1月は寒さが厳しくなる季節ですが、0歳児の子ども達は室内遊びや戸外遊びを通して元気に生活します。
感染症が心配になり、体調も崩しやすくなりますが、一人ひとりの健康状態に注意して過ごしたいですね。
本記事では、0歳児の1月の個人案ついて解説し、ねらいや内容の書き方をまとめました。
例文も含め、作成のポイントも記載していますので、個人案の書き方があまり分からないという方は、ぜひ役立ててみてください。
- 1月は年末年始明けで、気持ちが不安定になる子どもが多いと予想される
- 0歳児は月齢差が大きいため、個々の発達に応じて個人案を作成する
- 月齢に応じて細かくねらいや配慮を記載し、担任で共有するのが大切
すもも【元保育士ライター】0歳児は個人差が大きいため、個人案では一人ひとりをよく観察して細かく記載する必要があります。具体的な例もご紹介しますので、参考にしてみてくださいね。


すもも先生 元保育士ライター
8年間保育士として勤務し、主に乳児クラスの担任を務めて参りました。認可保育施設や認可外保育施設での職務経験を活かして、保育士さんに役立つ記事を執筆させていただきます。
【0歳児】1月の個人案の作成ポイント
【先輩保育士からのアドバイス】
チェックしておこう!
- 年末年始明けは生活リズムが崩れているため、一人ひとりの様子を見て整えていく
- 歩き始める子どももいるため、周りに危険な物がないかどうかしっかりと確認する
- 子どもの主張に共感し、ゆったりと関わる
- 感染症対策を徹底し、健康に過ごせるように心がける
0歳児の1月は、年末年始で生活リズムが乱れていることが予想されますので、まずは園の生活リズムに整えていくようにしましょう。
また、お休みが長かった子どもは保護者と離れて不安になり、泣く時間が増えることも。
そのため、1週目では保護者の元で安心して過ごせるように、ゆったりとした環境を意識するのが大切です。
2週目以降からは生活リズムも整ってくるため、戸外遊びも積極的に取り入れ、身体を動かした遊びを導入してみましょう。



1月は連休が多い月であるため、園の生活リズムに戻るまでは少し時間がかかるかもしれません。特に0歳児は個人差が大きいため、一人ひとりの発達状況に応じて丁寧に関わっていきましょう。
【0歳児・1月の個人案】子どもの姿
【低月齢】0歳10ヵ月~1歳1ヵ月
- 年末年始明けで保護者と離れて不安定になる
- 興味のある玩具を見つけて遊ぼうとする
- つかまり立ちや伝い歩きをしようとする
低月齢児は、休み明けで生活リズムが崩れる子どもが多く、保護者と離れる時も不安になって泣き出すことが予想されます。
一人ひとりが安心して過ごすために、まずはゆったりとした環境で過ごすことが重要です。
また、10カ月以降になると、つかまり立ちや伝い歩きをしようとする子どもが増え、転倒などにも注意が必要になります。
危険な物や場所がないかどうかをしっかりと確認し、必要に応じて保育室の環境も見直しましょう。



保護者と離れて泣いている子どもが多いと予想されます。特定の保育士がしっかりと関わるようにしましょう。
【中月齢】1歳2ヵ月~1歳5ヵ月
- 一人歩きをし始める
- 手づかみ食べをして意欲的に食べようとする
- 興味のある場所へ行こうとする
1歳2カ月以降では、一人歩きをし始める子どもが増えてきます。
活動範囲が広がっていくため、常に特定の保育士が目を配り、安全に過ごせるようにしましょう。
歩き始めの子どもは転倒にも注意が必要なので、室内や戸外に危険な物や箇所がないかをチェックしてくださいね。
様々な物に興味を示す時期で、指差しや声を出して保育者に伝えようとする姿も増えます。



一人歩きが始まる子どもが増え、活動範囲が広がり、探索遊びが活発になります。積極的に戸外遊びも取り入れていきましょう。
【高月齢】1歳6ヵ月~1歳9ヵ月
- スプーンやフォークを使って意欲的に食べようとする
- 保育者と一緒に遊ぶことを楽しむ
- 「ママ」「ブーブー」などの意味のある単語を話す
0歳児の高月齢児では「ママ」「ブーブー」などの意味のある単語を発する子どもがいます。
また、興味のある物に指差しをして、保育者に伝えようとする姿も見られるでしょう。
保育者と一緒に遊ぶことを楽しんだり、友達にも少しずつ興味が出てきたりする時期です。



休み明けは気持ちが不安定になる子どもが多いです。好きな遊びをたくさん用意して、気持ちを少しずつ切り替えていけるようにしたいですね。
【0歳児・1月の個人案】ねらい
【低月齢】0歳10ヵ月~1歳1ヵ月
- 保育者の元で安心して過ごす
- 生活リズムを整え、健康に過ごす
- 興味のある玩具で遊ぶことを楽しむ
年末年始明けは、保護者と離れることで気持ちが不安定になっているため、情緒の安定を図るようにしましょう。
子ども達が好きな音楽をかけたり、抱っこをしたりしながら落ち着いた雰囲気で過ごすことが大切です。
また、生活リズムが乱れており、午前睡をしたり、昼寝の時間がずれたりする可能性もあるため、一人ひとりの子どもの様子を見ながら、少しずつ整えていきましょう。



休み明けは生活リズムが乱れがちで、気持ちも不安定になり、落ち着くまで時間がかかると思います。特に1週目はリズムを整えるために、無理なくゆったりと過ごすのが大切です。
【中月齢】1歳2ヵ月~1歳5ヵ月
- 喃語や動作で思いを伝えようとする
- 伝い歩きや一人歩きをして身体を十分に動かす
- お正月遊びに興味を持つ
1月では、一人歩きをし始める子どもが増えてくる時期ですので、行動範囲が広がっていきます。
そのため、保育室内や戸外で遊ぶ際は、周りに危険な物がないかどうかをチェックし、安全面に留意しましょう。
喃語が増え、動作で保育者に自分の思いを伝えようとする姿も見られてきますので、子どもの気持ちを受け止め、「〇〇だね」と共感の姿勢を大切にしてください。



寒い日でも体調が良ければ、積極的に戸外遊びを取り入れてみましょう。
歩き始めの子どもがいますので、安全面に注意しながらたくさん身体を動かして遊べると良いですね。
【高月齢】1歳6ヵ月~1歳9ヵ月
- お正月遊びに興味を持って遊ぼうとする
- 簡単な言葉やしぐさで思いを伝えようとする
- 戸外で元気に身体を動かして遊ぶ
高月齢児では、お正月遊びに興味を持つ子どもも多いため、保育者が見本を見せて、一緒に遊んでみましょう。
一人歩きを活発にする時期であるため、天気の良い日は積極的に戸外へ出て、身体を十分に動かして遊ぶのがおすすめ。
個人差はありますが「ママ」「ワンワン」などの単語も出始め、自分の思いを動作やしぐさで伝えようとする姿も増えてきますよ。
早ければイヤイヤ期に入る子どももいますので、「嫌だったね」「これがしたかったんだね」などと、気持ちを受け止め、ゆったりと関わってあげましょう。



0歳児からでも遊べるお正月遊びを取り入れて、子ども達の興味を引きだしてみましょう。「コマ」や「でんでん太鼓」などの手作り玩具がおすすめですよ。
【0歳児・1月の個人案】環境構成と保育者の配慮
【低月齢】0歳10ヵ月~1歳1ヵ月
- 落ち着いた雰囲気で過ごせるようにする
- 危険な物や箇所がないかどうかを確認して安全面に気を付ける
- 一人ひとりの生活リズムを把握し、整えていく
年末年始明けは、保護者と離れてから泣き続ける子どもが多いため、落ち着いた雰囲気で過ごせるようにしましょう。
生活リズムが乱れている子どもも多いので、少しずつ園のリズムに整えていくのが大切です。
つかまり立ちやハイハイ、伝い歩きなどを活発にする時期であるため、安全面に注意しましょう。



長いお休みの後は、気持ちが不安定になりやすいです。泣き続ける子どももいますので、ゆったりとした雰囲気で過ごせるようにしてくださいね。落ち着くまでは抱っこなどのスキンシップをたくさんとってあげましょう。
【中月齢】1歳2ヵ月~1歳5ヵ月
- 歩き始めの子どもは注意深く観察し、転倒に気を付ける
- 室内の点検を徹底し、安全に過ごせるようにする
- 鼻水が出ている子どもはこまめにふき取り、体調の変化に気を付ける
1歳2カ月以降になると、歩き始める子どもが増えてきます。
特に歩き始めの子どもは転倒のリスクが多いため、室内の安全点検をしっかりと行いましょう。
また、子ども同士がぶつかることも増えてきますので、室内を広く使えるように整えるのも大切です。



この時期からは、一人歩きを始める子どもが多くなってきます。その分怪我もしやすくなってきますので、安全面に注意しながら過ごすようにしてください。
【高月齢】1歳6ヵ月~1歳9ヵ月
- 自分の意志が出てきた子どもに対して、気持ちを受け止めてゆったりと関わっていく
- 一人ひとりの健康状態を把握し、無理のない範囲で戸外遊びを取り入れていく
- 玩具の取り合いなどに注意し、必要に応じて保育者が仲介する
高月齢児では、早ければ「イヤイヤ期」を迎える子どもがいます。
自分の思い通りにならないと、物を投げたり泣き出したりするケースもありますが、ゆったりとした気持ちで関わってあげてください。
否定的な言葉をかけ続けると、癇癪に繋がったりすることもありますので、「〇〇がしたいんだね」と気持ちを代弁してあげましょう。
一人歩きをたくさんして探索を楽しむ時期なので、体調が良ければ戸外遊びをたくさん導入するのがおすすめです。



イヤイヤ期は、早ければ1歳半を過ぎた頃から始まります。子どもの成長の証とも言えますので、否定的な言葉ではなく、肯定的な言葉がけを意識しましょう。
【0歳児・1月の個人案】食育
【低月齢】0歳10ヵ月~1歳1ヵ月
- 意欲的に離乳食や完了食を食べようとする
- 楽しい雰囲気の中で食べられるようにする
- 一人ひとりの食事のペースに配慮する
年末年始明けで食事の時間や量が乱れて、あまり食べなかったりすごく食べたがったりと、子どもによって違いがあるかもしれません。
あまり食べたがらない子どもがいても無理強いはさせず、様子を見ながら少しずつ食べられるようにし、それでも食べなければ途中で切り上げても良いでしょう。
楽しい雰囲気の中で食事をすることを心がけ、一人ひとりが意欲的に食べられるようにしたいですね。



個人差が大きい時期であり、よく食べる子もいれば、あまり食べない子もいます。保護者としっかりと連携を取りながら、子ども一人ひとりに合ったペースで食育を進めていきましょう。
【中月齢】1歳2ヵ月~1歳5ヵ月
- 手づかみやスプーン・フォークを使って食べようとする
- 「いただきます」と「ごちそうさま」の挨拶をしようとする
- 様々な食材に興味を持つ
1歳2カ月頃の子どもは、手づかみ食べが基本ですが、少しずつスプーンやフォークを使って食べる練習も取り入れてみると良いでしょう。
最初は食材をすくってお皿の上に置いておき、それを子どもが自分で持って口へ運ぶ練習がおすすめです。
食べこぼしも多いですが、自分で食べようとする意欲を大切にしてあげてくださいね。
「いただきます」や「ごちそうさま」の挨拶も覚えてやろうとする姿も見られますので、「上手にできたね」としっかりと認めてあげましょう。



手づかみ食べが基本であり、一度に口に入れる量が多い時は、調節してあげましょう。また、子どもによって食材の大きさにも配慮するのが大切です。
【高月齢】1歳6ヵ月~1歳9ヵ月
- スプーンやフォークを使って食べようとする
- 自分で食べたい気持ちを大切にする
- 様々な食材に興味を持ち、意欲的に食べようとする
1歳6か月以降では、スプーンやフォークを使って食べようとする姿が増えてきます。
食べこぼしが多くなりますが、自分で食べたい気持ちを大切にし、見守る姿勢が重要です。
中には保育者に食べさせてもらうのを嫌がる子もいますので、できる限り自分で食べられるようにしてあげたいですね。
様々な食材に興味を持ち始めるため、「〇〇だよ」と食材の名前を知らせながら、楽しい雰囲気で食事ができるようにしましょう。



自分で食べようとする気持ちを受け止め、楽しい雰囲気で食事ができるようにしましょう。
【0歳児・1月の個人案】作成する際の注意点
「実際どんなことに気を付けて個人案を作成すれば良いの?」という疑問を持つ方に、0歳児の個人案を作成する際の注意点についてご紹介します。
下記の注意点に気を付けながら作成してみてくださいね。
注意点を確認しておこう!
- 子ども一人ひとりの生活リズムを整えるよう配慮する
- 行動範囲が広がっていく時期であるため、室内の環境構成を考える
- 子どもの発達状態を把握し、丁寧に関わっていくようにする
- 個々の食事のペースに合わせ、意欲的に食事できるようにする
0歳児は個人差が大きいため、月齢や発達に合わせて個人案を作成していく必要があります。
一人歩きをし始める子どももいるので、保育室の環境も整え、安全に生活できるようにするのも重要です。
環境構成を見直し、備品や玩具の配置なども考えて、子どもが探索遊びを楽しめるようにしましょう。
食事に関しては、一人ひとりのペースに合わせて厨房と連携を図り、意欲的に食事ができるようにするのが大切です。
【0歳児・1月の個人案】自己評価・反省の例文
「個人案の自己評価や反省って何を記入すれば良いの?」と疑問を持つ方も多いはず。
ここでは、0歳児の個人案の自己評価と反省の例文をご紹介しますので、実際に記入する際の参考にしてみてくださいね。
低月齢の自己評価・反省の例文
- 休み明けで子どもが不安定になって泣いていたので、スキンシップをとって落ち着いて過ごせるようにした。
- 鼻水がよく出ている子どもがいたため、体調の変化に気を付けた。
- 室温や湿度の調節を行い、快適に過ごせるように努めた。



休み明けは気持ちが不安定になりやすいので、落ち着くまではスキンシップを十分にとってあげましょう。
中月齢の自己評価・反省の例文
- 歩き始めの子どもが増えているため、転倒や怪我に気を付けた。
- 環境構成を見直し、安全に過ごせるようにした。
- 食べむらがある子どもには、無理強いをさせずに様子を見て食事をとれるようにした。



中月齢児では一人歩きを始める子どもがいます。転倒などによる怪我が増える時期でもあるため、より一層安全面に注意していきましょう。
高月齢の自己評価・反省の例文
- 活動範囲が広がっているため、安全面に注意し、保育士間で連携を図った。
- 自分の意志を動作で伝えようとしている子どもには気持ちを受け止め、ゆったりと関わった。
- 玩具の取り合いが目立つようになってきたので、十分な数の玩具を用意しておく。



高月齢児では自我が芽生え始め、自分の気持ちを動作やしぐさで伝えようとします。丁寧に関わりながら気持ちを落ち着かせていきましょう。








