保育士の配置基準がおかしい?2025年以降保育士の待遇や展望について元保育士が解説

配置基準 おかしい

日本の保育園施設では、子どもの人数に対して適切な数の保育士を配置しなければなりません。

しかし、「保育士の配置基準がそもそもおかしい」と感じている保育士さんは多いです。

さらに、近年の保育士不足の影響により、保育士の配置基準が満たされていない園もあります。

本記事では、配置基準がおかしいといわれる理由や、2025年以降の保育士の待遇・展望について、元保育士が解説します。

この記事をまとめると
  • 2024年に配置基準が見直されているが、自治体や園によって異なる。
  • 2025年4月から新たに1歳児の配置基準に加算制度を導入
  • 配置基準と待遇が見合っていないため、多くの保育士が不満を感じている
  • 保育の制度がすぐに変わらないのは、現場の声が国に届きにくいから
すもも【元保育士ライター】

子どもの人数に対して、保育士の配置人数が少なすぎると感じている方は多いと思います。そのまま働き続けるのは体力的にも精神的にもかなりきついですよね。

配置人数がおかしいと思った時に対処法についても記載していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事を書いた人

すもも先生 元保育士ライタ

8年間保育士として勤務し、主に乳児クラスの担任を務めて参りました。認可保育施設や認可外保育施設での職務経験を活かして、保育士さんに役立つ記事を執筆させていただきます。

目次

保育士の配置基準の概要

保育士の配置基準は、児童福祉法によって定められており、子どもが安全に生活するために必要な保育士の数を言います。

配置基準は子どもの年齢によって変わるため、自分が担当するクラスによって保育士の人数は違いがあります。

下記で細かく解説していますので、続けてご覧くださいね。

保育士配置基準の歴史的背景

保育士の配置基準は、子どもの安全と成長を守るために1948年に定められました。

1948年は戦後であったため、生活が困窮している家庭や戦災孤児が多く、保育所などの子どもを養護する施設が急増しました。

しかし、保育士の人数が足りていない施設が多く、子ども達の安全性が確保できない状況に。

そこで、子どもの命を守り、保育士の質を高めるためにも、最低限の配置基準が定められたのです。

現行制度の概要(2025年時点)

保育士の配置基準が定められてから、2024年まで大きな改定はされていませんでした。

しかし、不適切保育の増加や、保育園での事故などが相次いだため、こども家庭庁により2024年に見直されました。

ただし、下記の人数は認可保育園での例となり、自治体や園によっては多少の違いがある場合も。

保育園では基本複数担任制を設けていますが、3歳児以降は行事なども増えてくるため、1人の保育士への業務負担が多くなります。

保育士の配置基準が改訂されたことで、保育士が気持ちにゆとりを持って、子ども達と関われますね。

改定前改定後
3歳児20人につき1人15人につき1人
4歳児・5歳児30人につき1人25人につき1人
1歳児6人につき1人6人につき1人

参考:厚生労働省 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準

最近の保育士の配置基準に関するトピック

2024年に見直されたのは、幼児が対象となっており、乳児に対しての大きな見直しはされていません。

そのため、現場からは「2024年に保育士の配置基準が改訂されたけど、乳児も見直して欲しい」という声が挙がっています。

1歳児の配置改善加算の新設(2025年度)

1歳児クラスの保育士の配置基準を見直すため、こども家庭庁が「1歳児配置改善加算」の新設を発表しました。

この制度は令和7年度から新たにスタートされ、1歳児の子どもに対して5:1で保育を行っている園が対象です。

加算を受ける条件は、以下の通りとなっています。

加算を受ける条件
  • 人数が5:1の割合で保育を行っていること
  • 処遇改善等加算ⅠⅡⅢを取得していること
  • ICT化による業務を導入していること
  • 職員の平均経験年数が10年以上であること

現役保育士の63%が配置基準見直しに期待(2025年調査)

株式会社明日香が調査したアンケートによると、「現役保育士の63%の職員が配置基準の見直しに期待している」とされています。

保育士の配置基準が見直される前にも同じアンケートを行っており、当時は63.4%でしたが、見直しがされた2024年以降も同じような数値となっています。

このことから、保育士の配置基準が見直されたにもかかわらず、現役の保育士はまだまだ現状に不満を持っていると言えるでしょう。

また、具体的な内容として、現場保育士は「保育士の精神的・身体的負担の軽減」と「子ども1人ひとりに十分な目が行き届くようにして欲しい」という期待を示しています。

保育士の精神的・身体的負担の軽減に関しては、73.5%の保育士が期待をしているという結果になっています。

参照:株式会社明日香 保育士配置基準見直し

保育士の配置基準に関する知恵袋やSNSの声は?

保育士の配置基準に関して、ネット上やSNSには様々な意見があります。

独自で調査した結果を下記にまとめていますので、参考にしてみてくださいね。

配置基準はまだまだ見直すべき

保育士の配置人数は見直されましたが、まだまだ配置基準が厳しいという意見があります。

保育士の配置基準は保育士の配置基準が変わりますが、まだまだ不十分な気がします。
みなさんが考える理想の配置基準はどんな感じですか?
私は0歳児 2対1 1歳児 4対1 2歳児 5対1 3歳児 10対1 4歳児 15対1 5歳児 20対1
このくらいかなと思います。

引用元:Yahoo!知恵袋

上記の保育士の声によると、まだまだ保育士の数は不十分と感じているようですね。

具体的な数値を記載してくれていますが、元保育士の私も同意見です。

0歳児は配置基準では3:1になっていますが、そもそも3人は両手に抱えきれないため、2人が妥当だと言えます。

3歳児以降になると行事が増えてくるため、保育士の負担も多くなってきます。

そのため、できる限り保育士1人ひとりの業務負担を軽減させることが重要と言えるでしょう。

1歳児の配置が6人から5人になってもきつい

1歳児の配置基準は6:1ですが、2025年度からは加算制度が導入され、5:1を取り入れている園も増えてきています。

1歳児1人あたり見る人数が6人から5人に減ったけど1年目から5人を一人で見るなんて無理すぎる。 もう体力ないし書類もうまくかけない。連絡帳、保護者対応上手くいかない。

引用元:X

上記のツイートによると、「1歳児の配置が6:1から5:1になったけれど、1人で5人を見るのはきつい」とのこと。

確かに6人から5人に減ったのはかなり大きいですが、それでもまだまだ5人を1人で見るのは大変だと思います。

1歳児クラスでは、月齢によっては歩行を始める子どもや、イヤイヤ期に突入する子どももいるため、手がかかる時期です。

子どもに手がかかるため、書類仕事が疎かになりがちというのは、共感します。

特に食事や片付けの時が最も忙しい時間帯なので、せめてその時間帯だけでも多めに配置して欲しいですね。

「保育士の数が少ない」という保護者の意見もある

保護者によっては、「クラスに保育士が足りない」と感じている人がいるようです。

保護者に園生活のアンケートを取ると「クラス内の保育士の数が少ない」との回答が2〜3件ある。実際は配置基準よりは多めでも。 保護者は、国が定める配置基準について知らないし、その分しか人件費の補助金が出ていないのを知らない。 園独自の判断で保育士の人数を決めていると思っているんだろうな。

引用元:X

上記の保育士の園では、保護者にアンケートを実施したところ、「クラス内の保育士が足りない」という意見があったとのこと。

保護者の多くは、保育士の配置基準について詳しく知らない方がほとんどで、確認されることもあまりないでしょう。

私が保育士として働いていた時も、保育士の配置基準について、保護者から意見をいただく機会はありませんでした。

しかし、実際に調査してみると「保育士が足りない」と思っている人がいるため、保護者が安心して子どもを預けられるように配置基準を見直す必要があると言えます。

現場目線で見る配置基準のおかしい部分

保育士の配置基準がされた後でも、現場ではまだまだ配置基準に不満を持っている職員が多いです。

配置基準について、現場保育士はどの部分が「おかしい」と感じているのかを元保育士目線で解説していきます。

元保育士が感じる配置基準のおかしい部分は?

元保育士である私が実際に現場を経験して「おかしい」と思った点は、職員1人に対して業務負担が大きすぎる点です。

私は当時、乳児クラスの担任を持っており、「0歳児を1人で3人、1・2歳児を6人も見るなんて大変すぎる」と日々感じていました。

私が勤めていた園では乳児は担当制を導入していたので、0歳児の子どもの食事とミルク、お昼寝を3人同時に行う時がかなりきつかったです。

また、1.2歳児になるとイヤイヤ期が始まるため、さらに手がかかって、自分自身に余裕がありませんでした。

特に乳児は、特定の大人がしっかりと関わることが大切なのに、1人の業務負担が大きくて、それが十分にできない点が問題であると感じています。

あいまいな基準の運用実態

保育士の配置基準はされましたが、園や自治体によっては独自の基準があります。

実際に私が勤務していた園では、元々人材不足であったので、配置基準を満たしていないまま保育を行っていた時も。

1歳児が20人であれば、配置は4人になりますが、私の園ではこの場合、保育士の数は3人となっており、ギリギリのラインで保育をしていました。

また、日によっては3人になったり4人になったりする時もあったので、曖昧な配置基準に不満を持っていました。

このように、園によっては曖昧な配置基準になっていて、園長に申し出をしてもなかなかすぐには改善しない場合も多いです。

子ども1人ひとりに向き合えない環境

保育士の配置基準がおかしいと、子ども1人ひとりとしっかりと向き合えなくなります。

実際に私が勤めていた園では、配置基準を満たしていなかったため、子どもと丁寧に関わる余裕がありませんでした。

他の業務に手をとられるため、子どもとの関わる時間が疎かになってしまっていました。

これが最も残念に思っていた点で、子ども達に申し訳ない気持ちを持ちながら働いていた時も。

子ども一人ひとりとじっくりと向き合える環境かどうかがとても重要だと思います。

保育士の待遇と制度のギャップ

せっかく保育士になれたのに、実際の保育士の待遇と制度に不満を感じて、退職を考える方は多いです。

ここでは、保育士の待遇と制度のギャップについて解説していきます。

働きづらい現場の理由

保育士が働きづらいと感じてしまう理由としては、年収の割には責任が重く、業務量も多いという点が挙げられます。

また、キャリアアップへの見通しが立てにくく、すぐに保育リーダーや主任などの役職に就けないケースも。

さらに、「仕事の評価や報酬が追い付いていない」と多くの保育士が感じているのが現状です。

子育て中の職員は、自分の子どもが体調不良であっても仕事を休みにくいと感じている職員が多く、働きづらさを痛感している人もいます。

配置基準と待遇改善がかみ合わない

保育士の配置基準が見直されても、保育士の待遇に関しては改善されていない園が多いです。

園によっては、配置基準がギリギリで保育を行っているところもあるため、保育士の業務負担が大きくなってしまいます。

その場合は、保育士の待遇を改善し、仕事のモチベーションアップに繋げることが大切と言えます。

配置基準と待遇改善を同時に行うのが理想ですが、人材不足の影響からもすぐに改善できないのが現状で、不満を感じている保育士が多いです。

なぜ制度はなかなか変わらないのか

保育士の配置基準が国で見直されたのは76年ぶりで、それほど時間がかかってしまったのは、予算制約と政治的優先順位による問題があるからです。

保育現場の声は制度に反映されにくいので、大幅な時間がかかってしまうのです。

また、保護者の多くは保育士の配置基準よりも「園の雰囲気」や「保育料」などに関心があるため、配置基準そのものの制度について知らない方が多いです。

保護者が声を挙げれば、配置基準を見直す自治体や園も増えてくるかもしれませんが、現状としては、現場の声だけが頼りと言えます。

まとめ

保育士の配置基準は2024年に見直されましたが、さらに配置基準を見直して欲しいという意見が多いです。

2025年からは1歳児の配置基準に対して、新たに加算制度を導入することが決まり、早速取り入れている園もあります。

配置基準や待遇が見合っていない点が、多くの保育士が働きづらいと感じており、退職を考える人もいます。

現場の声はなかなか国には反映されずらいですが、今後も保育士が少しでも働きやすい環境になるよう、積極的に制度を見直して欲しいですね。

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この記事を書いた人

8年間保育士として勤務し、主に乳児クラスの担任を務めて参りました。
認可保育施設や認可外保育施設での職務経験を活かして、保育士さんに役立つ記事を執筆させていただきます。

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