絵の具で水に色をつけたり、何色かの水を混ぜて色の変化を楽しんだりと、様々な楽しみ方ができるのが色水遊びの醍醐味です。
「色水遊びのバリエーションがなくなってきた」「何をねらいにして色水遊びを行おう?」とお困りの保育士の方のために、本記事では色水遊びのねらいや元保育士おすすめの色水遊びアイデアをご紹介します。
- 色水遊びは、水に絵の具や食紅などで色をつけたり、色のついた水を混ぜ合わせて色の変化を楽しんだりする遊び
- 色水遊びは、子どもの年齢や発達段階に合わせて様々な学びや気づきを引き出せる
- 絵の具に限らず食紅や花紙でも色水が作れる
- 色水遊びをする際は、誤飲やアレルギーに配慮した材料選びを行う

色水遊びは特別な道具がなくても、水と色を混ぜるだけで簡単に楽しめるのが特徴。少しの工夫で日常の保育に彩りが加わり、子どもと一緒に「わあ!」と驚く瞬間を共有できるので、ぜひ気軽に挑戦してみてくださいね。




ゆぴ 元保育士ライター
保育士歴9年。ピアノが得意で、子どもと一緒に歌をうたうことが好きでした。現在は、専業主婦兼Webライターとして活動中です。保育士や保育士を目指す方の、力になれるような記事を執筆しています。
色水遊びとは?


色水遊びは、水に絵の具や食紅などで色をつけたり、色のついた水を混ぜ合わせて色の変化を楽しんだりする遊びです。
夏の時期にぴったりの保育活動で、子どもからも人気の遊びですよ。
赤や青、黄などを混ぜることで新しい色が生まれる不思議さを体験でき、子どもたちの好奇心を刺激します。
水の性質に触れながら、色の変化を観察したり、自分だけの色を作ったりすることで創造力や探究心を育むことができ、身近で手軽にできるのもポイントです。
色水遊びのねらい【年齢別】
色水遊びは、身近な水と色を使ったシンプルな活動でありながら、子どもの年齢や発達段階に合わせてさまざまな学びや気づきを引き出せる魅力的な遊びです。
小さな子どもにとっては水や色の変化を感じる感覚的な体験となり、成長とともに色の混ざり合いを考えたり表現したりする力へと繋がります。
ここでは、年齢ごとに異なる「色水遊びのねらい」を整理し、それぞれの発達に寄り添った視点から解説します。
0歳児・1歳児の色水遊びのねらい
- 水や色の感触を楽しむ
- 視覚や触覚を通じて色や水の変化に気づく
0・1歳児の色水遊びでは、水や色そのものの感触や見え方を楽しむことが大切です。
透明なカップやペットボトルを使い、色水を光に透かして見たり、振ったときに色や水の動きが変化する様子をじっくりと感じ取ります。
冷たさや鮮やかな色に触れることで、視覚や触覚を通した感覚的な体験が広がり、五感の発達にも繋がりますよ。
また、保育者が「赤だね」「冷たいね」と声をかけることで、子どもは言葉と感覚を結び付け、日常の中で色や感覚に対する理解を深めていくことができます。
水に抵抗がある子には無理に触らせず、見て楽しめるような工夫を取り入れましょう。
2歳児・3歳児の色水遊びのねらい
- 色の違いに気づき、言葉で表現する
- 簡単な色の混色を試し、変化を楽しむ
2・3歳児になると、色の違いに気づいたり、混ぜ合わせて新しい色を作ることに大きな興味を示します。
例えば「赤と青を混ぜたら紫になった!」という発見は、子どもにとって大きな驚きと喜びです。
こうした体験を通じて、自分の気づきを言葉で表現しようとする姿が見られ、表現力や思考力の育ちに繋がります。
また、同じ色でも「濃い」「薄い」など違いを比べることで、観察力も高まるでしょう。
保育者が子どもの発見を受け止めて共感することで、遊びはさらに広がり、探求心を育む活動になりますよ。
4歳児・5歳児の色水遊びのねらい
- 色の組み合わせを考え、自分なりの表現を楽しむ
- 友だちと関わりながら試行錯誤する
4・5歳児の色水遊びでは、より意図的に色の組み合わせを考え、実験のように試行錯誤しながら遊ぶ姿が見られます。
「もっと濃い青にしたい」「透明な水に戻したい」など、自分の思いを実現するために工夫を重ねる中で、創造力や論理的な思考が育まれるでしょう。
また、友だちと一緒に混ぜたり見比べたりすることで「この色きれいだね」「一緒に作ろう」といった関わりが生まれ、協調性やコミュニケーション力も養われます。
遊びを通じて科学的な視点や表現活動へと繋がり、学びの基盤となっていきますよ。
色水遊びの導入におすすめなのは?
色水遊びを初めて取り入れる際には、「絵本の読み聞かせ」や「色水を使ったマジック」など、子どもたちが興味をもって取り組めるための導入が大切です。
特別な準備をしなくても、身近な素材や道具を使えば十分に楽しめます。
導入では「色が変わる」「きれい」といった感覚的な驚きを味わえる活動を選ぶことで、子どもたちの興味を引き出しやすくなりますよ。
色に関する絵本の読み聞かせ
色に関する絵本の読み聞かせは、子どもたちが楽しく色や水に対するイメージを膨らませやすくなります。
物語を通して「色が混ざる」「水が動く」といった変化に親しむことで、遊びへの期待感や意欲が高まり、活動の始まりをスムーズにする効果がありますよ。
以下は、色水遊びの導入にぴったりの絵本です。
- いろいろばあ!
- みず ちゃぽん
- どんないろがすき?
「いろいろばあ!」「みず ちゃぽん」「どんないろがすき?」はいずれも色や水をテーマにした絵本で、子どもたちが視覚的・感覚的に色や水の不思議さを感じ取れる内容です。
読み聞かせを通して色や水への興味を高めることで、色水遊びに自然と関心が向き、遊びへの意欲や創造性を引き出す効果がありますよ。


折り紙を使って色に親しむ
色水遊びの前段階として、折り紙を使った活動はとても効果的です。
赤・青・黄色などの基本の色を見比べたり、並べて「どの色が好き?」と会話を広げることで、子どもたちは色への興味を自然に深められます。
また、2色を重ねて光に透かすと色が混ざって見えるため、色の変化に気づく体験にも発展しますよ。
遊びの導入として折り紙を活用することで、視覚的な学びが促され、子どもたちの期待感や探求心を引き出すことができるでしょう。
色水を使ったマジック
色水遊びの導入に、簡単な「色水マジック」を取り入れると、子どもたちの興味を一気に引きつけられますよ。
透明なコップに見えないように食紅を少量仕込んでおき、水を注ぐと「色がついた!」と驚きが広がります。
この体験は「どうして?」という探究心を刺激し、色水遊びへの期待感を高める効果があるのがポイント。
また、遊びが始まる前にワクワクした雰囲気を作ることができ、活動の導入を盛り上げるのに最適です。
【色水遊びの基本】色水の作り方
「色水遊びを始めたいけれど、どうやって作ればいいの?」という方に向けて、基本的な色水の作り方をご紹介します。
特別な材料や道具を用意しなくても、食紅や水性ペン、絵の具など身近なものを使えば簡単に作ることができるのが色水の特徴。
安全で手軽に準備できる方法を知っておくと、保育現場ですぐに取り入れられ、子どもたちが安心して遊びに集中できる環境を整えられますよ。
絵の具で色水をつくる
絵の具を使った色水作りは、手軽に鮮やかな色を楽しめるのが大きな魅力です。
少しの量でも発色が良く、子どもたちが「もっと濃くしたい」「薄くしたい」と調整しやすい点もメリット。
また、異なる色を混ぜて新しい色を発見する過程は驚きや喜びにつながり、創造力や探究心を育む体験になりますよ。
- 絵の具(赤・青・黄など基本色がおすすめ)
- 水を入れる透明なコップや容器
- 割りばしやスプーンなどのかき混ぜ棒
- 水(常温でOK)
- 容器に水を入れる
- 絵の具を少量ずつ溶かして色をつける ※割りばしやスプーンでしっかり混ぜると、きれいな色水になります
食紅で色水をつくる
食紅を使った色水作りは、口に入っても安心な素材なので小さな子どもでも安全に楽しめる点が大きなメリットです。
少量でしっかり色がつくため、鮮やかな色水を簡単に作れます。
また、混ぜる量を調整して濃淡を変えたり、異なる色を混ぜて新しい色を作ったりする過程で、子どもたちの「どうなるかな?」というワクワク感や探究心を引き出すことができますよ。
- 食紅(赤・青・黄など)
- 水を入れる透明のコップや容器
- スプーン
- 水(常温でOK)
- 容器に水を入れる
- 食紅をほんの少しずつ加える ※スプーンでよく混ぜると、鮮やかな色水が完成します
花紙(クレープ紙)で色水をつくる
花紙を使った色水作りは、紙から色が少しずつにじみ出る過程を目で楽しめるのが特徴です。
子どもたちは「色が出てきた!」と驚きながら、時間の経過で色が変化していく様子を観察できます。
また、複数の色を組み合わせると新しい色水ができ、実験のようなワクワク感を味わえますよ。
簡単に準備できるため、保育現場や家庭でも気軽に取り入れられる方法です。
- 花紙(クレープ紙)数色
- 水を入れる透明の容器やコップ
- はさみ(必要に応じて)
- 水(常温でOK)
- 花紙を小さくちぎって容器に入れる
- そこに水を注ぐと、紙から色がじわじわと溶け出す
- 少し時間を置いたら、紙を取り出して完成
草花で色水をつくる
草花を使った色水作りは、自然とのつながりを感じながら楽しめるのがポイントです。
身近な草花から色が出る様子に子どもたちは驚き、「この花はどんな色になるかな?」と興味を持って取り組めます。
また、四季の草花を使うことで季節感を感じられ、自然観察や環境への関心を育むきっかけにもなるでしょう。
遊びながら自然の恵みを実感できる方法です。
- 草花(アサガオ、タンポポ、サルビアなど発色のよい花がおすすめ)
- 水を入れる透明の容器やコップ
- 小さなすり鉢やビニール袋(色を出すために使用)
- 水
- 草花の花びらをちぎって容器や袋に入れる
- 少量の水を加え、指やすりこぎで軽く押しつぶす
- 花の色が水に移ったら完成
元保育士がおすすめ!色水遊びのアイデア3選
色水遊びは水と色が織りなすシンプルな活動ですが、工夫次第で子どもたちの好奇心や創造力を大きく引き出せます。
今回は元保育士の視点から、日々の保育で取り入れやすい色水遊びのアレンジ方法を3つご紹介します。
子どもたちが「やってみたい!」と夢中になれるアイデアばかりなので、ぜひ活動に取り入れてみてください。
花紙を使ってジュース屋さんごっこ
花紙で作った色水を使用するジュース屋さんごっこは、見た目の鮮やかさや色の変化を楽しみながら、ごっこ遊びの世界に入り込めるのが魅力です。
店員とお客さんに分かれてやりとりをすることで、言葉のやり取りや社会的なルールを自然に学べるほか、「次は何味にしよう?」と創造力や発想力を育むきっかけにもなります。
また、色の組み合わせで思いがけない色ができる体験は子どもにとって驚きと発見になり、科学的な興味の芽生えにも繋がりますよ。
さらに、完成した色水をカップに並べるだけで見栄えがよく、達成感や満足感も味わえるのもポイントです。
- 花紙(クレープ紙)
- 水を入れる透明の容器(コップやペットボトルなど)
- ストローやスプーン
- トレーやカップ置き
- 花紙をちぎって水に入れ、きれいな色水を作る
- 作った色水を透明カップに注ぎ、ジュースに見立てる
- 「いらっしゃいませ!」と店員役、「このジュースください」とお客さん役に分かれてやりとりを楽しむ※色を混ぜたり、メニューを考えたりすることで、遊びが広がります
色水を使った氷のお絵描き遊び
色水氷でのお絵描き遊びは、子どもたちの五感を刺激しながら楽しめる活動です。
氷の冷たさや水に溶けて広がる色の感触を体験することで、感覚遊びとしての楽しさが味わえます。
また、氷が溶ける過程で色が混ざり合い、思いがけない模様が生まれるため、観察力や想像力を育むことができますよ。
さらに、氷が徐々に溶ける様子を見守ることで、時間の経過や変化を理解するきっかけにもなるでしょう。
完成した作品は保育室に飾ることで達成感や自信を得られ、子どもたちの表現意欲を高める効果もあります。
夏ならではの涼しさを感じながら楽しめる、創造性と学びを両立した遊びです。
- 色水(絵の具や食紅で作成)
- 製氷皿またはアイスキャンディ型
- 画用紙や模造紙
- 新聞紙やブルーシート(床の保護用)
- 水彩絵の具(仕上げ用)
- 色水を製氷皿に流し込み、冷凍庫で凍らせる
- 凍った色水氷を画用紙の上に置き、氷が溶ける過程を観察しながら絵を描く
- 溶けた色水が紙に滲み、夏らしい涼しげな水彩画が完成 ※仕上げに水彩絵の具で細部を加えると、より鮮やかな作品になります
クッキングシートを使った色水知育遊び
この遊びは、色の変化やにじみの現象を目で見て楽しむことができ、子どもたちの色彩感覚や観察力を育むのに最適です。
また、スポイトを使うことで手先の器用さも養えるでしょう。
さらに、クッキングシートの上で色水を操作することで、水の広がり方や色の混ざり方を自由に試すことができ、創造力や表現力を養うことができます。
筆やストローなどを使って、自由に色水の変化を楽しんでみてください。
- クッキングシート
- スポイト
- 色水(絵の具や食紅を水で薄めたもの)
- トレーやお皿
- セロハンテープ
- 筆
- クッキングシートをトレーやお皿に敷き、セロハンテープで固定する
- スポイトを使って、色水をクッキングシートの上に垂らす
- 色水が広がる様子やにじむ様子を観察し、色の変化を楽しむ
- 異なる色を重ねて、色の混ざり合いを観察する
色水遊びで配慮する点は?
色水遊びを安全に楽しく行うためには誤飲やアレルギー、環境整備など事前に配慮すべきポイントがあります。
- 誤飲や口に入れないようにする
- アレルギーや肌への影響を考慮した材料選びを行う
- 遊ぶ場所や服装、床の保護など環境を整える
- 年齢や発達段階に応じた遊び方の工夫を取り入れる
- 後片付けがしやすい準備と手順を決めておく
色水遊びは楽しい反面、誤飲や衣服・床の汚れなどに注意が必要です。
特に小さな子どもは口に入れやすいため、安全な食紅や水性絵の具を使い、アレルギーがある場合は事前に確認しましょう。
また、遊ぶ場所には新聞紙やブルーシートを敷き、服も汚れてよいものにします。
年齢に応じてスポイトの使用や混色の難易度を調整すると、子どもたちが安全に楽しめ、遊びの学びも深まりますよ。
後片付けが簡単にできる環境づくりも大切なので、掃除道具を事前に用意するなどの工夫を取り入れてみてください。
色水遊びの指導案の書き方
色水遊びを保育計画に取り入れる際には、指導案の書き方を押さえることで安全で効果のある活動を実施できます。
ここでは、「活動内容」や「環境構成」「子どもの予想されるすがた」など、ポイントを整理して記載する方法を解説するので、指導案を立てる際の参考にしてみてくださいね。
活動内容
- 遊びの具体的な手順や使う道具を明確にする
- ねらいや学びにつながるポイントを簡潔に示す
- 年齢や発達に合わせた工夫を加える
活動内容では、子どもたちが色水遊びをどのように体験するかを具体的に記載することが重要です。
例えば、スポイトで色水を垂らす、色を混ぜて変化を観察する、グラデーションや模様を作るなど、手順と目的を整理します。
また、子どもの年齢や発達に応じて道具の使い方や混色の難易度を調整すると、遊びの安全性と学びの効果が高まるため、年齢に沿った活動を考えましょう。
さらに、遊びを通して育ちを促す視点を明示しておくと、保育者全員が活動の意図を共有しやすくなりますよ。
環境構成
- 遊ぶ場所や机・椅子の配置を具体的に示す
- 汚れ対策や安全面の配慮を記載する
- 材料や道具の配置も考慮して記載する
環境構成では、子どもたちが安心して色水遊びを楽しめる環境を整えるため、机や椅子の配置、遊ぶ場所の広さなどを具体的に書きましょう。
床や衣服が汚れないように新聞紙やブルーシートを敷く、使用する材料や道具の置き場所を決めるなど、事前の準備を明確にしておくこともポイントです。
必要な道具や遊びやすい環境を整えておくことで、子どもが自分で道具を取りやすく、保育者のサポートも効率的に行えます。
予想される子どものすがた
- 活動中の子どもの反応や行動を想定して記載する
- 興味・関心や学びにつながる行動を予測しておく
- 安全面や補助が必要な場面も想定しておく
予想される子どものすがたは、遊び中にどのような反応や行動が見られるかを想定して記載します。
色の変化に驚く、混色に熱中する、手先の操作で試行錯誤するなど、様々な場面を具体的に挙げると観察や支援がしやすいでしょう。
また、安全面での補助が必要な場面や、興味を引き出すための声かけポイントも事前に考えておくことで、安心かつ効果的な活動の進行が可能になりますよ。
指導案の展開例
以下は、2歳児クラスを想定した色水遊びの指導案です。
どの保育者が見ても理解できるよう分かりやすく記載しましょう。
まとめ
色水遊びは、年齢に応じて色や形の変化を楽しむことで感覚や手先の発達を促し、表現力や観察力も育てられる遊びです。
0・1歳は色や水の感触に親しみ、2・3歳は混ぜる楽しさや微細運動を経験、4・5歳は実験的な遊びや観察力を深めることができます。
導入に絵本や簡単なマジックなどを組み合わせると、子どもたちの興味を引きつけ、遊びがより豊かになりますよ。
安全面や環境整備にも配慮して、楽しく学べる色水遊びを取り入れましょう。