1歳児クラスの3月は、1年間の成長を振り返り、進級に向けたまとめの時期です。
個人案では、子ども一人ひとりの育ちや関わりを整理し、次年度につながる視点で記載することが求められます。
しかし、月齢差や個人差が大きく、どのようにまとめればよいか悩む方も多いのではないでしょうか。
本記事では、「1歳児 個人案 3月」をテーマに、子どもの姿やねらい、自己評価のポイントを分かりやすく解説します。
- 個人案では一年間で育った心身の成長を振り返る
- 子どもが安心して思いを表現できる関係性や環境を想定したねらいが◎
- 子どもの気持ちに寄り添った関わりができていたか評価する
【元保育士】ゆぴライター3月の個人案は「できなかったこと」よりも、この1年で積み重ねてきた成長や変化に目を向けることが大切。月齢や個人差を前提に、一人ひとりの姿を丁寧に振り返ることで、次年度につながる前向きな記録になりますよ。


ゆぴ先生 元保育士ライター
保育士歴9年。ピアノが得意で、子どもと一緒に歌をうたうことが好きでした。現在は、専業主婦兼Webライターとして活動中です。保育士や保育士を目指す方の、力になれるような記事を執筆しています。
【1歳児】3月の個人案の作成ポイント
【先輩保育士からのアドバイス】
チェックしておこう!
- 一年間で育った心身の成長を振り返る
- 「自分でやりたい」気持ちの育ちを捉える
- 情緒の安定と人との関わりの深まりを意識する
- 進級を見据えつつ、無理のない計画を立てる
1歳児の3月は、歩くことや言葉でのやり取り、自分の思いを伝えようとする姿など、心身の成長がはっきりと見られる時期です。
個人案を考える際には、目に見える成果だけでなく、この一年で積み重ねてきた経験や変化を丁寧に振り返ることが大切になります。
「自分でやりたい」という意欲が高まる中で、挑戦しようとする姿や思いを表現する場面が増えていたかを確認してみましょう。
あわせて、保育者や友だちとの関わりの中で、落ち着いた気持ちで過ごせていたかも大切な視点です。
年度末は新たな活動を増やすより、慣れ親しんだ生活や遊びを大切にし、安心して進級につなげられる内容を意識してみてください。



成長の早い1歳児。過去の日案や個人案を見返し振り返りながら作成してみてください。
【1歳児・3月の個人案】子どもの姿
【低月齢】2歳0ヵ月~2歳5ヵ月
- 生活の中で、自分でやってみようと行動に移す様子が増えている
- 言葉やしぐさを使いながら、思いを伝えようとする姿が見られる
- 身近な大人とのやりとりの中で、落ち着いて過ごす様子がうかがえる
2歳0ヵ月~2歳5ヵ月頃の子どもは、体や心の発達がぐんと進み、「自分でやってみたい」という思いが行動として表れやすくなる時期。
着替えや片付けなど身近なことに進んで取り組もうとする姿が増える一方、思うようにいかず大人に助けを求める場面も見られます。
言葉の面では、単語や簡単な言い回しを使って気持ちや要求を伝えようとする姿が目立つでしょう。
情緒面では、信頼できる保育者を心の支えにしながら、落ち着いて園生活を送り、安心感のある関係の中で意欲的に活動する姿が育ってきている様子がうかがえます。



「ブーブ いた!」「まんま たべる!」といった二語文で自分の意思を伝えようとします。
【高月齢】2歳6ヵ月~2歳11ヵ月
- 自分の気持ちやしてほしいことを、言葉で表そうとする場面が多くなる
- 生活の流れを理解しながら、自分なりに考えて行動しようとする
- 友だちと関わる中で、やりとりの楽しさや気持ちの通い合いを味わっている
2歳6ヵ月~2歳11ヵ月頃になると、言葉の力が伸び、自分の思いや考えを言葉で伝えようとする場面が増えてきます。
身支度や片付けといった生活の中でも、流れを理解しながら、自分なりに工夫して取り組もうとする姿が見られるでしょう。
また、友だちへの関心が高まり、一緒に遊ぶ喜びを感じる一方で、気持ちの食い違いから衝突する場面も出てきます。
そうした関わりを重ねる中で、思いの伝え方や相手との距離の取り方を少しずつ身につけていく時期です。
保育者や友だちとの日々のやりとりを通して、社会性の土台が育まれていく様子がうかがえます。



靴や靴下を履く、手を洗うなどの身支度を進んで行おうとします。
1歳児共通の子どもの姿
- 「やってみたい」という思いが高まり、生活や遊びに前向きに取り組む様子が見られる
- 言葉だけでなく、表情や動作も交えながら気持ちを伝えようとする
- 身近な大人や友だちとの関わりの中で、落ち着いて過ごす姿がうかがえる
1歳児の3月は、園での一年間の積み重ねを通して、心と体の両面に大きな育ちが感じられる時期。
日常生活では、着替えや片付けに自ら取り組もうとする姿が増え、「できた」という達成感を味わう様子が見られるでしょう。
言葉の面でも、使える言葉が増え、簡単なやりとりを楽しみながら気持ちを伝えようとする姿が育ってきています。
さらに、友だちへの関心が高まり、同じ場で遊んだり関わろうとしたりする姿も目立つように。
落ち着いた環境の中で、それぞれの個性を発揮しながら、次の成長へと歩み出そうとする姿が感じられる時期といえるでしょう。



1人遊びから並行遊びへと移り始める時期。パズルや積み木などを同じ空間で楽しむようになります。
【1歳児・3月の個人案】ねらい
【低月齢】2歳0ヵ月~2歳5ヵ月
- 身の回りのことに主体的に関わり、達成感や満足感を味わえるようにする
- 言葉や行動を通して、自分の思いや気持ちを表そうとする力を育む
- 安心できる人間関係の中で、生活や遊びに前向きに取り組めるようにする
2歳0ヵ月~2歳5ヵ月のねらいを考える際は、結果だけに注目するのではなく、子どもが「やってみたい」と感じて行動する姿や、その積み重ねの過程を大切にする視点が重要です。
3月は一年を通して育ってきた意欲や生活の流れが少しずつ整ってくる時期のため、新たなことを詰め込むより、これまでの経験を十分に味わい、自信へとつなげることを意識しましょう。
言葉で気持ちを伝えようとする姿が増える一方、不安定さが見られる場面もあるため、安心できる関係の中で思いを表現できるようなねらいを立てることで、次の成長段階へ無理なくつなげていくことができます。



結果よりも、その子なりに挑戦しようとする気持ちの育ちに目を向けてねらいを立てましょう。
【高月齢】2歳6ヵ月~2歳11ヵ月
- 自分の気持ちや考えを、言葉で表そうとする力を育てる
- 生活の流れを理解しながら、身の回りのことに取り組もうとする姿を大切にする
- 友だちとの関わりの中で、やりとりする楽しさを感じられるようにする
2歳6ヵ月~2歳11ヵ月頃は、言葉の力や理解がぐんと深まり、自分なりに考えながら行動しようとする姿が目立ってくる時期です。
ねらいを考える際には、到達できたことを基準にするのではなく、自ら選んだり、思いを伝えたり、人と関わろうとする姿そのものに目を向けることが大切になります。
3月は進級を意識しやすい時期ですが、集団のルールに当てはめることを目的とするより、安心できる関係の中で友だちとのやりとりを経験できるような視点を意識しましょう。
一人ひとりの育ちを大切に捉え、次の環境へ自然につながるねらいを設定していくことがポイントです。



言葉や関わりが広がる時期だからこそ、一人ひとりの思いが自然に表れるねらいを意識しましょう。
1歳児共通のねらい
- 生活の中で自ら行動し、できた喜びや満足感を感じられるようにする
- 言葉やしぐさなどを使って、自分の思いを伝えようとする力を育む
- 身近な大人や友だちとの関係の中で、落ち着いて園生活を送れるようにする
1歳児共通のねらいを考える際は、一年間の生活や遊びの積み重ねを振り返り、育ってきた姿を土台にする視点が大切です。
3月は新しい力を身につけさせることを目的にするのではなく、これまで経験してきたことに自信をもてるようなねらいを意識します。
また、「自分でやりたい」「伝えたい」という気持ちが高まる時期でもあるため、子どもが安心して思いを表現できる関係性や環境を想定した内容にすると、次の成長段階へ自然につながっていきますよ。



一年間で育ってきた意欲や自信を大切にし、次の環境へ安心して進めるねらいを意識しましょう。
【1歳児・3月の個人案】環境構成と保育者の配慮
【低月齢】2歳0ヵ月~2歳5ヵ月
- 安心して過ごせるよう、落ち着いた雰囲気と見通しのもてる環境を整える
- 子どもの「やってみたい」気持ちを尊重し、挑戦する姿を温かく見守る
- 気持ちの揺れに寄り添い、安心できる言葉掛けや関わりを心がける
2歳0ヵ月~2歳5ヵ月の子どもは、「自分でやりたい」という気持ちが強くなる一方で、思い通りにいかない場面では不安や戸惑いが表れやすい時期。
そのため、安心して過ごせる落ち着いた環境と、行動の流れが分かりやすい構成を整えることが大切です。
身の回りの物を手に取りやすく配置することで、子どもが自分から関わろうとする意欲につながります。
保育者は結果を求めすぎず、挑戦する姿や気持ちの動きを丁寧に受け止めながら関わりましょう。
3月は一年の経験を自信へとつなげる時期でもあるため、これまで積み重ねてきた関わりを大切にし、進級に向けて安心感をもって過ごせるよう意識してみてください。



帽子を自分で取れる場所に置く、手が洗いやすいように足台を用意するなど、子どもが意欲的に行動できるような環境を整えましょう。
【高月齢】2歳6ヵ月~2歳11ヵ月
- 身支度や片付けが分かりやすいよう、表示や配置を工夫する
- 友だちと関われる遊びのコーナーを用意する
- 「できた」「やれた」経験を言葉でしっかり認める
身の回りのことを自分でやろうとする気持ちが強まる時期のため、子どもが見通しをもって行動できる環境を整えましょう。
衣服や玩具は定位置を決め、写真やマークを活用して分かりやすく配置します。
遊びでは、簡単なごっこ遊びやルールのある遊びを取り入れ、友だちとの関わりを楽しめるようにしてみてください。
保育者は一人ひとりの思いを受け止めながら、必要に応じて言葉で仲立ちし、自分の気持ちを伝える経験につなげていきます。
進級への期待が持てるよう、できたことを丁寧に認め、自信につなげていくことも心がけましょう。



保育者とのかけっこや「おおかみさん」などのふれあい遊びはこの時期に取り入れてほしい活動です。
1歳児共通の環境構成と保育者の配慮
- 安心して過ごせるよう、生活や遊びの流れが分かりやすい環境を整える
- 子どもの発達に合った玩具や遊びの場を用意し、興味を引き出す
- 友だちとの関わりを大切にし、保育者が仲立ちとなる
生活の流れや遊びの内容が見通しやすいよう、環境を整えることで、子どもが安心して園生活を送れるようにします。
玩具や家具の配置は、子どもが自ら手に取りやすい工夫をし、「やってみたい」という気持ちを引き出せるようにしてみてください。
保育者は子どもの思いや要求を丁寧にくみ取り、言葉や表情で共感しながら関わると◎。
また、自分で挑戦しようとする姿を大切にし、すぐに手を出すのではなく見守る姿勢を心がけましょう。
友だちとの関わりが増える時期でもあるため、気持ちの行き違いが生じた際には、思いを代弁しながら関係づくりを支えていくことが大切です。



「〇〇ちゃんも一緒に遊びたいんだよね」「〇〇くんのおもちゃがほしいんだよね」と具体的に言葉を代弁してあげましょう。
【1歳児・3月の個人案】食育
【低月齢】2歳0ヵ月~2歳5ヵ月
- 食事の流れや雰囲気に慣れる
- 手づかみやスプーンで食べる経験を大切にする
- 食材の名前や味に親しむ
低月齢の子どもは、食事そのものに慣れていく時期であるため、落ち着いた環境の中で安心して食べられることを大切にしましょう。
手づかみやスプーンを使い、自分で食べようとする姿を温かく見守り、うまくいかない場面でも無理に手を出さず、気持ちに寄り添った援助を行います。
また、食材の名前や色、味について声をかけることで、食への興味を広げられますよ。
さらに、「いただきます」「ごちそうさま」などの簡単なあいさつに触れながら、食事の始まりと終わりを意識できるようにします。
一人ひとりの食べる量やペースを尊重し、楽しく食事ができる経験につなげてみてください。



食べるスペースと遊ぶスペースを分けるなど、落ち着いて食事ができるように環境構成を整えることが大切です。
【高月齢】2歳6ヵ月~2歳11ヵ月
- スプーンやフォークを使って食べようとする
- 食事のマナーに少しずつ触れる
- 友だちと一緒に食べる楽しさを感じる
高月齢の子どもは、「自分でやりたい」という気持ちが強まり、食事面でも意欲的に取り組む姿が見られるようになります。
スプーンやフォークを使って食べようとする姿を認め、できた喜びを感じられるよう丁寧に関わりましょう。
食材の味や食感の違いに気づけるよう声をかけ、食への関心をさらに深めることも大切です。
また、椅子に座って食べる、順番を待つなど、無理のない範囲で食事のマナーにも触れていくのがポイント。
友だちと同じ空間で食事をすることで、食べる楽しさや安心感を共有できるようにし、一人ひとりのペースを大切にしながら食事の時間を豊かな経験につなげていきましょう。



スプーンやフォークを使って食べることに興味をもつ時期。上手に使えなくても、まずは自分で食べたい意欲を大切にしましょう。
1歳児共通の食育
- 食事に安心して向かえる気持ちを育てる
- 手づかみや食具を使いながら食べる経験を重ねる
- さまざまな食材や味に親しむ
1歳児は、食べることそのものを楽しみながら、少しずつ自分で食べようとする力を育てていく時期です。
安心できる雰囲気の中で食事を行い、食べる意欲につながる経験を積み重ねるよう関わりましょう。
手づかみ食べや食具の使用を通して口に運ぶ動作や量の調整を学び、食事への自信を深めたり、さまざまな食材の色や味、食感に触れることで食への関心を広げたりしていきます。
子どもの「食べたい」「自分でやりたい」という気持ちを尊重し、無理なく食事に向き合えるよう、一人ひとりの発達やペースに合わせた関わりを意識してみてください。



保育者間で子どもの姿や変化を共有しながら、適した援助を行いましょう。
【1歳児・3月の個人案】作成する際の注意点
1歳児の3月の個人案を作成する際は、以下の点に注意しましょう。
ポイントを意識するだけで、子どもの姿をより正確に捉えた内容になりますよ。
注意点を確認しておこう!
- 年度末であることを意識する
- 月齢差・個人差を丁寧に捉える
- 成功体験を中心に記載する
- 生活面の安定を重視する
年度末であることを踏まえ、1年間の育ちや経験の積み重ねを丁寧に振り返りながら、発達の幅が大きい時期だからこそ月齢差や個人差を意識して一人ひとりの姿を捉えることが大切です。
また、できるようになったことや意欲的に取り組む姿など成功体験を中心に記載することで子どもの自信につながり、食事や排泄、身支度といった生活面の安定を次年度への準備として位置付けた個人案を作成できますよ。
【1歳児・3月の個人案】自己評価・反省の例文
1歳児クラスの3月は、この一年で積み重ねてきた成長を振り返り、次のステップへつなげていく大切な時期。
自己評価・反省では、日々の子どもの姿や保育者の関わりを丁寧に見直すことで、これまでの実践や今後の課題が整理しやすくなります。
最後に、低月齢・高月齢・共通の視点に分けて、1歳児・3月の個人案作成に役立つ自己評価・反省の例文を紹介していきます。
1歳児低月齢の自己評価・反省の例文
- 落ち着いて過ごせるよう、子どもに安心感を与える関わりが十分にできていたか
- 月齢や生活の流れを踏まえ、一人ひとりに合った関わり方ができていたか
- 「やってみたい」「伝えたい」という思いに寄り添い、気持ちを受け止められていたか



1歳児低月齢の自己評価・反省では、子どもが落ち着いた気持ちで園生活を過ごせていたかを軸に振り返ることがポイントです。生活や環境の切り替わりが多い時期だからこそ、情緒面を支える関わりが十分にできていたかを見直してみましょう。あわせて、月齢や生活リズムの違いを考慮し、それぞれの発達段階やペースに沿った関わりになっていたかを確認することも大切です。また、「自分でやってみたい」「気持ちを伝えたい」といった小さな芽生えを受け止められていたかを振り返ることで、次の年度へとつながる自己評価が整理しやすくなります。
1歳児高月齢の自己評価・反省の例文
- 自ら取り組もうとする気持ちを大切にし、見守る関わりができていたか
- 言葉やしぐさでの発信を受け止め、やりとりを広げられていたか
- 集団の中でも落ち着いて過ごせるよう、安心感のある関わりを持てていたか



1歳児高月齢の自己評価・反省では、「自分でやってみたい」という思いを尊重した関わりができていたかを中心に振り返ることが大切です。言葉の力が伸び、簡単なやりとりが楽しめる時期でもあるため、子どもからの発信を受け止め、気持ちや考えを丁寧に交わす関わりができていたかも確認してみましょう。また、集団で過ごす時間が増える中で、一人ひとりが安心して活動に向かえる環境や雰囲気を整えられていたかを見直すことで、次の年度へつながる前向きな自己評価にまとめやすくなります。
1歳児共通の自己評価・反省の例文
- それぞれの成長の過程やその子らしさを意識して関わることができていたか
- 子どもの思いや感情を受け止め、寄り添う姿勢を持てていたか
- 今後の育ちを見通しながら関わりや援助を考えられていたか



1歳児共通の自己評価・反省では、月齢や個々の違いを意識しながら、それぞれの成長の過程を丁寧に捉えられていたかを振り返ることがポイントになります。言葉や行動で思いを伝えようとする姿に目を向け、落ち着いて過ごせる関わりができていたかを確認してみましょう。あわせて、小さな成長の積み重ねを大切にしながら、次の発達段階や進級を見据えた関わりになっていたかを見直すことで、前向きで整理された自己評価につなげることができます。










