保育士の転職理由は、職場の人間関係が悪い、給与が安い、仕事量が多いなどさまざまです。
しかし、このように転職理由がネガティブな場合、現在の園や転職先に言いづらいと思います。
また、「年度の途中で退職しても良いのかな」「転職を決めたら最初に誰に言うべき?」など、転職に関する疑問は多いのではないでしょうか。
本記事では、保育士の転職理由を伝えるときの例文や転職に関するよくある疑問をご紹介します。
転職を考えている方や転職理由をどのように伝えるべきか困っている方は、ぜひ最後までご覧ください。
- 保育士の退職理由として職場の人間関係、給与の安さ、仕事量の多さなどが挙げられる
- 保育士が希望の転職先に出会うためには、保育に特化した転職サイトの活用がおすすめ
- 保育士の年度途中の転職・退職は一般的にOK
- 転職を決めたら、初めに直属の上司に伝える
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ゆぴ 元保育士ライター
保育士歴9年。ピアノが得意で、子どもと一緒に歌をうたうことが好きでした。現在は、専業主婦兼Webライターとして活動中です。保育士や保育士を目指す方の、力になれるような記事を執筆しています。
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私も前職を辞めて転職したいと思ったときに、上司にどのように伝えればよいのか分からず困った経験があります。相談できる人も少なく辛いですよね。本記事では、スムーズに転職できるヒントをたくさんご紹介しているので、勇気を持って転職に臨んでみてください!
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保育士に多い転職理由とは?
- 職場の人間関係
- 給与が安い
- 仕事量が多い
- 労働時間が長い
令和元年の厚生労働省の発表によると、保育士に多い転職理由は「職場の人間関係」が最も多く、次いで「給与が安い」「仕事量が多い」「労働時間が長い」という結果でした。
その他にも、「他業種への興味」「保護者対応等の大変さ」「職業適正に対する不安」などが挙げられています。
上記の結果から、保育業界の大変さや厳しさが伝わってきますね。
転職する際は、前職での不満や辛さが解消できる職場を見つけられるようにしましょう。
マイナスに取られる退職・転職理由でもプラスに変える方法
- 人間関係に疲れてしまった→風通しのよい職場で働きたい
- 給料が安い→一人ひとりをしっかり評価してくれる職場で働きたい
- 仕事量が多い→仕事とプライベートを両立させて働きたい
- 保育に向いていないと思った→新たな自分を見つけたいと思った
人間関係や給与が理由で転職する保育士は多いですが、理由をそのまま伝えてしまうのはマイナスな印象を与えてしまうためNGです。
「人間関係に疲れてしまった」と答えれば「コミュニケーションをとるのが苦手なのかな」と思われるほか、「給与が安かった」と答えた場合、「給与の高さにしかこだわっていないのかな」とネガティブに捉えられてしまう可能性があります。
転職理由がネガティブであっても、ポジティブに感じてもらえるように上記の言い換えを参考にしてみてください。
保育士の転職理由【例文一覧】
転職理由①:人間関係に悩んでいる
人間関係に悩んでいる場合は、マイナスな表現にならないように注意して作成しましょう。
「職員と揉めた」「コミュニケーションを取るのが苦手」などとストレートに記載してしまうと、園側は「また同じような問題を起こさないかな」と心配になるでしょう。
人間関係がうまくいかなかったことは、間接的に伝える程度で構いません。
また、前職で経験したことを活かし、次の職場ではどのような働き方をしたいのかを併せて記載するようにしてみてください。
【例文】
前職では園児数の多い大規模保育園で働いており、一つひとつの仕事をこなすことに精一杯で、保育者間で十分なコミュニケーションを図れませんでした。保育者間のコミュニケーションは、よいクラス運営や子どものサポートに欠かせないものだと感じています。先日貴園を見学し、職員間の連携のスムーズさと先生方が楽しそうに勤務されている姿を拝見し、私もこの環境で働きたいと強く感じました。貴園に入職したら、先生方と保育の悩みや疑問点を何でも話し合える関係性を築き上げたいです。
転職理由②:給与に不満がある
給与に不満がある場合も、その趣旨をストレートに表現するのはNGです。
園側にも、「給与が目当てなのかな」「給与が良ければ他の園でもよいのでは?」と思われてしまいます。
給与など待遇条件のみで就職先を選んでいると思われないように、スキルアップ・キャリアアップなどの表現に言い換えて伝えるようにしてみましょう。
また、給与以外にも園の特色や保育方針などその園に惹かれた経緯を記載すると、与える印象もよくなりますよ。
【例文】
前職では10年間働きましたが、さらなるスキルアップを目指したく貴園を志願させていただきました。貴園のホームページを拝見し、個々の取り組みや実績を評価する人事評価制度に惹かれました。また、ゆくゆくは主任保育士の位置も目指しているため、キャリアアップ制度の実施にも興味があります。大好きな子どもとかかわる仕事に携わりながら個人に対する正当な評価をいただければ、より一層前向きに業務に取り組めます。
転職理由③:仕事量の多さに疲れた
「仕事量が多い」「勤務時間が長い」なども保育士の転職理由に多いですが、これらは主観的な見解と捉えられるため、別の言葉に言い換えた方がよいです。
場合によっては、園側から「単に仕事の効率が悪いのでは?」と不安に思われる可能性もあるので、できるだけポジティブな表現に言い換えるように意識しましょう。
また、仕事への意欲を伝えられる文章も添えると好印象を与えられますよ。
【例文】
前園はクラスの人数が多く、製作準備や書類作成などに追われ子どもとかかわる時間を十分に確保できませんでした。私が目指すのは、子ども一人ひとりとじっくりかかわり信頼関係を築く保育です。貴園の勤務体制をお聞きし、人員体制が整っており子どもとかかわる時間がたくさん取れる点に惹かれました。入職したら、子どもに丁寧に接しながら、やるべき業務はしっかり遂行したいと考えています。
転職理由④:保育観が合わない
保育観が合わずに転職を希望する場合は、前園の保育観や保育方針を否定するのではなく、あくまでも自分と保育観が合わなかったことを強調しましょう。
前園を否定するのは、他の園の職員から見ても良い印象を受けません。
「普段から物事をマイナスに受け取りやすいのかな」と、性格を疑われてしまう可能性もあります。
転職と同時に、新しい環境でどのような保育を行いたいのかを併せて記載するとよいかもしれません。
【例文】
前園では6年勤務していましたが、徐々に周りの職員との保育観や保育方針が合わないと感じることが増えてまいりました。私は、子どもが自分の意志や判断で行動しようとする主体性を大切にした保育を行いたいと思っています。そんな中、子ども主体で保育を展開している貴園を知り、ぜひ私もこの園で働きたいと思い、この度志願させていただきました。今後は自分らしく働ける環境で、さらに飛躍できるよう努めて参ります。
転職理由⑤:キャリアアップを目指したい
キャリアアップを見据えた転職は、園側もポジティブな印象を受けるでしょう。
なぜキャリアアップをしたいのかを明確にしておけば、仕事への熱が伝わり、「期待できそうな人材だな」と内定を貰える確率も高くなります。
ただ、給料を上げたい一心でキャリアアップを目指したいと伝えるのだけは印象を悪くさせるので、控えておきましょう。
また、保育に対する意欲や、どのような働き方をしたいのかも併せてアピールしてみてください。
【例文】
前職では8年間保育士として働いてきました。保育にやりがいを感じ、今後も長く続けていきたいと思っています。ゆくゆくは学年リーダーや主任保育士を目指していますが、現在の園では枠が空く予定がなくキャリアを積めないと感じています。貴園では、主任保育士を募集しているとお聞きしたので、今後のスキルアップを見据えてこの機会に転職を決意いたしました。これまでの保育経験を活かし、周りの職員をまとめられる保育士になれるよう精進いたします。
保育士が希望の転職先を見つけるときのポイント
保育士に特化した転職サービスの利用がおすすめ
保育士が希望の転職先を見つけるためには、保育士に特化した転職サービスの利用がおすすめです。
保育に特化した転職サイトや転職エージェントなら、多くの保育士求人から自分の条件に合う職場を見つけられます。
また、転職サービスにによっては、保育士経験を持つ人や保育士資格所持のスタッフからサポートを受けられ、保育業の転職に関する知識やアドバイスを貰うこともできますよ。
特に保育士に利用してほしい転職サービスを、いくつか挙げてみました。
- 保育士ワーカー
- レバウェル保育士
- 保育士人材バンク
- マイナビ保育士
- 保育求人ガイド
上記のサイトはいずれも当サイトでも詳しくご紹介しているので、そちらも併せてご覧ください。
面接時に気になる点をしっかり質問する
採用面接時に気になる点をしっかり質問することも、大切なポイントです。
面接は職場の疑問や情報を解決する大切な場ですが、緊張や不安からなかなか質問しづらい人もいるかもしれません。
面接時に知りたい項目を聞き損なうと、「残業量が予想以上に多くて困った…」「やっぱり面接で聞いておくべきだった」と、後々後悔するケースもあります。
職場や勤務に関する疑問があれば、面接時に質問して不安0の状態で入職できるようにしましょう。
一度に複数の求人に応募する
転職時は、一度に複数の求人に応募するようにしてみましょう。
内定手続きを完了させる前の段階までなら、同時に求人への複数応募が可能です。
複数応募には、以下のようにさまざまなメリットがありますよ。
- 採用の確率が高くなる
- 転職先の選択肢が広がる
- さまざまな園と比較できる
内定をもらった園があっても、手続きをしなければ後々契約を断ることもできるので、たくさんの園に応募して自分に一番合っている職場を見つけることが大切です。
保育士の転職に関する疑問に先輩保育士が回答!
年度途中でも退職・転職できる?
保育士の年度途中の退職・転職は基本的には可能です。
職場で働くのが辛い、やむを得ず辞める理由ができた場合などは、我慢せずに退職・転職の意向を上司に伝えましょう。
しかし、担任をもっている場合は、子どもや保護者を不安にさせたり同僚に迷惑をかけたりしてしまうことを承知のうえで決断しなければなりません。
職場から離れる際は、子どもや保護者への挨拶と職員への引き継ぎを必ず済ませるようにして下さい。
保育士が転職する場合、まず誰に伝えるべき?
保育士が転職する場合、まずは主任保育士や副主任保育士などの直属の上司に伝えるのが一般的なマナーです。
主任保育士と園長間に情報把握のすれ違いが起こらないために、時間を空けずに園長にも伝えましょう。
職場の人間関係によっては、はじめに同じクラスの職員に話してから上司に伝えるのも一つの手です。
退職の手続きや引き継ぎもあるので、退職希望日の1〜2ヶ月前には退職の意思を伝えるように心がけましょう。
働きながら転職活動するべき?退職してから転職活動をするべき?
結論、転職活動は働きながら、退職してからのどちらのタイミングでも構いません。
金銭面に余裕がある、少し休息したいなどであれば退職して体を休めてから転職活動を行うとよいですよ。
働きながらの転職活動は、十分な時間が確保できず体力的にも難しいです。
また、一人で転職活動を進めるのは大変なので、メールやLINEなどで隙間時間でも求人検索ができる転職サービスを活用してみてもよいでしょう。
人間関係で揉めて退職した場合、転職先にどう伝えるべき?
職場の人間関係が原因で転職する際は、人間関係で揉めた事実をそのまま伝えるのはNGです。
ストレートに伝えてしまうと、前職の職場体制を非難しているように思われてしまいます。
このようなケースでは、「チームワークの良い環境で働きたい」など、前職の人間関係が合わなかったことを間接的に伝えてみましょう。
併せて、新しい環境での意欲をアピールすると、園側にも良い印象が与えられます。
まとめ
保育士の転職理由を伝える際の例文や、転職に関する質問を詳しくご紹介しました。
保育士の転職理由は仕事量が多い、人間関係、スキルアップを目指したいなど、人それぞれの事情があります。
転職理由を伝える際は、転職理由が何であってもポジティブな言葉に言い換えることを意識して下さい。
また、転職理由は求人園との相性を確かめる判断材料のひとつなので、気を抜かずしっかりと考えておきましょう。
本記事の例文を参考にしてみてくださいね。
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