保育士の給料で一人暮らしできる?家賃補助制度やかかる費用、注意点を解説

保育士-一人暮らし

「保育士は給料が低いけれど一人暮らしってできるの?」

保育士の方で一人暮らしを始めようと考えている方もいるでしょう。

今回は、保育士の給料で一人暮らしが可能かどうかや、家賃補助制度、引っ越しの初期費用について解説していきます。

一人暮らしを検討している方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

この記事をまとめると
  • 保育士借り上げ社宅制度を利用すれば、家賃負担を抑えて一人暮らしができる
  • 園によっては住宅手当が支給されるので、好きな家に住める
  • 寮を保有している園は少ないが、寮は最も金銭的負担が軽い
すもも【元保育士ライター】

保育士の給料は、勤めている地域や園によって違いがあります。家賃の目安は、一般的に給料の3分の1程度に抑えると良いと言われています。ご自分の給料や生活水準に見合った物件を探せば、無理なく生活できますよ。

この記事を書いた人
岡本

ゆぴ  元保育士ライター

保育士歴9年。ピアノが得意で、子どもと一緒に歌をうたうことが好きでした。現在は、専業主婦兼Webライターとして活動中です。保育士や保育士を目指す方の、力になれるような記事を執筆しています。

目次

保育士の一人暮らしは可能?

結論から申し上げると、保育士の給料でも一人暮らしはできます。

保育士の給料は、厚生労働省が発表しているデータによると、平均26万円程となっています。

また、令和6年度の一般労働者の平均賃金は、33万円程度となっていますので、一般的な企業と比べると多少少ないと言えるでしょう。

そのため、保育士が一人暮らしをするのは可能ではありますが、余裕はないかもしれません。

家賃補助制度を導入している園もあるため、利用できれば月々の負担を少なくできます。

次の見出しで家賃補助制度について記載していますので、参考にしてみてください。

参照:賃金構造基本統計調査 令和5年賃金構造基本統計調査
参照:令和6年賃金構造基本統計調査 速報|厚生労働省

補足情報

月収26万円の場合の家賃の目安は、約86,000円となりますので、家賃80,000円前後の物件を探すのがおすすめ。

保育士の一人暮らしに役立つ家賃補助制度

一人暮らしをする保育士にとって救世主とも言われるのが「家賃補助制度」です。

家賃補助制度は、賃貸物件を借りて一人暮らしをする方に、家賃の一部を負担する制度のこと。

家賃の負担が少なくなるため、月々にかかる出費を抑えられるメリットがあります。

下記で家賃補助制度について詳しく記載していますので、続けて読んでみてくださいね。

保育士借り上げ社宅制度

まず1つ目に、保育士向けの家賃補助制度として、「保育士借り上げ社宅制度」があります。

保育士借り上げ社宅制度って何?

保育園が保育士のために物件を借り、価格を安くして貸し出す制度。

保育士借り上げ社宅制度は、保育業界の人材不足解消のために、国が「保育士宿舎借り上げ支援事業」として2015年から開始。

利用条件
  • 利用は1人1回まで(2025年度から)
  • 採用されてから5年以内の常勤の保育士
  • 住宅手当をもらっていないこと
  • 指定された地域の保育園で勤務していること

2025年に制度が改正され、利用回数は1人1回までとなりました。

補助金額は月額82,000円を上限として、市区町村別に1人当たりの月額(上限)の金額を設定

引用:子ども家庭庁

住む地域にもよりますが、一人暮らしであれば自己負担金を少なくして、そこそこ良い物件に住めると言えます。

保育士借り上げ社宅制度のメリットとデメリット

保育士借り上げ社宅制度のメリットとデメリットは、以下の通りです。

メリット
  • 初期費用がかからない
  • 税金を抑えられる
  • 自己負担金を少なくできる
デメリット
  • 自由に物件を選べない
  • 退職後は退去しなければならない
  • 入居できる期間が決められている

保育士借り上げ社宅制度を利用すれば、敷金・礼金などの初期費用がかかりません。

また、費用は給料から天引きされるため非課税となり、税金を抑えられるメリットがあります。

好きな部屋を選べないのがデメリットで、利用できる期間は最長5年間です。

万が一退職した場合は、すぐに退去しなければならないため、新たな物件を急いで探す必要があります。

園独自の家賃補助制度

2つ目に、園の家賃補助制度を利用する方法があります。

いわゆる「住宅手当」と呼ばれているもので、毎月の給料とは別に支給されます。

金額や条件は保育園によって様々ですが、基本的には1万円前後を支給する園が多い傾向に。

また、結婚しているかや子どもの有無によっても変わってきます。

住宅手当を支給しない保育園もありますので、手当があるかどうかを入職前に確認しておきましょう。

住宅手当のメリットとデメリット

住宅手当のメリットとデメリットは、以下の通りです。

メリット
  • 家賃の負担を抑えられる
  • 自分で好きな物件を選べる
デメリット
  • 園によって支給額に差がある
  • 既婚者や同棲している方は対象外の場合がある
  • パートの方は支給対象外の可能性がある

住宅手当は、家賃の負担を抑えられたり、借り上げ社宅制度と違って自分で好きな物件を選べたりするメリットがあります。

さらに、勤めている園にもよりますが、持ち家の場合でも支給されるケースも。

園によって支給額に差があることや、既婚者や同棲している方、パート保育士は対象外なのがデメリット。

一般的には1万円程度支給される園が多いため、給料と住宅手当に見合った物件を探すのが重要となります。

寮や社宅など

3つ目は「社員寮」や「社宅」を利用する方法です。

寮や社宅を保有している園があり、格安で住めるため、独身や家族持ちの方には嬉しい制度。

寮と社宅の違いは以下の通りです。

寮と社宅の違い

一般的に「寮」は単身世帯向けの住まいで、「社宅」は家族世帯向けの住まいとされます。

寮や社宅のメリットとデメリット

寮や社宅のメリットとデメリットについて解説します。

メリット
  • 無料または低価格で住めるケースが多い
  • 家具や家電付きの部屋がある
  • 通勤時間が短い
デメリット
  • トイレやお風呂は共有の場合が多い
  • 仕事以外でも同僚や先輩に会う確率が高い
  • 好きな部屋を選べない

社員寮を提供している園は少ないのですが、大きな法人であれば寮がある可能性は高いです。

社員寮の最大のメリットは、無料またはローコストで住めるという点。

さらに、家具や家電付きの部屋もあるため、引っ越しの際も出費を少なくできます。

デメリットとしては、トイレやお風呂は他の職員と共有の寮が多く、仕事以外でも顔を会わせる機会がある点です。

共有スペースに抵抗がなく、部屋に関してもこだわりがないのであれば、社員寮はお得に住めるのでおすすめです。

保育士の一人暮らし費用はどれくらいかかる?

「実際に一人暮らしっていくらかかるの?」という疑問を持つ方に、保育士の一人暮らし費用はどのくらいかかるのかを解説していきます。

保育士の一人暮らし費用

家賃

まず毎月欠かさず必要になるのが家賃です。

家賃は、給料の3分の1に収まるようにするのが一般的ですので、なるべくは超えないようにしましょう。

最初にも述べたように、保育士の平均月収は平均26万円程度となっていますので、家賃は86,000円が目安です。

都会で住むと仮定した場合、一人暮らしの部屋でも10万円前後する物件が多いですが、できる限りは86,000円以内の物件を見つけましょう。

食費

次に必要になるのが食費で、食費は個人差が大きいと思いますが、できる限りは自炊を心がけましょう。

総務省の家計調査によると、単身世帯の1カ月の食費は平均42,049円でした。

上記の数値を31日で割ると、1日1,356円の食費がかかっている計算になります。

さらに、1食分は452円の計算になるため、コンビニで済ませられる金額ではあると言えます。

しかし、飲食店に行くと、1回で1,000円以上はかかってくるので、頻繁に外食するのは厳しいですね。

園によっては給食が格安で食べられるため、少しでも節約したい方は給食の利用がおすすめですよ。

その他の費用

その他の費用としては、以下が挙げられます。

  • 光熱費
  • 水道代
  • 通信費(ネット料金・携帯)
  • 交際費/娯楽費など

光熱費や水道代、通信費も毎月欠かさず必要になるため、できる限り節約を心がけましょう。

通信費に関しては、Wi-Fiが無料で使用できる賃貸もあるので、ネット料金がかからない部屋に住むのがおすすめです。

恋人がいる方であれば、デート代も必要になってきますよね。

デートの際に着ていく服やアクセサリー、メイク用品も必要になるため、プチプラで可愛い服を探したり、コスメ代金を抑えたりして上手にやりくりするのがポイントです。

保育士で一人暮らしをしている人の生の声

「保育士で一人暮らしをしている人の声が知りたい」

「保育士で一人暮らししている人ってどうやってやりくりしてるの?」という疑問を持つ方もいるでしょう。

そこで、保育士で一人暮らしをしている方の生の声を独自で調査しました。

家賃補助がありがたい

一人暮らしの私は今の給料で全然困ってません 手取りが20万円以下だったとしても、東京都から家賃補助として8万円の補助金が出るし、しっかり生活できます。

引用元:X(旧Twitter)

素晴らしいんだけど家賃補助がでる保育士処遇改善が始まってから、遠い実家から通う保育士さん達が次々と園にアクセスしやすい場所で一人暮らしを始め、園に近い先生は程よく距離をとり、一人暮らしを始めるなどめちゃくちゃ保育士QOLあがったんだけど

引用元:X(旧Twitter)

上記のツイートによると、家賃補助のおかげで一人暮らしが十分に可能だと分かります。

保育士借り上げ社宅制度を利用すれば、手取りが20万円程度の保育士でも金銭的に困らずに生活できるようです。

都市部の保育園であれば、最大8万円ほどの住宅手当が支給される園もあるため、都会での生活も可能と言えるでしょう。

あまり園に近すぎる場所に住むと、プライベートでも子どもや保護者に会う可能性が高くなるため、適度な距離を取るのが大切です。

広い部屋に住めない

保育士の一人暮らし あんな広そうな部屋住めない羨ましい

引用元:X(旧Twitter)

東京で保育士が一人暮らししようとしたらクソ狭いワンルームなのきっつー

引用元:X(旧Twitter)

上記のツイートによると、保育士の給料では、広い部屋に住むのは難しいということが分かります。

都内では、ワンルームであっても8万円~10万円前後する物件が多いため、広い部屋に住むのは厳しいですね。

住宅手当が全く支給されない保育園もあるので、そうなるとできる限り安い部屋を探す必要があります。

しかし、保育士の給料は年々上がっていきますので、昇給してから広い部屋に住むというのも1つの方法です。

保育士が一人暮らしをする際の注意点

保育士が一人暮らしをする際は、どんなことに注意すれば良いのでしょうか。

給料水準が低いと言われている保育士が一人暮らしを始めるとすると、多くの方は金銭的な負担が不安要素だと考えられます。

下記で保育士が一人暮らしをする際の注意点について記載していますので、参考にしてみてくださいね。

金銭的負担や家事負担が増える

一人暮らしを始めると、必然的に金銭的負担や家事負担が増えます。

しかし、これは一人暮らしをする方全員に共通する内容なので、保育士だからとは限りません。

保育士は一般的な企業よりも給料水準が低い傾向にあるため、できる限り金銭的負担を少なくするのがポイント。

また、仕事が終わってからも料理や洗濯、掃除などの家事も行わなければならないため、慣れるまではしんどいと感じる方もいるでしょう。

平日はヘトヘトで帰宅する保育士さんが多いので、休日に食事を作り置きしておいたり、一気に掃除をしておいたりと、少しでも平日の家事負担を少なくさせておくのが大切です。

希望の物件が見つかりづらい

保育士の一人暮らしでは、希望の物件が見つからないケースがあります。

例えば、保育士はピアノの練習が必要になるため、電子ピアノやキーボードを置きたい方も多いでしょう。

しかし、騒音などの問題から楽器をOKとしている物件は少ない傾向にあります。

ただし、「ヘッドフォンを使用すればOK」など許容してくれる物件もあるため、楽器を置きたい方はそこを重点的に物件を探してみてくださいね。

防犯対策が必要

保育士は女性が多いため、女性の一人暮らしとなると、防犯対策が必要になりますね。

一人暮らしの女性ができる防犯対策は、以下が挙げられます。

  • 女性の一人暮らしだとバレないように表札は設置しない
  • 短時間の外出でもしっかりと施錠をする
  • 郵便受けをこまめにチェックし、郵便物があればすぐに取っておく
  • 女性の下着は部屋干しする

まずは、女性の一人暮らしであると特定されないようにするのが大切です。

名前が分かるような表札を設置したり、女性用の下着を外に干しておいたりすると、女性の一人暮らしだと想定される危険性があるため、このような行動は避けましょう。

また、短時間であってもしっかりと施錠をし、郵便物を入れっぱなしにしないように心がけるのも重要です。

まとめ

今回は、保育士の給料で一人暮らしはできるのかどうかについて解説してきました。

実際、保育士であっても一人暮らしをするのは十分可能ですが、できる限り金銭的負担の少ない物件を探すのがおすすめです。

保育士借り上げ社宅制度を利用すれば、月々の家賃を抑えて住めるため、安心して一人暮らしを始められますよ。

家賃補助を出してくれる園もあるので、一人暮らしをして保育士として働きたい方は、家賃手当が支給される保育園を探しましょう。

利用できる制度を上手く活用して、素敵な一人暮らし生活を送ってくださいね。

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