【2026年最新版】保育士の処遇改善手当がもらえない!もらえない人はどこで相談すればいい?徹底解説します!

保育士の待遇をより良くするため、処遇改善手当がありますが、令和7年度から変更があったのはご存知でしょうか。

「あれ?私は手当をもらってないかも!?」
「どの手当が対象か分からない!」
「もらっていない場合はどこに相談したらいい?」

と疑問を抱いた経験がある方もいるでしょう。

本記事では、まずは一目で処遇改善手当を確認できる表を掲載しました。

もらえるはずの手当がもらえなかった場合の相談先も複数紹介しますので、ご自身の手当額に疑問がある方はぜひ最後までご覧ください。

この記事を書いた人

ちあき先生

認可保育園で勤務後退職して留学。その後は英語の幼稚園で働く。結婚を機に派遣保育士に転身し、さまざまな園で経験を積む。保育士歴は通算7年ほど。

子どもが重度アレルギー児になったことでライターに転身した2児の母。

目次

【2026年最新】保育士の処遇改善手当、何が変わった?

令和7年度から、保育士の処遇改善手当の仕組みが大きく見直され、これまでの「処遇改善等加算Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」という区分が再編され、より分かりやすい区分へと整理されています。

さらに、キャリアパス要件や配分ルール、実績報告の方法にも変更が加えられました。

本章では、押さえておきたい最新の制度変更ポイントを解説します。

加算Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ → 区分1・2・3 に一本化

もともとは「処遇改善等加算Ⅰ」「加算Ⅱ」「加算Ⅲ」と分かれており、制度の全体像が分かりにくい状態でした。

令和7年度からは、再編され「区分1(基礎分)」「区分2(賃金改善分)」「区分3(質の向上分)」へと整理されました。

何に対する加算なのかが明確化されたので下記で解説しますね。

区分1(基礎分)

区分1は、旧処遇改善等加算Ⅰに相当する「基礎分」にあたります。

対象者は施設で働く全ての職員で、在籍児童数×区分1の単価×加算率で計算され、平均経験年数が長い施設ほど加算率が高くなる仕組みになっています。

最大の変更点は、今までは「キャリアパス要件」を満たさない場合に減算(減率)される仕組みでしたが、必須要件化されました。

ただし令和7年度に限り、1年間の経過措置が設けられています。

区分2(賃金改善分)

区分2は、今まで別々になっていた旧加算Ⅰの賃金改善要件分と、旧加算Ⅲ(ベースアップ等)を統合したものになります。

対象者は施設で働く全ての職員で、法人役員を兼務していても賃金改善の対象に含められるようになりました。

加算率は、在籍児童数×区分2の単価×加算率で算出されます。

改善方法のルールとして、区分2と区分3の合計金額の1/2以上を必ず基本給か決まって毎月支払われる手当によって改善しなければなりません。

区分3(質の向上)

区分3は、職員の技能・経験の向上のための賃金改善を目的とし、今回の見直しによって、施設がより柔軟に活用できるよう要件が大きく緩和されました。

大きな変更点は、これまで「月額4万円の賃金改善を行う副主任保育士等を1人以上確保する」という厳しい要件が廃止されたことです。

新しい仕組みでは、施設の規模(基礎職員数)と実際の研修修了者の人数を比較して加算額を計算することになっています。

キャリアパス要件の見直し

大きな変更点として、これまで「旧加算Ⅰ(賃金改善要件分)」においてキャリアパス要件を満たさない場合に減算される仕組みでしたが、新制度では「区分1(基礎分)」を取得するための必須要件になりました。

区分1の加算をもらうためには、以下のルールを作り、全ての職員に知らせる必要があります。

  • 役職や仕事内容に合った給料のルールを決める
  • 職員が成長できる「計画と研修」を用意する
  • 資格を取ろうとする人をサポートする

区分2(旧加算Ⅱ・Ⅲ相当)の認定主体が変更

今までは、旧加算Ⅰの認定主体が「都道府県・指定都市・中核市」であったのに対し、旧加算Ⅲの認定主体は「市町村」と分かれていました。

事務手続きの負担をするために、各加算の窓口が旧加算Ⅰの扱いに合わせる形で整理され、区分2(および区分1・区分3)の認定主体は「都道府県・指定都市・中核市」に統一されます。

区分3(質の向上分)の算定方法が変更

今まで加算をもらうために必須だった、「月額4万円の賃金アップをする人を必ず1人以上つくる」という縛りが廃止され、実際に研修を終えた人数で計算されるようになりました。

新しい仕組みでは、園の規模に応じた「人数の枠」と、「実際に研修を修了した人数」を比べて、少ない方の人数が採用されるようになります。

区分2・3の配分ルールが明確化

  • 区分2: 基本給、手当、賞与、一時金等のどれで改善してもよい。
  • 区分3: 基本給または毎月決まって支払われる手当のみで改善する。
  • 全体の縛り: 区分2と区分3を合わせた全体の加算額のうち「1/2以上」を、確実に基本給や毎月の手当に充てる

施設側は今までの複雑な配分割合に悩むことなく、もらった加算額全体の半分以上を、毎月の固定給のアップに使えばよいという明確な基準で配分できるようになりました。

実績報告の方法が変更

今まで、加算Ⅰ・Ⅱ・Ⅲごとに別々の実績報告書を作成する必要があり、最大で9枚になっていましたが、一本化され、「処遇改善等加算」としての1つの報告書にまとまるようになりました。

加算ごとの複雑な確認がなくなり、

  • 加算総額以上に、きちんと賃金改善を行っているか
  • 前年度の賃金水準を引き下げていないか

2つの観点で確認されるようになります。

【2026年版】保育士の処遇改善手当、どれがもらえる?

令和7年度から、これまで3種類に分かれていた保育士の処遇改善等加算が一本化され、新しい制度へと生まれ変わりました。

手続きが簡素化される一方で、「結局、自分はどの手当をもらえるの?」と疑問に思う方も多いでしょう。

本章では、新しくなった3つの加算区分を表で分かりやすく解説します。

区分内容対象者
区分1(基礎分)職員の平均経験年数の上昇に応じた昇給全職員
区分2(賃金改善分)職員の賃金改善全職員
区分3(質の向上分)職員の技能・経験の向上に応じた追加的な賃金改善副主任保育士等、職務分野別リーダー等

区分1は、基本的に園で働くすべての職員が賃金改善の対象となります。

一方、区分3は旧制度の加算Ⅱを引き継いだもので、所定の研修を修了した副主任保育士や職務分野別リーダーなどが対象となる加算です。

では、それぞれの区分で具体的にいくらもらえるのか、どのような要件があるのか、次の表で詳しく見ていきましょう。

保育士の分類条件区分1区分2区分3
公立保育園で働く保育士認可保育園
私立保育園で働く保育士
公立保育園で働く新卒保育士
私立保育園で働く新卒保育士
主任保育士
職務分野別リーダー・専門リーダー・副主任保育士
園長
産休中・育休中の保育士
パート・派遣・非正規職員・認可保育園
・1日6時間以上 or 月20日勤務
認可外保育園で働く保育士
児童発達支援事業所・放課後等デイサービスで働く保育士

公立保育園で働く保育士

■もらえる手当

  • 区分1
  • 区分2
  • 区分3

原則として全職員が対象となる区分1(基礎分)と区分2(賃金改善分)を受け取ることができます。

さらに、概ね3年以上または7年以上の経験年数があり、所定の研修を修了してリーダーなどの役職に就いている場合は、区分3(質の向上分)も追加でもらうことが可能です。

私立保育園で働く保育士

■もらえる手当

  • 区分1
  • 区分2
  • 区分3

私立保育園で働く保育士は、原則として全職員が対象となる区分1(基礎分)と区分2(賃金改善分)を受け取ることができます。

さらに、公立保育士と同様に概ね3年以上または7年以上の経験年数があり、所定の研修を修了してリーダーなどの役職に就いている場合は、区分3(質の向上分)も追加でもらえますよ。

新卒保育士(公立・私立)

■もらえる手当

  • 区分1
  • 区分2

■もらえない手当

  • 区分3

私立保育園の新卒保育士は、全職員が対象である区分1と区分2の手当をもらうことができます。

しかし、区分3はリーダー職などを主な対象としており、概ね3年以上の経験年数が必須要件となるため、経験のない新卒保育士はもらえません。

主任保育士

■もらえる手当

  • 区分1
  • 区分2

■もらえない手当

  • 区分3 ※特例あり

主任保育士は、全職員対象の区分1・2を受け取ることができます。

区分3は本来副主任やリーダー層がメインですが、副主任等の賃金が主任を上回ってしまうような賃金バランスの逆転を防ぐため、必要な場合は例外的に主任保育士にも区分3を配分することが可能です。

職務分野別リーダー・専門リーダー・副主任保育士

■もらえる手当

  • 区分1
  • 区分2
  • 区分3

処遇改善等加算のすべての区分の対象となります。

特に区分3(質の向上分)は、3年以上または7年以上の経験を持ち、所定の研修を修了した上で発令を受けたリーダーを対象として設定しており、キャリアアップを通じた賃金改善の要となる役職です。

園長

■もらえる手当

  • 区分1
  • 区分2

■もらえない手当

  • 区分3 

園長は、全職員が対象の区分1と区分2を受け取ることができます。

新制度では、法人役員を兼務している施設長であっても、通常の教育・保育業務に従事し、園の給与規程に基づいて給与が支払われていれば区分2の対象に含められることが明確化されました。

産休中・育休中の保育士

■もらえる手当

なし

産休中、育休中の保育士は、休業扱いとなります。月の給与が発生しないため、基本的に手当をもらえません。

理由は、手当金は月給に加算されるからです。

ただし、処遇改善手当以外の出産手当金や育児休業給付金はもらえます。

パート・派遣・非正規職員

■もらえる手当

  • 区分1
  • 区分2

■もらえない手当

  • 区分3 

区分1と区分2は全職員が対象になるので、手当を受け取ることができます。

区分3は、概ね3年以上または7年以上の経験を持ち、所定の研修を修了した上で発令を受けたリーダーになるので、一般的にはパートや非正規雇用の保育士は該当しません。

認可外保育園で働く保育士

認可外保育園で働く保育士は処遇改善手当を受け取れません。

理由は、認可園で働く保育士のみが対象だからです。

代表的な認可外保育園は次の通りです。

認可外保育園
  • 民間の保育園
  • 一時保育室
  • 病児・病後児保育室
  • 病院に併設されている独自の保育室
  • 認証保育所(地方単独保育事業の施設)

児童発達支援事業所・放課後等デイサービスで働く保育士

処遇改善手当は認可保育園で働く保育士をサポートするための手当です。

従って、認可園でない児童発達支援事業所や放課後等デイサービスなどで働く場合は、処遇改善手当をもらえません。

ただし、本制度の対象ではありませんが、別途『福祉・介護職員』向けの処遇改善手当が存在します。

この「福祉・介護職員等処遇改善加算」の対象になっている可能性があるので、詳しくは勤務している事業所にご確認ください。

もらえるはずなのにもらえてない!?

「対象のはずなのに、給与明細だと受け取ってないんだけど…」

もし上記のお悩みがある場合は、処遇改善手当がもらえていない理由があるかもしれません。

考えられる理由を3つ挙げました。

対象なのに処遇改善手当をもらえない理由
  • 園が申請を行っていない
  • 園長が意図的に保育士に分配していない
  • 園の経営不振

処遇改善手当の制度の特性として、園が国に手当金を申請する必要があります。

まず最初に、園が手当の申請を国に出していないため手当金が入らず、保育士の手元に行きわたっていない可能性があります。

次に考えられる理由として、園長が意図的に保育士に配分していないケースです。

手当の流れは、園が手当金の申請をして手当金が入り、園が振り分けたものが保育士に入ってきます。

具体的に誰にいくら分配するかは園によって決めるため、意図的に分配金を調整しているケースもあるようです。

最後に考えられる理由は、園の経営困難によって保育士の手に渡るはずの手当金を、園側が独自で使ってしまっていることです。

現在は、園が手当をどのように分配したかを報告する義務があります。

よって、今後は発生しにくいとは思いますが、実際に以前は受け取れていた手当金が減ってしまった人も過去にいたようです。

各自治体でも保育士の処遇改善の取り組みを実施

処遇改善加算は国から支払われる手当金ですが、地方自治体によっては独自に保育士へ手当を支給しているところがあります。

転職や就職を考える際に処遇改善を行っている自治体を選択することで、給与額アップも見込めます。

下記で代表的な自治体の取り組みの一部を紹介します。

東京都千代田区

補助額…年間240,000円(最大2,400,000円)

東京都千代田区では、奨学金を利用して保育士資格を取得した区内の保育施設で勤務する保育士に対して、奨学金返済費用の一部を補助しています。

基本的に返済している額が補助され、年間最大240,000円の補助が受けられます。

補助期間は最大10年間で、最大2,400,000円です。

初回に申請した保育園で継続しての勤務が条件となりますので、退職して再就職しても再度申請はできません。

参照:千代田区ホームページ – 保育士奨学金等返済支援事業補助金

埼玉県さいたま市

補助額…年間180,000円(最大900,000円)、年間193,500円(さいたま市独自の制度)

埼玉県さいたま市の取り組み2点を紹介します。

1つ目は、奨学金の貸与によって保育士資格を得た市内の私立保育園で働く保育士に向けて、年間上限180,000円を補助しています。

最長5年間、補助を受けることが可能です。

2つ目は、さいたま市独自で常勤職員1人あたりに年間193,500円を手当として支給しています。

参照:保育士になるならさいたま市

千葉県松戸市

補助額…月額45,000円(松戸手当)、月額15,000円(奨学金返済支援制度)

千葉県松戸市での取り組み2点を紹介します。

1つ目は、松戸手当とも呼ばれている市独自の保育士への給与の上乗せです。

支給額は勤続年数に応じて決まり、1〜11年目までは1ヶ月あたり45,000円、12年目以降は勤続年数によって1ヶ月あたり49,800〜78,000円まで支給されます。

2つ目は、奨学金を利用して保育士資格を取得した市内の保育園で働く保育士に対して、1ヶ月あたり15,000円の補助をしています。

補助上限金額は900,000円です。

参照:松戸市の保育士確保に関する取組み

千葉県船橋市

補助額…年間602,340円(ふなばし手当)

千葉県船橋市では、市内の保育施設で働く保育士に、1ヶ月あたり43,220円のふなばし手当と呼ばれる給与の上乗せがあります。

月額の給与の上乗せのみならず、賞与2回分にも上乗せがあり、さらに勤続年数を問わず支給されることが特徴です。

また、手当の対象は正社員保育士だけでなく、1日6時間以上かつ月20日以上働いているパート保育士も受け取りが可能です。

参照:船橋市内の保育園で働きませんか?

北海道札幌市

補助額…100,000円(一時給付金)

北海道札幌市では、市内の認可保育園に勤務している保育士で、採用から3、6、9年間勤務を続けた人に一時金100,000円を支給しています。

3年間は勤続3年以上4年未満、6年間は勤続6年以上7年未満、9年間は勤続9年以上10年未満として考えます。

同一の保育園で勤務していることが条件です。ただし、系列施設の人事異動は同一の保育園とします。

参照:保育人材の確保に向けた事業について/札幌市

処遇改善手当がもらえない人はどこに相談すればいい!?

処遇改善手当の対象者や制度についてお伝えしました。

本来ならもらえるはずの手当がもらえていないケース、または手当の対象外で給与が低く暗い気持ちになっている保育士さんもいるかもしれません。

下記に保育士さんが利用できる相談場所を記載しますので、勇気を出してぜひ相談してみてください。

福祉保育労では、無料で労働相談を受け付けています。

平日は9:30~18:00ごろまで電話での相談、FAXやメールでも相談に対応してくれますので、忙しくて平日の日中に時間が取れない保育士さんでも相談できますね。

総合労働相談コーナーは、各都道府県の労働局や労働基準監督署などに設置されており、無料で電話での相談や面談も可能です。

相談の内容によっては、助言や指導を受けることもできます。

法テラスでは、法律の専門家が無料で相談に対応してくれます。

電話での相談は平日は9:00〜21:00と対応時間が長く、土曜日も9:00〜17:00まで対応してくれるので忙しくても電話相談をするタイミングが取れそうですね。

また、メールでの相談も受け付けています。

「保育士の処遇改善手当がもらえない」に関するQ&A

保育士の処遇改善手当について、「自分は対象外なの?」「明細に載っていない」といった疑問の声をよく耳にします。

新しい処遇改善等加算の制度をもとに、よくある疑問にQ&A形式でお答えします。

同じ園の先輩はもらっているのに、私だけもらえません。なぜですか?

手当には種類があり、全職員が対象の区分1・2のほかに、役職や経験年数が求められる区分3があります。

先輩は所定の研修を修了し、副主任やリーダーとして区分3の加算を受け取っているのかもしれません。

求人票には「処遇改善あり」とあったのに、明細に記載がありません。

処遇改善による賃金アップは、処遇改善手当という名称で支給されるとは限りません。

園のルールによって、基本給の引き上げや、別の名称の手当として支払われている場合があります。

派遣保育士として働いていますが、処遇改善手当はもらえますか?

派遣保育士の給与は勤務先の園ではなく派遣会社から支払われるため、園に支給される加算の直接の対象外となるケースが多いです。

給料アップには転職も視野に

保育士の手元に入るはずの処遇改善手当

ですが、保育士個人に直接振り込まれず園にまとめて入金される特徴と、園が振り分け先と金額を決めるために、園によってもらえる手当の額には差があります。

現時点の給与額に悩み、転職を視野に入れている保育士さんは、手当金をしっかり保育士に渡しているかどうか、役職に就くための研修を受ける機会があるかなどの点も踏まえてご自身に合った保育園を探してください。

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認可保育園で勤務後退職して留学。その後は英語の幼稚園で働く。結婚を機に派遣保育士に転身し、さまざまな園で経験を積む。保育士歴は通算7年ほど。子どもが重度アレルギー児になったことでライターに転身した2児の母。

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