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児童発達支援センターは転職先としてきつい?1日の流れ・仕事内容まとめ

児童福祉や介護分野に興味のある人の中には、児童発達支援センターで働きたいと考えている人もいるのではないでしょうか。

一般的に「きつい」と言われている児童発達支援センターでの仕事ですが、子どもの成長をサポートでき、社会貢献度の高いとても魅力のある仕事です。

今回は、児童発達支援センターでの仕事について、きついと言われている理由、仕事内容や1日の流れ、必要資格などについて解説します。

目次

児童発達支援センターの仕事がきついと言われる理由

児童発達支援センターでの仕事は、一般的な保育園や幼稚園とは違い、障がいを持った子どもたちの成長を専門にサポートする施設です。

どんな部分がきついと思われているのか、実際に働いている人の声をもとに解説します。

体力的な負担が大きい

個別や少人数での関わりが多い児童発達支援センターでの仕事ですが、それでもやはり体力的な負担は大きいと言えます。

障がいを抱える子どもたちの中には、多動傾向にある子どもや、運動量の多い子どもなども多く、中には突発的な動きや危険な行為も多々見られます。

そういった子どもたちが、怪我や事故がないよう見守るのも職員の仕事の一つです。

様々な特性を持った子どもたちが、自立した日常生活を送れるようサポートする児童発達支援センターの職員は、体力勝負であることは間違いありません。

日常的にトラブルが多い

児童発達支援センターに通う子どもたちの中には、他者とのコミュニケーションに課題を抱える子も多くいます。

障がいの種類によっては、強いこだわりがある子、相手の気持ちがわからない子、注意されていることに気づけない子など、様々な特性を持った子どもたちが一緒に過ごします。

そういった他の子どもたちとの関わりの中で、トラブルが起きることも少なくありません。

職員は、子どもの特性を見極めながら、視覚的に訴えたり、短くわかりやすい言葉で伝えたりしながら、適切な関わり方を教えていくのです。

子どもへの接し方にかなり気を遣う

発達に課題を抱えた子どもたちとの関わりの中では、なかなか成長が見られなかったり、問題行動が続いたりすると、自分の指導方法が適切かどうか、悩んでしまう職員も少なからずいます。

焦るあまり間違った関わり方をしてしまうと、感受性豊かな子どもたちは、大人の普段とは違う様子を敏感に感じ取り、それまで築いてきた信頼関係が揺らいでしまうことにもつながりかねません。

成長を促すことにフォーカスしながらも、常に落ち着いた態度で向き合う必要があり、子どもへの接し方にはかなりの気を遣います

保護者とのコミニュケーションが大変

障がい児を持つ保護者は、子どもの障がいを否定的に捉えている場合が多く、我が子の発達を支援してくれる専門の職員に大きな期待を寄せています。

児童発達支援センターへの期待が大きすぎるあまり、いきすぎた過度な要求や、自身が抱えている強い不安を訴えてくるケースもあるでしょう。

そんな保護者との関わりに、悩んでしまう職員も少なくありません。

担当している職員が一人で抱え込まないよう、上司や同僚などの周囲の職員と相談をしながら、多角的な視点でサポートしていくシステムが重要になります。

給与が低すぎる園もある

厚生労働省が運営している職業情報提供サイト「jobtag」によれば、児童発達支援センターで働く児童指導員の平均年収は、約425万円とされています。

ただし、資格の種類や施設の規模、地域や運営状況などによって給与は様々であり、場合によっては平均年収よりも低く設定している施設もあります。

昨今、福祉・介護業界では、ニーズの高まりや人材確保の観点から処遇改善がなされ、以前よりも待遇が大幅に改善されました。

しかし、とても責任が重く、専門性を必要とする仕事であるにも関わらず、給与が低く、やりがいを感じられないと思う人も少なくありません。

参照:厚生労働省 職業情報提供サイト「jobtag」

児童発達支援センターの仕事内容

児童発達支援センターとは、心身の発達に特性を持った子どもたちを、各種専門資格を有する職員が、個別療育や集団療育を通して、発達を促すことを目的とした施設です。

通常の保育園とは異なり、個別または少人数制のもと、より専門的な視点からアプローチをすることで、個々の発達支援します。

療育の内容は以下の通りです。

個別療育


個別療育では、子ども一人ひとりの発達課題や特性に合わせた最適な支援を行います。

言葉、視力、聴力、情緒、運動など、子ども一人ひとりが抱える発達の課題は様々であり、個々の状況に応じたプログラムを設定することで、より的確に発達を促せるのが特徴です。

また、一人ひとりとじっくり関われるため、対人関係に苦手意識を持つ子どもでも、担当職員との信頼関係が築きやすいのもメリットの一つです。

当日の気分や体調に合わせて柔軟な対応も可能で、その時その時の様子に寄り添い、のびのびと子どもの力を伸ばしていけます。

集団療育

集団療育では、複数名でのグループ活動を通して、社会性を身につけることを目的としています。

同年代の子どもと関わりによって、集団生活に必要なルールの理解や、コミュニケーション能力の獲得、感情をコントロールする力などの様々なスキルを獲得していきます。

協力しながらやり遂げたり、お互いの意見を尊重し合いしながら一つの目標に向かって進むという行為は、他者との関わりの中でしか経験できません。

プログラム内容は、スポーツや料理、農作業や製作活動など、施設によって様々です。

保護者支援

児童発達支援センターでは、障がいを持った子どもへの療育だけでなく、その保護者への支援も行っています。

専門性の高い知識をもとに、子どもの発達における課題や心身の状況を保護者に適切に認識してもらい、その時々に必要な療育や支援の方法を伝えていくのも、児童発達支援センターの職員の大切なお仕事です。

また、保護者の悩みを聞いて必要な助言をしたり、子どもの言葉にならない気持ちを代弁したり、他の支援機関や障がい児の保護者が利用する子育てサークルなどへつなげる役割も果たします。

孤独や悩みを抱えている障がい児の保護者にとって、良き理解者と言えるでしょう。

1日の流れ

児童発達支援センターでは、子どもや職員はどのようなスケジュールで過ごしているのでしょうか。

午前中で終了する施設、施設で昼食をとる施設、就職後昼寝も行う施設などがあり、施設によってプログラムは様々です。

今回は、ごく平均的な平日の1日の流れをご紹介します。

  • 来所、子どものお迎え
  • 身支度、朝の会
  • 個別支援・集団支援
  • 昼食
  • 迎え、自宅まで送り

センターに到着後、身支度を済ませ、朝の会を行います。

身支度は、できる限り自分の力で行えるようサポートしつつ、子どもの状況に合わせて適切に援助をして自立を促し、朝の会では、その日1日のスケジュールを伝えることで、不安な気持ちを解消したり、子ども自身が見通しを持って過ごせるようにします。

また、みんなで一緒に昼食をとることで、社会性を養い、一緒に食べる楽しさを感じられるようにすることもプログラムの一つです。

施設によっては施設への送迎もしてくれるので、働く保護者も安心です。

きついと感じたときの対処方法

どれだけやりがいを感じていたとしても、仕事に真剣に向き合い情熱を注いでいるからこそ、きついと感じることもあると思います。

児童発達支援センターで向き合うのは、様々な障がいを抱えた子どもたちであり、とても責任の重い仕事です。

子どもたちの心身の不調により、思うとおりにプログラムが進まずに臨機応変な対応を求められることもあるでしょう。

また、不安を抱えた保護者から、我が子を思うあまりの強い要望や心無い言葉を向けられることもあるかも知れません。

きついと感じたら、一人で抱えず、上司や同僚に相談して話を聞いてもらいましょう。

休みを取り、自分の好きなことをしてリフレッシュをするのもおすすめです。

児童発達支援センターのやりがいとは?

きついと思われることもある児童発達支援センターでのお仕事ですが、児童発達支援分野が属する医療・福祉業界の離職率は15.3%です。

産業全体の離職率は15%となっていますので、ほぼ平均であり、離職率が特別高いとは言えません。

実際に働いている人が感じているやりがいは以下の通りです。

  • 子どもの成長を近くで見られる
  • 保護者を助けられる
  • 社会的な意義を感じられる

児童発達支援センターでの仕事において、大きなやりがいを感じられるのは、やはり担当する子どもの成長を近くで見られることが挙げられます。

昨日できなかったことができるようになった、苦手なことにチャレンジしたなど、一見小さなステップに見えるものでも、子どもたちのそこに至るまでの努力は図り知れません。

その子どもたちの努力を保護者に伝え、子どもと保護者の懸け橋となることで、悩みを抱える保護者の助けにもなれます。

ニーズも多い児童発達支援分野での仕事は、社会貢献度も高く、働く職員は大きな意義を感じられるでしょう。

参照:令和4年 雇用動向調査結果の概要

向いてる人の特徴/向いてない人の特徴向いてる人の特徴/向いてない人の特徴

児童発達支援センターで働きたいと考えている人の中にも、向き不向きがあります。

では、どんな人が向いていると言えるのでしょうか。

仕事の内容と照らし合わせながら、向き不向きの特徴について解説します。

・子どもとじっくり関わりたい人
・専門性を発揮して働きたい人
・忍耐力のある人

児童発達支援センターでの仕事では、個々や少人数の子どもたちと関わりが主です。

自身のもつ専門性を生かしながら、集団ではなく子ども一人ひとりとじっくり関わりたい人は、児童発達支援センターでの仕事は向いていると言えます。

また、子どもの発達を的確に捉えながら、個々のスモールステップを忍耐強く見守るスキルを持ち合わせている人も、この仕事が天職と言えるでしょう。

・すぐに結果を求める人
・大人数の子どもと関わりたい人
・柔軟性に欠ける人

前述した通り、子どもたちは日々の積み重ねによって少しずつ伸びていくので、時に根気強く見守る場面もあり、すぐに結果を求める人は不向きと言えます。

発達に課題のある子どもたちとの関わりは毎日同じというわけにはいかず、その時々の子どもの様子に合わせた柔軟な対応が求められるのです。

また、保育園のような大人数の関わりは、児童発達支援センターでは行いませんので、集団活動を好む人は児童発達支援センターでの仕事は向いていないでしょう。

働く上で必要な資格はある?

児童発達支援センターでの仕事では、児童発達支援管理責任者、児童支援員、保育士などの他、機能訓練を行う場合には、作業療法士、理学療法士、言語聴覚士などのより専門性の高い資格も必要です。

そのほか、臨床心理士や公認心理士など、心理面でのスペシャリストと言える資格を有した職員が配置されている施設もあります。

施設によって、資格保有者の配置基準が定められており、基準を満たしていれば、その他の職員は無資格でも働ける場合がありますが、やはり専門性の高さが必要な仕事ですので、無資格で入職したとしても、実務経験を重ねながら資格取得を目指せば、スキルアップにつながるでしょう。

きつい児童発達支援センターに転職しないためのポイント

きつい児童発達支援センターに転職しないためには、まずは見学をし、専門知識を有する職員が十分に配置されているかを見ましょう。

職員数が十分に満たされていれば、利用者にとって有益な療育を行う適性のある事業所であると言えます。

子どもたちの療育の様子を見る機会があれば、子どもの表情や落ち着き、玩具や教材の数、子どもたちへの職員の関わり方や表情、言動にも注目してください。

子どもたちが安心して過ごせていれば、職員との信頼関係が築けており、施設が安心して過ごせる場所という証拠になりますし、職員の表情や言動が明るく生き生きとしていれば、働く側にとっても良い施設であるということがわかります。

自身の目で確かめ、より良い児童発達支援センターで、子どもたちの成長をサポートしていきましょう。

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この記事を書いた人

ほいポケ編集部のアバター ほいポケ編集部 保育士ライター集団

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