11月は、より一層秋の季節を感じられる時期で、冬の気配も感じられます。
秋の製作では、落ち葉などの自然物を取り入れた作品が人気です。
また、11月はさつまいもが旬なので、行事で「さつまいも堀り」を取り入れる園も多いです。
そのため、さつまいもをテーマにした製作を取り入れるクラスも多く、乳児から幼児まで楽しめますよ。
当記事では、11月にぴったりなさつまいもを題材にした製作物を年齢別にご紹介します。
- 年齢別にさつまいもの製作を知れる
- 指先の発達や様々な素材に触れる製作のアイデアが分かる
- お芋堀りの行事をより楽しめるように事前に製作を取り入れる
- さつまいもの製作を通して旬の食べ物に関心を持てるようにするのが大切

さつまいも製作は、行事に合わせて乳児から取り入れる園が多いです。乳児クラスではさつまいもに関連した手遊びや絵本などで導入すると分かりやすいですよ。幼児クラスは、お芋堀りをより楽しみに待てるように事前に製作を取り入れて、当日のイメージを子ども達と一緒に膨らませてみましょう。


すもも 元保育士ライター
8年間保育士として勤務し、主に乳児クラスの担任を務めて参りました。認可保育施設や認可外保育施設での職務経験を活かして、保育士さんに役立つ記事を執筆させていただきます。


さつまいもの製作を実施するねらいとは?
まずは、さつまいもの製作を実施するねらいについて記載します。
- 季節の旬の食べ物への関心を深める
- お芋堀りのイメージを持てるようにする
- 様々な素材に関心を持つ
- さつまいものイメージを膨らまして自由に表現する
さつまいも製作を行う際は、さつまいもへの関心を深め、イメージを膨らますことが大切です。
乳児であれば、実際にさつまいもを見せたり、絵本などを使ったりして導入するのがおすすめですよ。
幼児クラスでは、行事でさつまいも堀りを行う園が多いので、さつまいも製作を通して、当日を楽しみに待てるようにしましょう。
【0~1歳児におすすめ】さつまいもの製作4選
ここからは、0~1歳児におすすめのさつまいも製作4選をご紹介していきますね。
0歳児や1歳児では、さつまいもに関心を持てるようにするのが大切です。
実際にさつまいもを準備したり、絵本や写真を使ったりして、さつまいもってどんな食べ物なのかを簡単に知らせてみてくださいね。
くしゃくしゃにぎにぎ さつまいも製作
こちらの製作は、折り紙を使って0歳児からでも簡単に作れる作品となっています。
折り紙を握ったりくしゃくしゃにしたりすることで、手や指の発達にも効果がありますよ。
保育士が準備する物も少ないため、誰でも取り入れやすい製作です。
0歳児で導入する場合は、月齢の低い子どもは口に入れてしまう可能性もあるため、注意しながら楽しめるようにしましょう。
- 折り紙(紫・赤紫)
- 画用紙
- 紙テープ(緑)
- のり
- 折り紙の両端を握ってぎゅっと絞ってさつまいもに見立てる(子どもが行う)
- ツルに見立てた紙テープに①のさつまいもと画用紙で作った葉っぱを貼って完成(保育士が行う)
ビー玉転がしでさつまいも製作
ビー玉を使って絵の具で模様をつける製作で、乳児からも楽しめますよ。
ビー玉がコロコロ転がる動きが面白いので、赤ちゃんも興味津々です。
0歳児で取り入れる場合は、保育士の援助が必要になるため、後ろから支えてあげましょう。
1歳児以降であれば、自分で持ってコロコロ転がせるようになる子どもも多いです。
保育士が準備する工程は多くなりますが、子ども達が集中して遊べる製作なのでおすすめですよ。
- 画用紙(紫)
- 絵の具
- ビー玉
- 平らな容器
- 画用紙で作った顔
- 台紙
- 周りに飾り付けるパーツ(折り紙など)
- 事前に画用紙でさつまいもに貼る顔のパーツを作っておく(保育士が行う)
- 画用紙を敷いた平らな容器と絵の具をつけたビー玉を用意する(保育士が行う)
- ビー玉をコロコロ転がして模様をつける(子どもが行う)
- 乾いたら③の画用紙をさつまいもの形に切る(保育士が行う)
- 顔のパーツをさつまいもに貼る(保育士が行う)
- 台紙にさつまいもを貼りつけ、周りを折り紙を貼って飾り付ける(保育士が行う)
簡単!絵の具でさつまいも製作
0~1歳児で絵の具遊びを導入したいけれど「口に入れないか心配」「片付けが大変そう」と悩んでいる保育士さんにおすすめの製作。
こちらの製作は、ジップロックを使ってできる絵の具遊びなので、手が汚れる心配がなく乳児クラスでも導入しやすいです。
ジップロックの中で絵の具を指で伸ばして遊ぶため、感触もしっかりと味わえます。
準備する物も少ないため、保育士の負担が少なく、誰でも取り入れやすい製作ですよ。
- ジップロック
- 絵の具(色は自由)
- さつまいもの形に切った画用紙
- 台紙
- 周りに飾るツルや葉っぱ(画用紙)
- さつまいもの形に切った画用紙を用意しておく(保育士が行う)
- 画用紙に直接絵の具を出してジップロックに入れる(保育士が行う)
- ジップロックの上から指でなぞったりたたいたりして感触を楽しむ(子どもが行う)
- 絵の具が乾いたら台紙に貼り付けてツルや葉っぱで装飾して完成(保育士が行う)
フラワーペーパーでさつまいも製作
こちらの製作は、フラワーペーパーをくしゃくしゃにしたり丸めたりするので、指先の発達に繋がります。
フラワーペーパーを使っているため、0歳児からでも安全に取り入れられる製作ですよ。
ただし、月齢の低い子どもは口に入れる可能性があるため、保育士がそばについて見守りましょう。
保育士による仕上げが必要になりますが、簡単にできる内容なので、負担が少ないです。
- ラッピング袋
- 両面テープ
- フラワーペーパー
- 画用紙
- 綿の紐
- はさみ
- フラワーペーパーを丸めたりくしゃくしゃにしたりする(子どもが行う)
- フラワーペーパーをラッピング袋に入れる(子どもが行う)
- 袋の口を紐で結んで葉っぱを紐につけたら完成(保育士が行う)
【2~3歳児におすすめ】さつまいもの製作4選
次は、2~3歳児におすすめのさつまいも製作4選をご紹介します。
2~3歳児では、簡単なさつまいものイメージが浮かぶようになります。
さらに、指先が器用に使えるようになってくるので、はさみやのりを使った製作にチャレンジしてみるのもおすすめです。
のりを使ってさつまいもを作ろう
少ない材料を使って簡単にできるさつまいも製作です。
保育士が行う準備は、製作の土台となる部分や、さつまいもの葉などを画用紙を使って作成します。
子どもが行う製作の部分は、さつまいもの形に切った画用紙に折り紙を貼っていく作業です。
のりを使って貼るだけなので、2歳児クラスからも導入できる製作ですよ。
折り紙は、事前に保育士が切っておくのも良いですが、2歳児後半から3歳児クラスであれば、はさみを使って子ども達が自分で切っても楽しいですね。
- 画用紙
- クレパス
- のり
- はさみ(子どもが使う場合)
- 折り紙
- 鉛筆
- 製作の土台となる部分を保育士が画用紙を使って作成しておく(保育士が行う)
- さつまいも・葉っぱ・モグラも作成しておく(保育士が行う)
- 子ども達が貼る折り紙を事前に切っておく(子どもが自ら切ってもOK)
- さつまいもの画用紙に折り紙をのりで貼っていく(子どもが行う)
- 土台に全てのパーツを貼り付けてクレパスでツルの模様を描いて完成(子どもが行う)
画用紙をビリビリ破けば美味しそうなさつまいもに!
次にご紹介するさつまいも製作も、画用紙とのりを使った簡単な作品です。
保育士が事前に準備する物も少ないため、時間が余った時などにも取り入れやすい製作ですよ。
さつまいもの形に切った画用紙を貼り合わせて、後は破くだけなので2歳児からでも自分で取り組めます。
指先をよく使う製作になっているため、子ども達の集中力も高まりますよ。
- 紫と黄色の画用紙(事前に保育士がさつまいもの形に切っておく)
- のり
- 紫色の画用紙をさつまいもの形に切っておく(保育士が行う)
- 黄色の画用紙はさつまいもの半分の形に切っておく(保育士が行う)
- 紫の画用紙に黄色の画用紙を貼り合わせる ※のりは1㎝幅ほど(子どもが行う)
- 貼り合わせたらさつまいもの皮に見立てた紫の部分を破いていく(子どもが行う)
- 全て破いて下に折り下げたら完成(子どもが行う)
絵の具を使ってさつまいも製作
絵の具を使って、子ども達が自由にさつまいもを描いていく製作です。
筆を使って描くため、大きな芋やコロコロした芋、細い芋など子ども達の個性が表れて、味のある作品に仕上がるでしょう。
さつまいものイメージが膨らむように、事前に見たり触ったりしてから取り組めると良いですね。
2歳児クラスでも保育士の援助があれば、筆を使った製作は可能なので、ぜひ取り入れてみてあげてください。
さつまいもの絵を描いた後に、仕上げとして目をシールで貼っても楽しいですよ。
- 筆
- 絵の具(紫・赤紫)
- パレット
- 画用紙
- 机に敷くシート
- クレパス
- シール
- 葉っぱの形に切った画用紙(事前に保育士が作っておく)
- のり
- 太めの筆と絵の具を用意しておく(保育士が行う)
- 画用紙に好きな色でさつまいもを描いていく(子どもが行う)
- さつまいものツタをクレパスで描いていく(子どもが行う)
- さつまいもの絵に目のシールと葉っぱを貼れば完成(子どもが行う)
にじみ絵でさつまいも製作
にじみ絵は、絵の具が水にじんわりと溶けていく様子を楽しめる遊びで、2歳児以降から導入するのがおすすめです。
絵の具が変化していく様子を子ども達と一緒に楽しめるような声掛けをしてみましょう。
こちらの製作は保育士の事前準備が必要になりますが、さほど多くはないので取り入れやすい製作ですよ。
上記の画像には、各パーツの貼り付けも子ども達が行う工程に入っていますが、この部分は2歳児では少し難しいので、3歳児で導入するのがおすすめ。
- 画用紙
- 絵の具
- パレット
- モール
- 筆
- テープ
- はさみ
- のり
- 画用紙でさつまいもの葉っぱとモグラを作っておく(保育士が行う)
- にじみ絵をする(子どもが行う)
- 画用紙が乾いたらさつまいもの形に切っていく(保育士が行う)
- モールをツルのように巻いていく(子どもが行う)※2歳児は保育士が行う
- 台紙に全てのパーツをのりで貼り付けていく(子どもが行う)※2歳児は保育士が行う
【4~5歳児におすすめ】さつまいもの製作4選
最後は、4~5歳児におすすめのさつまいもの製作4選をご紹介します。
4歳児以降になると、よりイメージを膨らませて製作ができるようになるため、様々な素材を使って行うのがおすすめです。
さつまいもの特徴などもしっかりとイメージできるため、子どもの創造力を活かした製作を導入したいですね。
また、4~5歳児ではお芋堀りを行う園が多いため、お芋堀りの前に製作を導入して、当日を楽しみに待てるようにしましょう。
折り紙を使ってさつまいもを作ってみよう
さつまいもは折り紙でも作ることが可能で、折り方もとっても簡単なので4歳児からでも取り入れやすい製作ですよ。
折り紙は指先を器用に使い、集中力が高まる遊びなので「子ども達を集中させたい」と感じている保育士さんにはぴったりと言えます。
折り紙を苦手に感じている子どももいるため、個人差を受け止めながら丁寧に説明するようにしましょう。
年長では、子ども同士で教え合えるようになるため、保育士は見守る姿勢も大切にしたいですね。
- 折り紙(さつまいもの色)
- マーカー
- 折り紙を半分に折って折り目をつける(①から⑥まで子どもが行う)
- 広げて折り目に沿って半分に折る
- 反対側も同じように折る
- 角を三角に折る(4か所)
- 出っ張っている部分を少し折って裏返す
- 表面にマーカーで模様を描いて完成
まるで本物みたい!封筒で作るさつまいも
次は封筒を使って、子ども達だけで作れる立体的なさつまいもの製作をご紹介します。
封筒と花紙、絵の具を使って、簡単に作れてまるで本物みたいで楽しいですよ。
お芋堀りが終わっても、引き続きままごとの遊び道具として活用できます。
絵の具をしっかりと塗る製作で時間がかかるため、何人かのグループに分けて一斉に行うのがおすすめ。
また、絵の具を乾かす時間も必要になりますが、乾くまでの時間も楽しみに待てるようにしたいですね。
- 封筒
- 花紙(黄色)
- 筆
- 絵の具(紫)
- パレット
- はさみ
- 封筒に黄色の花紙を入れていく(①から⑤まで子どもが行う)
- 両面テープを剥がして封を閉じる
- 封筒の両端をさつまいもの形にひねる
- 絵の具で紫に着色する
- 絵の具が乾いたらはさみで真ん中を切って完成
折り紙で作れる立体的なさつまいも製作
こちらの製作は、動画上では3~4歳児向けとされていますが、細かい作業が多いため、4歳児以降に取り入れるのがおすすめです。
集中力が高まって、指先の発達にもぴったりな製作となっています。
4歳児以降であれば、一斉に説明しながら子ども達が自ら取り組める内容です。
ただし、製作活動には個人差があるため、援助が必要な場合は丁寧にサポートしてあげてくださいね。
- 折り紙(紫・赤紫・黄色)
- テープ
- 紫または赤紫の折り紙を斜めに向かってちぎっていく(①から⑥まで子どもが行う)
- ちぎった折り紙を手で丸める
- 黄色の折り紙を丸める
- 2枚ほどのティッシュを黄色の折り紙で包む
- 最初にちぎった折り紙を黄色の折り紙に巻き付ける
- テープで留めれば完成
ちぎって貼り付けてカラフルなさつまいもに大変身
こちらは、はさみやのりなどを使って子ども達だけで作れる製作です。
顔や葉っぱのパーツは、保育士が事前に型を作っておけば、4歳児でもスムーズに切れます。
5歳児では、丸の形も上手に描けるようになってくるため、自分で型を描いて切ってもらっても良いでしょう。
折り紙をちぎって自由に飾り付けていく作品なので、個人差が表れて壁面にもぴったりな製作と言えます。
- 台紙の画用紙(紫・ピンク・オレンジ・茶色など)
- 折り紙
- 顔の型(保育士が事前に用意しておく)
- 葉っぱの型(保育士が事前に用意しておく)
- はさみ
- のり
- クレパス
- 顔と葉っぱの型に沿ってはさみで切っていく(①から④まで子どもが行う)
- 折り紙をちぎっていく
- 台紙に折り紙をさつまいもの形になるようのりで貼っていく
- 葉っぱと顔を貼り付けて模様や似顔絵を描いて完成
まとめ
秋は行事でお芋堀りがあるため、事前にさつまいもの製作を導入することで、より一層お芋堀りが楽しくなります。
乳児クラスはお芋堀りに参加するケースは少ないかもしれませんが、製作を通して実際のさつまいもを見たり触ったりして、季節の食べ物に親しみを持てるようにしたいですね。
今回ご紹介した製作は年齢別に分けていますが、取り入れたい製作があれば、クラスで臨機応変に導入してみてください。