保育士の職務経歴書に記載する自己PR欄は、自分の励みや長所などを志望先にアピールできる大切な項目です。
しかし、「職務経歴書の自己PRに何を書けばよいのかわからない」「自分の強みはなんだろう」となかなか書き出せない人もいるかもしれません。
本記事では、職務経歴書の自己PRの書き方を例文付きで詳しくご紹介します。
職務経歴書の書き方に困っている保育士の方は、ぜひ最後までご覧ください。
- 職務経歴書の自己PR欄は、自分の長所や強みをアピールする項目
- 自己PRと志望動機に記載する内容は異なる
- 自己PRを書く前に、志望先の情報や自己分析をおこなう
- 自分の長所や強みが志望先にどのように貢献できるのかの記載がポイント
職務経歴書の自己PR欄とは?
- 志望先に自分の長所や強みをアピールする
- 志望先で貢献・活躍できるポイントをアピールする
- 志望先の求める即戦力と志望者の強みが一致しているかを検討する材料になる
職務経歴書の自己PRは、これまで経験してきた職種や業務内容、自分のスキルや長所などを志望先にアピールするのが目的です。
面接で志望先から長所や強みを聞かれることもありますが、口頭で話すだけでは相手に求職者の人物像を明確に伝えきれません。
職務経歴書の自己PRで強みやスキルなどを詳細に記載すれば、面接での質疑応答だけではわからない求職者の一面をアピールできます。
自己PRは志望先が求職者を知るための大切な判断材料のひとつなので、丁寧に記載しましょう。
志望動機と自己PR欄の違いとは?
一見似た項目に見える志望動機と自己PRですが、記載する内容は大きく異なります。
志望動機は、志望先を選択した理由を志望先の魅力に絡めて説明するものです。
一方の自己PRでは、自己スキルや長所などを挙げて、自分が採用されたら志望先にどのようなメリットが発生するのかを伝えます。
志望動機と自己PRの質問意図は異なるので、できる限り内容の重複は避けて、それぞれの意図に沿った答えを記載しましょう。
職務経歴書の自己PR欄の理想の文字数
職務経歴書の自己PR欄の理想の文字数は、300文字〜400文字です。
300文字〜400文字程度なら自分のアピールが十分にでき、職務経歴書の空欄にきれいに収まります。
また、文字数が指定された場合にはぴったりが理想ですが、少なくとも1割程度の誤差程度で抑えるようにしましょう
伝えたいことをすべて書き出してしまうと文字が小さくなり読みづらくなる場合もあるので、書く際は文字の大きさや余白とのバランスにも気をつけて、見やすい文章になるように意識してみてください。
職務経歴書を書く前に応募先の園の情報を徹底収集しておく
職務経歴書を書く前の事前準備に、応募先の園の情報収集は欠かせません。
応募先の園が求めている人材と自分の性格や強みがマッチしているのかを確認し、より質のよい自己PRをするためです。
詳しくは、志望先に関する以下の項目をチェックしておくとよいでしょう。
- 園の保育理念
- 保育の特色
- 年間行事
上記を含めた志望先の情報は、志望園のホームページやパンフレット、求人サイトなどから収集できます。
これで書ける!保育士の自己PR書き方の流れ【例文付き】
職務経歴書の自己PRは、ただ自分のスキルや長所を書けばよいわけではありません。
志望園に「この人のことがもっと知りたい」「この人と働いてみたい」と興味を持ってもらえるような文章を書く必要があります。
ここからは自己PRの書き方の流れをご紹介するので、志望先を引きつける自己PRを書く際の参考にしてみてください。
①自分の長所・強みを分析し洗い出す
- 責任感がある
- 協調性が高い
- コミュニケーション能力に優れている
- 絵や工作が得意
- ピアノや歌が得意
はじめに、自分の長所や強みなどは何かを知るための自己分析をおこないます。
自分にはどのような強みや長所があるのかを、いくつでもよいので思いつくまで洗い出してみましょう。
自分で思いつかない場合には、家族や友人に長所や強みを聞いてみると、自分では気づかなかった新たな一面が把握できるのでおすすめですよ。
自分の強みや長所を把握すると、次第に自分がどのような保育観を大切にしているのかも理解できるようになります。
②長所や強みの根拠となる話を盛り込む
次に、①の自己分析で洗い出した長所や強みのなかからアピールしたい部分をひとつピックアップして、根拠となる話を盛り込みます。
自分の長所や強みである部分は、これまでの経験に生かされているはずです。
具体的なエピソードを盛り込んで、信憑性の高い自己PRを作りましょう。
協調性の高さが私の強みです。学生時代にアルバイトをしていた飲食店では接客リーダーを任され、年齢や雇用形態などが異なる人とコミュニケーションをとりながら、売り上げ貢献に向けて努めて参りました。この経験を生かし、貴園でも職員間との連携を大切にして保育に携わりたいと思います。
③応募先の園で自分の強みがどんな風に貢献できるのか盛り込む
長所や強みの根拠となるエピソードと共に、自分の強みが志望先にどのように貢献できるのかを盛り込みます。
志望先側は、求めている人柄と求職者の人柄がマッチしているのかを自己PRでチェックするので、志望先の保育理念に絡めてアピールできると印象強くなるでしょう。
アルバイト時代や前職で培った協調性の高さは、貴園でも活かせると思います。運動会や発表会などの行事は、内容から計画まで職員間で意見を出し合わなければなりません。それぞれの意見をまとめて良い方向性に運ぶことが得意なので、円滑に物事を進めるために貢献していきたいです。
④①〜③を簡潔にまとめる
私の強みは協調性の高さです。学生時代にアルバイトをしていた飲食店では接客リーダーを任され、年齢や雇用形態などが異なる人とコミュニケーションをとりながら、売り上げ貢献に向けて努めて参りました。アルバイト時代や前職で培った協調性の高さは、貴園でも活かせると思います。私は、貴園の運動会や発表会などの行事の豊富さに惹かれました。行事準備は内容から準備段階まで職員間で意見を出し合わなければなりません。職員一人ひとりの意見をまとめて良い方向性に運ぶことが得意なので、円滑に物事を進めるために貢献していきたいです。
最後に、自分の強みや長所の根拠がわかる話と、強みや長所が志望先でどう活かせるのかを簡潔にまとめます。
志望先への意欲を伝えるために、アピールポイントは長々と書かないように気をつけましょう。
また、行事に力を入れている・個々に寄り添った保育を心がけているなど、志望園の具体的な保育内容や保育理念も文章に入れれば、「園をしっかり理解してくれているな」と志望先へのイメージアップにつながります。
【経験別】保育士の職務経歴書で使える自己PR例文
職務経歴書の自己PRは、新卒・経験者・未経験者・ブランクありなど、保育士の経験によって書き方が異なります。
特に、異業種から保育士に転職を希望する場合や新卒といった保育士の経験がない方は、自己PRの書き方に悩まれるかもしれません。
経験別に使える自己PR例文をご紹介するので、ぜひご自身の経験に照らし合わせて参考にして見てください。
【新卒者】保育士経験がない場合の自己PR例文
小さい頃から子どもが好きで、子どもとかかわる仕事に就きたいと思い保育士を志願しました。年の離れた弟の世話や近所の子どもと遊んだ経験もあり、子どもとのかかわり方には慣れています。コミュニケーション能力も高く、初対面の人でも自分から話しかけられるため、受け持つ子どもや保護者とも積極的に信頼関係を築き上げていきたいです。
新卒や高校生の方は、自分の強みや長所が何なのか自己分析ができていない方も多いと思います。
自己PRを作成する前に、まずは自分について理解を深め、自分の長所が志望先の採用にどのようなメリットをもたらすのか考えてみましょう。
【異業種からの転職】保育士経験がない場合の自己PR例文
学生時代から子どもに興味があったものの、飲食業界に就職しました。飲食店で親子連れのお客様と接客しているうちに、子どもと深くかかわりたいと強く思うようになり、保育士の道を目指し始めました。前職では店長のポジションに立ち、数十人いる従業員をひとつのグループに育てあげたので、当時培った協調性を保育の現場でも活かしていきたいです。
異業種から転職する場合は、前職の経験で得たスキルを取り上げてみましょう。
前職が保育と関係なくても、コミュニケーション力やパソコンスキルなど、保育現場でも活かせるスキルが何かしらあるはずです。
保育と無関係のスキルを書いても、志望先が求めているスキルでなければ意味がないので注意してください。
保育士経験がある場合の自己PR例文
前職では、主に幼児を担当していました。鬼ごっこやケイドロ、ドッジボールなどの体を使った遊びが好きで、子どもからも「鬼ごっこしよう」と頻繁に誘われていました。体力には自信があるため、貴園の保育理念にもある健康的な身体づくりにフォーカスした保育を提供していきたいです。
保育士の経験がある場合は、前職でどのような保育スキルが身についたか、自分の長所をどのように保育に活かしていたのかに着目すると、説得力のある自己PRになります。
未経験者とは違い保育現場の理解ができているので、保育理念や保育内容など、より踏み込んだ内容を取り入れるとよいですね。
保育士としてのブランクがある場合の自己PR例文
私は以前、保育士として5年間働いていましたが、妊娠・出産を機に退職しました。現在2人の子育てに余裕がでてきたため、再び保育現場で働きたいと思い志願しました。子育てを通して、乳幼児との接し方はもちろん、保護者の立場の理解もより深められたので、子どもを育てる一人の親として、保護者の方にも寄り添った保育をおこないたいと思います。
保育経験がありブランクを得て再就職する方は、これまでの保育経験や、場合によっては育児経験で得た学びをPRするのがおすすめです。
過去の保育で培ったスキルや、ピアノや工作など得意な分野のエピソードもあれば、よりアピールに繋がります。
【体験談】実際に書いた職務経歴書の自己PRを教えてください!
私の強みは音楽が得意なことです。子どもの頃から音楽が好きで、3歳から音楽教室に通い、ピアノを習っていました。学生時代はオーケストラ部に所属し、バイオリンを弾いていました。短大の授業ではピアノの弾き語りも練習しましたが、現在では楽譜を見ずに弾くことができます。保育現場でも歌をうたう機会は多いと思うので、子どもの顔を見ながら歌を一緒にうたう楽しさを伝えていきたいです。
私は学生時代からピアノが得意だったため、保育現場でも活かせると思い自己PRに記載しました。
実際に、就職試験の実技テストでピアノを弾きましたが、自己PRと併せて実力をアピールできたと思います。
就職後は、自分の担当以外のクラスでも伴奏を任されたり、お楽しみ会でバイオリンを披露したりと、自分の強みを十分に発揮できました。
まとめ
保育士の職務経歴書の自己PRの書き方を例文と共にご紹介しました。
自己PRは、自分の強みや長所を志望先に最大限にアピールできる材料です。
面接では、緊張から思うように自己アピールができずに悔しい思いをする人も多いので、自己PRには「これだけは絶対に伝えたい!」というポイントを記載するようにしましょう。
本記事でご紹介した書き方の流れを参考にし、自分の強みを志望先に伝えられる自己PRを書いてみてください。
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