かつて、保育士といえば「激務・低賃金・人手不足」というネガティブなイメージが根強くありましたが、近年はその風潮にも変化が見られるようになりました。
残業削減や有給取得の推進、職場の人間関係改善など、保育士が安心して働けるホワイト企業保育施設も珍しくありません。
働きやすさを重視する保育士にとって、ホワイトな保育施設はまさに理想の職場です。
本記事では、ホワイト企業と呼ばれる保育園の特徴や、実際に評判の高いおすすめ園10選をご紹介します。
- ホワイトな保育施設を運営している企業には共通点がある
- 施設の雰囲気を掴むには、保育士の子どもへの対応より保育士間のコミュニケーションを見ると良い
- 園児数と保育士数のバランスは、基準値よりも明らかに保育士が多いくらいで問題ない

私が実際に派遣保育士として働いていた時の職場や、子どもの保育園の見学時に拝見した施設もあります!率直にお伝えしますね。


ちあき
認可保育園で勤務後退職して留学。その後は英語の幼稚園で働く。結婚を機に派遣保育士に転身し、さまざまな園で経験を積む。保育士歴は通算7年ほど。
子どもが重度アレルギー児になったことでライターに転身した2児の母。


保育士が働きやすいホワイト企業保育園10選!
「ホワイト企業保育園ってどう選べばいいの?」と疑問を抱えている保育士さんは少なくないでしょう。
本章では、福利厚生の充実度や残業の少なさ、人間関係の良さなど、働きやすさに定評のある保育施設を運営する企業を厳選してご紹介します。
それぞれの施設の特徴を比較しながら、自分に合った職場を見つけるヒントとしてご活用ください。
ネス・コーポレーション


- 年間休日122日&充実の休暇制度
- 社宅制度&福利厚生が手厚い
- 給与額の内訳が明確で、安心して働ける
ネス・コーポレーションは、保育士が安心して長く働ける環境づくりに力を入れている企業です。
年間休日122日や各種休暇制度が整っており、プライベートも大切にできます。
また、社宅制度や健康診断、職員給食など、生活を支える福利厚生も充実しています。
さらに、経験に応じた処遇改善加算や昇給・賞与制度があり、頑張りがしっかり評価されるのも嬉しいポイントです。
働きやすさと待遇のバランスが取れた保育園を探している方におすすめですよ。


ソラスト


- 年間休日126日&有給は入社月に10日付与
- 残業ほぼなし&短時間正社員制度で柔軟な働き方が可能
- 育休・産休の取得&復帰率100%!福利厚生も手厚い
ソラスト保育園は、人生のどんなフェーズでも働き続けられる環境が整っているのが魅力です。
年間休日は126日とたっぷりあり、有給も入社月から10日付与されるので、安心してスタートできます。
残業はほぼなく、短時間正社員制度もあるため、子育てや家庭と両立しやすいのも嬉しいポイントです。
さらに、育休・産休の取得率・復帰率は100%で、社宅制度や資格取得支援など福利厚生も充実していて、長く安心して働ける保育園です。



実際に派遣保育士として働いたことがありましたが、子育てしながら正社員で活躍されている方が多かった印象です。


モード・プランニング・ジャパン


- 年間休日130日以上&リフレッシュ休暇あり
- 借上げ社宅制度や手当が充実!生活もサポート
- 手厚い研修とフォロー体制で未経験も安心
年間休日130日以上に加え、リフレッシュ休暇や夏季・年末年始休暇もあり、しっかり休める環境が魅力です。
さらに、自己負担月5,000円で住める社宅制度や住宅・転居手当など、生活面のサポートも手厚く、安心して働けます。
研修制度も充実しており、未経験やブランクがある方にも優しいフォロー体制が整っているのが特徴です。
保育に集中できる環境で、無理なく長く働きたい方におすすめの園です。


ベネッセスタイルケア


- 各種手当が豊富
- 評価制度とキャリアアップが明確
- 研修制度が充実している
ベネッセスタイルケアの保育園は、各種手当も充実しており、大手の安心感を感じながら働ける職場です。
また、明確な評価制度と等級制度が整っており、努力や成長が昇給や賞与にしっかり反映されるのも嬉しいポイントです。
さらに、年間休日124日以上、有給・育休・介護休暇などの休暇制度も充実していて、プライベートと両立しながら長く働ける環境が整っています。
給与・成長・安心の三拍子そろった保育施設です。


こどもの森


- 柔軟な働き方と高い定着率
- 業務負担の削減で残業ほぼなし
- 選べる休日制度
保育士が自分の子どもを預けたくなるような保育園を目指している保育園です。
残業は月5時間程度と少なく、持ち帰り仕事も禁止されているため、保育に集中しながらプライベートも大切にできます。
休日は4週8休制または週休3日制から選べ、ライフスタイルに合わせた働き方が可能になっています。
有給や産休・育休制度も充実していて、研修制度や福利厚生も手厚く、成長しながら長く安心して働ける職場です。



母親として保活で見学しましたが、幅広い年齢層の保育士が在籍していて高い定着率を誇るのも納得でした。


ポピンズホールディングス


- 「得意」を活かせる柔軟な保育スタイル
- 年間休日125日以上&残業少なめで働きやすい
- 幅広い保育施設を展開している
ポピンズエデュケアは、保育士の「得意」を活かす保育を大切にしており、ピアノが苦手でも読み聞かせや制作など、自分らしさを活かして働ける環境です。
年間休日125日以上、残業月7時間以内、持ち帰り仕事なしと、働きやすさも抜群です。
さらに福利厚生や研修制度が充実していて、成長しながら長く続けられます。
加えて、保育園だけでなく、企業内保育所や学童、幼児教室、子育て支援施設など多様な施設を展開しているため、ライフスタイルに合った働き方を選べるのも魅力です。


HITOWAキッズライフ


- 心にゆとりを持って働ける環境
- 時間外手当も1分単位で支給
- しっかりとした保育理念
HITOWAキッズライフでは、年間休日123日以上・残業月平均5.4時間・持ち帰り仕事禁止と、保育士が心にゆとりを持って働ける環境が整っています。
給与は月給25.6万円〜30.1万円で、賞与は年3回・3ヶ月分と手厚く、時間外手当も1分単位で支給されます。
さらに、社宅制度や引越し補助、ひとり親支援手当など福利厚生も充実していて安心です。
保育理念「つながり保育」のもと、子ども・保護者・地域・スタッフが支え合いながら成長できる温かな職場で、未経験やブランクがある方も安心して働けます。


JPホールディングス


- 運営施設300施設以上
- 研修は年間100種類以上
- 認可保育園だけでなく、学童クラブや子育て支援施設
JPホールディングスが運営する保育園は、年間休日125日・残業月6時間・持ち帰り仕事ゼロと、保育士が無理なく働ける環境が整っています。
1分単位での残業代支給や引越し手当、社宅制度など生活面のサポートも充実しています。
研修は年間100種類以上あり、認可保育園だけでなく、学童クラブや子育て支援施設も全国300以上展開しているため、自分に合った施設・地域で働ける柔軟さも魅力的です。
子どもの自主性を育む保育を大切にしながら、長く安心して働ける職場です。
小学館アカデミー


- 働きやすさを支える充実の福利厚生
- あったかい心を育てる人間性重視の関わり
- 「遊び・生活を通じた学び」を大切にした保育方針
子どもたちの「やってみたい!」を大切に、遊びや生活の中から心と体を育む保育が特徴の園です。
あったかい心を育てることを大切にし、子どもたちの得意や個性を伸ばす環境が整っています。
年間休日は120日以上、社宅制度や各種手当も充実しており、独自のルールに基づいた遠方からの引越しサポートもあって安心です。
保育士一人ひとりの働きやすさと、あたたかいチーム保育を両立しています。


ウィズブック保育園


- 絵本から遊びを広げて保育につなげる独自の「WithBookプログラム」
- 徹底したワークライフバランス
- 適正に能力を評価
ウィズブック保育園では、オリジナル絵本から遊びを広げる独自の保育が魅力の保育施設です。
子どもたちの「らしさ」を大切にし、楽しみながら成長を支えるプログラムが整っています。
また、持ち帰り仕事なし・残業ほぼゼロで保育士の働きやすい環境が整っています。
絵本や遊びを通して、子どもと一緒に毎日を楽しみながら、自分らしく働ける環境が整ったホワイトな職場です。
ホワイト企業保育園に共通するポイントは?
ブラック保育施設に共通する特徴があるように、ホワイトな保育施設にもいくつかの共通した特徴があります。
働きやすい職場を見極めるには、ホワイトな保育施設に共通するポイントを事前に知っておくことが大切です。
本章では、保育士の定着率が高く、長く安心して働ける園に共通する項目を紹介します。
残業が少ない
ホワイト企業保育園では、ICT化や業務の工夫などから勤務時間内に業務を終わらせる体制が整っており、残業はほとんどありません。
事務作業の効率化や役割分担の見直しにより、保育士の負担を軽減しています。
転職してきた保育士からは「毎日定時で帰れるなんて思ってなかった!家族との時間が増えました」、「持ち帰りの仕事がないなんて夢みたい」と声があがるほどです。
残業が常態化している園が多い中、時間内に業務を終えられる環境は、働きやすさの大きな指標となります。
有給休暇が取得しやすい
人員配置が配置基準ギリギリではなく、ゆとりがある保育施設では、有給休暇も気兼ねなく取得できます。
ホワイトな保育施設ほど職員同士の連携が取れており、休みを取りやすい空気があるのが特徴です。
有休が希望通り取れると、友達と休みを合わせて旅行したり、好きなアーティストのライブに行けたり、平日にゆっくり用事を片づけたりと生活が充実します。
有給が取れない職場が多い中、しっかりと休める制度が整っている施設は、心身の健康を保ちやすい環境です。
人間関係が良好で風通しが良い
先輩・上司との距離がほど良く近く、相談しやすい雰囲気がある施設は、働きやすさ抜群です。
なぜなら、パワハラや派閥がない職場では、職員がのびのびとそれぞれのスキルを活かして仕事ができるため、業務効率が上がり、離職率も低くなると言われているからです。
例えば、新人保育士からすれば、先輩保育士がいつもイライラ・ピリピリしているよりも優しくフォローしてくれた方が働きやすく感じますよね。
人間関係のストレスが少ない職場は、保育士として長く活躍するための土台になります。
研修制度やキャリア支援が充実
新人研修やスキルアップ研修、キャリアパス制度などが整っている保育施設では、保育士として成長できる環境が用意されています。
保育士として意識を高く持ち、よりスキルを磨いていこうという気持ちの職員が自然と集まってくるため、ホワイトな職場環境になりやすいです。
例えば、未経験から保育士の仕事を始めたとしても、充実した研修制度のおかげで保育スキルを培ってきた場合、自分の保育に自信を持つことに繋がり定着率がアップします。
成長意欲のある人が集まりやすい環境となるので、レベルの高い保育士が集まり、職場への定着率が高くなる傾向があります。
住宅手当や社宅制度など生活支援がある
上京して働く人や一人暮らしの保育士を支援するために、住宅手当や社宅制度を設けている保育施設もあります。
遠方からの引っ越しを伴う就職や転職は、経済的に大きな負担になるので軽減できるのは大きな魅力となり、地方のスキルのある保育士が就職するきっかけにもなります。
例えば、社宅制度があるおかげで、生活にゆとりが出て毎日が楽しくなることも考えられるのです。
働きやすさだけでなく、暮らしやすさまで配慮してくれる施設は、まさにホワイト企業の証と言えるでしょう。
ホワイト企業の保育園で働く保育士の口コミを紹介
保育士として働く上で、働きやすい環境かどうかはとても大切なポイントです。
今回は「ホワイト企業」と言われる保育施設等で働く保育士さんたちのリアルな声を、SNSからご紹介します。
実際に働いている人の口コミから、残業やお給料、休日の満足度などを見てみましょう。
理不尽な残業がない
うちの園は理不尽な残業はないです。
①どれだけ要領よく仕事をこなすか。
②どれだけ自分のこだわりを減らしていくか。限られた中で効率よくすることを模索していくと、こだわりを減らすのが良いということです。
③人間関係は···人によりけりです。 それはどこもですかね···
④有給はしっかりとれます。ただ行事日は無理です。これもどこもですかね
⑤そこそこ年数してるのもありますが、手取り20あります。ボーナスは普通ぐらい?普通が分かりませんが··· いろんな園があるよってことをいろいろ調べてみて、保育士という大切な仕事を辞めるかどうかも検討してみてください。
引用元:X(旧Twitter)
保育士業界では「サービス残業」「持ち帰り仕事」が当たり前とされがちですが、ホワイトな保育園ではその風潮が変わりつつあります。
上記の投稿のように、基本的には定時でしっかり退勤できる環境は、プライベートとの両立にも大きな安心感をもたらしてくれます。
時間にゆとりがあることで、子どもたちへの関わりにも心の余裕が持てそうですね。
給与がいい
今の職場、保育士の割に給料いいしホワイトなんだけど… 前職の園長が良すぎて
一緒にまたお仕事したいなぁって思うこの頃。
引用元:X(旧Twitter)
保育士の給与は地域差も大きく、施設によっても待遇はさまざまなケースが多いです。
ホワイト企業と呼ばれる法人では、基本給の底上げや処遇改善手当、ボーナス支給など、収入面の安定を重視しているケースが多く、給与が高くなる傾向があります。
「保育が好き」だけで頑張る時代から、「安心して生活できる給与」で選ばれる時代へと変わりつつあります。
年休が多い
あんまり言うと職場バレそうだからぼかすけど、職場のホームページみたらホワイト企業に認定されてる園だった
年休130日で保育士にしては(?)多めだし残業0だし手当もつく方かな?とは思ってた
引用元:X(旧Twitter)
一般的にカレンダー通りの休日になるため、年間休日が少なめな保育業界ですが、最近では年間休日120日以上を掲げる法人も増えてきました。
有給もしっかり取得できる環境が整っていれば、友達との旅行や家族との時間、自分のためのリフレッシュも可能になり、生活が豊かになるでしょう。
年休の数は「長く働き続けられる施設」を選ぶうえでの大きな指標となるでしょう。
【元保育士がアドバイス】ホワイト企業保育園見学時のチェックポイント
保育園への就職・転職を検討する際、求人情報だけで「働きやすさ」を判断するのは難しいものです。
だからこそ、実際に見学して現場の雰囲気を自分の目で確かめることが大切になります。
本章では、ホワイト企業保育園かどうかを見極めるためのチェックポイントを、元保育士の視点からご紹介します。
保育士の表情と雰囲気
見学時に注目したいのは、保育士の子どもに向ける笑顔だけではありません。
実は、保育士同士のやりとりにこそ、職場の本当の雰囲気が表れます。
園長先生と保育士の会話の空気感や、職員同士の声かけのトーン、ちょっとした表情の変化から、ピリピリしているのか、和やかな関係性なのかが垣間見えるのでよく見ることをおすすめします。
誰もが自然体でリラックスしていたり、疲れた様子が見られなければ、安心して働ける環境である可能性が高いでしょう。
保育士の素の表情は職員同士の雰囲気に出ていることが多いです。
掲示物や職員スペースの状態
掲示物や職員スペースの状態には、その施設の業務のバランスや保育の価値観が表れます。
忙しい園では掲示物や保育資材置き場が雑然としていることもありますが、逆にあまりにも掲示物が凝りすぎている場合は多くの時間や労力を子ども以外に費やしている可能性も出てきます。
ラミネートされ毎年使いまわしている工夫などが見られる園は、効率的に子どもとの時間を確保している可能性が高いでしょう。
見学時は「どんな保育観を持っている園か」を探るヒントとしてチェックしてみてください。
園児数と保育士数のバランス
園児と保育士の人数バランスは、見学時にぜひチェックしておきたい重要なポイントです。
保育士数がギリギリで回っている園は、誰かが急に休んだだけで現場がまわらなくなるリスクがあります。
一方で、担任以外にもフリーの保育士が複数配置されている園は、人員に余裕があり、柔軟な対応がしやすい傾向にあります。
掲示物などでクラス担任やフリー保育士の人数が確認できることもあるので、「この人数で大丈夫?」と思った場合は慎重に判断をすることをおすすめします。
まとめ
ホワイトな保育施設は増加傾向にありますが、まだまだ見極めが難しいところでもあります。
特に施設側は、求職者に対して聞こえの良いことしか言わないケースも少なくないです。
本記事で紹介したポイントをおさえて施設を見学することで、ホワイトな保育施設かブラックかを高い確率で見分ける一助になることでしょう。
ぜひ活用してくださいね。
コメント