みなさんは保育園の園長がどんな役割を担っているかご存知でしょうか。
保育園の責任者として、主に園の運営や管理などを行うのが園長の仕事です。
その他にも人事に関する業務や、会議の出席など様々な仕事を担っています。
今回は、保育園の園長の役割について、給料やスキルなども踏まえて解説していきます。
自分のキャリアプランで園長を目指している方は、ぜひ最後までご覧ください。
- 園長は主に保育園の運営管理を行い、現場に入ることはほとんどない
- 保育園の園長になるには、公立と私立とで違いがある
- 園長は問題を解決する力や、マネジメント能力が求められる
- 実務経験が10年以上あれば、園長に昇格しやすくなる

保育園の園長は、何かと忙しいイメージを持っている方が多いかもしれません。園長の具体的な仕事が知りたい方は、ぜひご覧くださいね。


すもも 元保育士ライター
8年間保育士として勤務し、主に乳児クラスの担任を務めて参りました。認可保育施設や認可外保育施設での職務経験を活かして、保育士さんに役立つ記事を執筆させていただきます。
保育園の園長の役割
保育園の園長の役割は、大きく2つに分かれ、管理職と現場での役割があります。
下記で管理職と現場での役割について細かく解説しますので、参考にしてみてください。
管理職としての役割
- 園の資金管理
- 安全や衛生面の管理
- 人事や採用に関する業務
- 会議への出席
- 外部との連携
園長は主に管理職の業務がほとんどで、園の責任者としての役割を担っています。
資金管理に関しては、事務員が行う場合もありますが、小規模園など事務員がいない園では、園長が行います。
保育士の採用も園長が主に行い、自園にふさわしい職員であるかどうかの見極めも行わなければなりません。
また、外部への研修に参加したり、会議に出席したりするのも園長の業務であり、出張が増えることもあります。
現場での役割
- 保育士のマネジメント
- 保護者対応
- 行事での挨拶
- 子どもの状況確認
保育園園長は、保育現場に入る機会はほとんどありませんが、各クラスの状況把握が必要です。
どんな子どもが在籍しているのか、健康状態はどうかなど、園全体の雰囲気もしっかりと把握するのも園長の役割です。
また、保育士だけでは対応しきれない問題が起こった時には、保護者対応を行う場合もあります。
さらに、保育士のマネジメントを行い、より良い保育を提供できるようにするのも園長の務めと言えるでしょう。
保育園の園長の仕事内容
園長の役割については、お分かりいただけたと思いますので、ここからは園長の具体的な仕事内容をご紹介します。
保育園の園長の主な仕事内容は以下の3つがあり、それぞれの仕事内容について解説しますね。
園の運営
保育園の園長は、園の運営を行うのが主な仕事で、資金管理や安全管理などの業務を行います。
資金管理に関しては事務員が行い、園長が確認するという場合もありますが、事務員がいない小規模園などでは、園長が全て行うケースが多いです。
子ども達が安心安全に過ごせるように、安全や衛生面の管理を行うのも園長の仕事です。
園内で設備不良があった場合にはすぐに業者に連絡をして、いち早く対応してもらう必要があります。
現場の保育士だけではなく、日頃から園が安全に運営できているか確認をするのも園長の大切な仕事と言えます。
保育士のマネジメント
次に、園長は保育士のマネジメントを行っています。
質の高い保育を提供するためには、保育士への指導が必要となり、その役割を担うのが園長です。
園長は必要に応じて研修を開いたり、職員一人ひとりにアドバイスを行ったりします。
保育士のマネジメントを行うことで、質の高い保育が実現でき、リーダーシップを発揮できる保育者が育つメリットがあります。
保護者や地域との連携
保護者や地域との連携も園長の重要な仕事です。
保育士だけでは対応できないトラブルや、怪我などが発生した際には、園長が対応を行います。
また、時には「園長先生と直接話したいことがある」という保護者もいるため、園長も保護者との関わりは意外と多いのです。
さらに、保育園を運営するうえで地域との連携も不可欠となり、役所など行政との関わりもあります。
園によっては地域交流として老人ホームへ訪問に行ったり、他園との交流会を行ったりすることも。
地域との関わりを通して、思いやりや人間関係を育む機会を設けるのも園長の仕事と言えるでしょう。
保育園の園長先生の給与
保育園の園長の給与について、気になっている方は多いでしょう。
園長の給与は、主任や通常の保育士よりも高くなっており、公立保育園か私立保育園かによっても給料は変わってきます。
公立と私立それぞれの給与を下記のグラフにまとめていますので、参考にしてみてください。
公立保育園の給与
役職 | 給与(賞与込み) | 年収 |
---|---|---|
園長 | 643,192円 | 約768万円 |
保育士 | 365,542円 | 約432万円 |
参考:令和6年度 幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果<速報>
公立保育園での園長の平均月給は、64万円となっており、年収にすると768万円です。
また、保育士の平均月給は36万円で、年収は432万円となっています。
これだけで見ると、園長と保育士の給与は、半額くらいの差があると言えます。
さらに、ボーナスも支給されるため、保育士よりもかなり高水準な給与と言えるでしょう。
公立保育園では、福利厚生などの待遇がしっかりと整っており、退職金も十分にあります。
育児休業も最大で3年間取得できるので、ゆっくり子育てをしたい方にはありがたいですね。
私立保育園の給与
役職 | 給与(賞与込み) | 年収 |
---|---|---|
園長 | 581,997円 | 約696万円 |
保育士 | 348,119円 | 約420万円 |
参考:令和6年度 幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果<速報>
私立保育園の園長の平均月給は58万円で、年収にすると696万円となります。
また、私立保育園の保育士は、平均月給が34万円で、年収は420万円です。
先ほどの公立保育園と比べると、私立保育園の方が低いですが、それほど大きな差はありません。
私立保育園の給与は、園によって違うので、上記の数値よりも高い給与をもらっている人もいます。
保育園の規模が大きいまたは経営状況が良好な園であれば、公立保育園よりも高収入を得られる可能性はあるでしょう。
保育園の園長になるために求められるスキル
保育士を目指している方や、保育士として働いている方の中には、「将来的に園長になりたい」と希望する人もいると思います。
そこで、保育園の園長になるために必要なスキルについて解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
①リーダーシップ
まず一つ目に必要なスキルは「リーダーシップ」で、保育園の規模が大きければ大きいほど、働く職員の数も多くなります。
そのため、園長は多くの職員を統括する「リーダーシップ」が求められます。
保育士にも個々の性格や能力、個性があるので、一人ひとりに配慮しつつ、全員を上手にまとめる力が必要です。
より良い保育を行うためにも、園長は保育園の責任者として、リーダーシップを発揮する機会が多いということを理解しておきましょう。
②コミュニケーション能力
二つ目は「コミュニケーション能力」で、園長は保育士や事務員、栄養士、保護者、外部の人など、様々な人との関わりが多いです。
特に保育士や保護者の方とは話す機会が多くなるので、円滑な人間関係を築くためにもコミュニケーション能力が必要になります。
コミュニケーションの取り方として、元保育士である筆者が保育士時代に心がけていたポイントをまとめましたので、参考にしてみてください。
- 相手の性格に合った適切な伝え方を心がける
- 傾聴する姿勢
- 話し方やスピードを合わせる
- 相手の気持ちや考えを理解する
③問題を解決する能力
三つ目は「問題解決能力」で、保育園に勤めていると、様々な問題やトラブルに直面します。
特に子ども同士や職員間のトラブル、保護者からの要望などが起きた場合には、園長が対応を行います。
問題を冷静に捉え、適切な判断を行う必要があるので、人によっては苦手と感じる方もいるでしょう。
問題を解決する能力は最初から誰でもできるわけではないため、ある程度の経験も必要です。
④マネジメント能力
最後は「マネジメント能力」で、近年保育業界では「質の高い保育を提供することが重要」と言われています。
より良い保育を提供するためには、職員一人ひとりのスキルを向上させる必要があります。
そのため、園長は職員のマネジメントを行い、保育の質を上げていくことが大切です。
マネジメントは、一人ひとりの性格や個性を理解しつつ、職員に応じて適切なアドバイスや指導を行うのが重要です。
保育園の園長になるには?
「保育園の園長になるにはどうしたら良いの?」「公立と私立では必要な資格が違う?」
園長を目指しているけれど具体的に何が必要なのか疑問を持つ方もいるでしょう。
ここでは、保育園の園長になるために必要な資格や、応募条件について解説します。
公立保育園の場合
- 必要資格:保育士資格・公務員試験に合格
- 条件:公務員試験に合格後、公立保育園にて10年以上の実務経験が必要
公立保育園で園長を目指すためには、保育士資格の他に、公務員試験に合格する必要があります。
さらに、10年以上の実務経験を経て、自治体による昇格試験に合格するのが園長になる条件です。
公務員試験は、自治体によっては年齢制限を設けている場合があるので、募集要項をしっかりと確認しておきましょう。
また、倍率も地域によっては毎年高くなることも多いので、自分が受けようと思っている自治体について調べておくのも大切です。
私立保育園の場合
- 必要資格:保育士資格
- 条件:特にないが、10年以上の実務経験があると昇格しやすい
私立保育園で園長になるには、保育士資格が必須で、それ以外の条件などは特にありません。
ただ、10年以上の実務経験があると昇格しやすくなるため、主任や副主任など役職に就いている職員は有利と言えるでしょう。
また、私立園では園長の募集を積極的に行っている園も多いので、10年以上の実務経験がある方であれば、募集している園に応募するのも一つの方法です。
保育園の園長へのキャリアプラン
保育園の園長に必要な資格や条件については、上記で分かっていただけたと思います。
それでは、保育園の園長へのキャリアプランについて具体的に解説していきます。
実際に園長になった方は、勤務している園で昇格することが多いです。
他には、園長を募集している園に転職するか、保育園を自ら開設するという方法もあります。
①勤務している保育園で昇進する
保育園の園長へのキャリアプランとして多いのは、勤務している保育園で昇進する方法です。
上記でも記載したように、同じ園で10年程度の勤務経験があれば、園長に昇格する可能性が高いです。
公立保育園の園長を目指すには昇格試験に合格する必要がありますが、私立保育園では特に昇格試験などはありません。
馴染みのある園で園長になれば、園のことをよく理解しているため、働きやすいと言えるでしょう。
②転職して園長職の求人に応募する
次に園長へのキャリアプランとして挙げられるのは、園長を応募している園に転職する方法です。
この場合は私立保育園が多く、保育の求人サイトでも募集されています。
実際に保育の求人サイトで検索してみたところ、園長を応募している求人が多数掲載されていました。
さらに、企業主導型の保育園では、10年以上の実務経験がなくても応募できる園が多く「10年以上の実務経験はないけど園長になりたい」と考えている方にぴったりです。
③保育園を開設する
最後は、保育園を自ら開設すれば、必然的に園長になることが可能です。
保育園を開園・経営すること自体は、特に資格などは必要ありません。
しかし、保育を行うにあたっては、有資格者が必要なので、できれば園長自身も資格を持っていた方が良いでしょう。
保育園を開設して園長になる場合は「実務経験が10年以上必要」といった基準は特にないので、若い方でも園長になることができますよ。
保育園の園長になるメリットとデメリット
保育園の園長になるメリットとデメリットについて解説します。
それぞれのメリットやデメリットを理解し、園長になるかどうかを決める判断材料になれればと思います。
保育園の園長になるメリット
- 理想の保育園を創れる
- 保育士の人材育成に携われる
- 高い年収からやりがいを感じられる
保育園の園長になれば、自分の理想とする保育園を創ることができます。
保育園の特色や保育方針を自由に決めることが可能で、例を下記で記載しています。
「多数の行事を取り入れて、子どもの経験を増やす」「英会話を取り入れ、将来役立つ力を伸ばす」
上記のように、自分がこだわりたい部分を園に取り入れれば、園の特色としてアピールできるでしょう。
園長は業務や責任が多いですが、その分給料は高いので、やりがいを感じやすいと言えます。
保育士の人材育成にも携われるため、運営やマネジメントに関する知識や経験も身に付きますよ。
保育園の園長になるデメリット
- 様々な面での責任が重い
- 子どもと関わる機会が減ってしまう
- 保育士の人材育成などの悩みが増える
園長は保育園の最高責任者であるため、様々な責任が課せられます。
- 自分の選択によっては保育園の経営が悪化する場合もある
- 子どもが怪我をした場合、保護者に謝罪する
園長は事務所で業務を行うことがほとんどなので、子ども達との関わりが減ってしまいます。
子どもと触れ合う機会が少ないので、孤独感を感じてしまう方もいるかもしれません。
保育士のマネジメントを行うのも園長の重要な仕事ですが、保育士の育成は容易なものではないため、悩みが増えることも多いです。
「自分の思うように育成ができない」と感じてしまうこともありますが、保育士一人ひとりの性格やスキルを理解して、根気よく取り組みましょう。
保育園の園長と副園長の役割の違い
「保育園の園長と副園長の違いって何?」
「副園長って何のためにいるの?」という疑問を持つ方もいるでしょう。
ここでは、保育園の園長と副園長の役割の違いについて解説します。
副園長の役割
副園長の役割は、主に園長のサポートを行いながら、園の運営に関する業務を担当しています。
園長が不在の場合には、園長の代理人として責任を任されることもあります。
さらに、園長や主任保育士とのパイプ役としての役割も担っており、職員の相談役とも言えるでしょう。
副園長は一見どんな役割があるのか分からない人も多いと思いますが、保育園が円滑に回るためには、副園長の存在が重要と言えます。
副園長の仕事内容
- 園長のサポートや代理業務
- 園長と主任保育士とのパイプ役
- 人事や採用に関する業務
- 園のブログなどの更新
- 保護者対応
上記でも解説したように、副園長は園長のサポート業務や、園長と副主任のパイプ役を担っています。
保育士の採用も園長と一緒に行うことが多く、応募者が園見学に来た際は、副園長が案内する場合もあります。
近年では、ブログやInstagramなどを公開している保育園もあり、副園長が主に更新する園が多いです。
園内でトラブルが起きた時は、副園長が保護者対応をすることもあり、園長が不在の際には、代わりに謝罪する場合も。
保育園の園長が抱える悩み
保育園の園長が抱える悩みについて解説します。
- 現場保育士や主任との関係性の悩み
- 事務作業が苦手
- 人手が足りない
現場保育士と主任の関係性が良くないケースは、実は少なくありません。
主任保育士は、いわゆる「嫌われ役」としての役割を担っていると言っても過言ではなく、現場保育士に注意することも多いため、関係が悪化してしまいます。
その際に、園長は両者の意見や考えも聞きながら、関係性の修復を行う必要がありますが、なかなか上手くいかないことも多いようです。
園長は現場に入ることはほとんどないため、事務作業がメインになります。
最近は保育園もICT化が進んでいて、パソコンを使う機会が多くなっているため、パソコンによる事務作業が苦手な方もいます。
さらに、保育園は長年人材不足が深刻化しており、人手が足りない園が多いです。
人材不足の影響でサービス残業を行う職員もいるのが実状です。
園長は人材不足解消のために積極的に採用活動を行う必要があるので、業務が増えてしまう可能性もあります。
上記の悩みを持った園長が多いですが、園長自身も相談できる存在がいると心強いようです。
立場的には相談をされることが多い園長ですが、園長の悩みを聞いていくれる方がいれば、気持ちが楽になりますよ。
まとめ
今回は、保育園の園長の役割について解説してきました。
園長は園の最高責任者としての役割を担っており、保育園の運営管理を主に行っています。
責任が重い立場であるため、その分年収は高めに設定されており、やりがいを感じやすいですよ。
保育園の園長になるには、基本的に10年以上の経験が必要となりますが、経験が豊富でなくても働ける保育園もありますので、園長になりたい方は、保育の求人サイトで検索してみると良いでしょう。
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