アキ (元園長)
保育士歴18年・園長歴6年。 園長として多くの月案・週案をチェックしてきた経験を活かし、 効率よく質が高い月案・週案を仕上げられるようサポートします。
この記事では月齢に関わらず、3歳児向けの2月用の月案文例を解説していきます。
最初に月案作成のポイントをご紹介します。
ただ、いち早く例文をご確認したいという方は「こちらのリンク」を押してください。
元園長が教える月案・週案の重要ポイント
大前提、月案を作る上でどんなことが重要なのか?
実際に保育士さんたちの数々の月案をチェックしてきた元園長先生に、重要ポイントを伺いました。
- 年間カリキュラムに基づく計画を立てる
- まずは「前月の子どもの姿」から考え始める
- 「今月のねらい」と「具体的な内容」は連動して考える
この3つが、年齢・時期関わりなく月案を作成する上で意識してほしい点です。
要するに、「保育園での活動を通して、子どもたちにどんな姿になってもらいたいのか」を考えると良いということですね。
逆によくあるダメなパターンは、ねらいと内容が連動していないものです。
いったい何のための月案なのか考えられていないと、作り直しとなってしまいます。
3歳児・2月の月案のポイント
次に、「3歳児・2月」ならではの月案のポイントを紹介します。
- 空気が乾燥し、インフルエンザや胃腸炎などの感染症が流行しやすい時期のため、保育室内の室温・湿度管理に配慮しながら、手洗い・うがいを行い子どもたち自身が感染予防に取り組めるよう指導する。
- 子どもたちが節分の行事を楽しめるよう、行事の由来についてわかりやすく伝えたり、他クラスと協力しながら園内を装飾し雰囲気作りをする。
- 寒さが厳しい時期のため、寒さを楽しめる遊びを取り入れる。雪や氷などのこの時期ならではの自然事象を使った遊びをしたり、製作に活かしたりする。
暦の上では立春を迎える2月ですが、まだまだ寒い日が続きます。
雪遊びや氷を使った遊びを取り入れ、寒い時期を楽しく過ごせる活動を取り入れましょう。
また、インフルエンザや胃腸炎などの感染症が流行しやすい時期です。
室温や湿度管理に配慮しながら、十分に体を動かす活動を行い、子どもたちの体力増進にも取り組みたいですね。
それではここから、具体的な月案の例文をまとめていきます。
《 STEP1》 前月の子どもの姿を思い出す
- お正月にあった出来事を嬉しそうに話したり、伝承遊びを楽しむ姿があった
- 友だち同士の関わりが活発になってきたが、一緒に遊ぶ中で、自分の思いを通そうとするあまり言い合いになることもあった
- 水の冷たさから手洗いが雑になる姿が見られた
- 体調不良を訴える子が多くいた
《 STEP2》 今月のねらいを決める
養護のねらい
教育(5領域に対応)のねらい
養護のねらい①の具体的な月案
ねらい
正しい手洗い・うがいの方法を知り、自主的に行う
養護・内容
- 手洗い・うがいが感染症予防につながることを知り、進んで行う(生命の保持)
- 友だち同士で声を掛け合いながら、正しい方法で手洗い・うがいに取り組む(生命の保持)
養護・予想される子どもの姿
- 感染症と手洗い・うがいの関係性を知り、戸外から帰った後や食事の前などに、進んで行おうとする
- 雑に済ませようとする友だちに対し声をかけ、正しい方法を教えようとする
養護・環境構成/保育者の配慮
- 絵本や紙芝居を使い、感染症と手洗い・うがいの関係性について伝え、衛生的に過ごす意識づけをする
- 正しい手洗い・うがいの方法を掲示し、子どもたちが自分で気づけるようにする
>>ねらいを書き終えて行事や遊び、
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養護のねらい②の具体的な月案
ねらい
規則正しい生活を心がけ、健康的に過ごす
養護・内容
- 規則正しい園生活を通して、健康的に過ごす大切さを知り、自ら意識して過ごす(生命の保持)
養護・予想される子どもの姿
- 健康的に過ごすために必要な生活リズムを知り、実践しようとする
養護・環境構成/保育者の配慮
- 保護者と協力しながら、なるべく一定のリズムで過ごせるよう努める
- 乱れた生活が健康にどのように影響するかを伝え、子どもたち自身が気づけるようにしていく
- 絵本や紙芝居などを通し、健康的に過ごす方法を知らせる
>>ねらいを書き終えて行事や遊び、
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養護のねらい③の具体的な月案
ねらい
身の回りの率先して行い、自信をもって過ごす
養護・内容
- 自分でできたという達成感を感じ、意欲的に過ごす(情緒の安定)
- 保育者に認められ、見守られている安心感のもと、自信をもって過ごす(情緒の安定)
養護・予想される子どもの姿
- できないところは保育者に介助してもらいながらも、自分の力で身の回りのことに取り組む
- 頑張りを保育者に褒められ、嬉しそうな姿がある
養護・環境構成/保育者の配慮
- 動線を工夫し、子どもたちが動きやすいよう環境を整える
- 小さな頑張りも見逃さず褒め、子どもたちの自信や意欲を育む
- 物の定位置などをイラストや写真で示し、片づける際にわかりやすいようくしておく
>>ねらいを書き終えて行事や遊び、
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教育のねらい①の具体的な月案
ねらい
寒さに負けず、冬や初春の自然事象に触れながら戸外でのびのび体を動かす
教育・内容
- 寒い日でも、かけっこや鬼ごっこをして体を動かしながら十分に体を動かす(健康・環境)
- 雪や氷、初春の動植物などの自然事象に触れながら、友だちと一緒に戸外遊びを楽しむ(健康・環境・人間関係)
教育・予想される子どもの姿
- 寒い日でも、戸外遊びを喜び、元気に体を動かす
- 友だちと鬼ごっこやかけっこなどをして、関わり合いながら遊んでいる
- 草花や昆虫などの様子から、少しずつ春が近づいていることに気づく
教育・環境構成/保育者の配慮
- 動きやすい上着を準備してもらい、活動の妨げにならないようにする
- 保育者も一緒になって動き、喜んで戸外遊びに参加できるようにする
- 季節の自然事象に触れる機会を設け、四季の移ろいや、現象の不思議さ・面白さに気づけるようにする
>>ねらいを書き終えて行事や遊び、
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教育のねらい②の具体的な月案
ねらい
節分の行事を通して、日本の伝統に興味をもつ
教育・内容
- 節分の由来を知り、興味をもつ(環境・言葉)
- 節分に向け、身近な素材を使って書いたり作ったりして行事を楽しむ(環境・表現)
教育・予想される子どもの姿
- 豆まきを楽しみにしている姿がある
- 思い思いの色や形で鬼のお面を作ることを楽しんでいる
教育・環境構成/保育者の配慮
- 絵本や紙芝居などで節分についてわかりやすく伝え、興味を持てるようにする
- 子どもたちが作った鬼のお面や豆入れを飾るなどして、節分の雰囲気を感じられるようにする
- 十分な素材や用具を準備し、自由に製作できるようにする
>>ねらいを書き終えて行事や遊び、
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教育のねらい③の具体的な月案
ねらい
友だちとの関わりを楽しみながら、相手の意見や思いに気づく
教育・内容
- 関わりの中で、自分の意見を伝えることと同じくらい、相手の思いを尊重する大切さを知る(人間関係・言葉)
- お互いの意見を大切にしながら、遊びを広げていく(人間関係)
教育・予想される子どもの姿
- 自分の意見を通すだけでは遊びが進まないことを知り、相手の気持ちにも耳を傾けようとする
- 友だち同士で意見を出し合いながら、工夫して遊びを発展させている
教育・環境構成/保育者の配慮
- 子ども同士の関わりを見守りながら、必要に応じて仲立ちし、良い関係を築けるようにする
- トラブルが生じた際には、気持ちを代弁するなどして、互いの思いに気づけるよう援助する
>>ねらいを書き終えて行事や遊び、
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行事・遊び・食育・職員との連携・家族や地域との連携・自己評価の月案例
今月の行事
- 節分
- 誕生会
- 身体測定
- 避難訓練
今月の遊び
- 運動遊び
- 鬼ごっこ
- ごっこ遊び
- ひな祭り製作
- 季節の歌を歌う
- 手遊び
- 絵本・紙芝居「おにはそと」
- お絵描き・折り紙「鬼のお面」
- 冬/初春の自然に触れる散歩・戸外遊び
食育
- 節分を通して、恵方巻や豆まきなどの日本独自の伝統の食文化に触れる
- 箸を使って食事をする
職員との連携
- 友だち同士でトラブルになりやすい子について共有し、どの保育者でも同じ対応ができるようにする
- 日中の活動や散歩など、異年齢での関わりを持てるよう相談し合う
- 感染症や体調不良児の様子について共有し合い、園内での蔓延を予防する
家庭や地域との連携
- 散歩先で地域の人に会った時には、積極的に挨拶をする
- 公園では譲り合って遊ぶよう子どもたちに伝える
自己評価
- 節分行事では、鬼の登場に怖がる子もいたが、自分が作った鬼のお面を喜んで被りながら豆まきを楽しんでいた。
- 手洗い・うがいの仕方がわかり、丁寧に行おうとする子が増えてきた。引き続き、進んで行えるよう見守り指導していく。
- 友だちとの関りでは、自分の気持ちを通そうとする姿が見られるが、年下の子どもには優しく関わり、玩具や順番を譲ろうとする姿が見られた。
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