「ブラックな保育園ってよく聞くけれど、見分け方が分からない」
「ブラックな保育園はどんな特徴があるの?」などの疑問を持っている方は多いでしょう。
誰もがホワイトな園に就職したいはずですが、意外とブラックな保育園との見分け方は難しいもの。
そこで今回は、ブラックな保育園の特徴と見分け方について解説します。
入職後に後悔しないために、抑えるべきポイントをまとめていますので、お役に立てると幸いです。
- ブラックな園のほとんどは、残業や持ち帰り仕事が多い
- 求人票の内容が薄い園はブラックな傾向があるので、細かく記載されている園を探す
- ホワイトな園に就職するには、園の評判や労働条件などを詳しく確認する

元保育士の私もブラックな保育園で働いた経験があります。サービス残業や持ち帰りの仕事が多く、プライベートの時間がなく、かなりしんどかったです。基本的にサービス残業の多い保育園は、ブラックな傾向があるので要注意。


すもも 元保育士ライター
8年間保育士として勤務し、主に乳児クラスの担任を務めて参りました。認可保育施設や認可外保育施設での職務経験を活かして、保育士さんに役立つ記事を執筆させていただきます。
ブラック保育園の特徴8選
ブラックな保育園の特徴を8個下記でまとめています。
全ての特徴が当てはまっている保育園は極めて少ないと思いますが、複数個該当している場合は要注意です。
それぞれの特徴について詳しく解説していきますので、参考にしてみてくださいね。
残業や持ち帰り仕事が多い
基本的に保育士は、残業や持ち帰りの仕事が多いと言われていますが、残業が全くない園や、持ち帰りを禁止している園もあります。
近年では、保育士の働き方改革を行っている園が増えてきているため、定時で上がれる保育士の方も多いです。
しかし、園によっては人材不足の影響で、サービス残業や持ち帰り仕事が多いところも。



元保育士の私自身も、残業や持ち帰り仕事が多い園に勤めていました。当時は入職1年目であったため、これが普通なんだと思っていたので、特に違和感はありませんでした。しかし、他の保育士の友達に話を聞くと、自分の園がブラックであると気づきました。その後園長先生に相談をして、残業をしない日が増えていきました。
休憩時間が確保されない
休憩時間が確保されない保育園もブラックな傾向があります。
保育士は長年深刻な人材不足が続いているため、休憩時間を取れない先生が多いです。
さらに、休憩室が用意されていない保育園であれば、尚更休憩が取りづらくなってしまいます。
休憩室が別で完備されていれば、オンオフを切り替えられるので、仕事のモチベーションアップにも繋がります。



私が勤めていた園には休憩室が無く、事務所やランチルームで休憩していました。しかし、事務所やランチルームでは気持ちが落ち着かず、休憩していても気が休まらない感覚でした。転職する際には、職員が仕事から離れられる場所を確保している保育園を選んでくださいね。
給料が低い
給料が低いのは、保育士が退職する理由の1つとして挙げられます。
保育士は一般的な企業よりも給料水準が低く、厚生労働省によると月収は平均26万円程となっています。
年々昇給していく園が多いですが、中には微々たる金額しか上がらないという声も。
業務と給料があまりに見合っていない保育園はブラックと言えるので、今よりも給料の高い園に就職しましょう。
参照:厚生労働省 賃金構造基本統計調査 令和5年賃金構造基本統計調査
有給休暇が取得しづらい
有給休暇が取りづらい保育園もブラックと言えるでしょう。
特に行事が盛んな時期になると、なかなか有給休暇が取れない保育士が多いです。
有給休暇の要件は、下記の通りに定められています。
「雇い入れの日から起算して6ヶ月継続勤務し、全所定労働日の8割以上を出勤した労働者に対して、10労働日の年次有給休暇が与えられる」
引用元:厚生労働省
申請した際に、事業の正常な妨げになるため休暇が取れない場合は、別の日を指定して取得できるようになっています。
有給休暇は労働者の権利なので、適切な時期にきちんと取得できない場合は、近くの労働基準監督署に相談しましょう。
常に人手不足
保育士が常に不足している保育園は、一人ひとりの業務負担が多く、精神的にもしんどくなってしまいます。
求人サイトで常に募集をかけている園は、深刻な人材不足の可能性があるため、おすすめしません。



私が過去に勤めていた園はかなりの人材不足で、土曜日出勤が連続でしばらく続きました。週6で働いていたため、プライベートの時間がなく、心身共に疲れ果てていました。すぐに新しい保育士が来るとは限らないので、いつまで続くか分からない状況に不満が溜まってしまいました。園見学の際は、各保育室に保育士が何人配置されているのかをしっかりと確認しておきましょう。
職場の人間関係が悪い
職場の人間関係の悪さは、保育士が退職を決める理由の1つです。
保育園は基本的に複数担任制となっているため、同じクラスの保育士と密接に関わる必要があります。
しかし、距離が近いとトラブルも起きやすくなってしまうため、人間関係が悪化する原因に。
職場の人間関係で困った時は、我慢せずに主任や副園長、または園長先生に相談しましょう。
園長や主任が独裁的
園長や主任が独裁的で、保育士の意見が通らないという園は意外と多いです。
園長は、保育園の最高責任者であるため、自身の保育方針や保育の価値観を押し付けるといったケースも。
また、現場の指揮をとるのは主任ですが、自分の考えを押し付ける主任もいますので、保育士が働きづらくなってしまいます。



私が新卒で働いていた園は、園長と主任がかなりの独裁者でした。
園長が不在の場合は、主任が現場の保育を監視している状況で、かなり働きづらかったです。園長も主任も自分の考えを押し付ける人だったので、現場の意見はほぼ通りませんでした。また、家族経営の園も独裁的な職場環境であるケースが多いです。
不適切保育が横行している
近年のニュースで度々報道されているのが、保育士による不適切保育です。
不適切保育の定義は、厚生労働省が発表しています。
「不適切な保育」とは、「保育所での保育士等による子どもへの関わりについて、保育所保育指針に示す子どもの人権・人格の尊重の観点に照らし、改善を要すると判断される行為」とする。
引用元:厚生労働省
不適切保育は、当事者以外の保育士が見て見ぬふりをして、なかなか公にならないケースがあります。
また、不適切保育を行っていた園の多くは「躾のつもりだった」「指導の一環として行った」などと答えています。
上記の定義に反している場合は不適切保育になるため、決して見て見ぬふりをせずに、園長や同僚の保育士に相談しましょう。
ブラック保育園を見分ける方法は?
ブラックな保育園の特徴は、お分かりいただけたと思いますが、実際の見分け方について解説します。
求人票や園見学、面接での見分け方について下記で詳しく説明していますので、参考にしてみてください。
求人票でブラック保育園を見分ける方法
まず最初に、求人票でブラックな保育園を見分ける方法について解説しますね。
求人票を出している頻度が多い園は、常に人材不足の可能性が高いため、おすすめしません。
さらに、勤務時間や残業の有無について記載がない園も要注意です。
多くの保育園は早番や遅番、中番がシフト制になっており、きちんと勤務時間が記載されていれば、ひとまず安心と言えます。
もちろん給料やボーナスについても気になるところですよね。
こちらに関しては、金額を提示しているケースがほとんどなので、他の園と比較しやすくなります。
あまりに低賃金の園は人材不足の可能性や、経済的にもきつくなってしまうため、避けるようにしましょう。
- 求人を出している頻度
- 勤務時間
- 業務内容
- 残業の有無
- 給与や賞与
- 福利厚生
- 保育理念 など
面接でブラック保育園を見分ける方法
面接でブラックな保育園を見分ける方法は、園内の雰囲気や内定を出すタイミングが重要です。
園内の雰囲気は、自分が働いているイメージが付くかどうかが大切で、子ども達への接し方などもよく見ておきましょう。
その時点で「自分とは合わないな」と感じたら、無理に就職する必要はありません。
人材不足の園に共通するのは、内定を出すタイミングが異常に早い点です。
園によっては面接中に「即採用です」と言われるケースがあり、そうなるとあなた自身をきちんと見ずに採用していることになります。
このような保育園は、とにかく人材が欲しい状況であると予測できるので、就職は控えた方が良いです。
- 園内の雰囲気
- 採用担当者の対応
- 面接時間の長さ
- 内定を出すタイミング など
園見学でブラック保育園を見分ける方法
最後は、園見学でブラックな保育園を見分ける方法についてご紹介します。
園見学で見ておくべきポイントは、保育士の配置基準と子ども達の様子です。
各クラスの保育士の配置をよく観察し、保育士の人数が基準より少ない場合は、人材不足な園である可能性が高いです。
そして、子ども達の様子や、安全性がきちんと確保されているかどうかもしっかりと見ておきましょう。
子ども達が生き生きと生活しているかどうかはとても重要で、さらに安全に過ごせているかも観察してみてくださいね。
- 園内は清潔に保たれているか
- 子どもたちの安全は確保されているか
- スタッフの対応
- 保育士の配置基準
- 子どもたちの様子
- スタッフ間の雰囲気 など
【先輩保育士が語る】ブラック?ホワイト?勤務した保育園のリアル
元保育士の筆者が最後に勤務していた園は、ホワイトな園でした。
保育士の人数は定数以上を確保しており、保育室も広々としていて安全性がきちんと確保されていました。
休憩は別室で取れるようになっていたため、オンオフの切り替えがしやすかったです。
また、有給休暇が取得しやすい環境で、保育士同士で協力し合っていたため、人間関係もかなり良好でした。
下記でホワイト園に就職するためのポイントを記載しているので、続けて読んでみてくださいね。
ブラック保育園を避けてホワイト保育園を選ぶためのポイント
ブラックな保育園ではなく、誰もがホワイトな保育園に就職したいですよね。
しかし「ホワイト園を選ぶにはどうしたら良いのかな?」という疑問を持つ方は多いでしょう。
そんな方に、ホワイト園を選ぶためのポイントを下記で細かく解説していきます。
求人情報を細かく確認する
まず1つ目は、就職したい園の求人情報を細かく確認しましょう。
求人情報を細かく記載している園は、ホワイトな園である可能性が高いです。
勤務時間や有給休暇、給与などご自分のこだわりたいポイントをしっかりと確認し、ライフスタイルに合った園を選んでくださいね。
また、福利厚生が充実している園であれば、住宅手当が支給されるケースがあるため、一人暮らしをしたい方は福利厚生の充実度も確認しておきましょう。
園の口コミや評判を調べる
2つ目は、園の口コミや評判について調べてみましょう。
ネット上に園の口コミを記載しているサイトがあるので、自分の就職したい園を調べてみてくださいね。


上記のサイトでは、保護者からの口コミや、実際に働いていた保育士による口コミ・評判を見れます。
実際に園と関わってきた人の意見なので、リアルな声が知れますよ。
あくまで口コミなので、全てを鵜呑みにする必要はありませんが、あまりにも酷いと感じた場合は、一度検討し直すのも1つの方法です。
園見学をする
気になった保育園があれば、積極的に園見学へ行きましょう。
求人票やホームページだけでは具体的なイメージが湧かないため、実際に園の雰囲気を確かめるのが大切。
園見学は短時間で済む場合が多いですが、短い見学の中でも気になった点があれば、その時に質問しましょう。
しかし、園の内部事情などの細かい部分は、実際に働いてみないと分からないため、見た感じの雰囲気が自分と合うかどうかをしっかりと確認するのが大切です。
面接時に労働条件を詳しく聞く
面接の際には、労働条件などを詳しく聞いておくのが重要です。
求人票に記載されている内容と相違がないかどうかを確認しておかないと、後々「求人票に書かれてた内容と違う」とギャップを感じてしまうかもしれません。
長く働き続けるためには、自分自身が納得した労働条件で勤務するのが大切。
そのため、気になった部分や不明点は、面接時にしっかりと確認しておきましょう。
試用期間の契約内容を確認する
保育園では、入職から数か月間は試用期間を設けているケースがあります。
試用期間の有無については、求人票に記載されている場合が多いのですが、面接時に確認しておくと安心ですよ。
また、試用期間中は本採用時と給与が異なる可能性もあるため、給与については必ず事前確認を行ってくださいね。



私自身も試用期間中は時給計算になっていました。しかし、入職後に知ったため、聞いた時は戸惑ってしまいました。当時は、事前に聞いておくべきだったと後悔したので、しっかりと確認することを強くおすすめします。
私の保育園もブラックかも?転職を考える保育士におすすめのサイト
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まとめ
保育士として働き続けるならブラックな園ではなく、誰もがホワイトな園で働きたいですよね。
ブラックな保育園を見極めるには、園の情報をしっかりと確認するのが大切です。
実際に園に足を運んでみて、保育園の雰囲気や職員同士の関わりなども見てみましょう。
「どの園が良いのかよく分からない」という方は、保育士の転職エージェントがおすすめ。
キャリアアドバイザーが園の内部事情なども教えてくれるので、ブラックな園とホワイトな園を見極められます。
今回ご紹介したブラックな園の見極め方を活用して、あなたに合った保育園を見つけてくださいね。
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