「11月の月案は何を書けば良いんだろう?」
「5歳児ならでは月案が思いつかない…」
月案作成って結構大変ですよね。
そこで今回は、元園長監修のもと
実用的な「5歳児・11月の月案例文」をお届けします。
月案作成の負担を減らせるよう工夫してまとめておりますので、ぜひ参考にしてみてください。
最初に月案作成のポイントをご紹介します。
ただ、いち早く例文をご確認したいという方は「こちらのリンク」を押してください。
アキ 元園長
これまで計18年近く保育士として勤務。うち6年は認可保育園にて園長を勤めました。 園長として、数多くの月案・週案をチェックしてきた経験を活かして、 保育士さんが効率よく質が高い月案・週案を仕上げられるようサポートいたします!
元園長が教える月案・週案の重要ポイント
大前提、月案を作る上でどんなことが重要なのか?
実際に保育士さんたちの数々の月案をチェックしてきた元園長先生に、重要ポイントを伺いました。
- 年間カリキュラムに基づく計画を立てる
- まずは「前月の子どもの姿」から考え始める
- 「今月のねらい」と「具体的な内容」は連動して考える
この3つが、年齢・時期関わりなく月案を作成する上で意識してほしい点です。
要するに、「保育園での活動を通して、子どもたちにどんな姿になってもらいたいのか」を考えると良いということですね。
逆によくあるダメなパターンは、ねらいと内容が連動していないものです。
いったい何のための月案なのか考えられていないと、作り直しとなってしまいます。
5歳児・11月の月案のポイント
次に、「5歳児・11月」ならではの月案のポイントを紹介します。
- 寒くなってくる時期を健康に過ごすための配慮を考える。
- 思いを伝え合い、受け止め合う中で、友だちとの関係性が深まっていくのを支えられる関わりを考える。
- 手伝いや係の仕事など、子どもが責任感を持って取り組む経験ができる活動を取り入れる。
- 戸外で自然に触れたり体を動かして遊ぶ機会を多く持つようにする。
秋の深まりと共に、冬の訪れを子ども達も感じるようになります。
秋のたくさんの行事を通して、子ども達は協力することの大切さや、やり遂げる喜びを知りました。次は発表会に向けて、友だちとの仲を更に深めながら、楽しく練習に取り組めるような配慮をしていきたいですね。
それではここから、具体的な月案の例文をまとめていきます。
《 STEP1》 前月の子どもの姿を思い出す
- 気温の変化に応じ、衣服の調節を自ら行っていた。
- 収穫を楽しみ、食べ物へ感謝の気持ちを持ち、旬の食べ物の美味しさを味わうことができた。
- 運動会後も楽しかった余韻に浸り、運動遊びを友だちと一緒に楽しむ姿があった。
- 数や文字に興味を持ち始めている。
《 STEP2》 今月のねらいを決める
養護のねらい
教育(5領域に対応)のねらい
養護のねらい①の具体的な月案
ねらい
うがい・手洗い・衣服の調節を行い、健康に気をつけながら過ごす
養護・内容
- 気温の変化に応じて衣服の調節を行い、快適に過ごす。(生命の保持)
- うがい・手洗いをすすんで行い、感染症の予防をする。(生命の保持)
養護・予想される子どもの姿
- 気温・室温の変化に応じて、適切な衣服を自分で選んで着て、片付けまで行う。
- うがい・手洗いの大切さを知り、生活の節目節目で自ら行う。
養護・環境構成/保育者の配慮
- 気温差により体調が急変しやすくなるため、室温の調節や加湿を行い、一人一人の健康状態に気を配る。
- なるべく薄着で生活することは、動きやすく活動がしやすいだけでなく、気候に対応できる体になれることを伝えていく。
- 絵本やお話を通して、うがい・手洗いの大切さを改めて認識する機会を作る。
>>ねらいを書き終えて行事や遊び、
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養護のねらい②の具体的な月案
ねらい
食事のマナーを知り、守りながら楽しく食事する
養護・内容
- 食事のマナーに興味を持ち、守ったり確認し合いながら食事を楽しむ。
養護・予想される子どもの姿
- 食具の持ち方・座る姿勢・食事中の会話についてのマナーを知り、気をつけながら食事をする。
- 友だちと一緒に楽しく食事をする。
養護・環境構成/保育者の配慮
- 食事のマナーについて、分かりやすくイラストなどを使用し、伝える機会を設ける。
- 「口の中にたくさん食べ物を入れたまま話さない」「会話の声の大きさに注意する」など、マナーを守りながらも楽しい雰囲気で食べられるような声かけ・雰囲気づくりをする。
>>ねらいを書き終えて行事や遊び、
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養護のねらい③の具体的な月案
ねらい
信頼できる保育者・友だちのもと、自己を発揮しながら生活する
養護・内容
- 生活や活動を通して保育者や友だちとの関係が深まり、安心して自己主張する。(情緒の安定)
養護・予想される子どもの姿
- 安心できる保育者や気の合う友だちに対し、安心して自分の思いを伝えることができる。
- 気持ちを受け止めてもらうことに喜びを感じる。
養護・環境構成/保育者の配慮
- 子ども一人一人の気持ち・主張に共感したり、励ましの声をかけ、安心感を与えられるようにする。
- 友だちと気持ちを伝え合い、認め合う姿を肯定的に捉え温かく見守る。
>>ねらいを書き終えて行事や遊び、
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教育のねらい①の具体的な月案
ねらい
手伝いや係の活動を意欲的に行う
教育・内容
- 手伝いや係の仕事を意欲的に行い、できたことへ自信を持つ。(人間関係・環境)
教育・予想される子どもの姿
- 手伝いや係の仕事を任せられたことに喜びを感じ、一所懸命に取り組む。
教育・環境構成/保育者の配慮
- 毎日行う仕事を係にして、子ども達と話し合いながら分担を決めていく。
- すすんで行ってくれたことを大いにほめ、助かったという気持ちを伝えて、役に立てたことが嬉しいと感じられ自信と次回へのやる気に繋がるようにする。
>>ねらいを書き終えて行事や遊び、
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教育のねらい②の具体的な月案
ねらい
友だちと協力しながら一つのことを行い、達成感を味わう
教育・内容
- 同じ目的・目標に向かって友だちと協力し合い、最後までやり遂げる経験を積む。
- お互いの意見を伝え合うことの大切さや、折り合いをつけることの大切さを知る。
教育・予想される子どもの姿
- 発表会に向けて、友だちと意見を交換し合いながら内容を決めていく。
- 意見のぶつかり合いの中で、折り合いをつけることの大切さを知る。
教育・環境構成/保育者の配慮
- 意見を出し合う姿を大切にして見守りながら、折り合いが難しそうな時など必要に応じて言葉をかけをする。
- 一人一人の表現を認め、ほめることで、意欲が高まり楽しく取り組めるようにする。
>>ねらいを書き終えて行事や遊び、
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教育のねらい③の具体的な月案
ねらい
数・文字・時間に興味を持つ
教育・内容
- 数・文字・時間に興味を持ち、生活や遊びの中に取り入れて楽しむ。(言葉・表現・環境)
教育・予想される子どもの姿
- 絵本・掲示物・戸外の看板などあらゆる場所で、数・文字・時計を見つけて喜ぶ。
- 数を数えたり、文字・時計を読むことに興味を示す子どももいれば、全く興味を示さない子どももいる。
教育・環境構成/保育者の配慮
- 数・文字に触れる遊びや、読みやすい絵本、ポスターなどを用意する。
- 生活の中で時計を見て行動する機会を作る。
- 数・文字などに対する興味・関心には個人差があることを頭に置き、無理のないよう関わっていく。
>>ねらいを書き終えて行事や遊び、
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教育のねらい④の具体的な月案
ねらい
秋の自然に触れて遊びながら、季節の変化を感じ取る
教育・内容
- 戸外遊びを通して、秋から冬への移り変わりに気づく。(環境)
- 自然物を遊びに取り入れて楽しむ。(環境・表現)
教育・予想される子どもの姿
- 葉っぱの色の変化や植物が枯れ朽ち果てるようすを見て、季節が冬へと移り変わるのを感じる。
- 自然のものを拾い集めて遊びに使ったり、製作活動を楽しむ。
教育・環境構成/保育者の配慮
- 散歩や戸外遊びの機会を多く持ち、子どもの気づきに共感しながら一緒に季節の移り変わりを感じる。
- 集めた自然物を自由に使って遊べるよう、専用のコーナーを作っておく。製作に使用できそうな素材や道具を充実させて配置する。
行事・遊び・食育・職員との連携・家族や地域との連携・自己評価の月案例
今月の行事
- 文化の日
- 七五三
- 勤労感謝の日
- 誕生会
- 身体計測
- 避難訓練
今月の遊び
- 運動遊び
- 七五三の製作
- ごっこ遊び
- 劇遊び
- 季節の歌を歌う
- 手遊び
- 絵本・紙芝居
- お絵描き・折り紙
- 秋の自然に触れる散歩・戸外遊び
- 旬の食材の調理
食育
- 食事のマナーを知り、守りながら食事をする。
- 旬の食材を自分たちで調理して食べることを楽しむ。
職員との連携
- うがい・手洗い・衣服の調節・消毒、保育室の温度・湿度管理など、職員同士で連携して行い、感染症の予防に努める。
- 暖房器具や加湿器の点検を行う。
- 発表会に向けて、子ども達の取り組みのようすや準備の進捗について細かく伝え合い、共通理解のもと進めていく。
家庭や地域との連携
- 発表会についてお知らせを配布し、準備物の協力をお願いしたり、当日の参加を呼びかける。
- 感染症の予防のため、家庭でもうがい・手洗いの励行に努めてもらうようお願いする。
自己評価
- 感染症が発生し、欠席者が増えたため、改めてうがい・手洗いの大切さを子ども達・職員と確認し合い、励行するようにした。
- 戸外で自然に触れたり、体を動かして遊ぶ機会を多く取り入れることができた。
- 発表会の練習や係の活動を通し、友だち同士で協力し合う姿が増え、信頼関係が更に深まってきている。これからも子ども同士のやり取りを大切にしながら、温かく見守っていきたい。
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