保育士資格を所持していれば、保育園以外にも小児科病棟や写真館スタッフなどのさまざまな職場で活躍できることをご存知でしょうか。
「保育士はどのような場所で働けるの?」と気になりますよね。
本記事では、保育士の意外な職場を多数ご紹介しますので、気になる職場があれば就職の参考にしてみてください。
- 保育士資格があれば、保育以外に医療関係や一般企業でも働ける
- 仕事によっては、保育士資格以外の資格やスキルが必要
- 職場によって子どもと触れ合えない仕事もあるため、子どもと関わりたい人は見極めが必要
- 保育士が意外な職場で働く際は、やりがいのある仕事かを考える

保育業界以外にも、保育の知識があれば活躍できる職場があります。どの職場でも大切なのが、子どもと関わるのが好きな気持ち。保育園以外での就職に興味があれば、積極的にチャレンジしてみてくださいね。


ゆぴ 元保育士ライター
保育士歴9年。ピアノが得意で、子どもと一緒に歌をうたうことが好きでした。現在は、専業主婦兼Webライターとして活動中です。保育士や保育士を目指す方の、力になれるような記事を執筆しています。


保育士の資格を活かせる意外な職場【医療関連】
保育士資格があれば、病児保育施設や小児科病棟などの医療現場でも働けます。
「医療現場でも働けるの?」「医療の知識や資格が必要ではないの?」と、意外に思う方も多いようです。
医療の専門的な資格は不要なので、医療現場で活躍してみたい人は挑戦してみてはいかがでしょうか。
産婦人科や助産施設
- 新生児の世話
- 保護者への育児指導
- 助産師の手伝い
産婦人科や助産施設では、ミルクを飲ませる、おむつ替えなど新生児を対象にした世話を行います。
また、保護者に沐浴の手順やミルクの飲ませ方を指導するのも保育士の大切な業務です。
比較的残業は少ないですが、夜間勤務がある場所が多い点だけ注意しておきましょう。
病児保育施設
- 病気の子どもを対象にした保育
- 子どもに応じた指導計画の作成
- 医師の診察への付き添い
病児保育施設では、体調が悪く保育施設に預けられない子どもを受け入れて世話をします。
保育を行う点は通常の保育士と変わりありませんが、体調の悪い子どもと関わる必要があるデリケートな仕事です。
体力面での負担は少ないですが、感染症が流行る時期などは自身の体調管理を徹底しなければなりません。
小児科病棟
- 小児病棟に入院している子ども及び、小児外来に通院している子どもの世話
- 子どもが抱えるストレスの緩和ケア
- 保護者とのコミュニケーション
小児科病棟の保育士は、病棟に入院している0〜18歳の子どもの生活支援や遊びの提供を行います。
対応年齢層が幅広いため、年齢ごとの発達を十分理解しておく必要があります。
入院生活でストレスを抱えている子どもが多いため、コミュニケーションを取り緩和させてあげる重要な役割です。
医療保育専門士の資格があれば、医療知識を兼ね備えた保育士としてより重宝されやすいでしょう。
保育士の資格を活かせる意外な職場【教育・福祉関連施設】
乳児院や児童養護施設は、保育士が働ける職場として認知度が高いと思います。
ですが、その他にも幼児向け教室やインターナショナルスクールなど、保育士資格があれば働ける教育・福祉関連施設は多いです。
ここでは、保育士資格が活かせる意外な教育・福祉施設を6つご紹介します。
インターナショナルスクールやプリスクール
- 子どもの身の回りの世話
- イベントや企画の立案
- 言語取得に向けた教育
インターナショナルスクールやプリスクールなどの英語教育を行う施設でも、保育士資格がある人が活躍できます。
仕事内容は一般的な保育園と変わりありませんが、施設によっては子どもが日本語を習得するための機会を作るのも重要な役割です。
インターナショナルスクールやプリスクールで働くには、保育士資格以外にも高い英語スキルが求められます。
外国人の講師や保護者とコミュニケーションをとることも多いので、英検やTOEICなどの資格を取得していると就職に便利でしょう。
幼児向け教室(英語・音楽)
- 子ども向けのレッスン
- レッスン内容・カリキュラムの作成
- 教材準備
幼児向け教室では、英語や音楽などの専門分野のレッスンを行います。
レッスンを行うだけでなくレッスン内容やカリキュラムを作成するため、保育士資格の勉強をした方なら知識を役立てることができます。
保育士資格だけでも就職できますが、子どもと関わるコミュニケーション能力や英語、音楽などのスキルも求められるでしょう。
放課後デイサービス・児童発達支援施設
- 支援計画に沿ったサポート
- 利用者の送迎
- 保護者対応
放課後等デイサービスや児童発達支援施設では、障害や発達に遅れのある子どもの療育や支援を行います。
保育士資格取得時に発達障害を学んでいる方は、知識が役に立つでしょう。
少人数の子どもを対象に支援を行うため、個々とじっくり関われるのが特徴。
施設によっては子どもの送迎業務も担うため、自動車免許を持っていると優遇されやすいです。
学童保育施設
- 子どもに対する活動や遊びの提供
- イベントの企画・準備
- 学校職員や保護者との連携
学童保育施設は学校での授業を終えた子どもを迎え、適切な活動や遊びを提供し見守る仕事です。
学童保育の主な対象年齢は小学校低学年であるため、動きや遊び方がダイナミックになる分、安全面に配慮した見守りが求められます。
勤務時間は基本的に正午〜午後から始まるので、他の仕事と掛け持ちした働き方もおすすめです。
乳児院・児童養護施設
- 24時間体制で子どもの世話を行う
- 保護者のサポート
- 親子のサポート
乳児院・児童養護施設では、親との死別や虐待など、さまざまな事情で保護者と一緒に生活することが困難な0〜18歳の子どもの世話を行います。
保育者の立場だけでなく、保護者としての役割も求められます。
関わり方によって子どもの人生に大きな影響を与えるため、責任が重い一方やりがいのある仕事です。
365日24時間体制であることから、夜勤も必須。
また、子どもが心を開いてくれるまでに時間を要することもあるので、根気が必要になるでしょう。
子育て支援センター・児童館
- 保護者の育児相談に乗る
- イベントの企画・準備
- 室内整備・安全点検
子育て支援センターや児童館では、子どもの遊びの見守りの他、保護者からの育児相談に乗ったり子どもが安全に過ごすための環境整備を行ったりします。
子育て支援センターに訪れる保護者の中には、育児について悩みを抱えアドバイスを求める方が多いです。
保育に関する知識が備わっていれば回答しやすいですが、保育経験が長ければ長いほど保護者の気持ちに寄り添え、より的確なアドバイスができるでしょう。
保育士の資格を活かせる意外な職場【一般企業】
保育士資格があれば、福祉・医療施設だけでなく一般企業で働くことも可能です。
保育の現場で活躍している方の中には、一般企業で働くことに興味を持つ方もいると思います。
ここでは託児所や保育系企業など、保育士資格を活かせる一般企業を6つご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
企業内託児所
- 子どもの世話
- 保護者との連携
企業内託児所では、企業内や近隣の施設で企業に勤める従業員の子どもを預かり世話をします。
仕事内容は一般の保育士と変わらず、遊びの見守り、食事や排泄の援助などです。
1つの部屋で各年齢児を一斉保育をするので、年齢別の細やかな配慮が必要になります。
大きな行事やイベントがないため、体力面の負担がかかりにくく残業が少ない等のメリットがある一方、業務負担が多くない分保育士としての経験が積みづらいデメリットもあります。
テーマパーク
- 施設内の託児所で子どもの世話をする
- パーク内の見守りや案内
- 迷子センターでの子どもの見守り
保育士資格が活かせるテーマパークの仕事は、大きく分けて「託児所での仕事」「運営スタッフ・迷子センター・ベビールームでの仕事」の2つです。
施設内の託児所では、お客様の子どもを一時的に預かり、遊びの見守りを行います。
運営スタッフや迷子センターは、幼児向けのレジャー施設の運営、迷子になった子どもを預かり世話をするのが業務内容です。
毎日関わる子どもの数や年齢が異なるのが、テーマパークで働く際の特徴。
子ども一人ひとりに合わせたサポートが必要となります。
写真館スタッフ
- 子どもの着替えやセット中のサポート
- 写真撮影中の子どものあやし
- 子どもの安全管理
七五三や誕生日などの記念に写真を撮る写真館でも、保育士資格を活かして働けます。
業務内容は、子どもの着替えの補助や、笑顔で写真撮影できるように子どもをあやすことです。
子どもの可愛らしい笑顔を引き出せる、やりがいのある仕事ですよ。
幅広い年齢の子どもの対応をするため、子どもと関わった経験があり、扱いに慣れている方がより向いているでしょう。
結婚式場や美容室の託児スタッフ
- 結婚式場のキッズスペースでのスタッフ業
- 美容室で利用者の子どもを預かり世話をする
- スペース内の壁面製作や手作り玩具作成
結婚式場や美容室でも、保育士資格があれば一時的に子どもを預かる託児スタッフとして働けます。
子どもがいない時間は環境整備や壁面制作などをするので、保育士資格以外の資格や経験は必要ありません。
一点、アルバイトや派遣等の求人がほとんどなので、正社員枠で働きたい人には向いていないでしょう。
保育系企業
- 保育園や事業所内保育所の運営
- ベビーシッターサービスの運営
- コンサルティング業
保育士資格を持っているけれど、子どもと関わるのに自信がない方や、保育現場以外で保育の知識を活かしたい方におすすめなのが、保育系企業です。
主に、転職や人材派遣サービス、保育園の運営、ベビーシッターサービスの企業などが挙げられます。
保育施設に比べ、給与や福利厚生が充実している、労働時間が適切である等のメリットがあることで人気の職種です。
保育士養成校の講師
- 学生に保育の知識とスキルを指導する
- 教育計画・教材の準備
- 進路・就職支援
保育士養成学校では、保育士を目指す学生を対象に保育の知識やスキルを指導します。
保育士資格はもちろん、教員免許や大学院修了などの条件があるため、興味がある方は早めに採用条件をチェックしておくとよいでしょう。
保育園や幼稚園での実務経験が長ければ長いほど、優秀な人材として重宝されます。
保育経験を活かし、次世代の保育士を育てたい人に向いていますよ。
保育士の資格を活かせる意外な職場【自宅でできる仕事】
保育士資格を持っていれば、会社勤めすることなくフリーランス等で自宅でできる仕事もあります。
保育現場で人間関係に悩んでいる人や、体力面に負担をかけず働きたい人におすすめしたい働き方です。
保育士と並行に、副業として働くのもよいですね。
WEBライターや動画クリエイターなど、自宅でできる3つの仕事をご紹介します。
保育系WEBライター
- 保育学生や保育士、保護者等に向けたコンテンツ記事の執筆
- 記事執筆に必要な情報収集
- 記事の構成作成や装飾を任されることもある
保育系WEBライターは保育士の知識を活かし、保育士を目指す学生や現役保育士、保護者に向けた記事を執筆します。
パソコン1つあれば、場所や時間を問わず働けるのが魅力。
ただし、直接子どもと関わる機会がないため、子どもと触れ合いたくて保育士資格を取得した人には向いていないでしょう。



私も、保育士資格を所持しているWEBライターです。保育士時代に培った知識を文章で表現し、保育士を目指す方の役に立つことにやりがいを感じています。
動画クリエイター・インフルエンサー
- YouTubeやTikTokにて保育に関する動画の作成、配信
- InstagramやX(旧Twitter)にて保育に関する情報の発信
- 手遊びや季節の製作、行事の由来などの紹介
動画クリエイター・インフルエンサーは、YouTubeやインスタグラムなどのSNS上で保育情報を発信する仕事です。
パソコンがなくてもスマートフォンがあれば、誰でも始められますよ。
WEBライター同様、子どもと関われないのが難点。
保育士をしながら、副業として挑戦してみるのもおすすめです。
ベビーシッター
- 利用者の自宅や企業に出向き、子どもの世話をする
- 自宅で子どもを預かり世話をする
- 保育園や習い事への送迎
ベビーシッターは派遣会社への登録、開業手続きなどを得て働ける職業です。
保育者の自宅で保育を行う「保育ママ」の場合、0〜3歳の子どもを1〜5人程預かり世話をします。
少人数制保育のため、きめ細やかなサポートを行いたい人にぴったりですよ。
自宅から出ることなく働けますが、子どもが安全に過ごせるよう徹底した安全管理と環境整備を行う必要があることを覚えておきましょう。
意外な職場で働く際の注意点【先輩保育士からのアドバイス】
保育士資格があれば保育現場以外の意外な職場でも働くことができますが、何点か注意が必要です。
- 仕事を通して子どもと触れ合いたいのかを考える
- 保育士資格以外の資格や経験が必要か調べる
- やりがいを感じられる仕事か考える
職種によって、子どもと関わる仕事とそうでない仕事があります。
子どもと関わりたくて保育士資格を取得した人にとって、触れ合う機会がない職に就くのはもったいないです。
乳児院や写真館スタッフ、託児所など、子どもの世話ができる仕事を選ぶとよいですよ。
また、業務内容によっては保育士資格以外にも専門的な知識やスキル、経験が必要な仕事もあるため、自分の経歴や所持スキルに適しているかを確認してみてください。
まとめ
保育士が働ける以外な職場を18か所ご紹介しました。
保育士資格があれば、保育の経験や知識を活かして教育現場や医療現場、一般企業などあらゆる場所で働けます。
職種によって業務内容はそれぞれ異なるので、まずは自分がどのような働き方をしたいのか、考えをまとめてみましょう。
本記事でご紹介した仕事も参考にして、やりがいを感じられる職場をみつけてみてくださいね。
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