最初に月案作成のポイントをご紹介します。
ただ、いち早く例文をご確認したいという方は「こちらのリンク」を押してください。
目次
元園長が教える月案・週案の重要ポイント
大前提、月案を作る上でどんなことが重要なのか?
実際に保育士さんたちの数々の月案をチェックしてきた元園長先生に、重要ポイントを伺いました。
意識してほしいポイント
- 年間カリキュラムに基づく計画を立てる
- まずは「前月の子どもの姿」から考え始める
- 「今月のねらい」と「具体的な内容」は連動して考える
この3つが、年齢・時期関わりなく月案を作成する上で意識してほしい点です。
要するに、「保育園での活動を通して、子どもたちにどんな姿になってもらいたいのか」を考えると良いということですね。
逆によくあるダメなパターンは、ねらいと内容が連動していないものです。
いったい何のための月案なのか考えられていないと、作り直しとなってしまいます。
0歳児・中月齢・11月の月案のポイント
次に、「0歳児・中月齢・11月」ならではの月案のポイントを紹介します。
0歳児・中月齢・11月の月案を考える上でのポイント
- 日に日に寒くなってくる時期を、健やかに過ごすための配慮を考える。
- 歩行ができるようになるなど、動きがますます活発になってくるため、安全な環境の設定について考える。
- 保育者や他児と関わることの楽しさを味わう体験を、積み重ねていけるような関わり方を考える。
- 天気や体調に留意しながら、戸外で秋の自然と触れ合う機会を積極的に取り入れる。
秋が一層深まり、気温がグンと低くなる11月、引き続き体調管理に留意した配慮を行いましょう。
また、保育者とのやり取りを基盤に、他児への興味も少しづつ芽生えてくる時期です。保育者が上手く仲立ちとなり、関わることの楽しさを伝えていけると良いですね。
それではここから、具体的な月案の例文をまとめていきます。
《 STEP1》 前月の子どもの姿を思い出す
- 気温の変化が大きくなってきたが、大きく体調を崩すことなく元気に過ごしている。
- ひとり立ちの状態から歩行ができるようになった。
- 他児に興味を示し、目で追ったり近づいてみたりする姿があった。
- 散歩を喜び、秋の心地よい風を感じて景色を眺めながら、カートでの散歩を楽しんでいた。
《 STEP2》 今月のねらいを決める
養護のねらい
教育(5領域に対応)のねらい
養護のねらい①の具体的な月案
ねらい
寒くなってくる時期を、健康で快適に過ごす
養護・内容
- 体調や室温などに留意してもらいながら、なるべく薄着になり元気に過ごす。
(養護の場合…生命の保持)
(3つの視点の場合…健やかに伸び伸びと育つ)
養護・予想される子どもの姿
- 朝の登園時は気温が低いため、厚着をしてくる。
- 薄着になると活動がしやすくなり、元気に過ごす。
養護・環境構成/保育者の配慮
- 登園時の子どもの様子をよく確認し、必要に応じて薄着に着替えたり、検温を行ったりする。
- 暖房・空調は外気温との差を考慮して快適に過ごせる温度に設定し、乾燥を防ぐため湿度の調節や換気も忘れずにする。
>>ねらいを書き終えて行事や遊び、
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養護のねらい②の具体的な月案
ねらい
保育者に見守られている安心感の中、歩行での移動を楽しむ
養護・内容
- 一人で立ち上がった状態から歩行をし始め、自由に移動できることに喜びを感じる。
(養護の場合…生命の保持)
(3つの視点の場合…健やかに伸び伸びと育つ) - 安心できる保育者のもとで、探索活動を思い切り楽しむ。
(養護の場合…情緒の安定)
(3つの視点の場合…健やかに伸び伸びと育つ)
養護・予想される子どもの姿
- 時々バランスを崩しながらも、靴を履くことに徐々に慣れていき、歩行の経験を重ねることによってだんだんと安定してくる。
- 保育者に見守られている安心感の中で、戸外での歩行を伸び伸びと楽しむ。
養護・環境構成/保育者の配慮
- 自由にたくさん歩行が楽しめるよう、広々とした場所を選び、周囲に危険なものがないか都度確認する。
- ソールが硬すぎず、サイズが合った、歩行しやすい靴を家庭から用意してきてもらうよう、保護者に伝える。
- 優しい言葉がけをしながらそばで見守り、安心感が持続するようにする。
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教育のねらい①の具体的な月案
ねらい
保育者や他児の姿に興味を持ち、関わることを楽しむ
教育・内容
- 保育者とのやり取りや触れ合い遊びを楽しみながら、盛んに喃語を話す。
(5領域の場合…人間関係・言葉)
(3つの視点の場合…身近な人と気持ちが通じ合う) - 他児との関わりを通して、一緒にいることの楽しさを知る。
(5領域の場合…人間関係)
(3つの視点の場合…身近な人と気持ちが通じ合う)
教育・予想される子どもの姿
- 保育者の後追いをしたり、抱っこを求めたり、笑顔で喃語を話してきたりする。
- 近くにいる他児のことを目で追ったり、近づいてみたりする。
教育・環境構成/保育者の配慮
- 子どもが自ら関わりを求めてくる姿勢を受け入れ、抱っこや触れ合い遊びなど、スキンシップの時間を大切にする。
- 手が出てしまうことを未然に防ぐため、子ども同士の距離感が近くなりすぎないよう、仲立ちしながら優しく見守る。
>>ねらいを書き終えて行事や遊び、
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教育のねらい②の具体的な月案
ねらい
秋の自然に興味を持ち、自ら関わって遊ぶ
教育・内容
- 秋の自然に自ら触れ、感触を楽しみながら遊ぶ。
(5領域の場合…環境・表現・健康)
(3つの視点の場合…身近なものと関わり感性が育つ)
教育・予想される子どもの姿
- 散歩中に見つけた景色・自然のものを、指差しや声を出して保育者に伝えようとする。
- 歩行で移動しながら、様々な自然物に触れて遊ぶ。
教育・環境構成/保育者の配慮
- 戸外では、手をつないだり近くで見守りをし、歩行での転倒やけがに注意する。
- 見つけたものを教えようとしている時は、その場で一度立ち止まり、見つけた喜びや触れてみた感触を丁寧に言葉にして伝え、共感する。
行事・遊び・食育・職員との連携・家族や地域との連携・自己評価の月案例
今月の行事※全体クラス向けの月案記事と一緒
- 文化の日
- 勤労感謝の日
- 保育参観
- 身体計測
- 誕生会
- 避難訓練
今月の遊び
- 戸外遊び・散歩
- 秋の自然に触れる遊び
- 手遊び・触れ合い遊び
- 秋の歌を歌う・聴く
- リズム遊び
食育
- 食器や食具を持ちたがり、自分で食べたいという意欲が増す。
- 保育者と一緒に食前・食後の挨拶をする。
職員との連携※全体クラス向けの月案記事と一緒
- 寒くなると増えてくる感染症について理解し、子ども一人一人の体調の変化を見逃さず、対応を共有する。
- 個々の発達状況をこまめに確認し合い、それぞれに合った過ごし方を保育者間で考えていく。
- 動きが活発になってきて行動範囲も広がるので、保育者の配置や安全点検について話し合っておく。
家庭や地域との連携※全体クラス向けの月案記事と一緒
- 薄着で過ごすことにより体が適応していくことを伝え、調節のしやすい衣服を用意してもらうようお願いする。
- 子どもの体調を日々伝え合いながら、流行している感染症についてお知らせしたり、園での状況を共有する。
自己評価
- これからますます寒くなっていくので、来月も気温差などに十分留意しながら健康に過ごせるよう努めていきたい。
- 室内・戸外を安全な環境に整え、広々とした場所を確保したため、歩行を思い切り楽しむ姿をたくさん見ることができ、子ども自身も満足げな様子だった。
- 他児との関わりでは、笑顔・見守り・優しい語りかけを心掛け、安心してやり取りを楽しめる雰囲気づくりをした。
- 戸外では様々な自然物に触れ、手に感じる様々な感覚を楽しんでいた。これからも感覚の発達を促す遊びを積極的に取り入れていきたい。
■0歳児(低月齢)11月の月案
■0歳児(高月齢)11月の月案
元園長監修【0歳児・高月齢・11月】月案/週案の文例(ねらい・子どもの姿・養護・教育・ふりかえりの書...
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