保育の仕事をしていると「自分は保育士に向いているのだろうか」と考えてしまうことはありませんか。
向いているのかわからない状態が続くと、保育の仕事を続けるべきか悩みますよね。
一方で向いていると分かれば保育士として自信がつき、落ち込むことがあっても仕事に前向きになれるでしょう。
本記事では、保育士に適性があるか心配な人向けに、保育士に向いている人の特徴や役立つ特性や特技についてまとめました。
- 保育士に向いている人の特徴
- 保育士に役立つ特性や特技
- 幼稚園教諭と保育士の違い
「保育士に向いてるのかな?」と疑問に思うのは普通
保育の仕事から少し離れると「保育士に向いているのかな」と客観的に考えてしまうものです。
とくに失敗したり、疲れていたりするときは気持ちが落ち込んでしまい、ネガティブなことを思い浮かべてしまいます。
心配になった時は、保育士になりたいと思った理由を思い出すと前向きな気持ちになり、やる気が出てくるのでおすすめです。
それでも気持ちに変化がなければ「本当に向いていないのか」と自問自答してみると良いでしょう。
保育士に向いている人の特徴8選!
自分が保育士に向いているか確認して、仕事への不安を減らしたいですよね。
保育士に向いている人は、保育の仕事にやりがいを感じやすいという特徴を持っています。
では、具体的にどのような特徴があるのか確認してみましょう。
とにかく子供が好きな人
子供が好きであれば、園児たちが日々成長していく姿に保育士としてのやりがいを実感できます。
さらに、自然と子供に寄り添った保育ができるので園児から好かれ、上司や同僚、保護者からも信頼される先生になれるでしょう。
子供の成長や笑顔が見られると思えば、日々の業務やイベント準備にも気合が入ります。
また、園児のかわいい寝顔や仕草を見て、仕事中に癒しが得られるのも子供好きのメリットの一つです。
粘り強く子供に向き合える人
園児たちはやりたいと思ったらすぐ行動するため、保育士が注意してもなかなか言うことを聞いてもらえません。
危ないことを繰り返す子には粘り強く向き合い、わかってもらうまで何度も諭す必要がでてきます。
そして、苦労して関係を築いても年度が変わればリセットされるため、一から子供達と向き合うことになります。
粘り強く向き合える人であれば、繰り返す子供との関係構築にもやりがいを見出せるでしょう。
責任感が強く人任せにしない人
クラス担任をしていると、頭を抱えるようなトラブルに遭遇することがあります。
実際にSimple株式会社の調査結果では、保育士の75%が保護者とのトラブルを経験したと回答しています。
それでも、投げ出さず進級や卒園まで園児の成長をサポートするのが保育士の仕事です。
複数担任の場合でも人任せにせず、積極的に意見を交換して協力し合えばトラブルを未然に防げるでしょう。
任されたクラスの運営を最後までやりとげるためには、トラブルがあっても挫折しない強い責任感が必要になってきます。
参考:Simple株式会社|保育士は保護者トラブルに関する調査
子供や人の気持ちをその背景から考えられる人
乳幼児の段階ではまだ上手く言葉で表現できず、自分の気持ちを他人に伝えられません。
そのため、園児同士のトラブルが発生しても頭ごなしに怒らず、園児の個性や周囲の状況などから判断してみると良いでしょう。
丁寧に対応すれば、自分のことを理解してくれる先生だと園児から信頼されます。
他にも、同僚や保護者の様子がいつもと違うのであれば何か悩みを抱えているのかもしれません。
抱えている悩みに寄り添ってあげることで、園児だけでなく同僚や保護者とも良い関係が築けるようになります。
物事を観察して冷静に判断でいる人
子供の命を守る立場の保育士は、園児が病気や怪我をしないよう常に気を配る必要があります。
園児の様子がいつもと違えば熱を計る、感染症を疑い事前に対策するなど、違和感に気づいても焦らず冷静に判断すれば被害を最小限に抑えられます。
大丈夫だろうと先入観を持たず、もしかしたら危ないかもしれないという視野の広さを持つことが大切です。
的確に対処をしていれば、安心して子供を預けられるという信頼を得られる先生になれるでしょう。
人と接するのが苦ではない人
保育園の方針に理解を得るためには、保護者や近隣住民と良好な関係を築くことが重要です。
とくに、近隣住民との関係は騒音トラブルに発展しないためにも軽視できません。
園児の様子を保護者に共有したり、近隣住民の声掛けに応えたりするなど、にこやかに言葉を交わすだけでも好印象です。
人と接するのが苦でなければ、適度なコミュニケーションを通じて保護者と近隣住民と良い人間関係が築けます。
嫌なことがあっても切り替えて考えられる人
同僚との衝突や保護者からのクレームなどのトラブルに遭遇すると、ひどく落ち込むこともあるでしょう。
気持ちの切り替えができず落ち込んだままでは、話かけられても笑顔で対応できず保育に身が入りません。
様子を見ていた園児たちが「先生の様子がいつもと違う」と不安になり、クラス全体の雰囲気が悪くなってしまいます。
逆に、気持ちの切り替えが上手な保育士は気持ちが安定しているため、クラスの雰囲気を良い状態に保つことが可能です。
外遊びや1日中の保育でも体力が持つ人
外遊びで追いかけっこや、泣く子を長時間抱っこするなど、保育士の仕事は常に体力勝負だと言われています。
また、園児と接する時だけでなく、掃除や絵本や備品の持ち運びなども保育士の仕事です。
保育士の退職理由の20.6%は「健康上の理由(体力含む)」という結果からも、保育には体力が必要という事実がうかがえます。
一日中動き回っても問題ない体力があれば、パワフルに日々の業務に取り組めるでしょう。
保育士に役立つ特性や特技【当てはまったら向いてるかも】
保育士に向いている人の特徴の他にも、保育の仕事に役立つ特性や特技があります。
一つでも持ち合わせていれば保育の仕事をする上で大きな強みになるので、該当するものがあるかチェックしてみましょう。
ピアノや歌が上手い
音楽活動が子供の身体的表現に良い影響を与えるという研究結果からも、保育をするうえで音楽は大事な要素です。
CDプレイヤーから音楽を流しても、歌を歌ったり、曲に合わせて踊ったりできるでしょう。
しかし「鍵盤を押すと音が出る」「話すと歌うとでは声の出し方が違う」といった発見は、本物の音色からしか得られません。
ピアノや歌は、園児たちに質の良い音楽体験を提供できる素晴らしいスキルだと言えます。
参考:J-STAGE|保育者の音楽的感受性が幼児の音楽表現に及ぼす影響
ご飯が早く食べれる
園児たちが食事や昼寝中でもやるべきことが多く、保育士は休む暇がなかなかありません。
給食中は上手に食べられるようにサポートして、終わった後も食べこぼしの片付けやお昼寝の準備など大忙しです。
やっと休憩に入れたと思っても、事務作業が終わっていなければ休憩時間を使って処理することもあるでしょう。
そのため、早い時間でご飯が食べられれば仕事に追われてもしっかり栄養補給ができ、シフト終了まで元気に働けます。
子供の泣き声や声が嫌じゃない
保育園は園児の大きい泣き声、叫び声や笑う声が飛び交うとてもにぎやかな場所です。
子供の泣き声や声が苦手だと、常にストレスを感じながら働かなければなりません。
低年齢の子は何かあれば泣き、年齢が上がれば感情が豊かになり笑顔で叫びながら走り回ります。
また、年度初めは保育園に通い始めた子が保護者と離れたくないと大声で泣くため、より一層騒がしくなります。
にぎやかな環境が嫌でなければ、保育に集中して仕事ができるでしょう。
絵や工作などが得意で手が器用
手作りは既製品より温かみがあるため、多くの保育園ではイベントの装飾を保育士が手作りで用意しています。
手先が器用であれば、苦労することなくスムーズに手作りでき、仕上がりも綺麗です。
また、園児たちと紙や粘土、拾ってきた素材で工作するときにも手先の器用さは役立ちます。
園児たちが好きなキャラクターや動物、恐竜を描いてあげれば喜んでくれるでしょう。
工作や絵が得意な保育士は、さまざまなシーンにおいて大きな戦力になります。
幼稚園教諭と保育士で向いている人は違う?
未就学児と接する仕事は保育士の他にも幼稚園教諭があり、どちらを選ぶか迷う人もいるでしょう。
一見同じ仕事をしているように感じますが、細かい点で違いがあります。
本章では、保育園と幼稚園の違いを解説しながら、幼稚園教諭に向いている人の特徴を紹介しています。
幼稚園教諭と保育士の違い
幼稚園教諭と保育士の主な違いは下記のとおりです。
- 仕事の内容
- 必要な資格
- 預かる子供の年齢
- 子供と接する時間
幼稚園は年齢に応じた教育を行っており、生活習慣の基本を教える保育園とは仕事内容が違います。
そのため、幼稚園教諭になるためには文部科学省管轄の幼稚園教諭免許が必要になります。
預かる子供たちの年齢も保育園と異なり満3歳児から6歳児までが対象で、預かる時間は朝9時から午後2時までの5時間が多く、保育園より短時間です。
幼稚園教諭に向いている人の特徴
- 人に教えることが好き
- 段取りが得意
- 物怖じしない
幼稚園では教える機会が多いため、どうすれば子供に理解してもらえるかを考え実践できる人が幼稚園教諭に向いています。
さらに、幼稚園はイベントを多く開催するので、複数あるタスクを手際良く進めるスキルが求められます。
保護者への告知連絡、イベントの準備や当日の進行をいかにスムーズに進めるか、工夫が必要です。
そのうえ、幼稚園は制服や用意する道具などが多く、保護者から融通を利かせてほしいと無理なお願いをされたりするケースもあるでしょう。
できないことはできないときっぱり言える度胸が必要になってきます。
まとめ:保育士に向いているかよりも気持ちが大切
本記事では、保育士に向いている人の特徴と役立つ特性と特技について紹介しました。
最後まで読んだ人の中には、向いている特徴が少なく不安になった人もいるでしょう。
しかし、大事なのは適性ではなく保育の仕事をやりたいという気持ちです。
合致する特徴が少なくても、足りない部分は他の同僚に補ってもらい、良い保育ができるよう心がければ問題ありません。
向いている人の特徴は参考程度にとどめ、保育をやりたいという気持ちを大切に仕事に取り組んでいきましょう。
コメント