする
8月の2歳児クラスでは、月齢を問わず季節特有の姿が浮かび上がります。
プールや水遊びの時間になると、普段は控えめな子も歓声をあげて全身で楽しむ姿が見られますね。
一方で、暑さによる疲れから午睡時間が長くなったり、夕方になると機嫌が崩れたりする子が増える傾向があります。
お盆休み明けには「ママがいい」と登園を渋ったり、いつもより甘えが強く出たりする姿もよく見かけますよ。
家庭との連携を意識し、一人ひとりの気持ちのペースに合わせた丁寧な関わりを何よりも大切にしていきましょう。



夏休み明けに様子が変わる子は珍しくありません。
保護者にも「数日間は落ち着きを取り戻すまでかかります」と一言伝えると安心していただけますよ。
【2歳児・8月の個人案】ねらい
【低月齢】2歳5ヵ月~2歳10ヵ月
- 自己主張を受け止めてもらいながら安心して過ごす
- 言葉や仕草で気持ちを表現する経験を重ねていく
- 友だちのそばで遊ぶ心地よさをじっくり味わう
低月齢の2歳児にとって、ねらいの軸は「自己主張を否定されずに受け止めてもらう経験」を保障することです。
「イヤだったんだね」「自分でやりたかったんだね」と気持ちを言葉に置き換えて返す関わりを重ねると、子どもの中に安心感が芽生えますよ。
まだ語彙が限られる時期なので、二語文や指差し、表情から汲み取って代弁する援助も欠かせません。
集団遊びはまだ難しい段階ですが、友だちと同じ空間で同じ玩具を楽しむ並行遊びの心地よさを十分に味わう環境を整えましょう。
社会性の土台を育てる時期として丁寧に向き合いたいですね。



低月齢のねらいは「○○する」と書きがちですが、「○○してもらう」と援助視点を入れると、保育者の関わりが明確になりますよ。
【高月齢】2歳11ヵ月~3歳4ヵ月
- 言葉で気持ちや要求を伝える楽しさを味わう
- ごっこ遊びを通じて友だちとイメージを共有する
- 身辺自立を進め生活の自信を積み重ねていく
高月齢の2歳児には、言葉と遊びの両面でぐっと豊かになる育ちを支えるねらいを立てましょう。
「○○がほしい」「いっしょにあそぼう」など、自分の要求や思いを言葉で伝える経験を積み重ねる援助が中心になりますね。
ごっこ遊びの場面では「ぼくがお父さん、○○ちゃんがお母さんね」と役を分け合う姿が見られ、友だちとイメージを共有する楽しさを保障したい時期です。
着脱や排泄の自立も大きく進む段階のため、「自分でやり切った」達成感を味わう機会を意図的に作っていく視点も、ねらいに盛り込んでいきましょう。



高月齢のねらいには「友だちと一緒に」という社会性の視点を必ず入れたいですね。3歳児クラスへの橋渡しを意識してみましょう!
2歳児共通のねらい
- 暑い夏を元気に過ごし生活リズムを安定させる
- 水や砂など夏ならではの素材に親しんで遊ぶ
- 夏休み明けの不安を受け止め安心へとつなぐ
8月のねらいでは、月齢を問わず夏ならではの体験と健康面の両方を視野に入れる視点が大切です。
プールや水遊び、寒天や氷など、夏だからこそ出会う感触遊びを存分に楽しむ機会を保障していきましょう。
一方で、暑さや夏休みなどで生活リズムが崩れがちな時期だからこそ、十分な水分補給と休息を組み合わせて、心身ともに元気に過ごすねらいも欠かせませんね。
お盆休み明けに不安そうな表情を見せる子には「会いたかったよ」と声をかけて受け止め、再び安心して園で過ごす時間を取り戻していくねらいも盛り込みましょう。



夏ならではのねらいは、特別な体験と日常の安心の両方を盛り込むのがコツです。バランスを意識して書いてみましょう!
【2歳児・8月の個人案】環境構成と保育者の配慮
【低月齢】2歳5ヵ月~2歳10ヵ月
- イヤイヤを安心して出せる落ち着いた空間を用意する
- 選択肢を示して自分で決める経験を丁寧に増やす
- 一対一でじっくり関わる時間を意識的に確保する
低月齢の子がイヤイヤを爆発させた時には、保育室の隅に絨毯やクッションを置いた「落ち着きスペース」へ移動させ、気持ちが整うまで静かに寄り添いましょう。
「ここで一緒に深呼吸しようね」と声をかけ、無理に切り替えさせないことが大切ですよ。
日々の場面では「赤いシャツと青いシャツ、どっちにする?」と二択を示すと、自分で決めた満足感が芽生え、イヤイヤが和らぐ姿が見られます。
朝の受け入れや午睡前など、一対一で話す時間を意識的に確保すると、子どもの心が満たされ、日中の情緒も安定していきますよ。



低月齢のイヤイヤ対応は、保育士が落ち着いて待つ姿勢が何より効きますよ。先回りせず、子どものペースを尊重しましょうね!
【高月齢】2歳11ヵ月~3歳4ヵ月
- ごっこ遊びコーナーに小道具や衣装を充実させる
- 着脱や排泄が自分で進めやすい動線を整える
- 友だち同士のやりとりに必要な時だけ仲立ちする
高月齢の子には、ごっこ遊びが盛り上がる環境づくりが鍵になります。
お料理セット、人形、お医者さんごっこの小道具などをコーナーごとに配置すると、子どもたちが自分で世界を広げていきますよ。
「いらっしゃいませ」「ごちそうさま」とやりとりが自然に生まれる空間を意識しましょう。
身辺自立の場面では、着替えカゴを子どもの手の届く高さに置いたり、トイレ前にスリッパを揃えやすい印を貼ったりすると、自分で進める達成感が育ちます。
友だち同士の言い合いには「○○くんはどう思う?」と仲立ちを最小限に留める姿勢も大切です。



高月齢の子は「保育者がいなくても進められる環境」を整えると、自立心が一気に育ちますよ。手出ししすぎないバランスが鍵です!
2歳児共通の環境構成と保育者の配慮
- 室温は26〜28度、湿度は50〜60%に保つ
- プール前後の動線と人員配置を事前に確認する
- 汗ふきタオルや着替えを取り出しやすい場所に置く
夏場の保育室は、エアコンの設定温度を26〜28度に保ち、サーキュレーターで空気を循環させて快適な環境を作りましょう。
プール遊びの前には、監視役・着替え介助・水温チェック係など担当を明確に分けておくと、当日の流れがスムーズに進みますよ。
「今からプールに入る前に、トイレ済ませようね」と声をかけて見通しを伝える配慮も欠かせません。
汗ふきタオルや着替えは子どもの手の届く棚に分かりやすく並べ、「汗かいたらここからタオル取ってね」と伝えると、自分で気づいて行動する習慣が芽生えていきますよ。



プール監視は気を抜けない時間です。
事前のミーティングで担当を確認し、子ども一人ひとりに必ず大人が目を配る体制を整えましょう!
【2歳児・8月の個人案】食育
【低月齢】2歳5ヵ月~2歳10ヵ月
- スプーンやフォークを使う体験を毎日積み重ねる
- 好き嫌いの主張を否定せず楽しい食卓の雰囲気を守る
- 食前、食後の挨拶の大切さを知る
低月齢の食育では、スプーンやフォークを「自分で持ちたい」気持ちを尊重しながら、こぼしても叱らずに見守る姿勢が大切です。
「自分で運んだね」と過程を認める声掛けが意欲を支えますよ。
「これキライ」と主張する場面では「そっか、今日は一口だけにする?」と気持ちを受け止めて選択肢を示しましょう。
「いただきます」「ごちそうさま」の挨拶は、保育士が手を合わせる姿を見せて一緒に唱えると、食事の節目を楽しむ習慣が芽生えていきます。



低月齢の食事は「楽しい時間」になることが最優先です。
マナーや量より、まずは食卓の安心感を守りましょう!
【高月齢】2歳11ヵ月~3歳4ヵ月
- スプーンの三点持ちが定着するよう援助していく
- 食材の名前や旬への興味を広げる声掛けをする
- 盛り付けやお手伝いを通じて食事に関わる体験を増やす
高月齢の食育では、スプーンの三点持ちが少しずつ定着する段階を支えていきましょう。
「お箸さんみたいに持ってみる?」と楽しく誘うと、自然に正しい持ち方が身についていきますよ。
給食前に「今日はどんな野菜が出るかな?」と話題にすると、食材への関心がぐっと深まります。
配膳のお手伝いやお皿運びを任せると「ぼくが運んだよ」と誇らしげな表情が見られ、食事全体への意欲が高まる姿につながっていきます。



子どもたちは「食事のお手伝い」が大好きです。
安全な範囲で任せると、自信と意欲がぐんぐん育ちますよ!
2歳児共通の子どもの姿
- 夏野菜を食卓やおやつで意識的に取り入れる
- 食事の前後と途中の水分補給をしっかり習慣にする
- 食欲が落ちる子には盛り付けや温度を工夫する
8月の食育では、トマトやきゅうり、すいかなど旬の夏野菜と果物を積極的に取り入れましょう。
「これ夏に美味しく食べられるんだよ」と話すと、子どもの興味がぐっと高まりますよ。
食事の前には「お茶飲んでからにしようね」、食後には「お口さっぱりさせよう」と声をかけ、水分補給を生活の流れに組み込みましょう。
夏バテで食が細る子には、彩り豊かに盛り付けたり、汁物を冷やしたりする工夫で無理なく食べられるようにしましょう。



夏は冷たい物に偏りがちです。
温かいお味噌汁を一品添えるだけで、お腹の調子が整いやすくなりますよ。
【2歳児・8月の個人案】作成する際の注意点
2歳児・8月の個人案を書く際は、月齢差とイヤイヤ期の個性を踏まえた具体性が欠かせません。
書き始める前にチェックしましょう。
注意点を確認しておこう!
- イヤイヤの中身を具体的なエピソードで書く
- 言葉の発達状況を月齢別に細かく反映する
- 夏特有の活動と健康面の配慮を盛り込む
「イヤイヤが多かった」だけでは援助の方針が立ちません。
「お昼寝前に絵本を選ぶ場面でイヤイヤが出たCちゃんには、二択を示して気持ちを切り替えた」など、場面と援助方法をセットで書く視点が大切ですよ。
前月からの育ちの変化を加えると、計画に深みが出ます。
【2歳児・8月の個人案】自己評価・反省の例文
個人案の最後を締めくくる自己評価・反省は、翌月の計画につなげる大切な振り返りの場です。
子どもの姿を起点に「ねらいに対してどうだったか」「保育者の関わりは適切だったか」を具体的に書いていきましょう。
ここでは、現場でそのまま活用しやすい例文を、月齢別と2歳児共通の3つに分けてご紹介しますね。
【低月齢】2歳5ヵ月~2歳10ヵ月の自己評価・反省の例文
- イヤイヤで床に寝転がるC児に対し、無理に切り替えさせず落ち着きスペースで寄り添ったところ、自分から立ち上がる姿が増えた
- 「赤と青、どっち?」と二択を示す関わりを続けた結果、「これ!」と自己決定する場面が日常的に見られるようになった
- 二語文で気持ちを伝えようとする姿を丁寧に代弁し、表現意欲を支える援助を意識した



低月齢の振り返りは、イヤイヤの裏にある「育ちの姿」を言葉にして残す視点を持ちましょう。
【高月齢】2歳11ヵ月~3歳4ヵ月の自己評価・反省の例文
- ごっこ遊びでD児が「お母さん役」を主張し続ける場面では、保育者が交代の声掛けをして友だちとの役割分担に挑戦した
- 「自分で着替える」と意欲を示すE児には、靴下のかかとを揃える工程だけ援助し、最後まで取り組む姿勢を支えた
- 三語文で要求を伝える場面が増え、「○○ちゃんとあそびたい」と気持ちを言葉にする力が育ってきた



高月齢の振り返りでは、3歳児クラスにつながる育ちを意識的に記録していきましょう。
2歳児共通の自己評価・反省の例文
- プール遊びの初日に泣いていた子も、保育者が水の感触を一緒に味わう関わりを重ね、次第に笑顔で参加する姿が見られた
- 暑さで午睡時間が長くなる傾向があったため、午前中の活動量を調整したところ、夕方の機嫌が安定するようになった
- お盆休み明けに登園を渋る子には「会いたかったよ」と声をかけ、安心して園生活へ戻る橋渡しを丁寧に行った



共通の振り返りは、季節要因と日常の流れを意識しながら書くと、翌月の計画に活きやすくなりますよ。







