保育士の給料が低くて生活できない?生活できない理由や安定した生活のために保育士がやるべきこと

保育士の給料が低くて生活できない?生活できない理由や安定した生活のために保育士がやるべきこと

保育士の中には、「給料が低くて安定した生活ができない」と感じている方もいるのではないでしょうか。

本記事では、保育士の給料が低い理由や保育士の生活実態はどうなのか、安定した生活を送るためにやるべきことなどを詳しく解説します。

「保育士を目指したいけれど給料が心配」と悩まれている方は、ぜひ最後までご覧ください。

この記事をまとめると
  • 「保育士の給料は低くて生活が苦しい」と感じる人が多いのが現実
  • 「業務内容と給料が見合わない」「キャリアアップが収入に直結しにくい」などの課題がある
  • 保育士が安定した生活を送るためには、家計の見直しや副業を考えるといった方法がある
  • マイナビ保育士、ほいくジョブなどの転職サービスを利用すれば給料の高い職場が見つかりやすい
【元保育士】ゆぴライター

保育士の給料で全く生活ができないことはありませんが、一人暮らしをしている方や奨学金を返済している方など、生活が厳しいと感じる人はいるでしょう。国や自治体が行なっている制度や研修を利用して、給料アップを目指してみてください。

この記事を書いた人
岡本

ゆぴ  元保育士ライター

保育士歴9年。ピアノが得意で、子どもと一緒に歌をうたうことが好きでした。現在は、専業主婦兼Webライターとして活動中です。保育士や保育士を目指す方の、力になれるような記事を執筆しています。

目次

保育士の給料が低くて生活できないって本当?

「保育士の給料が低くて生活できない」という声は少なくありません。

現状に満足していない保育士が多いのには、次のような背景があります。

  • 国の制度上、人件費に限界がある
  • 職務のわりに評価が低い
  • 残業・持ち帰りが無給になりやすい
  • 都市部の生活コストが高すぎる

実際に保育士の平均年収は他業種よりも低く、手取りは月20万前後が多いため、一人暮らしでは家計に余裕がないと感じる人もいます。

ただし、勤務先や自治体、役職によって差があり、キャリアアップ研修の受講や処遇改善加算の活用で収入を上げることも可能です。

生活を安定させるには、職場選びや支出管理、スキル向上などの工夫も必要でしょう。

保育士の給与水準の現状は?

保育士の給与水準は他の一般的職業平均よりやや低く、地域や勤務形態による差も大きいのが現状です。

責任の重さや業務量に見合っていないと感じる声も多いので、待遇改善のために制度改革や自治体による支援の強化が求められています。

ここでは、保育士の平均年収や給料の地域差について解説します。

保育士の平均年収

令和5年度の保育士の平均年収は、約390万円です

保育士(男女計)所定内給与額年間賞与・その他特別給与額平均年収
令和5年26.4万円71.2万円390万円

同年の給与取得者の平均給与約460万円と比較すると、保育士の年収は平均水準より低いと言えます

ただしこれは全国平均であり、地域や経験年数、勤務先(私立・公立)、雇用形態によって大きく異なるでしょう。

引用元:厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査

引用元:国税庁 令和5年分 民間給与実態統計調査

保育士は他業種と比べて給料が低くて生活できない?

保育士は、国家資格職の中でも給料が低水準と言われています

以下の表では、保育士と他業種の給料比較をまとめました。

職種平均年収
保育士(正社員)約390万円
看護師約492万円
Webエンジニア約549万円
事務/アシスタント職約313 〜 354万円
工場勤務(正社員)約363万円

事務職や工場勤務より若干高いものの、看護師やWebエンジニアとは大きな差があることがわかります

保育士の給料には地域差がある?

保育士の給料は、「支援制度の違い」「人材確保対策」などの理由から地域差があります

以下は、首都圏の平均年収をまとめたものです。

地域平均年収
東京都約353万円
千葉県約347万円
神奈川県約340万円
埼玉県約336万円
栃木県約321万円
茨城県約319万円
群馬県約296万円

首都圏は一般的に給与水準が高いことに加え、社宅借り上げ制度などを設定している自治体もあるため、給料が高い傾向にあります。

しかし、首都圏の中でも平均年収が高い地域と低い地域を比べると、約57万円もの差があるのが事実です。

引用元:求人ボックス

保育士の給料が低くて生活できないと言われる理由

保育士の給料が低くて生活できないと言われるのには、「公定価格制度による収益制限」「自治体による支援制度の差」といった背景があります。

保育士に興味のある方は、給料が低いことに対し明確な理由が存在するのを理解したうえで、本当に保育士を目指すのかを検討しましょう。

公定価格制度による収益制限

公定価格制度とは?

公定価格制度とは、国が定めた「保育サービスの価格(報酬)」に基づいて保育園などに支払われる仕組みのこと。保育士の人件費や施設運営費などは、この制度の中で設定された金額(=公定価格)をもとに賄われている。

保育園の運営は「公定価格制度」によって国が定める基準に従って支給されるため、自由に保育士の給料を上げにくい構造があります

運営費の多くが人件費に充てられる中で、利益を出しづらく、保育士の処遇改善にも限界があるのが現状です

自治体による支援制度の差

処遇改善や家賃補助などの支援制度は自治体ごとに異なり、都市部と地方、隣接する市町村間でも待遇に差が出ます。

同じ仕事をしていても地域によって手当の有無や金額が異なるため、不公平感や不満が生まれやすくなっています

以下では、東京都の世田谷区・八王子市の支援制度を比較してみました。

  • 世田谷区…月額8.2万円までの家賃補助あり(上限あり・条件付き)、処遇改善手当とは別に独自の「キャリアアップ応援手当」支給
  • 八王子市…都心区に比べて家賃補助額が低いor実施していないケースもある

補助の有無で年収換算にすると100万円近い差がつくこともあり、支援制度の差が明るみに出ています。

業務内容と給料が見合わない

保育士の業務は、子どもの保育に加え書類作成、保護者対応、行事準備など多岐にわたります

しかし、その負担に対して給料が低く、仕事量と報酬のバランスが取れていないと感じる人が多いため、やりがいはあっても生活が厳しい原因となるでしょう。

【元保育士】ゆぴライター

他にも、「残業申請がしづらい」「給料が発生しない持ち帰りの業務がある」など、業務内容と給料が見合っていないと負担に感じることは多いです。

雇用形態・運営母体による待遇格差

正規職員・非正規職員間の待遇差に加え、公立と私立、社会福祉法人や株式会社など運営母体によって給料や福利厚生に差があります

同じ保育士でも雇用環境により年収が大きく変わるため、安定した生活を送りにくい人がいるのが現状です。

運営母体給料水準福利厚生の充実度昇給・賞与
公立(自治体運営)◎高い(公務員水準)◎非常に充実(共済・休暇など)◎毎年あり
社会福祉法人○〜◎やや高め○〜◎社会保険・退職金など整備○〜◎あり
株式会社(民間)△〜○やや低め〜平均△〜○福利厚生に差がある△〜○不定期

キャリアアップが収入に直結しにくい

研修受講やキャリアアップ制度を通じて役職に就いても、賃金に反映される幅が小さいことがあります

キャリアアップが収入に直結しにくい理由は、以下の通りです。

  • 管理職ポストが限られている
  • 園によって研修後の待遇が異なる
  • 役職に就いても業務量だけが増えるケースもある
  • キャリアアップ手当の導入が任意の自治体もある

努力しても収入がほとんど変わらないことから、モチベーションが上がりづらく、離職や副業を選ぶ要因となっています。

保育士の生活実態は?生活できないって本当?

保育士の生活実態は、実際に働いてみないとわからないですよね。

ここでは、SNSを参考に「給料の低さ」や「生活の不安定さ」など、保育士の生活についてリアルな声をお届けします

あくまでも個人の主張であり、全ての保育園に共通して言えるわけではないので参考程度にしてみてください。

保育士の生活実態は?生活できないって本当?

固定費が支払えない

保育士の給料安いから携帯代払えてないから止まってしまう

引用元:X(旧Twitter)

こちらの方は、給料の低さから携帯代が払えていないことを嘆いています。

携帯代や家賃、光熱費などの固定費が払えないと通常の生活が送れず困惑しますよね。

一人暮らしの場合、一人で支払わないといけない費用が多く、保育士の給料だとギリギリの状態だと思います。

固定費の負担を減らすためには、借り上げ社宅制度がある保育園に転職する、携帯料金のプランを変更するなど対策をとってみましょう。

副業できないのが辛い

保育士もそうだけど、副業禁止と言うのなら、副業しないと生活できないような給料にしないでほしい。副業可能なら、副業してる。生活が本当に苦しい。

引用元:X(旧Twitter)

公立保育園など園によっては副業ができず、保育士の給料だけでは苦労している方もいます

こちらの方のように、「給料が低いから副業したいのに副業禁止なのは辛い」と思っている方は多いのではないでしょうか。

副業が可能なら、休日や朝夕などの時間を使い収入を増やすことが可能です。

保育士には「ベビーシッター」「単発保育士」「Webライター」など向いている副業があるので、副業OKの職場に転職し挑戦してみるのもよいでしょう。

給料に満足できない

保育士のお給料いまだに安すぎる。 そりゃみんな辞めるでしょ。 保育の仕事は好きだしいつかまた戻りたいけど、月収倍にでもしないとそのうちなり手自体いなくなるよ…

引用元:X(旧Twitter)

近年、保育士の処遇改善は進んでいるものの、未だに「給料が安すぎる」と困っている方は多いようです

子どもの世話をするのが好き、保育士に憧れて保育業界に入ったという方も、保育士の給料の現状を知ってギャップを感じ、退職するケースは少なくありません。

給料が安いと生活がままならず、趣味や交際費に充てるお金も限られてしまいます。

「給料に満足できないけれど保育士は続けたい」方は、転職やキャリアアップ研修の受講、副業などを視野に入れてみてください。

保育士が安定した生活を送るためにやるべきことは?

保育士が安定した生活を送るためには、収入面だけでなく、働き方・生活習慣・将来設計まで幅広く見直すことが大切です。

ここでは、「働き方を見直す」「キャリアアップ研修を受ける」など5つの項目に沿って、保育士がやるべきことを解説します。

いきなり全てやろうとせず、できそうな項目から挑戦してみてください。

自分の働き方を見直す

「今のままでは安定した生活を送れないのでは?」と感じる方は、自分の働き方が合っているか見直してみましょう

  • 業務量と給料が見合っているか確認する
  • 残業や持ち帰りの仕事を減らす工夫はないか考える
  • 書類作成などを効率化できるよう工夫する
  • チームで協力しやすい人間関係を築く
  • 業務改善に積極的な園があるか転職サイトでチェックする

働き方を見直すことで、職員同士の連携がうまくとれていなかった、仕事の効率を上げる工夫をしていなかったなど、これまでの問題点と対策が浮き彫りになります

キャリアアップ研修を受ける

キャリアアップ研修への参加は、「給与を上げる」「職場での立場を高める」「転職に強くなる」など、保育士が安定した生活を送るために複数の面で効果があります。

具体的には、次のようなメリットがあるでしょう。

  • キャリアアップ研修を修了しリーダーや副主任、専門職などの職責に就くと、処遇改善手当(加算Ⅱ・Ⅲ)が支給される
  • 経験年数+研修履歴が整っていると、自治体が支援する公的補助の対象になりやすい
  • 転職時に「キャリア志向がある人」として評価されやすくなる

処遇改善手当が付与されると月1~4万円前後の加算がつくケースもあり、年収で50万円前後の差になることも

研修の受講資格がある方は、ぜひ受けてみてください。

家計の見直し

安定した生活を送るためには、仕事以外に家計の見直しを行うことも大切です。

  • 毎日の食費や交際費などを家計簿やスマホアプリに入力する
  • 家賃や通信費など、毎月の固定費を見直す(格安SIM、シェアハウス活用など)
  • 貯金と予算管理をルーティン化する

毎月の出費や固定費を見直すことで、「食費に使いすぎている」「趣味に充てる予算をもう少し減らそう」と、何にお金を多く使っているのかが把握できます

現在の給料を元に、食費や日用品費、美容費などそれぞれいくら使ってよいのかを設定しておけば、生活がカツカツになることもありません。

副業を検討する

副業がOKの職場なら、次のような副業を検討してみてもよいでしょう

  • ベビーシッター
  • 単発保育士
  • 保育士向けのブログ・YouTube・SNS運用
  • 子育て系ライター、イラストなどの在宅ワーク

ベビーシッターや単発保育士は保育士資格があればすぐに始められるので、挑戦しやすいです。

休日や夜間など、時間を調整して働いてみてはいかがでしょうか。

尚、公務員など副業NGの職場もあるので、副業に興味がある場合は事前に確認しておきましょう。

メンタルケアを習慣化

安定した生活を送るために、まずはメンタルを落ち着かせることが大切です。

  • 睡眠・食事・適度な運動を意識し、体調を崩しにくい習慣をつける
  • 定期的にリフレッシュする時間(趣味、旅行、マッサージなど)を意図的につくる
  • メンタルが限界になる前に、家族や友人などに相談する

保育士という職業の特性上、健康状態はそのまま「生活の安定」や「仕事の継続」に直結します。

疲れを溜めないために睡眠や食事、適度な運動を取り入れる、趣味の時間を作るなどして、心と体の健康を維持しましょう。

生活できないと不安な保育士さんにおすすめ転職サイト3選

「このままの給料だと今後の生活が不安……」そんな方は、転職サイトを活用して今よりも待遇の良い職場に転職するのも一つの方法です。

ここでは、給料やボーナス、残業の有無など自分の希望条件に合う職場を見つけやすい「マイナビ保育士」「保育士人材バンク」「ほいくジョブ」3つの転職サイトをご紹介します。

それぞれ特徴やメリットが異なるので、自分の好みに合ったサイトを選んで転職を進めてみてください。

生活できないと不安な保育士さんにおすすめ転職サイト3選

マイナビ保育士

マイナビ保育士
運営会社株式会社マイナビ
求人数約20,237件(2025年7月時点)
対応エリア全国
雇用形態正社員・契約社員・非常勤・パートなど
公式サイトhttps://hoiku.mynavi.jp

マイナビ保育士は、大手人材紹介会社のマイナビが運営する保育士に特化した転職サイトです。

専任担当者が条件のヒアリングや求人紹介、面接の同行まで丁寧にサポートしてくれるため、転職活動が初めての方でも安心して利用できるでしょう。

検索項目が多いのも特徴で、「給与から探す」では200〜400万円の中から希望値を選択でき、該当する求人が検索できます。

そのほかにも、「借り上げ社宅制度」「残業少なめ」などから選択できるこだわり検索もおすすめです。

保育士人材バンク

保育士人材バンク
運営会社株式会社エス・エム・エス
求人数約35,508件(2025年7月時点)
対応エリア全国
雇用形態正社員・契約社員・パート・アルバイト
公式サイトhttps://hoiku.jinzaibank.com

保育士人材バンクは、株式会社エス・エム・エスが運営する保育士専用の転職サイトです。

業界トップクラスの求人数がポイントで、約3万件以上の求人から自分の条件に合う職場をピックアップしてくれます。

こだわり検索では、「月給15〜30万円以上」「賞与3ヶ月以上」「退職金制度あり」など、待遇にまつわる項目が充実しているので、理想に近い求人が見つかりやすいでしょう。

ほいくジョブ

ほいくジョブ
運営会社株式会社プレアデス
求人数約21,188件(2025年7月時点)
対応エリア全国
雇用形態正社員・契約社員・パート・派遣社員
公式サイトhttps://hoiku-job.net

ほいくジョブは、株式会社プレアデスが運営する保育士や幼稚園教諭に特化した転職サイトです。

非公開求人を多く取り揃えているのがほいくジョブの強み。

人気があり応募が殺到する非公開求人は、給料や賞与額が高い、残業がないなど好条件のものが多いため、出会えたら幸運です。

また、フリーワード検索なら「月給25万円以上」「持ち帰りの仕事なし」など自由に条件検索ができるので、有効活用してみてください。

まとめ

保育士の給料は全体的に低く、生活が苦しいと感じる保育士は多いです

給料の低さだけではなく、キャリアアップが収入に直結しにくい現状や、自治体による支援制度の格差も影響しているでしょう。

転職や副業、キャリアアップ研修の受講などを視野に入れ、安定した生活が送れるように努めましょう。

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この記事を書いた人

保育士歴9年。ピアノが得意で、子どもと一緒に歌をうたうことが好きでした。現在は、専業主婦兼Webライターとして活動中です。保育士や保育士を目指す方の力になれるような記事を執筆しています。

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