「11月の月案は何を書けば良いんだろう?」
「3歳児ならでは月案が思いつかない…」
月案作成って結構大変ですよね。
そこで今回は、元園長監修のもと
実用的な「3歳児・11月の月案例文」をお届けします。
月案作成の負担を減らせるよう工夫してまとめておりますので、ぜひ参考にしてみてください。
最初に月案作成のポイントをご紹介します。
ただ、いち早く例文をご確認したいという方は「こちらのリンク」を押してください。
アキ 元園長
これまで計18年近く保育士として勤務。うち6年は認可保育園にて園長を勤めました。 園長として、数多くの月案・週案をチェックしてきた経験を活かして、 保育士さんが効率よく質が高い月案・週案を仕上げられるようサポートいたします!
元園長が教える月案・週案の重要ポイント
大前提、月案を作る上でどんなことが重要なのか?
実際に保育士さんたちの数々の月案をチェックしてきた元園長先生に、重要ポイントを伺いました。
- 年間カリキュラムに基づく計画を立てる
- まずは「前月の子どもの姿」から考え始める
- 「今月のねらい」と「具体的な内容」は連動して考える
この3つが、年齢・時期関わりなく月案を作成する上で意識してほしい点です。
要するに、「保育園での活動を通して、子どもたちにどんな姿になってもらいたいのか」を考えると良いということですね。
逆によくあるダメなパターンは、ねらいと内容が連動していないものです。
いったい何のための月案なのか考えられていないと、作り直しとなってしまいます。
3歳児・11月の月案のポイント
次に、「3歳児・11月」ならではの月案のポイントを紹介します。
- 気温の低下と共に増える感染症の予防について、子ども達ができることを考える。
- 自分でできたという満足感が味わえるような活動を考える。
- 発表会に向けて、子ども達の表現を形作りしていく導き・関わりをする。
- 戸外で伸び伸びと体を動かして遊んだり、深まる秋の自然に触れる機会を作る。
友だちとの遊びがますます楽しくなっていく時期です。友だちを見て刺激を受けながら、言葉も心も一段と成長していきます。
ごっこ遊びの延長から劇遊びへと繋いでみるなど、発表会に向け、楽しく自然な流れで準備を進めていきたいですね。
それではここから、具体的な月案の例文をまとめていきます。
《 STEP1》 前月の子どもの姿を思い出す
- 身の回りのことをやりやすいように、自分なりに工夫する姿があった。
- 友だちと一緒にごっこ遊びをしながらやり取りを楽しんでいる。
- 運動会を通してできるようになったことに達成感や自信を持ち、運動会後もしばらく楽しく取り組んでいた。
- 戸外で自然に興味を持ち、積極的に触れて遊ぶ姿があった。
《 STEP2》 今月のねらいを決める
養護のねらい
教育(5領域に対応)のねらい
- 自らトイレに行き排泄する
- 衣服の正しい着方・畳み方をしようとする
- 友だちと気持ちを伝え合い、やり取りを楽しむ
- 絵本や物語を聞いてイメージを膨らませ、表現することを楽しむ
- 秋の自然物に触れ、製作やごっこ遊びを楽しむ
養護のねらい①の具体的な月案
ねらい
衣服の調節を行い、薄着で健康に過ごす
養護・内容
- 気温の変化に留意しながら、衣服の調節を行い、快適に過ごす(生命の保持)
- なるべく薄着になり、活動しやすい格好で元気に過ごす。(生命の保持)
養護・予想される子どもの姿
- 寒さ・暑さを感じて自分で衣服を調節しようとする。
- 適した衣服の選び方が分からなかったり、寒さからつい厚着になってしまうことがある。
養護・環境構成/保育者の配慮
- 衣服を選びやすいように、着替えのストックの整理整頓をする。
- 自分で考えて着替えができたことをほめ、次へのやる気へと繋げていく。
- 気温・室温・湿度に気を配る。
>>ねらいを書き終えて行事や遊び、
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養護のねらい②の具体的な月案
ねらい
保育者に見守られながら安心して生活する
養護・内容
- 保育者に優しく受け止めてもらいながら、安心感の中で自信を持って過ごす。(情緒の安定)
養護・予想される子どもの姿
- 自分の思いをすぐに訴える子どもと、なかなか訴えられない子どもがいる。
養護・環境構成/保育者の配慮
- 子どもの高さに目線を合わせ、温かい言葉かけをしながら、安心して話しかけられるような雰囲気づくりをする。
- なかなか訴えられない子どもには、一対一でゆったりと関わる時間を大切にし、表情や仕草から気持ちを汲み取り安心感を与えていく。
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教育のねらい①の具体的な月案
ねらい
自らトイレに行き排泄する
教育・内容
- それぞれのタイミングで尿意・便意を感じたら、自らトイレへ行き排泄する。(健康)
教育・予想される子どもの姿
- 保育士の声かけが無くても、尿意・便意に合わせて自らトイレに行く。
- 遊びに夢中になり、トイレに間に合わなかったり、行き渋りをし我慢してしまう。
教育・環境構成/保育者の配慮
- 活動中の子どものトイレにもしっかり目配りができるよう、保育者の配置を考えておく。
- 遊びを中断したくない気持ちをしっかり受け止めながら、トイレに行ってみようという気持ちになれるような声かけを優しく行い、トイレ後のスッキリした心地よさを知らせていく。
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教育のねらい②の具体的な月案
ねらい
衣服の正しい着方・畳み方をしようとする
教育・内容
- 衣服の着脱を自分で行いながら、ボタン・チャックの正しい留め方を覚える。(健康・環境)
- 衣服の畳み方を知り、やってみようとする。(健康・環境)
教育・予想される子どもの姿
- 衣服のボタンやチャックに興味を持ち、まだ慣れずに時間はかかるが最後までやろうとする。
- 衣服の畳み方を保育者に教わりながら行う。
教育・環境構成/保育者の配慮
- 自分でやろうとする姿勢を十分認めながら、温かい気持ちで見守る。
- 脱いだ服は畳んでからしまうよう伝え、一緒に畳み方を確認していく。
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教育のねらい③の具体的な月案
ねらい
友だちと気持ちを伝え合い、やり取りを楽しむ
教育・内容
- 自分の気持ちを友だちに伝え、友だちの話しも聞き、思いを知る。(人間関係・言葉)
- 遊びのやりとりの中で、様々な言葉を覚え語彙が広がる。(人間関係・言葉・表現)
教育・予想される子どもの姿
- 自分の主張をするばかりではなく、友だちの思いも知りながら一緒に遊ぶ。
- 初めて聞く言葉や友だち・保育者が発する言葉に興味を持ち、真似して話す。
教育・環境構成/保育者の配慮
- 思いを伝え合う姿を尊重し、見守りながら、必要に応じてさり気なく仲立ちとなる。
- 遊びの中で、保育者も子どもと一緒に言葉のやり取りを楽しむ。
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教育のねらい④の具体的な月案
ねらい
絵本や物語を聞いてイメージを膨らませ、表現することを楽しむ
教育・内容
- 物語の中の役柄になりきり、共通のイメージの中で友だちと遊ぶことを楽しむ。(言葉・表現)
教育・予想される子どもの姿
- 絵本や物語に親しみ、友だちと一緒に登場人物の真似をしたり、なりきって楽しく遊ぶ。
教育・環境構成/保育者の配慮
- 子どもの興味に合わせた内容の絵本や物語を選び、繰り返し読み親しみが持てるようにする。
- 声に抑揚をつけたり、間をあけたり、囁いたり、物語の場面に合わせて読み方を工夫する。
- 子どもなりのなりきりの姿や表現を肯定的に受け入れ、表現することに自信が持てるような関わりをする。
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教育のねらい⑤の具体的な月案
ねらい
秋の自然物に触れ、製作やごっこ遊びを楽しむ
教育・内容
- 秋の自然に触れながら、季節の移り変わりを感じる。(環境)
- 自然物を自ら遊びに取り入れて楽しむ。(環境・表現)
教育・予想される子どもの姿
- 発見したこと・物を嬉しそうに保育者に伝える。
- 自然物を遊びの中に取り入れ、製作やおままごとなどを楽しむ。
教育・環境構成/保育者の配慮
- 紅葉の色の変化や冷たい風など、深まる秋を感じられる経験を一緒に味わい、子どもの気づき一つ一つに丁寧に共感する。
- 製作やおままごとに使う材料を十分に用意しておく。
- 工作の道具を使う際は、安全な使い方を知らせる時間を設け、使用中は保育者がそばについて見守る。
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行事・遊び・食育・職員との連携・家族や地域との連携・自己評価の月案例
今月の行事
- 文化の日
- 七五三
- 勤労感謝の日
- 誕生会
- 身体計測
- 避難訓練
今月の遊び
- 運動遊び
- 七五三の製作
- ごっこ遊び
- 劇遊び
- 季節の歌を歌う
- 手遊び
- 絵本・紙芝居
- お絵描き・折り紙
- 秋の自然に触れる散歩・戸外遊び
食育
- 食器・箸を正しい持ち方で持って食べる。
- 旬の食材を通して、友だちと同じ食べ物を味わう喜びを感じる。
職員との連携
- 感染症についての理解を深め、子どもの体調の変化を早急に発見し対応できるようにする。
- 子どもの表現する姿を伝え合い、ごっこ遊びや劇遊びが更に展開していく関わりや活動を考え、話し合っておく。
家庭や地域との連携
- 感染症が流行し始める時期なので、家庭でもうがい・手洗い・消毒をし、予防を心掛けてもらうようお願いする。
- 発表会に向けた練習や、子ども一人一人の様々な表現のようすを伝え、成長を喜び合う。
自己評価
- 気温が低く乾燥する日も増えたため、子どもの体調把握や、室温・湿度の調整、換気、衣服の調節を行い、快適で健康に過ごせるよう配慮した。翌月も継続したい。
- 着替えでは、ボタンに挑戦したり、衣服を畳んだりを、自分でやろうとする姿に成長が見られる。これからも子どもの意欲を伸ばしていける関わりをしていきたい。
- 遊びに夢中でトイレの行き渋りや忘れてしまった時、優しく根気よく声掛けし関わることによって、徐々に自ら行けるようになってきた。
- ごっこ遊びや劇遊びで、登場人物になりきって思い切り表現することによって、言葉の語彙力も広がり、表現が認めてもらえた経験から自信がついたようだった。
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