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保育士はブランクがあっても大丈夫?復帰への準備やブランクに優しい園の探し方も解説

保育士 ブランク

保育士の資格を持っていても、現場からしばらく離れていると復帰しても働けるか不安になりますよね。

一方でブランクがあっても経験のある保育士は、現場からの需要が高いのはご存知でしょうか。

ブランクがある保育士の方でも、復帰のための準備と働きやすい職場選びをすれば問題なく働くことが可能です。

本記事ではブランクがあって復帰が不安な保育士のために、事前準備に関する情報とブランクに優しい職場の特徴を紹介します。

この記事でわかること
  • ブランクがある保育士が復帰するときに感じる不安
  • ブランクがある保育士が求められる理由
  • ブランクがある保育士が復帰するときに準備すること
  • ブランクがある保育士に優しい保育園の特徴と探し方
目次

保育士がブランクから復帰の際に感じる不安とは?

資格があっても保育園などで働いていない保育士は約107万人(令和3年時点)おり、資格をもつ保育士の半数以上が保育の仕事に従事していません

保育士が働いていない理由の中には、ブランクがあることによって復職に踏み出せないものもあるでしょう。

本章ではブランクのある保育士が復帰を考えた時に感じやすい不安について紹介します。

自分の知識や経験が今の保育に活かせるのか

ブランクがある保育士は、保育に関する最新の知識やスキルがわからないので、復帰した時についていけるか不安を感じてしまいます。

実際にSNSを見ると、ブランクがあって復帰できるか心配だという声を多く見かけました。

最近はICT化、幼児教育や多様なカリキュラムを行っている保育園が増えてきており、戸惑うのも納得です。

しかし、子どもへの触れ合い方は昔から変わることはなく、知識とスキルであれば研修などで補えるため安心して良いと言えるでしょう。

家庭と両立していけるのかの不安

保育士の仕事は、体力勝負で業務量が多くハードだと言われています。

そのため、復帰後に仕事と家庭の両立ができるか心配する保育士が多い状況です。

両立への不安を少しでも減らすために、復帰する職場を選ぶ時には残業が少なく、業務量が落ち着いている保育園を選びましょう。

また、仕事に慣れるまで正社員やフルタイムではなく、時短やパートで試してみるのも一つの方法です。

家族に協力を求めておくと、両立しやすくなります。

体力面に関する心配

保育士の仕事は体力勝負であり、復帰をすると必然的に元気いっぱいの子どもたちと過ごすことになります。

ブランクがあり、さらに年齢を重ねていると子どものペースに合わせられるか心配ですよね。

突然フルタイムで働くと体を壊す可能性があるため、普段運動をせず体力に自信がない人はパートで勤務時間を調整すると良いでしょう。

もし復帰まで時間があるならば、普段の生活に運動を取り入れるなど、体力づくりをしてみてください。

人間関係に対する不安

保育士の退職理由1位は人間関係であり、働く多くの保育士が抱えている悩みです。

同時に復帰を考えている保育士が抱えている不安の一つであると考えられます。

とくに退職前に勤めていた職場の人間関係が良くなかった場合は不安を感じやすいでしょう。

人間関係に対する不安は、職場見学や体験をすることで軽減可能です。

職場の口コミを見ても良いですが、園個別の雰囲気を感じるためにも実際に訪問することをおすすめします

保育士はブランクから復職はよくある

長い期間現場から離れていても復職して働いている保育士は多く、ブランクがある保育士でも復職は可能です。

とはいえ、保育に関する知識やスキルが古いままで本当に復職できるか不安になりますよね。

本章ではブランクがある保育士が復職できる理由について解説していきます。

保育士の需要は高い

保育士の有効求人倍率は令和6年4月時点で2.42倍と全職種平均と比較すると高水準です。

慢性的な保育士不足の中、ブランクがあっても保育の経験がある保育士は即戦力になりやすく、実は需要があります。

さらに出産によって退職したのであれば、子育ての経験を活かすことが可能です。

子育ての経験があれば、保育スキルへの応用だけでなく、保護者の気持ちに寄り添えるようになるでしょう。

こども家庭庁でも話題になるほど保育士の復帰は業界全体での課題となっています。

参考:こども家庭庁|保育士の有効求人倍率の推移
参考:こども家庭庁|第3回 子ども・子育て支援等分科会

結婚や出産を機に退職して復職する人は多い

令和4年の保育士の退職理由は、妊娠・出産が10.9%(令和元年は22.3%)、結婚が15.4%(令和元年は18.4)です。

産休・育休の取得率が増えてきたとはいえ、10人に1〜2人は結婚・出産を理由に退職している現状だと言えます。

一方で配偶者がいる保育士の復職意向は約8割という結果となっており、結婚・出産後に働きたいと考え、復職する人が多いと分かります。

配偶者の収入により経済的に余裕があることが、復職に至る要因の一つだと言えるでしょう。

参考:東京福祉局|令和4年度東京都保育士実態調査結果
参考:厚生労働省|保育士の現状と主な取組

ブランクから復職する保育士ができる準備

日本国内の保育士不足は慢性化しており、政府がさまざまな施策を打ち出しています

平成27年には「保育士確保プラン」を公表し、再就職前の実技研修などの支援に力を入れてきました。

さらに平成28年には「資金貸付等制度」を創設しています。

研修、貸付制度のどちらもブランクがある保育士が利用できるので、本章で詳しく解説をします。

「復職支援研修」の受講

復職支援研修は、各自治体にある保育士・保育所支援センターまたは民間企業が実施しており、参加費の多くは無料です。

研修の日程などは自治体の公式サイトを確認しましょう。

また、保育士・保育所支援センターでは研修だけでなく、再就職に関する相談や就職あっせん等も行っています

こども家庭庁のサイトに保育士・保育所支援センターの連絡先一覧が掲載されているので積極的に活用してみてください。

参考:こども家庭庁|保育士・保育所支援センター等の連絡先

潜在保育士を支援する資金貸付事業をチェックする

潜在保育士を支援する資金貸付事業とは?

保育士の再就職の準備に必要な費用を貸付けることにより、保育人材の確保を図ることが目的です。

貸付金額は20万円以内(自治体によっては40万円以内)で一回限りで、再就職して2年間勤務したら返還は免除されます。

資金貸付事業の条件
  • 保育士登録後1年以上経過した者
  • 離職後1年以上経過したまたは勤務経験のない者
  • 保育園等の施設に新たに勤務する人
  • 保育士として週30時間以上の勤務を要する

上記の条件は厚生労働省の実施要綱から抜粋したものです。

条件は自治体によって変わるため、申請先の自治体の規約を必ず確認してください。

東京都を例にとると、勤務時間の条件は週20時間以上となっており、厚生労働省の実施要綱より緩和されています。

また、同じ資金貸付事業である「未就学児をもつ保育士に対する保育料の一部貸付」との併用可否についても自治体によって異なるため、合わせて確認しましょう。

参考:厚生労働省|保育士修学資金の貸付け等について
参考:東京都社会福祉協議会|潜在保育士の再就職支援事業

保育士がブランク明けで復職する際の注意点

保育の知識やスキルに関する研修、そして再就職時の費用については行政の支援を受けられることが分かりました。

しかし、スムーズな復職のために準備すべきことが他にもあります

準備を怠ると思わぬトラブルに遭う可能性があるため、本章の内容をしっかりチェックして再就職に臨みましょう。

「保育士証」を確認しておく

児童福祉法の改正により、現在保育士として働くためには都道府県知事に対して登録申請を行い、保育士証の交付を受ける必要があります。

改正前に発行された保育士(保母)資格証明書は、保育士証とは異なるため注意が必要です。

また、保育士証は申請してすぐには発行されず、2ヶ月(時期によっては2ヶ月以上)かかります。

転職後の職場でも保育士証の提示を求められるため、手元にあるか必ず確認しましょう。

もし手元にない場合は登録事務処理センターで早めに手続きを行ってください。

参考:登録事務処理センター|登録に関するQ&A

復職前に体調を万全に整えておく

復職前は緊張して寝付けない場合もありますが、可能な限り睡眠をとって体調を整えておきましょう

遅寝遅起きの習慣がついていたら、あらかじめ早寝早起きに切り替えておけば、仕事が始まっても慌てずに済みます。

とくに保育士の仕事は体力勝負であるため、少しの不調が仕事に大きな影響を与えかねません。

体力づくりのために適度な運動を心がけ、十分な睡眠や食事をとり、万全な体制で出勤当日を迎えましょう。

ブランクがある保育士にも優しい保育園の特徴

再就職をするのであればブランクがあっても働きやすい保育園に就職したいですよね。

ブランクがある保育士に優しい保育園とは、無理なく仕事ができる職場だと言えます。

業界全体が保育士不足で採用される可能性が高いとはいえ、考えずに再就職すると後悔するでしょう。

本章で紹介する保育園の特徴を参考に、最適の再就職先を選んでください。

系列園への移動やヘルプがない保育園

系列園への移動やヘルプがある保育園は避けた方が賢明です。

移動先やヘルプ先の保育園は人員不足の可能性が高く、臨機応変な対応が求められます。

ただでさえブランクを埋めるために必死に頑張っている保育士には荷が重い業務です。

辛い思いをしないためにも、就職活動中は移動やヘルプの頻度などを園に確認をしておきましょう。

移動やヘルプがある園に再就職した場合でも、自分が対応できること・できないことを周りに共有することが大切です。

ブランク可・ブランク歓迎の保育園

無理なく仕事を始めるためにも、ブランク可・ブランク歓迎の保育園を選びましょう。

一定期間保育の仕事から離れていた人でも働ける環境が整っている保育園は、求人に「ブランクがある保育士でも可」と明記されています。

実際にブランク可の求人を見ると「研修制度あり」「時短勤務可」「週休3日制」などの記載があり、受け入れ体制がしっかりしている印象です。

求人サイトによってはブランク可・ブランク歓迎に絞った求人の検索が可能なため、積極的に活用しましょう。

子供に対して保育士の数が多い保育園

配置基準より多い人数の保育士が働いている保育園がおすすめです。

園で働く保育士の人数は、児童福祉法の規定を満たすように配置されていますが、規定の配置基準はあくまで最低限の人数です。

そのため、配置基準と同じ人数で運営している保育園に再就職してしまうとブランクがない保育士と同等の業務量を任される可能性があります。

一方で配置基準より保育士の人数が多ければ一人当たりの業務量は少なくなるため、ブランクがあっても自分のペースで業務が可能です。

参考:e-Gov法令検索|児童福祉施設の設備及び運営に関する基準

外遊びが少ない保育園

子ども達は外遊びで思い切り体を動かせますが、いつも以上に子どもたちの安全に配慮しなければならず、保育士に大きな負担がかかります。

とくに最近は熱中症の心配もあるため、夏場などは昔以上に注意が必要になるでしょう。

さらに、広い場所で子ども達のペースに合わせて動き回るため体力を消費します。

もし外遊びがあったとしても、場所は園庭、園児は少人数といった保育園を選ぶと負担が少なく済みます。

パートなどの働き方が選べる保育園

勤務時間や業務量に不安があるなら、フルタイムではなくパートなどの勤務時間が少ない勤務形態で働いてみましょう

クラス担当など責任が大きい業務はパートや時短勤務の保育士に任せない傾向があるため、周囲からのプレッシャーを抑えながら保育の仕事に取り組めます

また、勤務時間が短ければ家族との時間を十分にとることが可能です。

いつか正社員で働きたいと考えているのであれば、正社員登用制度がある保育園を選ぶと良いでしょう。

ブランクに優しい保育園の探し方

働きやすい保育園探しは転職サイトや転職エージェントの活用を推奨します。

ただし、それぞれにメリット・デメリットがあるので自分に合った方法で利用しましょう。

転職サイトのメリットは自分のペースで保育園を探せる点ですが、デメリットは探す手間がかかることです。

また、転職エージェントは、転職に関して手厚いサポートが受けられるメリットがありますが、担当のエージェントが保育士業界に精通しているとは限りません。

場合によっては、転職サイトと転職エージェントの併用も検討してください。

まとめ

まとめると
  • 復帰するときに感じる不安は対策できる
  • ブランクがあっても保育経験や子育て経験は需要がある
  • 知識不足や経済面への対策は行政の支援を活用する
  • 再就職先の保育園は無理なく働ける場所を選ぶ

保育現場から長い時間離れてしまうと知識不足や家庭との両立などに不安を感じ、復帰に踏み出せないものです。

しかし、ブランクがある保育士が感じやすい不安は研修を受講したり、勤務時間が少ない勤務形態にしたりすれば対策できます。

行政も保育士の再就職を支援しているので、賢く活用して準備を進めましょう。

そして再就職先は、ブランクがあっても無理なく働けるような場所を選ぶことが大切です。

ブランクがあっても保育士への需要は高いので、安心して再就職の活動をしてみてください。

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この記事を書いた人

ほいポケ編集部のアバター ほいポケ編集部 保育士ライター集団

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