【保育士の転職】何年目がベストのタイミング?経験年数ごとの強みと転職時の注意点|保育士が解説

保育士転職何年目

「保育士として働いているけれど、転職を考えている」という方は多いでしょう。

その際に、「保育士の転職は何年目がベストタイミングなのか」気になっている人もいると思います。

今回は、保育士の転職は何年目に行うのが一番良いのかについて解説します。

経験年数ごとの強みや、注意点も交えていますので、転職を考えている方はぜひ最後までご覧ください。

この記事を読んでわかること
  • 保育士は売り手市場のため、基本的には経験年数が浅くても転職は可能
  • 経験年数によっては、転職活動にメリットやデメリットはある
  • 3年目で転職活動を行うのがタイミング的にはおすすめ
  • 退職のタイミングは期間に余裕を持って申し出る
すもも【元保育士ライター】

保育士の転職時期について悩んでいる方はたくさんいます。ある程度経験があった方が転職時に有利になると思っている方もいるでしょう。この記事を読んで、ご自分はどれに当てはまるのかを参考にしてみてくださいね。

この記事を書いた人

すもも先生 元保育士ライタ

8年間保育士として勤務し、主に乳児クラスの担任を務めて参りました。認可保育施設や認可外保育施設での職務経験を活かして、保育士さんに役立つ記事を執筆させていただきます。

目次

保育士はいつ転職すると一番有利?

保育士は、いつ転職すれば一番有利になるのでしょうか。

基本的には保育経験が1年あれば、転職時にきちんと評価してくれることが多いです。

未経験の保育士さんよりも、現場経験が少しでもある保育士さんの方が転職時には圧倒的に有利と言えます。

詳しくは下記で解説していますので、参考にしてみてください。

保育士は売り手市場で転職しやすい

近年、保育士は人材不足が深刻化しており、求人率が非常に多いです。

厚生労働省が発表している統計によると、保育士の有効求人倍率は3.78倍(全職種平均1.34倍) と、圧倒的に高い水準となっています。

そのため、保育士さんは売り手市場で、どんどんニーズが高まっているのが現状。

参照:保育士の有効求人倍率の推移(全国)

保育経験が1年あるだけで転職市場で十分評価される

「保育経験が1年しかないと就職に不利になるの?」と心配している方もいるでしょう。

しかし、先ほども述べたように、保育士さんは現代の日本ではかなりニーズの高い職業です。

そのため、たとえ保育経験が1年であってもきちんと評価してもらえます。

未経験の保育士さんよりも、少しでも経験のある保育士さんの方が転職時には有利となります。

20代での転職が有利と言われる理由

20代での転職が有利と言われることが多いですが、その理由は下記の通りです。

  • ポテンシャルが重視されるから
  • 柔軟性が高く、新しい環境に適応しやすいから
  • 成長力が高いから
  • 長期的なキャリアアップを目指せるから

20代は、成長力や柔軟性が高いと評価されるため、転職に有利と言われています。

未経験な職業であってもポテンシャルを重視されるため、転職が成功しやすいです。

経験年数別にみる保育士の転職の強みと注意点

ここでは、経験年数別に保育士の転職の強みと注意点について解説します。

保育経験1年目から7年目以降までをそれぞれ詳しく記載していますので、参考にしてみてください。

保育士経験1年目の転職

強み

  • 柔軟性があって園の雰囲気に馴染みやすい
  • ポテンシャルを重視されやすい
  • 成長力が高いと評価される

注意点

  • 「もしかしてすぐ辞めるのではないか?」と見られやすい
  • 経験不足のため選べる園が限られる
  • 園の方針や保育内容をきちんと確認する

保育士経験1年目であっても、転職時に不利になることはありません。

現場経験があるため、「保育の基本業務は理解している」と評価してもらえますよ。

しかし、「すぐに辞めてしまうのではないか?」と感じる採用担当者もいますので、マイナスに働いてしまう部分も。

面接時に退職理由を聞かれた際は、ネガティブな理由ではなく、前向きな回答をするように心がけましょう。

保育士経験2〜3年目の転職

強み

  • 担任の経験があると評価されやすい
  • 保育の基礎が身に付いていると判断される
  • 保護者対応の力が身に付いていると判断される

注意点

  • 給料アップにつながりにくい
  • 3年以内の転職をマイナスに捉える担当者がいる
  • 給料や条件で園を決めないようにする

保育士経験が2年~3年ある場合でも転職の際は、経験値が強みになります。

担任の経験もある先生が多いため、保育の基本知識も身に付いており、良い評価を受けるでしょう。

しかし、一方では給料アップまでは繋がりにくいことがあり、3年以内の転職をマイナスに捉える担当者もいます。

転職時には、給料の良さや待遇だけで選ばないように慎重に探すことが大切です。

保育士経験4〜6年目の転職

強み

  • 即戦力として見られるようになる
  • 給料アップされやすくなる
  • 役職に就く場合もある

注意点

  • 責任が大きくなり、辞めづらい時期でもある
  • 条件へのこだわりが強くなり、希望の園が見つかりにくいこともある
  • 転職の理由を明確にする

保育士経験4~6年目では、即戦力に見られるようになるため、転職が成功しやすいです。

また、これくらいの経験があれば、給料アップの交渉をしやすくなるため、好条件で決まる場合もあります。

ただし、クラスリーダーなどの役職に就いていると、責任が大きくなって勤めている園を辞めづらくなるというのも現状です。

保育士経験7年目以降の転職

強み

  • 専門性や経験が武器になってくる
  • 役職に就ける機会が増える
  • 給料アップがしやすい

注意点

  • 園長から強く引き止められる
  • 転職のタイミングを逃してしまうことも
  • 希望の条件やこだわりが強くなってくる

保育士経験7年目以降では、専門性や経験値が武器になるため、「ぜひ働いて欲しい」と前向きに声がかかるようになります。

また、役職に就けば、給料の大幅アップも見込めるでしょう。

しかし、働いている園によっては、園長に強く引き止められて転職のタイミングを失ってしまう場合もあるため、注意が必要です。

保育士が3年以内で転職するときの注意点

保育士が3年以内で転職する際の注意点について、ご紹介します。

3年以内の転職はマイナス面もあるため、注意が必要です。

詳しくは下記にまとめていますので、参考にしてみてくださいね。

「仕事を続けられない人」と思われる可能性がある

まず1つ目は、「仕事を続けられない人」と思われる可能性があります。

転職の理由は様々ですが、マイナスな印象を与えないようにするのが大切です。

「体力的にしんどかったから」「通勤時間が長く、近い場所で働きたかったから」などの理由はネガティブな印象を与え、退職理由としてはおすすめできません。

スキルと経験が十分に積めていない

2つ目は、スキルと経験が十分に積めていないという点です。

3年目以内では、保育の専門性や経験が十分ではなく、まだまだ成長の段階と言えます。

さらに、3年目以内では担任を任される保育士さんは少ないです。

しかし、転職後にもスキルや経験を積んでいく機会がありますので、「経験が少ないから転職できないかも」と心配する必要はありません。

給与アップを狙いにくい

3つ目は、給料アップを狙いにくいという点です。

保育士3年目以内では、転職後に大幅な給料アップというのは難しく、前の園と給料はほとんど変わらないという方も。

しかし、園によっては、前向きに検討してくれる場合もあります。

3年以内でも転職すべきケース

  • パワハラ
  • いじめ
  • 有給休暇が取得できない

保育士経験3年目以内でも転職すべきケースは、上記のような例が挙げられます。

特にパワハラやいじめに関しては、早急に転職するのがおすすめです。

さらに、人手不足の影響で、有給休暇が全く取得できないという保育士さんも中にはいます。

パワハラや有給休暇が取得できないケースは、労働基準監督署に相談するのも1つの方法で、決して我慢せずに転職を考えましょう。

保育士が転職するベストなタイミングは?

ここからは、保育士が転職する際のベストなタイミングについて解説します。

基本的に3年目のタイミングまたは、ライフステージが変わった時がおすすめです。

それぞれのタイミングについて詳しく記載していますので、参考にしてみてください。

「3年目」のタイミングで転職する

保育士3年目のタイミングで転職する方は、かなり多いです。

筆者の私自身も保育士3年目のタイミングで、転職活動を行いました。

3年目の保育士さんは、まだまだ成長過程ですが、その成長力を期待されるため、転職しやすいと言えます。

しかし、担当者によっては「3年は短い」と感じる人もいるということを知っておきましょう。

キャリアアップを見据えて転職する人が多い

キャリアアップを見据えて転職するのも良いタイミングと言えます。

保育士としてある程度経験を積めば、自分のやりたい保育や、将来的な目標が出てくるでしょう。

「いずれは園長になりたい」「リーダーとしてもっとスキルを伸ばしたい」という具体的な目標を明確にして、面接時に伝えると、好印象を与えられます。

結婚や出産のタイミングで働き方を見直すケースも多い

結婚や出産のタイミングで、働き方や転職を考える保育士さんも多いです。

近年では、産休育休制度を充実させている園が増えてきており、出産後に復帰する先生もたくさんいます。

また、時短勤務を導入している園も多いため、働き方を見直したいと考えている方でも安心して働けますよ。

詳しくは採用担当者の方に聞いて、実際の例なども参考にしながら転職活動を行ってくださいね。

保育士を辞める時期で失敗しないためのポイント

「転職をしたいけれど失敗したくない」「保育士を辞める時に大切なポイントってある?」という方に、保育士を辞める時期で失敗しないためのポイントについて解説します。

年度末で退職するのが理想

基本的に園を退職する時期は、年度末が理想です。

年度末の退職だと、卒園や進級の時期であるため、タイミング的にはベスト。

そして、次の転職先に4月から入職するのが最もスムーズと言えるでしょう。

しかし、状況によっては年度末ではなく、年度途中での退職となる人もいますので、絶対に年度末でないといけないという訳ではありません。

12〜1月に辞意を伝えるのがベスト

年度末で退職する場合、辞意を伝えるタイミングとしては、12月~1月がベストと言えます。

理由としては、次のクラスの編成を検討し始める時期であるため、そのタイミングに伝えておくと、園長や主任も助かるからです。

また、12月や1月は行事が一旦落ち着く頃なので、忙しくない時期であれば、上の先生方も時間を取ってくれやすいですよ。

12月よりも前に伝えるのもおすすめで、退職時期ギリギリに申し出るのは避けましょう。

年度途中で辞める場合は最低1ヶ月前には伝える

状況によっては、年度途中で退職を考えている保育士さんもいるでしょう。

年度途中での退職を希望している場合は、最低でも1カ月前には伝えるべきです。

参考までにお伝えしますが、民法では最低でも2週間前に辞意を申し出れば、退職は可能となっています。

第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

引用元:民法 | e-Gov 法令検索

法律では2週間前となっていますが、基本的には1カ月前には申し出て、退職手続きやクラス内の引継ぎがスムーズにできるように心がけましょう。

先輩保育士は何年目で転職した?リアルな体験談

ここでは、先輩保育士に転職に関するアンケート調査を行った結果を記載します。

リアルな体験談となっていますので、実際の声を聞いて今後の転職の際に役立ててみてくださいね。

転職した時期転職した理由
Aさん2年目新卒入社した保育園は家族経営の保育園。保育園でどれだけ子どもと関わろうと、保護者から感謝されようと、一番偉い「理事長」に気に入られない限り昇給も賞与もないという事実に気づいてしまった。
こどもはかわいかったし、仕事は楽しかったけれど、保育士資格も持っていない理事長の娘が園長をやっていたり、その子どもが補助で入っていてアレルギーの誤配をされたり……経営として問題があるのではないかと思い、思い切って転職しました。
Bさん3年目転職を決意したのは、保育士3年目、20代半ばの頃でした。勤めていたのは株式会社運営の保育園。仕事そのものは嫌いではありませんでしたが、給与と人間関係に強い不安を感じるようになりました。
特につらかったのは、上司の機嫌次第で、理不尽な内容でも職員全員の前で叱責されること。常に顔色をうかがいながら働く環境は、心をすり減らしていきました。手取りは月16万円ほど、ボーナスも数万円程度で、将来を考えると不安が募る一方でした。
「3年目で辞めるのは早いのでは」と何度も悩みましたが、限界を感じて転職を決断。今振り返ると、転職は逃げではなく、自分を守るために必要な選択だったと思います。今、同じように悩んでいる後輩保育士には、心や生活を犠牲にし続けなくていいと伝えたいです。
Cさん2年目これまで非常勤だったため、常勤で働きたいと思ったからです。自分の力を試したいと思いました。また、常勤になって自分のクラスをもちたいと感じたのも理由です。
Dさん2年目転職した時期は2年目の終わり。
理由は、子どもの頃からの夢をどうしても叶えたかったから。子どもの頃から海外に行くことが夢でしたが、学生の頃は実習もあり、金銭的に難しかったこともありいけませんでした。社会人になり、お金を貯められたのでこのタイミングで退職し、夢を叶えようと思いました。

上記のアンケートによると、保育士経験2年目や3年目で転職を決意した先生が多いことが分かりますね。

転職の理由としては、上司との人間関係や給料面などが挙げられ、将来を考えて転職した方が多いです。

家族経営や会社経営の保育園では、園によって独自のルールがあるため、保育観の相違や働き方に不安を募らせる方も少なくありません。

保育園への転職にはエージェントを活用しよう!

ここからは、保育士の転職に役立つエージェントをご紹介します。

下記の3つがおすすめの転職エージェントとなっており、それぞれについて詳しく解説しますので、転職を決めた際には、ぜひ利用してみてください。

保育士ワーカー

保育士ワーカー
運営会社株式会社トライトキャリア
求人数14,218件(2025年12月現在)
対応エリア全国
雇用形態正社員・パート・契約社員・派遣・紹介予定派遣
公式サイトhttps://hoikushi-worker.com/

保育士ワーカーは、株式会社トライトキャリアが運営しているサイトで、求人数は業界トップクラスです。

無料会員登録を行えば、完全無料でキャリアアドバイザーからのサポートが受けられます。

気になる求人が見つかれば、自分で簡単に応募ができますよ。

そのため、忙しい方でもスマホがあれば、スムーズな転職活動が可能です。

マイナビ保育士

マイナビ保育士
運営会社株式会社マイナビ
求人数21,979件(2025年12月現在)
対応エリア全国
雇用形態正社員・パート
公式サイトhttps://hoiku.mynavi.jp/

株式会社マイナビが運営している保育士向けの求人サイトで、CMでもお馴染みのため、信用度が高いです。

無料会員登録を行えば、非公開求人も閲覧できるようになり、好条件の求人が見つかりやすいですよ。

転職アドバイザーがしっかりとサポートしてくれるため、転職に不安のある方でも安心して活動できます。

保育士人材バンク

保育士人材バンク
運営会社株式会社SMS
求人数37,541件(2025年12月現在)
対応エリア全国
雇用形態正社員・契約社員・パート・アルバイト
公式サイトhttps://hoiku.jinzaibank.com/

保育士人材バンクは、保育専門の就職・転職支援サービスです。

約30,000件以上の求人を掲載しており、業界でもトップクラスの求人数を誇ります。

価値観を重視した転職支援を行っており、一人ひとりが長く働き続けられる園を紹介。

サポートを行ってくれるキャリアパートナーは、保育の研修を受けた専門性の高いスタッフばかりなので、安心して任せられますよ。

まとめ

今回は「保育士の転職は何年目で行うのが良いのか」について解説してきました。

保育士の経験年数によっても転職のしやすさは多少変わってきますが、3年目で行うのがタイミング的にはベストで、今後のキャリアを築きやすいですよ。

また、結婚や出産など、ライフステージが変わる時期もベストタイミングと言え、子育てをしながらも働きやすいように対応してくれる園も多いです。

経験年数やスキルが足りないと感じていても、転職できないということはありませんので、ご自分の希望や条件に合った園を探してみてくださいね。

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この記事を書いた人

8年間保育士として勤務し、主に乳児クラスの担任を務めて参りました。
認可保育施設や認可外保育施設での職務経験を活かして、保育士さんに役立つ記事を執筆させていただきます。

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