アキ (元園長)
保育士歴18年・園長歴6年。 園長として多くの月案・週案をチェックしてきた経験を活かし、 効率よく質が高い月案・週案を仕上げられるようサポートします。
この記事では月齢に関わらず、0歳児クラス全体向けの月案文例を解説していきます。
もしクラス全体向けではなく、特定の月齢に絞った文例を参考にしたい方は次の記事をご覧ください。
■0歳児(低月齢)11月の月案
■0歳児(中月齢)11月の月案
■0歳児(高月齢)11月の月案
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元園長が教える月案・週案の重要ポイント
大前提、月案を作る上でどんなことが重要なのか?
実際に保育士さんたちの数々の月案をチェックしてきた元園長先生に、重要ポイントを伺いました。
- 年間カリキュラムに基づく計画を立てる
- まずは「前月の子どもの姿」から考え始める
- 「今月のねらい」と「具体的な内容」は連動して考える
この3つが、年齢・時期関わりなく月案を作成する上で意識してほしい点です。
要するに、「保育園での活動を通して、子どもたちにどんな姿になってもらいたいのか」を考えると良いということですね。
逆によくあるダメなパターンは、ねらいと内容が連動していないものです。
いったい何のための月案なのか考えられていないと、作り直しとなってしまいます。
0歳児・11月の月案のポイント
次に、「0歳児・11月」ならではの月案のポイントを紹介します。
- 寒い日が増えてくる時期を、元気で快適に過ごす工夫を取り入れる。
- 安心感の中生活できることに加え、少しずつ身の回りに興味を持てるような配慮を考える。
- 他児への興味が増し積極的に関わろうとする姿を、大切にし広げられるような関わりを考える。
- 散歩・戸外遊びで外気に触れて遊ぶ機会を取り入れる。
肌寒い日が増えてくるこの時期は室内での活動が増えがちですが、薄着を心掛けたり、戸外で外気に触れて遊ぶことで体が徐々に適応していきます。
このように、寒さに慣れていくための配慮も積極的に取り入れていきたいですね。
それではここから、具体的な月案の例文をまとめていきます。
《 STEP1》 前月の子どもの姿を思い出す
- 保育者に必要に見守られながら、安心して生活をしていた。
- 過ごしやすい気候が続き、戸外活動や散歩で体を動かして遊ぶことを楽しんでいた。
- 他児への興味が増し、目で追ったり、触れたり、話しかけたりする姿があった。
- 喃語や指差しを盛んにしながら、玩具遊びや手遊びなど好きな遊びををゆったりと楽しんでいた。
《 STEP2》 今月のねらいを決める
養護のねらい
教育(5領域に対応)のねらい
養護のねらい①の具体的な月案
ねらい
室内・戸外の温度に留意しながら、薄着で快適に過ごす
養護・内容
- 気温・室温に留意してもらいながら、薄着で過ごす習慣をつける。
(養護の場合…生命の保持)
(3つの視点の場合…健やかに伸び伸びと育つ) - 肌寒い季節だが、戸外で元気に活動を楽しむ機会を持つ。
(養護の場合…生命の保持)
(3つの視点の場合…健やかに伸び伸びと育つ)
養護・予想される子どもの姿
- 寒さから厚着してくる傾向があり、動きにくい様子、熱がこもっている様子が見られる。
- 戸外に出ることを喜び、外気に触れたり体を動かして元気に遊ぶ。
養護・環境構成/保育者の配慮
- 室温の調節だけでなく、定期的に換気や湿度のチェックも行い、感染症の予防もしながら快適に過ごせるようにする。
- 気温差に注意しながら、活動しやすい衣服に調節する。
- 天気の良い日はなるべく戸外で過ごす時間を取り入れる。
>>ねらいを書き終えて行事や遊び、自己評価などに移りたい人はこちらをタップ
養護のねらい②の具体的な月案
ねらい
保育者に見守られている安心感の中で生活する
養護・内容
- 見守られている安心感の中、身の回りのことに少しずつ興味を持つ。
(養護の場合…情緒の安定)
(3つの視点の場合…健やかに伸び伸びと育つ・身近な人と気持ちが通じ合う)
養護・予想される子どもの姿
- 安心できる保育者がそばにいることにより、ゆったりとした気持ちで生活する。
- 食事・着替え・片付けなど生活の中での行動をやってみようとする姿がある。
養護・環境構成/保育者の配慮
- 満たされた気持ちで生活できるよう、子どもの欲求一つ一つに対し、共感の言葉・姿勢を示しながら丁寧に関わる。
- 身の回りの物を手に取りやすい所に置き、興味を持ちやってみようとする姿に寄り添う援助を行っていく。
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教育のねらい①の具体的な月案
ねらい
他児への興味が増し、コミュニケーションを取ろうとする
教育・内容
- 保育者の仲立ちのもと、他児と同じ場所や同じ玩具で遊ぶことの楽しさを知る。
(5領域の場合…人間関係・言葉)
(3つの視点の場合…身近な人と気持ちが通じ合う)
教育・予想される子どもの姿
- 他児に喃語や片言で話しかけたり、同じ玩具を持ってきてアピールしたりする。
- 他児との関わり方が分からず、様子を見ていたり、近づきすぎたりする。
教育・環境構成/保育者の配慮
- 喃語や片言・姿から、一緒に遊びたい気持ちを汲み取り代弁したり、仲立ちとなれる関わりをしながら笑顔で見守る。
- 子ども同士のやり取りを見守る際は、目を離さないよう、保育者同士で目配りしながら都度配置を分担していく。
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教育のねらい②の具体的な月案
ねらい
好きな遊びを十分に楽しみ、積極的に探索活動を行う
教育・内容
- 好きな玩具・好きな遊びを満足いくまで楽しむ。
(5領域の場合…環境・表現)
(3つの視点の場合…身近なものと関わり感性が育つ) - 自ら好きな場所へ移動しながら、探索活動を楽しむ。
(5領域の場合…環境・表現)
(3つの視点の場合…身近なものと関わり感性が育つ)
教育・予想される子どもの姿
- 好きな玩具や遊びを見つけると、何度も繰り返し遊んで楽しむ。
- それぞれの移動方法で室内を自由に移動しながら、室内のあらゆる物に触れたり、出したり、入れたりして探索する。
教育・環境構成/保育者の配慮
- 子どもの移動方法や活動量を把握し、安全な活動スペースを十分確保できているか確認する。
- 好きな遊びを満足いくまで遊びこめるよう、子どもの人数に合わせた十分な数の玩具を用意・配置する。
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教育のねらい③の具体的な月案
ねらい
歌や音楽に合わせて体を動かすことを楽しむ
教育・内容
- 歌や音楽に合わせてリズムを刻んだり、踊ったりする楽しさを味わう。
(5領域の場合…健康・環境・表現)
(3つの視点の場合…身近なものと関わり感性が育つ)
教育・予想される子どもの姿
- 音楽に合わせて体を揺すったり、保育者の動きを真似してみようとする。
教育・環境構成/保育者の配慮
- 遊びや活動の中で、自然に歌や音楽に触れられる機会を作る。
- 保育者も子どもと一緒に歌ったり踊ったりして楽しむ。
行事・遊び・食育・職員との連携・家族や地域との連携・自己評価の月案例
今月の行事
- 文化の日
- 勤労感謝の日
- 保育参観
- 身体計測
- 誕生会
- 避難訓練
今月の遊び
- 戸外遊び・散歩
- 秋の自然に触れる遊び
- 手遊び
- 秋の歌を歌う・聴く
- ままごと遊び
- リズム遊び
食育
- いろいろなメニューに慣れ、楽しい雰囲気の中で食事を楽しむ。
- 食具に興味を持ち、使ってみようとする。
職員との連携
- 寒くなると増えてくる感染症について理解し、子ども一人一人の体調の変化を見逃さず、対応を共有する。
- 個々の発達状況をこまめに確認し合い、それぞれに合った過ごし方を保育者間で考えていく。
- 動きが活発になってきて行動範囲も広がるので、保育者の配置や安全点検について話し合っておく。
家庭や地域との連携
- 薄着で過ごすことにより体が適応していくことを伝え、調節のしやすい衣服を用意してもらうようお願いする。
- 子どもの体調を日々伝え合いながら、流行している感染症についてお知らせしたり、園での状況を共有する。
自己評価
- 気温・室温だけなく湿度や換気にも配慮し、なるべく薄着で活動しやすい服装にして過ごした。
- 生活の場面で芽生えた身の回りのもの・ことへの興味を大切にしながら援助していった。
- 他児への関心が高まることを喜びつつ、ケガや事故の無いようこれからも注意して見守っていきたい。
- 探索活動では、広い場所の確保や玩具の配置など、個々の運動機能の発達に合わせた環境設定を工夫していきたい。
- 天候が優れず室内で一日過ごした日は、音楽をかけたりリズム遊びを取り入れ、楽しく体をたくさん動かすことができていた。
■0歳児(低月齢)11月の月案
■0歳児(中月齢)11月の月案
■0歳児(高月齢)11月の月案
■前月の月案
■来月の月案
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