保育士の受験資格がない人が保育士資格を取得するには?必要な実務経験や勉強法を解説

保育士-受験資格ない

最終学歴が高卒だけど保育士になりたい

保育と関係のない学校を卒業しているが保育士を目指したい」と希望する方は多いでしょう。

この記事では、保育士の受験資格がない人でも資格を取得できる方法を解説。

保育士を目指している方は、ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。

この記事をまとめると
  • 保育士の受験資格は最終学歴によって異なる
  • 養成機関に通えば最短2年で資格を取得できる
  • 保育補助として経験を積めば、資格取得や就職に有利になる
  • 独学でも保育士資格は取得できるが、容易ではない
すもも【元保育士ライター】

「保育士の受験資格がないから諦めよう」と思っている方でも、条件に当てはまっていれば受けられるので、ご安心ください。しかし、保育士資格は国家資格のため、簡単に取得できる資格ではないことは頭に入れておきましょう。

この記事を書いた人

すもも 元保育士ライタ

8年間保育士として勤務し、主に乳児クラスの担任を務めて参りました。認可保育施設や認可外保育施設での職務経験を活かして、保育士さんに役立つ記事を執筆させていただきます。

目次

保育士には誰でもなれる?

保育士は、条件を満たせば誰でも取得を目指せる資格です。

しかし、学歴によって条件が異なるため、自分がどこに当てはまるのかを知っておく必要があります。

下記で受験資格の条件を学歴別にまとめていますので、チェックしてみてくださいね。

保育士試験の受験資格【学歴別に解説】

保育士資格は、大学や短期大学などを卒業と同時に取得する方がほとんどです。

必ず大学などを卒業しないといけないというわけではないので、安心してくださいね。

下記で、学歴別について詳しく記載しています。

大学・短期大学卒業

大学や短期大学を卒業した方は、保育士試験の受験対象者です。

学校教育法に基づいた学校であれば、保育士とは関係のない学部や学科でも受験資格がある

引用元:一般社団法人 全国保育士養成協議会

ご自分の卒業した大学や、短期大学が学校教育法に基づいた学校であるかどうかを確認してみましょう。

大学に在学中または中退

在学中の人または中退した人でも、保育士の受験資格があります。

ただし、どちらも2年以上在学していて、62単位以上を取得している方に限ります。

在学期間が2年未満かつ62単位を取得できなければ、受験資格がないのでご注意ください。

参照:一般社団法人 全国保育士養成協議会

短期大学在学中

短期大学生も保育士を目指すことができます。

留年で卒業できなかった人は受験できないので、必ず年度内に卒業できるようにしましょう。

こちらも4年生大学と同じで、保育関係の学校でなくても卒業できればどの短期大学でもOK

参照:一般社団法人 全国保育士養成協議会

専門学校卒業または在学中

専門学校を卒業した方と在学中の方は、次の条件を満たせば受験資格があります。

  • 学校教育法に基づいた専修学校であること
  • 卒業した課程が修業年限2年以上の専門課程であること
引用元:一般社団法人 全国保育士養成協議会

上記の2点が全て満たされていれば、保育に関係のない専門学校でもOK。

しかし、どちらか1点が満たされていない場合は、下記に当てはまっていれば受験資格があります。

  • 高等学校の卒業年月が平成3年3月31日以前であるか
  • 保育科であれば平成8年3月31日以前に卒業しているか
引用元:一般社団法人 全国保育士養成協議会

高等学校卒業

最終学歴が高卒の人は、下記の条件に当てはまっていれば対象になります。

保育士の受験資格(高卒の人)
  • 1991年3月31日以前に卒業した人
  • 保育科を1996年4月1日以降に卒業した人

さらに、卒業後に保育現場で2,880時間以上(2年以上)勤務していることも条件になりますので、ご注意ください。

保育士の受験資格がない人が保育士資格を得るには?

「保育士の受験資格がないけど、保育士資格を得たい」と希望する方はいるでしょう。

続いて、受験資格がない方でも保育士になる方法を解説します。

たとえ高卒であっても、条件を満たせば受験できるので、諦めずにチャレンジしてみてくださいね。

保育士の受験資格がない人が保育士資格を得るには?
  • 保育士養成機関に通う(高卒の場合)
  • 実務経験を積む

保育士養成機関に通う(高卒の場合)

高卒の方は、まず最初に保育士養成校への入学を検討してみてはどうでしょうか。

養成校のメリットは、最短ルートで保育士資格が取得できる点です。

保育士養成機関特徴
4年制大学・在学期間が最も長いので充実した学生生活を送れる
・保育の専門性をより深く学べる
・保育士以外の資格も取得できる
短期大学・在学期間は2年間で効率よく資格が取得できる
・カリキュラムがびっしり詰め込まれているので、朝から夕方まで授業がある
・4年制よりも学費を抑えられる
専門学校・在学期間は2年または3年
・卒業までに幼稚園資格も取得できる指定校と幼稚園資格は追加で取る併修校に分かれる
・現場で即戦力になる実践を多く取り入れている
通信制大学・既に別の仕事をしている方や、何らかの理由で学校に通えない方におすすめ
・自分自身のペースで学習ができる
・養成校の中では学費が最も安い

指定養成校に通えば、保育の知識や現場で役立つ実践力を身に付けられます。

さらに、指定養成校では卒業と同時に保育士資格が取得できるため、保育士試験を受ける必要はありません。

しかし、指定養成校に通えば、高額な学費がかかるのがデメリット。

何らかの事情で指定養成校に通えない方は、2年以上の実務経験を経て、保育士試験にチャレンジするのがおすすめです。

実務経験を積む

経済的な理由などで指定養成校に通えない方は、保育現場での実務経験を積むことをおすすめします。

下記の施設で2年以上の勤務経験があれば、保育士になれます。

受験資格が得られる施設の例
  • 保育所
  • 保育所型認定こども園
  • 幼保連携型認定こども園
  • 児童館
  • 児童養護施設
  • 助産施設
  • 乳児院
  • 母子生活支援施設
  • 障害児入所施設
  •  児童発達支援センター
  • 児童自立支援施設など

保育士資格を保持していないので、現場では保育士としては名乗れず、あくまで保育補助としての役割です。

実務経験を積んでから保育士資格を取得すれば、指定養成校に通っていた人よりもいち早く即戦力になります。

しかし、指定養成校に通っていない分、学校でしか学べない知識が得られないのはデメリットと言えるでしょう。

保育士資格の「受験資格認定証」について

働いていた施設によっては、受験資格認定証が必要になります。

受験資格認定証は、各都道府県の知事が交付するもので、下記の施設での実務経験があれば認められます。

認定が得られる施設の例
  • 認可外保育施設
  • 小規模認可保育施設
  • 幼稚園型認定こども園
  • 幼稚園
  • 家庭的保育事業
  • 居宅訪問型保育事業
  • 事業所内保育事業
  • 一時預かり事業

各都道府県に受験資格認定申請書を提出し、申請が通れば受験資格認定証が届くので、その後保育士試験の手続きを行いましょう。

実務経験が積める「保育補助」とは?

保育補助とは、保育現場などで保育士のサポートを行う仕事です。

保育士の資格がなくても働けるのが特徴で、近年保育補助を必要とする保育園が増えています。

保育士資格取得を目指している人は、まずは保育補助として働いてみるのがおすすめです。

下記で保育補助になるためのステップや、仕事内容について解説していますので、続けて読んでみてくださいね。

保育補助になるには

保育補助に必要な資格は特にないので、無資格でも経験がなくても働けます。

ただし、子どもとの関わりがメインとなるので、子ども好きな人が向いているでしょう。

近年は保育士不足の影響で、無資格でも働ける保育補助の求人が多く出ています。

保育補助になるには
  • ハローワークで求人を探す
  • 保育の求人サイトで探す
  • 保育士施設に直接問い合わせる

保育補助になるには、上記の方法が一般的と言えます。

保育補助の仕事内容

保育補助の仕事内容は、主に保育士の業務サポートです。

保育室内の掃除や、食事の準備、片付けなどが挙げられます。

他にも制作物の手伝いや、行事の準備なども任される場合もあります。

保育補助の仕事内容
  • 登園してきた子どもの見守り
  • 保育室の掃除
  • 食事の準備や後片付け
  • 排泄の援助
  • 着替えの援助
  • 午睡の見守り
  • 制作物の手伝い
  • 行事の準備など

上記の仕事の他にも、保育士さんだけでは回らない業務のお手伝いを任されることも。

保育補助は無資格であるため、連絡ノートや書類関係などの業務は行わないです。

保育補助を経験して身に付けられるスキル

保育補助を経験していれば、どんなスキルが身に付くのでしょうか。

保育補助として働いた経験は、今後保育士になった時でも、即戦力として活躍できるメリットがあります。

また、保育に関する知識や実践力も身に付くため、保育の専門性が高まるでしょう。

保育補助を経験して身に付けられるスキル
  • 子どもとの関わり方が上手になる
  • 制作物などのアイデアが浮かびやすくなる
  • 手遊びや歌をたくさん覚えられる
  • 保護者対応のスキルが身に付く

保育補助を経験していれば、保育士として就職先を探す際に、面接でアピールできますよ。

就職に有利になる点が多いため、保育士を目指している方は、積極的に保育補助の仕事を経験しましょう。

保育士養成機関に通っている人のリアルな感想を紹介

保育士養成校に通っている人のリアルな声が聞きたい

「保育士の養成校は何年制を選べばいいのか分からない」など、疑問を持つ方も多いでしょう。

ここでは、保育士養成機関に通っている人の実際の声を独自で調査しました。

リアルな意見を参考にして、どの学校が自分と合っているかの判断材料にしてみてくださいね。

4年制大学

【学科で学ぶ内容】
保育について基本的に学ぶことができます。何も知識がなくても丁寧に初めから学ぶことが出来るので、事前学習はしていなくても不安になることはありません。

【志望動機】
子どもが好きで保育に興味があったからです。大学で学んでから保育は思っていたよりも大変な仕事だと思いましたが、その分奥が深くて面白い部分も沢山知ることが出来ました。今では保育が入学当初とは違う解釈で大好きになりました。

引用元:みんなの大学情報

4年制大学は、在学期間が1番長いので、保育についてじっくりと学べます。

座学だけではなく、実践を多く取り入れた大学であれば、現場に出てからも役立つスキルが身に付きます。

4年制大学はキャンパスが広く、ピアノも数多く設置されていますので、じっくりと練習が可能。

短期大学よりはカリキュラムは詰め込まれていないので、ゆったりと勉強ができますよ。

短期大学

【学科で学ぶ内容】

最短の2年で保育士や幼稚園教諭など最大5種類の資格を目指せる。
実習先は、大学から直接紹介するので安心できる。

【志望動機】

ピアノの設備・指導が充実していることが入学の決め手でした。ピアノは初心者だったので不安でしたが、学内にピアノのレッスン室がたくさんあるのでいつでも練習でき、マンツーマンのレッスン時間もあることで、今では生活の歌も両手で弾けるようになりました。

引用元:ベスト進学ネット

短期大学は、保育士資格を最短で取得できるのが魅力と言えます。

学校によっては取得できる資格が多いため、卒業後にも役立ちます。

短期大学は4年制大学とは違って、カリキュラムが詰め込まれているため、忙しさを感じることも。

しかし、卒業後はいち早く現場で働けるので、短期間で資格を取得したい方であれば短期大学がおすすめです。

専門学校

【学科で学ぶ内容】
保育士資格をとるために必要なことだけでなく授業体験など体験授業が充実しています。

【志望動機】
真隣に附属園が設営されているので、常に日頃から子どもたちの様子を見ることができ、授業以外の時間でも学ぶことができます。

引用元:みんなの専門学校情報

専門学校は、2年生または3年制を取り入れている学校が多いです。

学校の特色がはっきりと表れるのが専門学校で、保育の専門知識についても深く学べますよ。

また、学費は4年制や短期大学と比べて安くなっており、夜間部も導入している学校もあるため、働きながら資格取得も可能。

さらに、入学の難易度は低く、スムーズに入学できる点もメリットと言えます。

通信制大学

【学科で学ぶ内容】
子ども教育に力を入れている大学で、通信制は幼稚園、小学校の教職や養護教諭も学べます。

教育と保育を学びたい方におすすめの大学。

【志望動機】
すでに四年制大学を卒業していたので、3年次からの編入でした。保育士資格を取得するために通信制大学に通いたかったので、保育士資格をとれる大学を選びました。

引用元:大人の通信制大学

通信制大学は、様々な理由で大学や専門学校に通学できない方が多く利用しています。

自宅学習を基本としているので、自分のペースで勉強ができますよ。

通信制大学は学費が最も安いため、経済的な理由で大学へ入学できない方でも保育士資格が取得可能です。

また、日中お仕事をしていて大学には通えない方でも、夜の空き時間を使って勉強ができます。

独学で保育士資格が取れる?おすすめの勉強方法を紹介

保育士資格って独学でも取得できるの?」と思う方もいるでしょう。

もちろん独学でも取得できますが、しっかりと学習計画を立てて、徹底的に過去問を解いて対策を行う必要があります。

下記でおすすめの勉強法について紹介していますので、参考にしてみてください。

学習計画を立てる

独学で保育士資格を取得する際は、学習計画を立てて勉強しましょう。

保育士資格取得の平均期間は、3カ月から半年程度となっています。

この期間の間で学習スケジュールを立てて、効率よく勉強するのが合格への道のりです。

学習計画の例
  • 1日の勉強時間は2時間程度にする
  • 1か月目は参考書を読み込み、単語を覚える
  • 2カ月目以降はテキストや過去問をやりこむ
  • 3カ月目は総復習を行い、試験対策を行う

上記は、学習計画の例として挙げていますが、ご自分に合った方法や学習スケジュールで勉強を行ってくださいね。

テキストと問題集を活用

保育士試験では、テキストや問題集の中から出題される場合が多いです。

そのため、最新版のテキストや問題集を積極的に活用して勉強するのがおすすめ。

また、出題される科目は、全国保育士養成協議会のホームページに記載されているため、それらの科目を徹底的に対策しておけば安心ですよ。

テキストや問題集は、本屋さんに行けばたくさん並んでいるため、見やすくて人気の高いシリーズを選べば間違いないと言えます。

参照:般社団法人 全国保育士養成協議会

過去問を徹底的に解く

保育士試験に合格するには、過去問を徹底的に解きましょう。

参考書で学んだ内容がしっかりと理解できているかを確認するためには、過去問をひたすら解くのが大切。

間違ったところはきちんと復習をして、頭に入るまで繰り返し行いましょう。

過去問を繰り返し解くことで、保育士試験の傾向が見えてきます。

そして、自分自身はどの科目が苦手なのかを把握して学習すれば、試験までに克服できますよ。

実技試験対策

保育士試験では、筆記試験だけではなく実技試験もあります。

実技試験は「音楽」「造形」「言語」の中から2分野を選択して受験します。

筆記試験と違って対策が難しいですが、自分の得意ジャンルを見つけて、練習を繰り返しましょう。

実技試験は筆記試験に合格した人のみが受けられるため、筆記試験の後に対策を始めても良いです。

補足情報

「音楽」は、2曲の課題曲をピアノまたはギターで弾き歌いをする

「造形」は、保育の一場面を絵で表現する

「言語」は、3歳児クラスの子ども達に対して3分間のお話をすると想定して、集中できるお話を行う

参照:般社団法人 全国保育士養成協議会

スマホ学習&オンライン講座

近年では、スマホ学習やオンライン講座でも保育士試験対策が可能です。

スマホ学習でおすすめなのはYouTubeの「ほいくんの保育士チャンネル」です。

動画内で解説とクイズをバランス良く行ってくれるので、飽きずに集中して勉強ができますし、料金がかからないのがメリット。

オンライン講座は数多くありますが、ある程度の料金がかかるため、予算や勉強の内容を比べて決めましょう。

おすすめのオンライン講座

「ユーキャン」「ヒューマンアカデミー」「キャリカレ」では、質問制度があるので、分からない時にすぐに質問できて便利ですよ。

まとめ

保育士の受験資格がない人でも、一定の条件を満たせば誰でも保育士試験にチャレンジできます。

そのため「大学を卒業していないから保育士資格は取得できないかも」と諦める必要はありません。

保育士資格は独学でも取得できるため、自分の力で挑戦したいと考えている方は、しっかりと対策をしてから受けてみてくださいね。

「保育の専門知識をしっかりと身に付けて、現場でも活躍できる保育士になりたい」と考えている方は、保育士の養成校への入学するのも1つの方法です。

ご自分の学歴やライフスタイルに合った方法で、憧れの保育士資格を取得しましょう。

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この記事を書いた人

8年間保育士として勤務し、主に乳児クラスの担任を務めて参りました。
認可保育施設や認可外保育施設での職務経験を活かして、保育士さんに役立つ記事を執筆させていただきます。

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