保育士が時短勤務するメリット・デメリットは?注意点も合わせて解説!

保育士時短勤務

出産前後や育児中の保育士の方におすすめの勤務形態が、時短勤務です。

勤務時間を通常よりも短縮でき、子育て世代のお母さん保育士の間で浸透しています。

「保育士が時短勤務するデメリットって何?」「時短勤務だと給料はどれくらい?」など、時短勤務に関する疑問は多いのではないでしょうか。

本記事では、保育士の時短勤務について基本知識やメリット・デメリットなどを詳しくご紹介します。

時短勤務に興味のある保育士の方は、ぜひ最後までご覧ください。

この記事をまとめると
  • 時短保育士の定義は、1日6時間未満又は月20日未満勤務する保育士
  • 3歳未満の子を養育している、日雇い労働者でないなど、適用条件がある
  • 給与が低くなる、持ち帰りの仕事が増えるなどのデメリットがあることも
  • 時短勤務に興味がある場合は、園に制度があるか確認しておく
【元保育士】ゆぴライター

一見メリットしか感じられない時短勤務も、蓋を開けてみるとデメリットが……。時短勤務に興味がある方は、メリットデメリットの両方を理解した上で働き始めるようにしましょう。

この記事を書いた人
岡本

ゆぴ  元保育士ライター

保育士歴9年。ピアノが得意で、子どもと一緒に歌をうたうことが好きでした。現在は、専業主婦兼Webライターとして活動中です。保育士や保育士を目指す方の、力になれるような記事を執筆しています。

目次

保育士に時短勤務はある?

一般的に、保育士は時短勤務で働くことができます。

厚生労働省が発表している時短保育士の定義は、次の通りです。

「短時間保育士」については、「1日6時間未満又は月20日未満勤務する保育士をいい、各施設・各事業所の 就業規則で定めた勤務時間を下回る者のうち、1日6時間以上かつ月20日以上勤務する保育士を含む」と定義している。

保育士の労働時間は8時間が基本なので、短時間保育士になれば2時間程度短縮して働けます

参考:厚生労働省 短時間保育士及び常勤保育士の取扱いについて

保育士の時短勤務の基本知識

「保育士なら誰でも時短で働けるの?」「休憩の取り方や残業時間は変わる?」など、時短勤務の基本知識に触れていきます。

時短保育士が気になっていても、給料や賞与など周りの上司や同僚に聞きづらいことは多いですよね。

本記事でしっかりと知識を身につけておきましょう。

時短勤務が適用となる保育士は?

保育士が時短勤務をするためには、以下の全ての条件に当てはまらなければいけません

  • 日々雇用される従業員(日雇い労働者)でないこと
  • 1日の所定労働時間が6時間以下でないこと
  • 3歳未満の子を養育する従業員であり、短時間勤務をする期間に育児休業をしていないこと
  • 労使協定により適用除外とされた従業員でないこと

3歳以上のお子さんがいる場合は時短勤務が適用されないため、子育てされている保育士の方は注意が必要です。

全ての条件に当てはまっているのを確認した上で、上司や雇用主に相談してみましょう。

給料・賞与・年収について

時短勤務保育士の給料を、フルタイムと比較してみました。

給料(推定額)賞与(推定額)年収(推定額)
20〜24歳23.6万円(17.7万円)51.7万円(38.7万円)334.9万円(251.1万円)
25〜29歳25.8万円(19.3万円)62.7万円(47万円)372.3万円(279.2万円)
30〜34歳27.0万円(20.2万円)65.6万円(49.2万円)389.6万円(292.2万円)
35〜39歳28.9万円(21.6万円)83.7万円(62.7万円)430.5万円(322.8万円)

約6時間の時短勤務の給料は、フルタイムの8時間勤務の75%となります。

時短勤務を希望する際は、自身の年齢に照らし合わせて年収を算出しておきましょう。

参考:厚生労働省 令和6年賃金構造基本統計調査

休憩の取り方と残業時間

時短勤務保育士の休憩の取り方と残業時間を、フルタイムと比較してみました。

時短勤務フルタイム
休憩の取り方少なくとも45分45分〜1時間
残業時間比較的少ない多い

労働時間が6〜8時間の場合、最低でも45分間休憩を取ることが法律により決められています。

時短勤務のであっても6時間労働していれば、フルタイム同様しっかり休憩が取れますよ。

6時間未満の場合、休憩なしで働く園もあるため、事前に休憩の有無を確認しておくとよいでしょう。

残業時間はフルタイムに比べ少ないですが、重要な会議や行事の準備などで残業する日もあります。

参考:厚生労働省 労働時間・休憩・休日関係

時短勤務保育士の1日の流れ

時短勤務保育士の1日の流れの一例を、以下の表にまとめました。

時間流れ
8:30出勤
9:00午前勤務開始
12:00休憩(45分〜1時間程度)
12:45午後勤務開始
16:00退勤

出勤時間と退勤時間が変わる以外に、フルタイム勤務との大きな変化はありません。

また、園によっては時短勤務保育士でも早番や遅番のシフトに入る場合もあるので、事前に確認しておきましょう。

保育士が時短勤務をするメリットとデメリット

育児をしながら働くお母さん保育士にとって、メリットが多いように思える時短勤務。

一見メリットしかないように思いますが、「給料が減る」「他の職員に負担がかかる」など、少なからずデメリットもあります

デメリットを把握しておかないと「やっぱりフルタイムのままの方がよかった」と後悔することもあるので、今のうちに両方を確認しておきましょう。

保育士が時短勤務をするメリット

保育士の時短勤務には、以下のような5つのメリットがあります

  • 仕事と子育ての両立がしやすい
  • 身体の負担が減る
  • 職場を変える必要がない
  • 福利厚生をそのまま利用できる
  • フルタイムに戻れる

時短勤務の大きなメリットは、仕事と子育ての両立がしやすいことです。

勤務時間を減らした分、子どもの保育所の送迎や夕食作りなど、子育ての時間に充てられます。

フルタイム勤務をしながら子育てをするよりも身体的な負担が減り、時間と体力にも余裕が持てますよ。

保育士が時短勤務をするデメリット

保育士の時短勤務にはメリットがある一方、デメリットもあります

  • 給与や賞与が少なくなる
  • 持ち帰りの仕事が多くなる
  • 周りの保育者の負担を増やしてしまう
  • 時短勤務への理解が低い

勤務時間が減少するため、その分給料も少なくなります

事前に時短勤務した場合の給料を計算し、家計が上手く回るのかを把握しておくことが大切です。

また、その日に終わらなかった業務を引き継いだり持ち帰ったりしなくてはならず、自分だけでなく周りの保育者の負担を増やしてしまうでしょう。

時短勤務で働く保育士の生の声を紹介!

時短勤務をしている保育士に、働きやすさや悩みはないかを聞こうとしても、なかなか聞きづらいのではないでしょうか。

ここでは、実際に時短勤務で働く保育士のリアルな声をいくつかご紹介します。

時短勤務の現実的な問題や保育者の感情が分かるので、ぜひ参考にしてみてください。

時短勤務期間が終了した後が不安

私の会社は小卒まで時短と時間固定が使えるので正社員である限りはマックス使うつもりではあるんだけど、万が一あと12年時短したとして、保育士フルタイム早遅土曜あり勤務にはもう戻れないヨ… あと12年後って40超えてる…笑 どのみちどこかでパートか派遣になるしかない運命…

引用元:X(旧Twitter)

時短勤務は、期限が設けられているのが難点です。

自身の子どもが小さいうちは時短勤務できても、いずれはフルタイムに復帰しなければなりません。

時短勤務の有り難みを知ってしまった以上、フルタイムになってからの体力面や時間の使い方などを不安視する方は多いようですね。

今後も保育士として働き続けたいならば、時短で働ける園やパートに転職してみるのも一つの方法です。

持ち帰りの仕事が大変

時短パート保育士持ち帰りの仕事土日で出来ず徹夜で終わらせた。締切明日って言われたけど絶対明日じゃなくても間に合う…でも意地でやってやったそもそも持ち帰りってなに今どき紙媒体どーにかしてくれ…あと1ヶ月で退職や!!!寝る!!!

引用元:X(旧Twitter)

時短勤務の保育士でも、持ち帰りの仕事をしている人は多いようです。

書類作成や製作準備など、期限が決められている業務は家で片付けないと間に合わないのが保育士の現状。

フルタイム働いていた私も当時は持ち帰りの仕事があったので、時短勤務の方はそれ以上に量が増えてしまうかもしれません。

子育ての時間を増やしたくて時短勤務にしているのに、持ち帰って仕事をしていては勤務形態を変えた意味がありませんよね。

上司や同僚に、仕事と子育ての両立の難しさを素直に伝えて、持ち帰りの仕事を減らしてもらうよう相談してみてください。

時短でも当番がある

仕事復帰にあたり配属先がほぼ確定して確認の連絡来たんだけど、まさかの県内ではなく都内になって通勤片道1時間の時短勤務で早番遅番もできるだけやってねって意味わからん保育業界びっくり仰天。こんなに早く保育士ママの両立葛藤洗礼が起きるとは

引用元:X(旧Twitter)

園によっては、時短勤務保育士でも早番や遅番の当番が回ってくるようです。

朝夕に自身の子どもの送迎をしている時短保育士が当番に入るのは、難しいこと。

お迎えの時間に間に合わなくなるなど、不都合が生じます。

家族に協力してもらわなければ、時短勤務をしながら当番を行うのは大変でしょう。

当番を行うのが厳しいと分かっている場合は、就職前に早番遅番には入れない旨を園に伝えておくとよいですね。

保育士が時短勤務する際に注意することとは?

保育士が時短勤務で効率よく働くには、次のような点に注意しなければなりません。

一歩働き方を間違えると、かえって仕事の負担が増えたり仕事と子育ての両立がうまくいかなかったりする可能性もあります。

自身が気持ちよく働くことはもちろん、職場からも理解を得てもらうために意識してみましょう。

事前に職場の制度を確認しておく

時短勤務を決めた際は、事前に職場の制度を確認しておきましょう

具体的には、次のような点を把握するとよいです。

  • 時短勤務の期間
  • 早番や遅番のシフトに入るか
  • 休憩時間はあるか、何分取れるか
  • 時短勤務の給料や賞与

時短勤務であっても、園によって当番の有無や給料の減給額などは異なります。

働き始めてから「そんな制度知らなかった」と困ることがないように、上司や雇用主に確認することが大切です。

業務の効率化を意識する

労働時間が減る時短勤務では、残業時間を減らすなど業務の効率化を意識しましょう

業務の多い保育士は、時短勤務になっても以下のような理由で残業をせざるを得ない状況に陥りいやすいです。

  • 行事や制作活動が迫っている
  • 忙しくて日中に上がって作業できない
  • 上司や同僚から仕事を頼まれてしまう
  • 人員不足

業務の効率化を図るには、周りの職員との業務量を調整したり、やらなければならない業務をリスト化してタスクを立てたりするとよいですよ。

人間関係に配慮する

時短勤務になったら、今まで以上に人間関係に配慮するようにしてみてください。

労働時間が減るということは、その分周りの職員の負担増加に繋がります。

なかには時短勤務に理解を示してくれない方もいるので、次のような点を意識してみましょう。

  • 自分でできる業務は自分で行う
  • 当たり前のように人に業務を任せない
  • 代わりに業務を遂行してもらった際は、必ずお礼の言葉を述べる
  • 謙虚の姿勢を保つ

「私は時短勤務だから」といって、当たり前のように業務を任せるのではなく、仕事をカバーしてくれる周囲への感謝の気持ちを忘れず、謙虚な姿勢でいることが大切です。

負担が大きくならないように働き方を工夫する

負担が大きくならないように、働き方を工夫してみてください

時短勤務をしながら残業せずに働くのは、想像以上に難しいです。

要領が悪いと残業や持ち帰りの仕事が増え、結局フルタイム以上に負担が大きくなってしまいます

以下のような点に気をつけると、負担を増やさずに働けますよ。

  • 積極的に時間休や有給を取る
  • 自分のキャパ容量を把握し、超えないように業務量を調整する
  • 家族に子どもの送迎や子育てを協力してもらう

元保育士が語る!時短勤務の問題点とは

時短勤務で働いていても、勤務制度や保護者との信頼関係など、少なからず問題点が出てきます。

なかには、思うように時短勤務で働けないケースも。

ここでは、元保育士目線からの時短勤務の問題点を2つご紹介するので、時短勤務を検討されている方は参考にしてみてくださいね。

必ずしも時短勤務ができるとは限らない

時短勤務を希望している保育士が、理想通りに働けるとは言い切れません

以下のような様々な理由が考えられます。

  • 人手不足
  • 園の方針
  • 補助金・制度の関係
  • 保育責任の問題

近年では保育士の働き方改革が進み、時短勤務ができる園は増えてきました。

それでも、人員不足や園の運営方針で時短勤務ができない園は多いのが現状です。

時短勤務を検討している方は、勤務先または就職先が時短勤務に対応しているか必ず確認しておきましょう。

保護者との信頼関係が築きにくい

時短勤務をしていると、保護者と直接話す時間が取りづらく関係作りが難しいです。

保護者の立場からすると、担任のフルタイム・時短勤務などの勤務体制は関係なく、担任全員を均等に見ています。

そのため、「あの先生はどうしていつもいないのだろう」と思われて信頼が得づらくなってしまうのです。

時短勤務の保育士は、連絡帳で細めに連絡を取ったり顔を合わせたときは一言でも会話を交わしたりして、保護者と信頼関係を築いていきましょう。

まとめ

本記事では、保育士の時短勤務について詳しくご紹介しました。

家庭と仕事のバランスを優先して時短勤務を取る保育士は、今後も増加傾向が予想されます。

短時間の中で効率的に業務を進めたり、周りの職員に理解を得ながら働いたりしなければならず、苦労するかもしれません。

業務のリスト化や人間関係に配慮しながら、ストレスなく働けるように環境を整えていきましょう

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保育士歴9年。ピアノが得意で、子どもと一緒に歌をうたうことが好きでした。現在は、専業主婦兼Webライターとして活動中です。保育士や保育士を目指す方の力になれるような記事を執筆しています。

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