保育士として働いていると、保育の仕事に集中できないくらい職場の人間関係に悩むことはありませんか。
人間関係の悩みから解放されるために退職を考えても、できれば辞めずに働き続けたいとためらってしまいますよね。
実は人間関係が悪化する要因はいくつかあり、心構えや対策をすれば人間関係の悩みが改善され、働き続けることが可能です。
本記事では、人間関係が悪くなる要因と人間関係を良くするために気をつけることについて紹介しています。
現在の人間関係改善のために、ぜひ最後までお読みください。
閉鎖的で同性が多い保育園の人間関係は特殊
保育士の職場は働く人材の90%以上が女性であり、他の保育園と交流する機会が少なく閉鎖的という特徴があります。
さらに、保育士が接する対象は同僚だけではなく子供や保護者など多岐にわたるため、他の業種ではみられない特殊なトラブルが発生しやすい環境だと言えます。
保育士の退職理由1位が人間関係というデータからも、人間関係は多くの保育士が抱えている悩みです。
保育士として長く働きたいなら、保育士特有の人間関係を理解しておくと良いでしょう。
参考:令和4年度東京都保育士実態調査報告書(概要)
参考:平成30年度「保育人材」に関するアンケート調査結果
保育園で人間関係が悪くなってしまう原因
人員不足による業務量の多さや同僚の派閥争いなど人間関係が悪くなる原因は複数あり、完全な解消は難しいかもしれません。
しかし、保育士として良くあることだと心構えをしておけば、必要以上に悩むことはないでしょう。
心構えの参考となるように、保育園で人間関係が悪くなってしまう6つの原因について説明していきます。
【原因①】業務量が多く、皺寄せが発生しやすい
保育士の求人倍率からも保育業界は人員不足であり、残業や休憩時間を削って仕事をする保育士もいるほど、一人が抱える業務量が多い現状です。
そのため、突発的な休みや研修などで誰かが不在になれば、他の保育士に業務の皺寄せが発生します。
自分の仕事でさえ必死にやらなければならないのに、誰かの仕事が追加されると一気に疲弊してしまうでしょう。
皺寄せが頻繁であればあるほど、仕事を任された職員には不満が溜まっていき、周囲への態度は悪化していくと考えられます。
【原因②】責任が大きく少しのことでピリピリなりがち
保育士の仕事は子供の命を守るという大きな責任を伴うため、常に注意を払う必要があります。
低年齢の子供が寝ている時はうつぶせになっていないか、外出するときは全員ついてきているかなど、子供の安全には細心の注意を払っています。
しかし、子供の行動は予測できないため、とっさに大きい声で同僚に注意することもあるでしょう。
注意された側は、理由を理解していても良い気持ちになれず、互いに険悪になってしまいます。
子供を守るという強い責任感によって人間関係が悪化することも、十分にあり得るのです。
【原因③】同性が多く閉鎖的な職場
保育士は女性が多く、助け合える反面、自分と同じ意見を同性である他人にも求めてしまいます。
そのため、保育園は勤続年数が長い園長や主任の意見に従わなければならないといった年功序列の雰囲気になりやすいという特徴があります。
他の園と交流が少なく閉鎖的であることも、年功序列の状況を助長している要因です。
結果として、意見が通らない勤続年数が短い保育士の不満は募っていき、長年働いてきた保育士との間に溝が生まれ、人間関係は悪化していくでしょう。
【原因④】保育方針が合わずに人間関係に影響する
子供を思う気持ちから保育方針にこだわりを持つ保育士は多く、方針が異なれば衝突することもあります。
異なる保育方針を持つ先生が同じクラスを担当すれば意見が食い違い、互いに良い感情は抱かないでしょう。
他にも、主任や園長と保育方針が合わなければ、やりたい保育を提案しても受け入れられず不満が溜まっていきます。
保育方針が違う上司や同僚に対して、マイナスの感情を持った状態が続くと人間関係は悪化していきます。
【原因⑤】派閥争い
保育士が投稿した口コミを見ると、保育園にも派閥はあり、派閥によって保育方針や業務のやり方が異なるようです。
派閥の方針に従わないと悪口を言われたり、無視されたりするなど、派閥に一度所属してしまうと気苦労が絶えません。
派閥に所属しなければ良いと考えるかもしれませんが、派閥争いの板挟みになり同じく苦労するでしょう。
派閥がある保育園は、派閥に所属している、していないに関わらず人間関係に苦労する環境だと言えます。
【原因⑥】保護者が絡んだトラブル
保育士の人間関係は同僚だけではく保護者にまで及び、保護者の人柄によっては職場の人間関係より疲弊します。
保護者の中には、軽い擦り傷がついていただけで、いつどこで何があったのか、など詳しく聞いてくる人もいるでしょう。
他にも、子供の話を鵜呑みにされ、全て保育園の対応が悪いと言われることがあります。
保護者と接する時間は短く信頼構築に時間がかかるため、トラブルに発展しやすいと言えます。
人間関係を良くするために気をつけたいこと
給与や職場環境に納得して就職したのであれば、人間関係に悩まず長く働き続けたいものです。
良好な人間関係のまま長く働けば、協力してくれる仲間が増え、仕事が円滑に回せるようになるでしょう。
本章では「人間関係を良くするために気をつけること」について紹介しているので、ぜひ人間関係構築の参考にしてください。
仕事と思って割り切る
保育士の仕事は預かった子供の保育であり、良い人間関係は仕事を上手く回すための要素の一つです。
保育の仕事のためにどうするかを考えると、仕事を進めるために苦手な同僚に話かける勇気が湧いてきます。
さらに、誰にでも同じ態度で接し続けていけば、共感した同僚が味方になってくれることもあるでしょう。
人間関係にこだわりすぎず、目の前の子供たちのために仕事に取り組んでみてください。
自分の意見をいつも通そうとしない
保育への想いが強ければ強いほど、自分がやりたい保育をしたいと意見を押し通してしまいがちです。
意見を何度も押し通そうとする人は周りから対応が面倒だと思われてしまい、良い人間関係を築くことが困難になります。
そのため、自分のやりたい保育と違っても一旦口を閉じて相手の話を聞いてみると良いでしょう。
疑問があれば質問するなど、密なコミュニケーションを心がければ人間関係は改善しやすくなります。
趣味や仕事以外の楽しみを見つけて
人間関係は悩むだけでは解決しないため、趣味などで気分転換をすることも大事です。
保育士の仕事は体力勝負のため、マラソンやボルダリングなど運動を取り入れた趣味などがおすすめです。
月4回でも余暇で運動した人は、運動しない人と比べて抑うつのリスクが少ないというデータもあります。
また、運動以外であれば、ピアノ教室や裁縫に取り組むと保育の仕事にも役立つでしょう。
体や気持ちがリフレッシュできれば、余裕がうまれ円滑な人間関係が築けます。
参考:(公財)明治安田厚生事業団体力医学研究所|なぜ今メンタルヘルスと運動なのか
【まとめ】良い人間関係をうまく築いていこう
保育園はさまざまな人間関係に悩みやすい環境だと言えます。
しかし、人間関係が悪化する原因を理解して心構えと対策をすれば、悩みや不安は減らすことが可能です。
保育方針の違いや派閥争いは仕事と割り切り、自分の意見を押し通さず乗り切りましょう。
良好な人間関係が構築できれば、業務量や保護者トラブルについて施設長や周りの職員に相談しやすくなります。
また、仕事以外の楽しみを見つけ、ストレスを上手に軽減することもオススメです。
人間関係に悩みすぎず、前向きに保育の仕事に取り組んでいきましょう。
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