「保育士の勤務時間はどれくらいなんだろう?」「保育士に休日出勤や残業はあるのかな?」
上記のような、保育士の勤務時間に関する疑問をお持ちではないでしょうか?
期待を持って保育士の世界に飛び込む前に、重要な勤務時間や残業の有無を把握しておきたいですよね。
保育施設ではシフト制を導入し、早番・中番・遅番など勤務体制を整えている園が多いです。
本記事では、保育士の勤務時間やタイムスケジュールなどの勤務体制を詳しくご紹介しますので、保育士を目指している方はぜひ最後までご覧ください。
- 保育士の勤務パターンは固定時間勤務・シフト制・短時間勤務など様々ある
- 基本的なシフトは早番・中番・遅番の3パターン
- 1日の勤務時間は8時間と定められている
- 残業時間の平均は4時間で、書類作成や保育準備が多い
保育士の勤務パターンは様々!
- 固定時間勤務
- シフト制(早番・中番・遅番など)
- 短時間勤務
- 朝夕勤務
- 夜間〜早朝勤務
保育士の勤務パターンはひとつだけではなく、様々なものがあります。
基本的に、固定時間勤務制やシフト制を取り入れている園が多いです。
シフトは早番・中番・遅番の3パターンが一般的で、保育士が交代で勤務します。
なかには早朝番や中遅番などの4交代や5交代を取り入れる園もあるので、気になる勤務先がシフト制の場合は、何交代制なのか確認しておくとよいでしょう。
シフト制以外にも、1日の勤務時間が6時間未満の短時間勤務や、朝勤めて一度帰宅し、夕方再度勤務する朝夕勤務などの勤務体制もあります。
また、保護者の就労のため夜間に子どもを預かる夜間保育園などでは、夜間保育士が夜間から早朝まで保育に対応します。
園での勤務体制はそれぞれ違うので、自分が保育士として働く場合、どの体制が自分に合っているのかを検討してみてください。
保育士の勤務時間は?
保育士の1日あたりの勤務時間は、休憩時間を含めて8時間〜9時間です。
労働基準法では、1日8時間以上の労働は原則として認められていません。
労働時間が6時間を超える場合には、45分の休憩をとります。
また、園によって開園時間が異なるため、勤務時間は多少前後するかもしれません。
ここからは、平日と休日とでは勤務時間が違う場合もあるので、くわしく解説していきます。
保育士の平日の勤務時間
朝7時〜夜19時までのうち8時間
保育園の開園時間は、朝7時から夜の19時までの場所が多いです。
正規職員の場合、固定時間勤務だと8時〜17時、シフト制だと7時〜16時・8時〜17時・9時〜18時のように8時間勤務を行います。
行事シーズンの前や年度末などの書類が溜まっている忙しい時期は、残業しなければいけないことも多く、勤務時間が30分〜1時間程度加わるケースも少なくありません。
短時間勤務は9時〜15時の6時間、朝夕勤務は7時〜9時・17時〜19時のようにそれぞれ勤務時間は異なります。
保育士の休日の勤務時間
朝7時〜夜19時までのうち3〜8時間
保育施設のなかには、土曜日の開園時間が17:00〜18:00などと平日より短い園もあるため、勤務時間も平日より短いケースが多いです。
シフト制を実施している園では、早番と中番の保育者の勤務は午前中で退勤し、遅番の保育者のみで閉園まで勤務にあたることもあります。
保育者の数が少なくても保育が回るのは、土曜日は平日に比べ子どもの数が少ないためです。
土曜日出勤の頻度は園によって異なりますが、A班・B班・C班のように班ごとに順番に回していく園が多く、その場合の出勤回数は月に1〜2回程度になります。
シフト制の保育士の勤務時間【タイムスケジュール】
保育士のシフト制に多い、早番・中番・遅番それぞれのタイムスケジュールをご紹介します。
シフト制の場合、勤務時間だけでなく業務内容も異なるので、大まかな勤務時間や勤務内容を把握しておきましょう。
出勤時間や退勤時間が異なることで、初めは生活リズムを整えるのに苦労するかもしれません。
ですが、何ヶ月かシフト勤務を続けていくと自然と体も慣れていくので安心してくださいね。
早番の勤務スケジュール
早番は、園が開園する7:00〜8:00ごろから勤務を開始します。
子どもの受け入れだけでなく、中番や遅番にはない園の開園準備も早番の業務内容です。
園内の空気の入れ替えや簡単な掃除、園庭の点検などを行い、子どもが1日快適に過ごせる環境を整えます。
早起きして出勤するのは大変ですが、退勤時間が16:00前後と早いため、夕方以降の時間を自分の趣味や習い事にあてられるのがメリットです。
7:00:出勤・開園準備(ドアや門の解錠・空気の換気・室内、園庭の点検・掃除など)・子どもの受け入れ
7:00〜8:00:早朝保育・中番保育士との引き継ぎ
8:00〜11:00:午前保育(朝の会・室内遊び・外遊び・散歩など)
11:00〜12:00:休憩・会議・事務作業(おたより帳・日誌など)
13:00〜15:00:午後保育(おやつ配膳・片付け・帰りの会・外遊びなど)
16:00:中番保育士と引き継ぎ・退勤
中番の勤務スケジュール
中番は8:00〜17:00を勤務時間としている園が多いです。
8:00〜9:00は登園時間のピークのため、短時間のなかで子ども一人ひとりの視診や保護者との迅速な対応が求められます。
中番は、早番・遅番のように担当クラス以外の子どもと関わることはなく、自分の担当クラスの保育が主な業務です。
遅番保育士と保育を交代する際は、体調不良や怪我をした子どもなどの引き継ぎを必ず行います。
8:00:出勤・保育準備(環境設定など)・早番保育士との引き継ぎ・おたより帳確認
9:00〜12:00:午前保育(朝の会・室内遊び・外遊び・散歩・給食配膳など)
12:00〜13:00:休憩・会議・事務作業(おたより帳・日誌など)
14:00〜16:00:午後保育(おやつ配膳・片付け・帰りの会・外遊びなど)
17:00:遅番保育士との引き継ぎ・退勤
遅番の勤務スケジュール
遅番は、中番が退勤する17:00前後から閉園までの保育を担当します。
最後に降園する子どもを保護者に引き渡すまで、気を引き締めて業務にあたります。
担当クラス外の子どもに体調の変化やトラブルがあった際は、翌日に担任への報告も忘れないようにしましょう。
閉園時に窓やドアの施錠、電気の消し忘れの確認などの戸締まりを行うのも遅番保育士の業務です。
遅番は、早番とは反対に午前中に時間ができるので、家の用事を済ませたりカフェでモーニングを楽しむこともできますよ。
10:00:出勤・おたより帳確認
10:00〜13:00:午前保育(朝の会・室内遊び・外遊び・散歩・給食配膳など)
13:00〜14:00:休憩・会議・事務作業(おたより帳・日誌など)
14:00〜17:00:保育午後保育(おやつ配膳・片付け・帰りの会・外遊びなど)
17:00〜19:00:中番保育士との引き継ぎ・延長保育・子どもの引き渡し・園の戸締まり(窓や鍵の施錠・電気やガスの消し忘れ確認など)・退勤
短時間勤務の保育士の勤務時間
短時間勤務の保育士の勤務時間は、6時間未満です。
厚生労働省では、短時間保育士を「1日6時間未満又は月20日未満勤務する者」と指定しています。
短時間勤務は、非正規雇用のパート保育士や育休中の保育士に多く、9時〜15時までの6時間勤務する人もいれば3〜4時間勤務の人もいます。
短時間勤務の場合1人担任になる可能性は低く、複数担任のクラスをもつかフリーでクラスを回るフリー保育士として勤務するケースが一般的です。
短時間勤務の保育士の勤務時間
朝7時〜夜19時のうち6時間未満
朝夕出勤・夜間〜早朝勤務の保育士の勤務時間
保育時間は8時〜17時が一般的ですが、朝の7時から夜の19時まで開園している園では朝夕出勤専門の保育士、夜間に子どもを預かる夜間保育園では、夜間〜早朝にかけて勤務する保育士が活躍しています。
それぞれの勤務時間を詳しくご紹介していくので、早朝や夜間保育に興味のある方はぜひ参考にしてください。
朝夕出勤の勤務時間
朝夕出勤は、1日に朝夕2回出勤するのが特徴の勤務スタイルです。
はじめに、開園の朝7:00前に出勤し、1〜2時間勤務します。
その後1度帰宅し、夕方16:00ごろ再度出勤し閉園まで勤務を行います。
保育施設によっては、ドアや門の施錠をしたり鍵の管理を任されたりする責任あるポジションです。
日中は長い空き時間ができ、買い物や家事を済ませたり、趣味の時間を楽しめます。
しかし、1日に2回出勤しなければならないので、仕事とプライベートの切り替えができるようにしましょう。
朝夕出勤の勤務時間
朝7:00〜9:00・夕方16:00〜19:00
夜間〜早朝勤務の勤務時間
24時間開園している夜間保育施設では、シフトを組んでいる場所が多いです。
例えば、16:00〜24:00・22:00〜6:00・24:00〜8:00のようなシフトがあります。
夜間保育は夕食の援助や入浴、寝かしつけなど、日中の保育とは違い育児の要素も加わるのが大きな特徴です。
夜間シフトで働いていると、睡眠時間が一定せず生活リズムが乱れやすくなりますが、勤務中は夜間保育士と交代で休憩をし簡易的な仮眠もとれます。
保育士の業務は、子どもの世話だけでなく命を守る仕事ですので、夜間の保育業務は日中の保育業務以上に気を引き締めて行いましょう。
夜間〜早朝勤務の勤務時間
24時間保育の場合、8時間
保育士の平均残業時間は?
厚生労働省の調査によると、2019年度の保育士の平均残業時間は4時間でした。
残業量は園によって違うので、なかには残業時間が0の園もあれば、平均の倍の8時間を超える場所もあります。
また、残業した際は時間外労働の報告が義務付けられていますが、残業時間が曖昧で報告が疎かになる、残業を認めてもらえるか不安で申告しない保育者が多いのも事実です。
保育中や午睡中に、保育者同士が交代で事務作業を行うなどして残業を減らすのが1番ですが、やむを得ず残業を行なった場合はしっかりと報告する、残業を報告しやすい環境を上司が作るなどの改善が現在も求められています。
保育士の残業で多い業務
保育士の残業で多い業務は、書類作成や制作準備、保護者対応などです。
保育士は、子どもの保育以外にもやらなければならないことが山ほどあります。
日誌の記入や明日予定している制作の準備、トラブルに巻き込まれた子どもの保護者対応など、その日に残って済ませなければならないものが多く、必然的に残業しなければなりません。
また、運動会や発表会などのイベント前は飾り物や衣装作り、打ち合わせなどで忙しく、残業が続くことも多いです。
保育の年間計画をきちんと年度始まりに作成する、毎日の業務タスクと優先度を立てて効率よく進めるなどが、残業を減らすコツなので実践してみてください。
- 保育日誌の記入
- おたより作成
- 書類作成(児童票・保育要録など)
- 制作準備
- 行事前の準備
- 保護者対応
まとめ
保育士の勤務時間や勤務体制、残業の有無などを詳しくご紹介しました。
保育士の勤務体制は何種類かありますが、早番・中番・遅番からなるシフト制を取り入れている園が多いです。
シフト制の場合、「明日何番か忘れてしまった」「中番だと思っていたら早番だった」などシフトが頭の中でごちゃごちゃになり、最悪の場合勤務時間を間違えてしまう恐れもあります。
退勤前に明日のシフトを確認する、シフト表を毎日持ち歩くなどして、間違えないようにしましょう。
他にも短時間保育や朝夕保育など、保育士にはいくつもの勤務体制があります。
保育施設に就職・転職する際は、自分の生活スタイルやニーズに合った勤務体制が整っているか確認してみてくださいね。
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