ベビーシッターと保育士の違いは?それぞれの待遇や仕事内容、給与などを徹底比較

ベビーシッター 保育士

ベビーシッターと保育士はどちらも子どもとかかわる職業ですが、働き方に違いがあります。

保育士資格を持つ方の中には、ベビーシッターへの就職を検討している方も多いのではないでしょうか。

「ベビーシッターと保育士って何が違うの?」「ベビーシッターならではの魅力が知りたい」という方のために、本記事では、ベビーシッターと保育士の違いやベビーシッターのメリット・デメリットなどを詳しくご紹介します。

ベビーシッターに興味のある方は、ぜひ最後までご覧ください。

この記事をまとめると
  • ベビーシッターは、依頼者の自宅や企業に出向き保育を行う
  • 必須な資格はなく、保育士資格を持っていなくてもベビーシッターとして働ける
  • 正社員や派遣社員、個人事業主など幅広い雇用形態の中から自分に合った働き方を選べる
  • 丁寧な保育が行える、自分の都合に合わせて働けるなどメリットが多い
【元保育士】ゆぴライター

ベビーシッターと保育士の適した人材に共通して言えるのは、子どもとかかわるのが好きであること。子ども世話や一緒に遊ぶことが好きであれば、誰でも活躍できますよ。本記事を参考に、ベビーシッターと保育士のどちらの働き方が自分に合っているか確認してみてくださいね。

この記事を書いた人
岡本

ゆぴ  元保育士ライター

保育士歴9年。ピアノが得意で、子どもと一緒に歌をうたうことが好きでした。現在は、専業主婦兼Webライターとして活動中です。保育士や保育士を目指す方の、力になれるような記事を執筆しています。

目次

ベビーシッターとは?保育士との違いを項目ごとに解説

ベビーシッターの業務内容は0歳児〜12歳児を対象にした保育で、依頼者の自宅等にて1〜2人の子どもを相手に世話をします。

ベビーシッターと保育士では、子どもの人数や年齢、雇用形態などの違いがあります。

具体的にどのような違いがあるのかを、項目別に詳しくご紹介します。

ベビーシッターとは?

ベビーシッターとは、依頼者の自宅や民間の託児所、企業などに出向き子どもの保育業務を行う職業で、認可外居宅訪問型保育事業者とも呼ばれています。

保育施設の待機児童問題を抱える近年ではベビーシッターの需要が高まっており、派遣やパート、アルバイト以外に正社員として働く人も増加しています。

ベビーシッターは、以下のように様々な場面で保育を依頼されます。

  • 働きたいのに保育園に入所できず子どもを預けられない
  • 子どもの急な病気や怪我で保育園に預けられない
  • 仕事や家事のリフレッシュをしたい

各家庭のニーズに寄り添った保育を行うため、保護者から直接感謝されるのがベビーシッターのやりがいです。

保育士とベビーシッターの違い①対象となる子どもの年齢や人数

保育士とベビーシッターの対象児の年齢や人数の違いは、以下の通りです。

保育士ベビーシッター
対象年齢0〜5歳児0〜12歳児
対象人数複数人の集団保育1〜2人の個別保育

保育士は決まった保育園で勤務するため、担当クラスが決まっており、年間を通して同じ子どもとかかわります。

一方ベビーシッターは、その都度依頼されたご家庭に出向いて保育を行うので、年齢や人数が毎回異なるのが特徴です。

対象人数は保育士より少ないですが、その都度子どもの年齢や性格に合わせた柔軟な保育が求められます。

保育士とベビーシッターの違い②必要な資格や条件

保育士とベビーシッターの必要な資格や条件の違いは、以下の通りです。

保育士ベビーシッター
必要な資格・条件保育士資格資格不要

保育士資格が必要な保育士に対し、ベビーシッターに必要な資格はありません。

ですので、資格を所持していない人でも子どもとかかわりたい気持ちがあれば、ベビーシッターになることは可能です。

しかし、保育に関する資格を所有していた方が利用者からの信頼も厚く、安心して子どもを預けられるでしょう。

保育士資格や幼稚園教諭以外にも、ベビーシッター資格やチャイルドマインダー資格などの民間資格もあるので、実績をつけたい人は通信講座などで資格を取得してみるのもおすすめです。

保育士とベビーシッターの違い③勤務場所・雇用形態

保育士とベビーシッターの勤務場所や雇用形態の違いは、以下の通りです。

保育士ベビーシッター
勤務場所保育所・子ども園などの児童福祉施設利用者の自宅・民間企業や託児所
雇用形態正社員・パート・アルバイト・契約社員・派遣など派遣会社への登録・個人事業主・業務委託など

保育士は正社員採用で働くケースが多く、安定した収入を得やすいです。

一方ベビーシッターは、正社員から派遣社員・パート・個人事業主と雇用形態の幅が広く、仕事量や勤務時間により収入のばらつきがでる場合があります

保育士とベビーシッターの違い④給与

保育士とベビーシッターの給与の違いは、以下の通りです。

保育士ベビーシッター
給与約391万円約260万~350万円

参考:厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査」

毎月一定の給与が貰える保育士に対し、ベビーシッターは時間単位で給料が発生するケースが多いため、給与は安定していません。

時給にして1,000~1,500円、月収は18万~25万円程度が相場となります。

ベビーシッターとして安定した収入を得るためには、正社員や派遣社員になり、毎日継続して働くとよいでしょう。

また、長時間保育や障がい児保育、病児保育などにも対応できると給与が加算されやすいです。

保育士とベビーシッターの違い⑤福利厚生・待遇

保育士とベビーシッターの福利厚生や待遇の違いは、以下の通りです。

保育士ベビーシッター
福利厚生・待遇交通費・住宅手当・雇用保険など充実している雇用形態によっては期待できないケースもある

保育士、ベビーシッターに共通して言えるのは、雇用形態によって福利厚生や待遇に差があることです。

正社員なら交通費や住宅手当、有給や退職金の支給など幅広く対応していますが、パートやアルバイト、個人事業主などの場合は、そのような手当が貰えないケースも多いでしょう。

雇用形態によって、充実した待遇や福利厚生は望めない場合もあることを理解しておくとよいです。

保育士ではなくベビーシッターになるメリット

保育士への就職を考えている方の中には、ベビーシッターに関心がある方もいるでしょう。

ここでは、保育士では感じられないベビーシッターならではのメリットを5つご紹介します。

保育士とベビーシッターのどちらに就職するか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

丁寧な個別保育が行える

個別保育を行うベビーシッターは、一人ひとりの子どもに丁寧な保育ができます。

集団保育が一般的な保育園では、着替えや食事、排泄といった身の回りの援助や遊ぶ姿などの見守りなど、保育者の目が一人ひとり全員に行き届きづらい場合があるのも現状です。

なかには、お便り帳に今日の姿を書くときに、「〇〇くんは何をして遊んでいたかな……?」と思い出せないようなケースも。

一方ベビーシッターの対応人数は1〜2人なので、子ども一人ひとりとじっくりかかわることができ、その日の姿やちょっとした変化なども保護者に伝えられます。

運動会などの行事に関する業務がない

特定の保育施設に所属しないベビーシッターは、以下のような行事に関する業務がありません

  • 遠足
  • プール
  • 運動会
  • お芋掘り
  • 発表会
  • 七夕、節分など行事の集まり

季節や園の行事を行う保育園は準備や打ち合わせなどで忙しく、残業や持ち帰りの業務も増えます。

保育園など施設に属すことのないベビーシッターは、このような準備に追われることがなく余裕を持って業務に取り組めます

行事が好きで保育に物足りなさを感じる方は、ベビーシッターの保育中に行事にちなんだ製作物を作ってみたり絵本を読んであげたりしてもよいですね。

保護者から直接感謝されやすい

保護者から直接感謝されやすいのもベビーシッターのメリットです。

保育園に勤めていると、シフトや業務の関係で保護者と直接話す時間が限られてしまいます。

ベビーシッターは、業務の前後に直接保護者と子どもの姿の共有をするため、必ず保護者とかかわる時間がとれます

また、子どもの急な体調不良など保育園に預けられない際にベビーシッターを利用する保護者も多く、「本当に助かりました」と感謝してもらえることが多いです。

自分の都合に合わせて働ける

自分の都合に合わせて働けるのも、ベビーシッターの魅力といえるでしょう。

正社員として保育園で働く場合、基本的に8時間労働、週休2日制の園が多いです。

ベビーシッターは派遣社員や個人事業主など雇用形態も豊富なので、自分の好きな時間や曜日を選択して働けます。

週に4日以上など勤務条件も決まっておらず、平日土日に左右されずに仕事が組め、仕事とプライベートを両立できますよ

高収入を実現できる可能性がある

ケースによっては、ベビーシッターでも高収入を実現できる可能性があります。

日給制の多いベビーシッターは、働けば働く分収入を得られます。

また、保育資格所有者や以下のような独自のスキルを持った保育者は、収入アップを実現しやすいです。

  • 新生児保育
  • 障がい児保育
  • 病児保育
  • バイリンガル保育
  • モンテッソーリ教育
  • ハウスキーピングOK

ベビーシッターを希望する場合には、自分の保育の魅力や誰にも負けないスキルなどをアピールできるように準備してみてください。

保育士ではなくベビーシッターになるデメリット

ベビーシッターになるには、メリットがある一方でデメリットもあります。

ここでは、保育士ではなくベビーシッターになるデメリットを3つご紹介します。

メリット・デメリット両方を理解し、保育士とベビーシッターのどちらがご自身に合っているかを考えてみてください。

体調管理など自己管理が重要

ベビーシッターは、体調管理などの自己管理が大切です。

個人事業主の場合、ベビーシッターは利用者と個人的に契約を交わすため、自身が体調を崩した場合に変わりの保育者を見つけるのが難しくなります。

急に仕事をキャンセルすると、実績が減るだけでなく利用者からの信頼性も薄くなるので、怪我や病気をしないように徹底した体調管理が必要です。

また、個人事業主の場合は仕事の日や時間も自分で決めなければなりません。

スケジュール管理を怠るとダブルブッキングが発生する恐れもあるため、カレンダーを活用するなどして仕事の管理も行いましょう。

収入が不安定になる可能性がある

ベビーシッターは、保育士に比べ収入が不安定になる可能性もあるでしょう。

保育園などの保育施設は固定給の場所が多く、ボーナスなども定期的に支給されて安定した収入を得られます。

一方ベビーシッターは、依頼の数によって収入の波が生じやすいです。

また、派遣社員や個人事業主の場合には雇用保険や労災、有給などの福利厚生が出ない場合も多いので、収支のバランスを日頃から考えて仕事をする必要があります。

責任やプレッシャーが大きい

ベビーシッターは、保育士以上に責任やプレッシャーが大きいです。

子どもの命を預かる責任の重さは保育士もベビーシッターも変わりませんが、以下のような事案が発生した場合に、ベビーシッターは自分1人で判断して対応しなければなりません。

  • 地震や火事などの災害
  • 子どもの怪我や急な体調不良
  • ベビーシッター自身の体調不良
  • その他事故や事件

予期せぬことが発生したときにも迅速かつ柔軟に対応しなければならず、覚悟を持って働く必要があります。

保育士からベビーシッターに転職する方法

現職で保育士をしている方の中には、ベビーシッターへの転職で悩んでいる方もいると思います。

ここでは、保育士からベビーシッターに転職する際のポイントを2つご紹介します。

ポイントを理解して、自分に合った働き方を見つけてみてください。

ベビーシッターとしての働き方を決める

はじめに、ベビーシッターとしてどのように働くのか雇用形態を決めましょう。

ベビーシッターには、以下のように様々な雇用形態があります。

  • 正社員
  • 派遣社員
  • パート
  • アルバイト
  • 個人事業主
  • 業務委託

安定した収入を求めるなら正社員や派遣社員、働く自由度を優先するならパートや個人事業主など、それぞれメリットがあります。

自分に合う働き方を理解するために、まずは働く際の優先項目を考えてみてください。

働き方に合わせて仕事を探す

ベビーシッターの働き方を決めたら、さっそく仕事探しを始めましょう。

正社員やパート・アルバイトとしてベビーシッターをするなら、求人サービスやベビーシッター登録サービスへの登録をします。

「キッズライン」「ポピンズシッター」「ベアーズキッズ ベビーシッター」など、有名な求人サイトを活用してみてください。

個人事業主(フリーランス)として働く場合は、認可外居宅訪問型保育事業の届出や、SNSやWebを駆使した自身の宣伝・営業準備が必要です。

仕事を見つける前に、フリーランスになるためにはどうのような準備が必要なのかを確認し進めていきましょう。

保育士経験者が考えるベビーシッターという仕事の魅力とは?

保育者経験のある私からみた、ベビーシッターの魅力を4つご紹介します。

  • 落ち着いた環境で保育ができる
  • 子ども一人ひとりと深く関われる
  • 残業や持ち帰りの業務がない
  • 人間関係で悩むことがない

保育士時代は幼児クラスを持つことが多く、少なくても20人弱の保育を行なっていました。

一人ひとりにじっくりかかわる時間がとれず、子どもとのかかわりかたや時間の使い方を悩んだ記憶があります。

1人で1〜2人の保育をするベビーシッターならそのような悩みもなく、子どもと活動をじっくり楽しめるのでよいなと感じていました。

また、私は保育士時代に職員間の人間関係が原因で体調を崩した経験があります。

ベビーシッターなら、保育中も周りの保育者の目線を気にせずに自分のしたい保育を展開できるので魅力的だと思います。

ベビーシッターと保育士に関するよくある質問に回答

ベビーシッターに活かせる資格や経験はありますか?

ベビーシッターは保育士資格をはじめ、以下のように活かせる資格があります。

  • 保育士資格
  • 幼稚園教諭免許
  • 認定ベビーシッター資格
  • ベビーシッター資格
  • ベビーシッター技能認定
  • 英国チャイルドマインダー
  • 看護師資格

保育士資格や幼稚園教諭免許は、指定された保育士養成施設を卒業しなければならず難易度が高いです。

しかし、認定ベビーシッター資格などの民間資格は、公益社団法人全国保育サービス協会主催の研修会の受講や認定試験の受験をすれば、誰でも取得できます。

保育経験や保育に関する資格を所持していた方が、利用者からの信頼度が高く依頼も受けやすいので、何か一つでもよいので資格を取得してみましょう。

保育士は副業としてベビーシッターはできますか?

勤務先によっては、保育士でも副業でベビーシッターができます

ベビーシッターの副業は、以下のような保育士の方におすすめです。

  • 収入を増やしたい
  • 土日や隙間時間を活用して働きたい
  • 保育士としての実績を積みたい

公立保育園で勤務する保育士は公務員に該当するため、原則副業は禁止です。

私立保育園なら、副業がOKな企業もあるので、職場の就業規則を確認してみましょう

まとめ

保育士とベビーシッターの違いや、ベビーシッターのメリット・デメリットなどをご紹介しました。

ベビーシッターは、保育士の資格やキャリア・スキルを活かして働ける職業です。

待機児童問題や働き方改革の影響で、ベビーシッターの需要は年々高まっています

子どもとじっくりかかわりたい方や自分のペースで働きたい方は、ぜひベビーシッターへの道を検討してみてくださいね。

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この記事を書いた人

保育士歴9年。ピアノが得意で、子どもと一緒に歌をうたうことが好きでした。現在は、専業主婦兼Webライターとして活動中です。保育士や保育士を目指す方の力になれるような記事を執筆しています。

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