保育士の給料が上がるって本当?2025年最新事情を元保育士が解説

保育士給料上がる

「保育士の給料が上がるって本当なの?」そんな疑問にお答えすべく、2025年からの処遇改善制度の最新情報を詳しくご紹介します。

リーダー手当や毎月の給与アップの仕組みまで解説するので、保育士の処遇改善制度が気になる方はぜひ参考にしてみてください。

この記事をまとめると
  • 2024年から保育士の人件費が10.7%に引き上げられた
  • 「加算制度の一本化」「キャリアパス要件の必須化」など、処遇改善等加算における変更点がある
  • 保育士の給料を上げるには「キャリアアップ研修を受ける」「給料の高い職場で働く」などの方法がある
  • 転職するなら「保育士人材バンク」「保育のお仕事」といった転職サービスの活用がおすすめ
【元保育士】ゆぴライター

「なかなか給与が上がらないし別の職種に転職しようかな」と考えている方もいるかもしれません。ですが、年々保育士の待遇は改善され給与も上がっています。本記事では給与を上げる方法もご紹介しているので、最後までご覧ください。

この記事を書いた人
岡本

ゆぴ  元保育士ライター

保育士歴9年。ピアノが得意で、子どもと一緒に歌をうたうことが好きでした。現在は、専業主婦兼Webライターとして活動中です。保育士や保育士を目指す方の、力になれるような記事を執筆しています。

目次

保育士の人件費が10.7%引き上げ

保育士の人手不足は長年の課題となっています。

そんな中、2024年に保育士の人件費が10.7%引き上がっているのをご存知でしょうか?

ここでは、人件費引き上げの目的や実際の給与にどのように反映されるのか詳しくご紹介していきます。

ご自身が勤める園ではどのように反映されているのか、ぜひ確認してみてくださいね。

人件費10.7%引き上げの概要

三原じゅん子こども政策担当大臣は、2024年11月22日に政府の会見にて、保育士等処遇改善のため人件費を過去最大の10.7%に引き上げると発表しました。

発表時期2024年11月22日
対象年度2024年4月〜
予算規模1,150億円
目的保育士の処遇改善、保育の質の向上、人手不足解消

人件費を引き上げることにより保育士の給与水準を上げより多くの方が保育士を目指す、または復職できるよう促し、保育現場の安定化を図ろうとしています。

実際の給与にどう反映される?

人件費が10.7%引き上がるのは、各保育施設に対して支払われる運営費や処遇改善加算が増えたことを意味します。

したがって、必ずしも保育士個人の給与が10.7%増えるわけではありません

併せて、以下の点も把握しておきましょう。

  • 人件費の増額分は園の運営費として支給され、園の運営者がどのように配分するかを決定する
  • すべてを給与に充てる園もあれば、一部を事務費や運営費に回す園もある
  • パート保育士も勤務年数や時間などの条件を満たせば、処遇改善等加算の対象になる

保育士の「処遇改善等加算」2025年度以降の主な変更点

2025年度以降も保育士の処遇改善等加算は改善され、保育士の待遇は益々向上されるでしょう

ここでは具体的にどのような点が変更されたのか、「加算制度の一本化」「キャリアパス要件の必須化」など5つの項目を詳しく解説していきます。

処遇改善の仕組みに興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください。

参照:こども家庭庁 令和7年度以降の処遇改善等加算について

1.加算制度の一本化と再編

1つ目は、加算制度の一本化と再編です。

  • これまで分かれていた加算I(経験レベル)・II(リーダー等)・III(ベースアップ)を今後はひとまとめにする
  • 新制度では「基礎分」「賃金改善分」「質の向上分」3つの区分で整理する

これまでの制度では誰がどの加算をもらっているのかがバラバラで、職員間の不平等が問題視されていました。

また、配分や報告のルールが細かく、事務負担が大きいことも論点として挙げられていました。

今後最低賃金や物価があがる点を考慮し加算lllのようなベースアップ型をもっと柔軟に活用するために、このように加算制度が変更されています。

2.賃金改善分(区分②)の強化

2つ目は、賃金改善(区分②)の強化です。

  • 従来の処遇改善等加算IIの支給額の配分を園の裁量で自由に決められる
  • 区分②(賃金改善分)+区分③(質の向上分)の合計額の半分以上を毎月支給する

これまでは加算金が年2回の賞与や一時金として支給されることが多く、「毎月の生活が苦しい」という保育士からの声もありました。

今回の改訂で合計金額の半分以上を月給に反映することが決定したので、保育士はより安定した生活を送れるようになります

3. リーダー層への加算(区分③)の柔軟化

3つ目は、リーダー層への加算(区分③)の柔軟化です。

  • 「キャリアアップ研修」修了の人数に応じ、加算額が決定する
  • 園の規模や体制に応じ対象人数を柔軟に設定できる

区分③の変更は、特に中堅やリーダー保育士にとって重要なポイントとなります。

以前は「この人に必ずいくら」と固定的な配分がありましたが、今後は一定の研修予定などの条件に満たせば中堅職員でも手当がつくようになり、臨機応変に配当できるようになりました

4. キャリアパス要件の必須化

4つ目は、キャリアパス要件の必須化です。

  • 処遇改善加算を受けるためには園がキャリアパス制度を整えていることが必須になる
  • 職員の成長支援が給与加算の条件となる

キャリアパス要件とは「経験年数⚪︎年以上でリーダーに登用」「指定研修の修了で専門リーダーに昇格」など、保育士の役割に応じて明確な基準を設けることです。

これまでキャリアパス要件の設定は努力義務でしたが、2025年度からはすべての園で必須事項となっています。

明確な基準を決めることで公平な人事評価を実現し、職員のモチベーション向上を目指します

5. 経営情報の「見える化」で透明性向上

5つ目は、経営情報の「見える化」で透明性向上です。

  • 各園や自治体が処遇改善加算などの使い道やモデル給与を外部に公表する
  • 「見える化」が重要視され、処遇改善加算の受給要件の一つとなる

処遇改善加算の使い道の公表は、「税金がしっかりと職員に還元されているかを外部に示す」「保育士や求職者に安心を与える」「保護者への信頼性向上」といった目的があります。

園や法人は、これらの情報を園のホームページやパンフレットなどを通して公開しなければなりません。

保育士の働き方と給与との関係

保育士の働き方と給与は大きく関係しているのをご存知でしょうか?

勤務形態や役割、勤務時間、雇用先などによって給与水準は大きく異なります。

ここでは雇用形態やキャリアアップ、業務内容など3つの視点から給与がどう変化するかを詳しく解説するので、給与を上げたい方は目を通しておきましょう。

正社員・パート・派遣、それぞれの収入の違い

保育士の給与は、どのような働き方を選ぶかによって大きく左右されます。

正社員・パート・派遣での収入の違いを以下の表にまとめました。

働き方給与の特徴
正社員月給制+賞与あり。加算手当(処遇改善等加算など)がフルで適用されやすく、年収ベースで最も高い。
パート時給制。処遇改善加算の対象になることもあるが、勤務時間や業務内容によって対象外のことも。賞与なしの場合が多い。
派遣時給は比較的高めに設定されやすいが、交通費や福利厚生が限定的な場合も。安定性に欠けることがある。

安定した収入を求めるなら正社員として働くのが適当ですが、パートや派遣にも副業ができる、育児と両立できるなどのメリットがあるので、自分のライフスタイルに合った働き方を選びましょう。

キャリアアップによる給与の伸び方

基本的に、保育士のキャリアアップによる給与の伸び方は以下の3通りが考えられます。

  • 経験年数に応じて基本給が上がる
  • 処遇改善加算で手当がつく
  • キャリアアップ研修(リーダー、マネジメントなど)の修了で処遇改善加算の支給対象になりやすい

特に処遇改善加算や研修制度を活用すれば月に数万円の手当増も可能なので、条件に当てはまる方は積極的に研修を受けてみてください。

業務内容と給与のバランス

結論から言うと、保育士の仕事内容に対しての給与は未だ十分とは言い切れません

保育士は子どもの世話だけでなく保護者対応、書類作成、行事準備など多岐にわたる業務をこなしています。

その業務量に対し給与が見合っていないという声は多く、特に若手保育士や非常勤職員はその傾向が強いです。

しかし、近年では処遇改善加算などで徐々に保育士の給与の底上げが進んでおり、キャリアアップや役職に応じて手当が加算される制度も整備されつつあります。

保育士の給料が上がる4つの方法

処遇改善を目的に保育士の給料は年々上がっていますが、自ら給料を上げる方法もあります

今回は「管理職を目指す」「キャリアアップ研修を受ける」「給料が高い職場に転職する」「給料相場の高い地域で働く」の4つの方法を詳しくご紹介します。

何か行動に出ないと給料を上げることはできないので、出来そうなことから始めてみてください。

園長や主任などの管理職を目指す

保育士を長年続けている方は、園長や主任などの管理職を目指すのも一つの方法です。

保育士と比べると、園長や主任保育士の年収は1.5〜2倍ほど高くなります

役職年収
園長約648万円
主任約580万円
保育士約330万円

参照:厚生労働省 職種別職員1人当たり給与月額(※年収は給与月額から算出したもの)

役職がつき園のトップの立場としてより責任感を持たなければなりませんが、その分大幅な給料アップに繋がるでしょう。

園長や主任保育士になるには公立保育園と私立保育園で条件や資格などが異なるので、気になる方はチェックしてみてください。

キャリアアップ研修を受ける

保育士等キャリアアップ研修を受けた方は「専門知識をもった保育士」とアピールでき、給料アップに繋がります。

当研修は一定の経験年数を積んだ保育士を対象に行うもので、保育の専門性向上と処遇改善を目的に開始されました。

キャリアアップ研修の受講経験を履歴書に記載すると、以下のように手当がつきますよ。

役職処遇改善手当
副主任保育士・専門リーダー月額40,000円
職務分野別リーダー月額50,000円

興味のある方は、各自治体のホームページをご覧ください。

給料が高い職場に転職する

給料を上げる最もシンプルな方法は、給料が高い職場に転職することです。

保育士の経験が浅い方でも、特に必須条件がなく自由に転職できます。

転職活動をする際は以下の項目に注目してみましょう。

  • 給料
  • 賞与、特別手当
  • 昇給制度の有無
  • 通勤のしやすさ
  • 職場の雰囲気

長年働くならば給料や賞与はもちろん、ストレスを感じずに働けるかも大切なので、通勤のしやすさや職場の人間関係は良好かなども可能な範囲で調べてみてください。

給料相場が高い地域で働く

働く場所にこだわらないという方は、給料相場が高い地域で働くのも一つの方法です。

地域ごとに家賃補助や処遇改善加算が異なるため、給料相場にも差が出ます。

以下の表では地域別の年収相場が高いエリア、低いエリアをそれぞれ挙げてみました。

給料相場が高いエリア給料相場が低いエリア
東京都:434万円沖縄県:319万円
京都府:407万円宮城県:317 万円
千葉県:397万円山形県:312万円

参照:厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計調査」

上記の数字はあくまでも参考程度です。

働く地域だけでなく経験年数、年齢、学歴などでも給料額に差が出ることを認識しておきましょう。

保育士の給料が上がる転職サイト3選

保育士の給料を上げるには、質の良い転職サイトを活用することが重要です。

「転職サイトがたくさんありすぎて選び方がわからない」という方のために、ここでは「保育士人材バンク」「保育のお仕事」「ヒトシア保育」の3つのサービスをご紹介します。

自分の価値観に合うサイトを探してみてくださいね。

保育士の給料が上がる転職サイト3選

保育士人材バンク

保育士人材バンク
おすすめポイント
  • 10箇所以上の医療福祉系転職サービスと連携している
  • 現場経験のある担当者が複数在籍
  • 価値観を重視したマッチングを提供
運営会社名株式会社エス・エム・エス
求人数約35,257件(2025年7月時点)
エリア全国
公式サイトhttps://hoiku.jinzaibank.com

保育士人材バンクは、子どもと関わる仕事に就きたい人向けの保育・療育専門の転職サービスです。

10以上の転職サービスと連携しており、保育士はもちろん子どもと関わる仕事の選択肢が充実しています

保育士監修の研修やテストを定期的に受講している担当者は最新の保育業界の制度や情報に精通しているので、安心してサポートを受けられますよ。

一人ひとりの話や希望条件を丁寧に聞き、今までより給料の高い求人を探す手助けをしてくれるのが特徴です。

保育のお仕事

保育のお仕事
おすすめポイント
  • 非公開求人を多数保有
  • LINEで求人を紹介してくれる
  • 専任担当者がサポートしてくれる
運営会社名株式会社トライト
求人数約48,770件(2025年7月時点)
エリア全国
公式サイトhttps://hoiku-shigoto.com

保育のお仕事は、保育士や幼稚園教諭向けの転職サービスです。

好条件や非公開求人を多数所持しているのが特徴で、他のサービスでは見つけられない給料の高い求人を探せます。

公式LINEに登録すれば、最新の求人が見られるのも魅力です。

日中仕事や育児で忙しい方でも、隙間時間にササッと転職活動が進められますよ。

求人紹介や面接対策など保育士業界に詳しい担当者がサポートしてくれるので、転職活動が初めての方でも問題なく利用できます。

ヒトシア保育

ヒトシア保育
おすすめポイント
  • 正社員以外の求人も充実
  • 転職フェアの実施
  • 企業からスカウトメールを受け取れる
運営会社名株式会社ネオキャリア
求人数約4,148件(2025年7月時点)
エリア全国
公式サイトhttps://hitoshia-hoiku.com

ヒトシア保育は、保育士に特化した転職サービスです。

雇用形態が充実しているのが特徴で、正社員以外にもパートやアルバイト、契約社員などから希望に合った形態の求人を探せます

関東圏内で開催している保育フェアも利用者から大好評。

園の採用担当者に給料や賞与、園の雰囲気などが質問でき、サイトだけではわからないリアルな情報を入手できますよ。

また、会員登録すれば企業からスカウトメールが受け取れます。

自分の市場価値がわかりキャリアアップできる可能性もあるので、ぜひ利用してみてください。

まとめ

保育士の給与は上がっているのか、人件費の引き上げや処遇改善加算の変更点を詳しくご紹介しました。

以前に比べると保育士の処遇改善は進んでいますが、まだまだ賃金の低さを問題視する声はなくならないでしょう。

給与を上げたい方は当サイトでご紹介している転職サイトも参考にして、納得のいく職場を見つけてみてくださいね

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

保育士歴9年。ピアノが得意で、子どもと一緒に歌をうたうことが好きでした。現在は、専業主婦兼Webライターとして活動中です。保育士や保育士を目指す方の力になれるような記事を執筆しています。

コメント

コメントする

目次