保育士のボーナスは他の職種に比べて低いと聞いたことがある人もたくさんいるでしょう。
現役保育士の声を調べてみると、「70万円超えていた」と喜びのコメントもある中、「もっともらえないのか」「ほぼ月の手取りくらいしかもらえない」というマイナスな意見が目立ちます。
あまりに低いと、働き続けられるかためらったり、不安になったりすることもありますよね。
今回は、保育士の平均的なボーナスの額や、支給額をアップさせるための方法をお伝えします。
- 公立と私立保育園のボーナスの差は最大100万円以上
- 支給基準は正社員であることが基本
- 支給のタイミングは2回または3回が多い
- 条件によってはもらえない可能性がある
- 実際の保育士のボーナス事情
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働いた成果として目に見えるボーナスが低いとモチベーションも下がってしまいますよね。園によって条件に違いがあり、もらえる金額にも差があります。今の支給額と比較し、上がる可能性があるのか参考にしてみてください。
保育士のボーナスの平均
公立保育園と私立保育園を比較すると、保育士に支給されているボーナスの平均額には大きな違いがあります。
保育士のボーナス平均は厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、約71.2万円です。
また勤続年数も金額にかかわってくるので、長く働くことで金額がアップします。
詳しく、私立と公立の支給額の違いを見ていきましょう。
私立保育園と公立保育園の保育士のボーナス
職種 | ボーナス金額 |
---|---|
私立保育士 | 約30万円〜約140万円 |
公立保育士 | 約160万円 |
公立保育園は公務員なので、基本給が私立保育園よりも高いことが多いです。
ボーナスは基本給をもとに計算されるので、公立保育園の方が金額が高くなると考えられます。
それぞれの支給額は月給が基準になり、公立が約4.5ヶ月分、私立は約2〜3ヶ月分と言われています。
主任や園長などの役職に就いた場合や、勤続が長いと金額がアップする園も多いので平均の額に差が出るのでしょう。
保育士のボーナス支給基準と支給時期
保育士のボーナスは、基本的には正社員であることが支給の基準です。
しかし、時代の変化もあり非常勤保育士でも支払われることがあります。
タイミングは、夏季と年末の年2回である園が大半ですが、3回の賞与が支払われるところもあります。
園によって決まりを設けることができるので、確認するようにしましょう。
ボーナスが支給される基本的な基準は正社員であること
保育園では、正社員であることがボーナスが支給される基本的な基準です。
基本給で計算されるため、時給制の非常勤には賞与がないことが多いです。
最近では、人手不足による働き方改革で、パートやアルバイトでも資格などの条件をクリアすると、少しでも支払われるケースもあります。
保育士は数字として結果が出る仕事ではないため、長く勤めたり主任・園長などにキャリアアップしたりすると金額が上がることがあります。
ボーナスの支給時期は夏と冬の年2回が多い
ボーナスは通常、夏と冬の年に2回支給されることが一般的です。
公務員である公立保育園は、夏は6月、冬は12月に支給されています。
私立保育園の場合支給タイミングは各園で異なりますが、多くの保育園では年2回のボーナスを支給しています。
園側が支給月数をどう分けるかを決められるので、夏と冬のそれぞれの平均額は様々です。
園の決まりを確認しておくと安心ですね。
園によっては年に3回のボーナスが支給されるところもある
ボーナスが年3回に分けて支給される保育園も存在します。
園側はタイミングだけでなく、回数も選ぶことができます。
3回支給の場合、一般的には夏季手当・年末手当・特別手当として支給されることが多いです。
支給月数の分け方もそれぞれ異なり、年度末の特別手当は3月の決算によって支払われるか決まるという園もあります。
経営状況によって支給される臨時ボーナスに近いものですね。
また年1回という園もあるので、事前の確認がおすすめです。
保育士のボーナスの手取り額や税金について
保育士がもらえるボーナスの手取り額や税金について解説します。
実際に紹介されている求人を見てみると、基本給が低くても高いボーナスをもらえる場合があります。
反対に、月給が高くても基本給が低いと、ボーナスも低くなります。
多くの税金が引かれてしまうため、少しでも手取り額が多くなる条件を覚えておくといいでしょう。
ボーナス額の計算方法
ボーナスの支給額は、基本給×支給月数で算出され、支給月数は園が決めるので差があります。
求人を見る時に、記載されている金額を見てしまいますが、基本給が低いと、月給が高くてもボーナスは少ないこともあるのです。
【月給】217,270円(基本給:197,400円 手当:19,870円)
【ボーナス】基本給:197,400円 × 4カ月分 = 789,600円
【月給】220,993円(基本給:164,100円 手当:56,893円)
【ボーナス】基本給:164,100円 × 4ヶ月分 = 656,400円
例えば、求人①と求人②は、月給は求人②が高いですが、同じ支給月数でもボーナスは約13万円、求人①よりも低いことがわかります。
手取りの金額だけ見るのではなく、基本給の額も忘れずにチェックしておくといいですね。
ボーナスの手取り額と税金
厚生労働省によると、保育士の平均賞与は約71.2万円です。
ここから所得税や社会保険料が引かれ、残りを受け取ります。
ちなみに、給料から住民税は引かれますがボーナスからは引かれないので覚えておきましょう。
手取り金額は、総支給額の70〜80%が基準と言われています。
そのため、保育士のポーナスの平均額71.2万円で計算すると、手取りは49.8万円〜56.9万円となります。
こうして見ると、たくさんの税金が引かれていることがわかりますね。
保育士がボーナスをもらえない可能性が高いケース
ほとんどの保育園ではボーナスを支給していますが、保育士がボーナスを受け取れない場合もあります。
私立保育園は、企業なのでそれぞれの園の状況や決まりによって決められています。
勤続年数や、正社員・パートの勤務形態でも支給されるかどうかが変わります。
働く前に、園の決まりを確認しておくといいでしょう。
勤続1年目の場合はボーナスがもらえないこともある
勤続1年目だとボーナスが支給されないケースもあります。
例えば、転職で支給の対象ではない場合は精算されないでしょう。
しかし、大半の園では決められた期間に働いていれば、勤続1年目でももらえることが多いです。
ボーナスは園の規定により決められていて、基本給が基準となり計算されるため、1年目の金額は低くなることがあります。
4月に入社した場合、夏季手当は数万円程度で、年末手当は満額支払われることが多いようです。
非常勤保育士の場合はボーナスがもらえないこともある
大抵の園では正社員のみボーナスがあり、非常勤保育士はボーナスが受け取れないケースもあります。
パートやアルバイトの非常勤保育士は、月給制ではなく時給制という点もボーナスがない理由の一つのようです。
中には、賞与以外の形で数万円ほどの手当が支払われることもあります。
働き方改革により条件が良くなっている園も増えてきて、それぞれの園によって差があるので、働く前に園の規定を確認しておくと安心でしょう。
産休・育休中の場合はボーナスがもらえないこともある
産休や育休中は、ボーナスの支払いがないことも考えられます。
しかし、出勤していて支給日に在籍していたのにもかかわらず、産休育休を理由に減額したり支払わなかったりすることは、法律で禁止されています。
ただし、体調不良での休みや産休に入る時期により減額や支給されないこともあります。
細かい決まりについては園が自由に設定できるので、直接確認する必要があるでしょう。
ボーナスがない保育園も存在する
ボーナスを支給する保育園が大半ですが、中には支給がないという園もあります。
ボーナスを支給するかは、園ごとで決められます。
公務員である公立保育園は必ず支給される一方、私立保育園は支払いの義務はなく経営の状況によって左右されます。
とはいえ、ボーナスがない園は労働環境が整備されていないため人が集まりにくく、保育士不足になる可能性があるでしょう。
保育士のボーナスが高い・低い園の特徴
経営状況の違いが、保育士のボーナスにも影響を与えている場合があります。
運営元が安定していると、現場で働く保育士への還元率も高くなるでしょう。
また、私立保育園と公立保育園の違いや、認可保育園か無認可保育園という点でも支給額に差が出てきます。
子どもの人数により国の補助金が変わる点も、解説していきます。
ボーナスが高い保育園の特徴
- 経営状況が安定している
- 大規模な法人や企業
- 公立園や国の補助金を多くもらっている園
ボーナスが高い保育園の特徴は、経営状況が安定していることです。
大規模な法人や企業は資金も多く、経営が上手くいきやすいでしょう。
また、公立園や国の補助金を多くもらっている園も余裕があり、人手を確保するためにも労働環境や条件を改善し、ボーナスも高くなります。
園は人気が出て、子どもの受け入れも多くなるのでさらに経営が良好になるでしょう。
運営元を確認することもボーナスが高い園を探すポイントです。
ボーナスが低い・ない保育園の特徴
- 経営が安定していない
- 無認可保育園
- 受け入れ人数が少ない小規模保育園
ボーナスが低かったり支給されなかったりする保育園の特徴は、経営が安定していないことです。
公立園や国の補助金を多くもらっている園が経営状況が良くボーナスが高い一方で、無認可保育園は国からの補助金がありません。
また、補助金は子ども一人当たりで計算した金額になるので、受け入れ人数が少ない小規模保育園は、入る補助金が少なくなります。
したがって、経営状況が不安定になり、支給額が低くなりがちです。
保育士のボーナスをあげる方法
保育士がボーナスをあげるための方法を見ていきましょう。
- 転職でボーナスの高い園を探す
- キャリアアップ研修を受ける
- 勤務評価を上げる
保育士は、なかなか基本給やボーナスが上がりにくい職業ですが、やり方によってはもらえる金額が上がる可能性があります。
ボーナスアップするためにも、実践してみることをおすすめします。
転職でボーナスの高い園を探す
転職でボーナスの高い園を探すのも、ボーナス額アップのための方法の一つです。
経営により昇給が難しい場合や、成績で評価される仕事ではないので認めてもらえないということもあるでしょう。
しかし、転職して好条件の園を探すと大幅にボーナスが上がる可能性が高くなります。
人手不足の園も多いため、高い給料で募集していることがあります。
特に、運営会社の経営状況が良好な園は、優秀な人材を確保するために補助を手厚くしている場合もあるので求人を確認してみましょう。
キャリアアップ研修を受ける
ボーナスを増やすもう一つの方法は、キャリアアップ研修を受けることです。
保育士の給料が安いことは長い間問題視されていて、それを改善するため、処遇改善として研修を設けています。
この研修を受けると主任や園長だけでなく、勤続年数が浅くても副主任保育士などの役職に就けるのです。
スキルアップし資格を取得したり役職についたりすることによって、基本給が上がる可能性があるでしょう。
基本給が上がれば、ボーナスも大幅にアップします。
勤務評価を上げる
勤務評価を上げることで、ボーナスがアップする可能性があります。
基本的には、営業のような目に見えてわかる成績がないので、年数を重ねていくと昇給していくことが多いです。
しかし、事業主は態度の悪い人より業務にしっかり取り組んでくれたり、プラスで動いてくれたりする人を評価したくなるでしょう。
企業の保育園も増えてきたため、評価の仕方も寛容になってきていると言えます。
真面目にコツコツと働くことも大切です。
【体験談】実際の保育士のボーナス事情
私が働いてる園では、ボーナスは約4.5ヶ月分でもらえる額も高めでしたが、基本給は平均より低いです。
新卒1年目の時は、他の園と比べると月給が高いと感じていました。
しかし、勤続年数を重ねても昇給される額が少なく、基本給があまり上がらなかったのです。
基本給が上がらないので、ボーナスの支給額は新卒1年目から大きく変わりませんでした。
働き方改革により処遇改善手当がつくようになると、少し手取り額が増えました。
辞めるタイミングを判断するのは難しいですが、ボーナスアップのため転職も考えたいですね。
まとめ
保育士のボーナス額は、私立保育園と公立保育園で差があり、勤続年数や運営元の就業規則によっても違いがあります。
保育士は成績がない職業なので、ボーナスの支給額は上がりづらいことが難点です。
しかし、キャリアアップ研修を受けたり、転職をしたりすることでもらえる額を上げることも可能です。
今勤めている園と求人を見比べてみて、ボーナスの違いを探してみましょう。
この記事を参考に、ボーナスアップを目指してみてください。
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