保育士資格の難易度や合格率は?試験内容や対策について徹底解説!

保育士資格_難易度

保育士資格を取得するためには、国家資格の保育士試験に合格しなければなりません。

「保育士試験って難易度が高いと聞いたけれど本当?」「保育士資格試験の概要や合格率が知りたい」と、気になっている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、保育士資格の難易度や保育士資格試験取得までの道のりを詳しくご紹介します。

保育士資格取得を目指している方は、ぜひ最後までご覧ください。

この記事をまとめると
  • 保育士資格試験は前期と後期の年に2回実施される
  • 保育士試験の合格率は20%で難易度が高い
  • 筆記試験と実技試験両方の対策をしっかり行う必要がある
この記事を書いた人
岡本

ゆぴ  元保育士ライター

保育士歴9年。ピアノが得意で、子どもと一緒に歌をうたうことが好きでした。現在は、専業主婦兼Webライターとして活動中です。保育士や保育士を目指す方の、力になれるような記事を執筆しています。

【元保育士】ゆぴライター

保育士資格の難易度が高いと聞くと、勉強するのに怯んでしまいますよね。この記事では、保育士試験に合格するための学習ポイントも紹介しています。要点を押さえれば、合格への道も近くなりますよ。憧れの保育士を目指しましょう!

目次

保育士資格試験の概要

保育士資格試験に合格するために、まずは試験概要の理解が必要です。

「保育士資格試験を受けるには何の科目を勉強したらよいの?」「保育士試験はいつ?」と気になる方のために、保育士資格試験の日程と試験科目を詳しく解説します。

試験に必要な情報をしっかり頭に入れておきましょう。

保育士資格試験概要

試験の日程

例年保育士試験は、春と秋の年に2回実施されます

令和7年度の保育士試験の日程は、以下の通りです。

筆記試験実技試験
前期試験令和7年4月19日(土)、20日(日)令和7年6月29日(日)
後期試験令和7年10月18日(土)、19日(日)令和7年12月7日(日)

年度が変わる4月から勤務を開始したい方は、秋に行われる後期試験を受験するとよいでしょう。

自分のライフスタイルや希望勤務時期に合わせて受験してみてください。

試験科目

保育士資格試験は、筆記試験科目と実技試験科目で構成されています。

それぞれの試験科目は以下の通りです。

筆記試験科目実技試験科目(2科目選択)
保育の心理学音楽に関する技術
保育原理造形に関する技術
子ども家庭福祉言語に関する技術
社会福祉
教育原理
社会的養護
子どもの保健
子どもの食と栄養
保育実習理論

実技試験科目の具体的な内容も、簡単にまとめました。

科目試験内容
音楽に関する技術ピアノ/アコースティックギター/アコーディオンのうちいずれかを選択し、課題曲を演奏する
造形に関する技術保育の一場面を縦横19cmの枠内に絵画で表現する(2023年度の場合)
言語に関する技術3歳児クラスを想定に指定された3分間の物語を選択し、語りかけをする

尚、造形に関する技術の試験内容は毎年異なるので、最新情報は全国保育士養成協議会から確認してください。

筆記試験のポイント

筆記試験は9科目あるため、どの分野も効率よく勉強しなければなりません。

「そんなにたくさんの科目を勉強できない…」という方は、「教育原理」と「社会的養護」を重点的に勉強してみてください。

問題数が20問ある他の科目に対し、上記の2科目は10問しかありません。

10問中6問正解すれば、合格目安の6割を超えられますよ。

また、筆記試験はマークシート形式で行われるため、解けない場合でも正解する可能性はあります。

運を味方につけるのも必勝法の一つなので、答えが分からなくても選択肢は必ず1箇所塗りつぶしておきましょう

実技試験のポイント

実技試験のポイントは、以下の2点です。

  • 自分の得意な科目を選ぶ
  • 周りの協力を得る

音楽・造形・言語の中で「これなら自信がある!」という科目があれば、選択して対策を始めましょう。

得意な科目がなくても、楽器が演奏できない場合は造形と言語、話すのが苦手なら音楽と造形など、選択肢を絞りながら決めることが大切です。

実技試験当日は、複数の面接官の前で実技を披露します。

1人で黙々と練習を重ねていても、実際に面接官を目の前にしたら緊張して実力が発揮できないかもしれません。

練習する際に家族や友人に協力してもらい人前に立つ緊張感を事前に経験しておけば、試験当日はいくらかリラックスして臨めますよ。

保育士資格試験の合格率や偏差値

保育士資格試験の合格率は平均20%です。

過去3年分の合格率を以下の表にまとめました。

年度合格率
平成29年度21.6%
平成30年度19.7%
令和元年度23.9%

引用元:厚生労働省 保育士の現状と主な取組

他の国家資格と比べてみると、三代福祉国家資格でもある社会福祉士の合格率は30〜50%なので、合格率20%の保育士はやや難易度が高いことが分かります。

保育士資格試験のレベルを偏差値に変換することはできませんが、努力すれば独学でも合格を目指せるため、偏差値で表すならさほど高い数字にはならないでしょう。

保育士資格の合格率が20%前後の理由

保育士資格の合格率が20%前後と低いのは、以下の2つの理由が考えられます。

ここでは、合格率が低い理由を具体的に解説します。

合格率の低さに怯むかもしれませんが、合格率の低さと対策方法を理解して勉強を進めれば合格を勝ち取ることができますよ。

試験の受験を決めた際は、合格率の低さも事前に把握しておきましょう。

出題範囲が広い

保育士試験の合格率が低い理由の一つは、出題範囲が広いことです。

筆記試験では、以下9科目の対策を行う必要があります。

  • 保育の心理学
  • 保育原理
  • 子ども家庭福祉
  • 社会福祉
  • 教育原理
  • 社会的養護
  • 子どもの保健
  • 子どもの食と栄養
  • 保育実習理論

合格するには各科目ごとに満点の6割以上を取らないといけないため、難易度が高くなります。

全科目の合計が○点以上で合格というわけではなく、どの科目も満遍なく勉強しなければなりません。

筆記と実技両方に合格しないといけない

筆記試験と実技試験の両方に合格しないといけないのも、保育士試験が難しい理由です。

9科目の筆記試験全てに合格した上で、2次試験の実技試験に進みます。

実技試験も筆記試験同様に、選択した2科目両方の得点が6割以上(50点満点中30点以上)を取らないと不合格です。

筆記試験に合格しても気を抜かずに実技試験の準備をしないといけないため、長期間の戦いとなるでしょう。

保育士資格を得るための学習時間は?

保育士資格を得るための学習時間を、通信講座・独学別に解説します。

勉強に充てられる時間や、金銭面・ライフスタイルの関係などで勉強方法は異なりますが、試験範囲の広い保育士資格は、通信講座・独学のどちらであっても時間をかけて勉強しなければなりません。

保育士資格の受験を決めたら、勉強に充てる時間を十分に確保しておきましょう

通信講座で学習する場合

通信講座で学習する場合、6〜12ヶ月程度の時間が必要です。

資格取得までの期間は通信講座によって異なりますが、大手通信講座の「ユーキャン」は12ヶ月、「資格のキャリカレ」は最短6ヶ月で保育士資格が取得できるプログラムになっています。

通信講座を活用するメリットはさまざまです。

  • 学校やアルバイトと勉強の両立ができる
  • 場所や時間を選ばず勉強できる
  • 担当者から不明点の質問や問題の添削が受けられる

独学で勉強するより時間はかかりますが、保育士養成施設と同等の教材を使いながら添削も受けられ、しっかりと理解しながら学習できます。

独学で学習する場合

独学で学習する場合は、100〜180時間程度(約4〜6ヶ月)の勉強時間が必要と言われています。

平日は1時間、週末は3時間など、勉強時間を設定してスケジュールを立てるのが理想です。

勉強期間を3〜4ヶ月と設定した際のスケジュール例を紹介します。

勉強期間学習内容
1〜3週目・各科目の内容を理解する
・参考書を読んで基礎知識をインプットする
3〜6週目・過去問やテキストを使って問題を解いていく
6〜9週目・模擬試験を解いて演習を行う
・タイムを測って当日の雰囲気に慣れておく
9週目以降〜・総仕上げ(一問一答やテキストの復習)

スケジュールを組んでおくと、勉強の進捗状況が把握できるのでおすすめです。

【保育士が解説】保育士資格の取得までにかかった時間や実際の勉強量とは?

保育士経験のある私が保育士資格の取得までにかかった時間は、おおよそ2年間です。

卒業と同時に保育資格が取得できる2年制の短期大学に通っていたため、勉強していた期間は2年間程度となります。

短期大学ではあるものの、毎日授業がパンパンに詰まっていたわけではなく、授業が2コマだけの日や午後に通学する日もありました。

空き時間はプライベートな時間やバイトをして過ごしていたので、実際の勉強時間はもっと短いと思います。

短期大学生の頃は家で勉強することが少なく、テスト前に少しテキストを復習する程度でした。

保育士資格試験に合格するための道のり

保育士資格試験に合格するためには、下記のいずれかの方法を選ぶ必要があります

保育士資格は保育士養成施設に通わなくても取得できるため、他の職種から転職する人も多いです。

ここでは、それぞれの方法を具体的に解説していきます。

どの道のりにもメリットデメリットがあるので、双方をよく理解してから保育士資格の取得方法を選んでみてください。

指定保育士養成施設(短大・大学・専門学校)に通い卒業する

一つ目は、短大・大学・専門学校などの指定保育士養成施設に通って卒業する方法です。

養成施設に通う方法には、以下のメリットがあります。

  • 保育士試験を受ける必要がない
  • 実習が多い
  • ピアノや造形などの実技も授業で学べる

保育士試験を受験せずに保育士資格が取得できるのは、大きなメリットです。

一方で、必要な単位を取らないといけない、一定期間以上の施設実習が必要など大変な面もあるので理解しておきましょう。

指定保育士養成施設以外で勉強し保育士試験を受験

二つ目は、指定保育士養成施設以外で勉強して保育士試験を受験する方法です。

保育と関係のない学部・学科に通っている学生の人でも、学校教育法に基づいた学校を卒業している人は保育士試験の受験資格があります。

「保育の道は考えていなかったけれどやっぱり保育士に興味がある」という方は、まずは現在の学校を卒業してから保育士試験の受験を検討してみましょう。

学校教育法については、全国保育士養成協議会のホームページをご覧ください。

引用元:全国保育士養成協議会

2年以上の実務経験を経て保育士試験を受験

三つ目は、2年以上の実務経験を経て保育士試験を受験する方法です。

保育士試験の受験資格は「短期大学卒業程度」と記載されていますが、最終学歴が高等学校の人でも「児童福祉施設で実務経験2年以上かつ総勤務時間数2,880時間以上従事した者」の条件を満たせば受験資格が得られます。

ここで言う児童福祉施設とは、以下の施設を指します。

  • 保育所(利用定員20名以上)
  • 保育所型認定こども園
  • 幼保連携型認定こども園
  • 児童厚生施設(児童館)
  • 児童養護施設
  • 助産施設
  • 乳児院
  • 母子生活支援施設
  • 障害児入所施設
  • 児童発達支援センター
  • 児童心理治療施設
  • 児童自立支援施設
  • 児童家庭支援センター

大学や短期大学に進学していない人でも保育士は目指せるので、まずは上記の児童福祉施設の勤務からスタートしてみましょう。

引用元:全国保育士養成協議会

保育士資格試験合格のための学習ポイント

「保育士試験の勉強は何から手をつけたらよいのか分からない」と、焦ってしまう人もいると思います。

ここでは、保育士資格試験合格のための学習ポイントを2つ紹介します。

筆記試験と実技試験とでは対策方法が大きく異なるので、それぞれの学習ポイントをしっかりと押さえておきましょう。

実技は得意科目を集中して練習

実技試験では、得意科目を集中して練習しましょう

保育士試験の実技では、音楽・造形・言語の中から2科目を選択できます。

保育士試験の受験を決めたら、どの科目を選択するか早めに決断するのがポイントです。

音楽と言語に関しては、試験内容が事前に発表されているため対策しやすいですよ。

筆記試験に合格してから実技試験の対策を始める人もいますが、余裕を持って試験に臨むために、筆記試験に合格する前から対策を始めておきましょう。

筆記は過去問やアプリの一問一答で対策

筆記試験では、過去問やアプリの一問一答を活用して対策をしましょう。

保育士試験の勉強におすすめのアプリをいくつかご紹介します。

  • ユーキャン資格本アプリ
  • 【中央法規】保育士合格アプリ2024 一問一答+穴埋め
  • 目指せ合格!保育士試験一問一答【ココキャリ授業対応】

スマートフォンのアプリなら、通学時間や寝る前の時間などの隙間時間を使って勉強ができるので、1つはダウンロードしておくと便利ですよ。

過去問を解く際は、何冊も解くよりも同じ過去問を何週も解いて、解答や解説をしっかりと頭に叩き込むのがポイントです。

保育士資格の難易度は高い?口コミで深掘り

口コミまとめ
  • 他の分野よりも保育士試験は難しい
  • 誰でも取得できる資格ではない
  • 試験の難易度と給料の水準があっていないのでは!?

保育士資格の難易度は高いのか、口コミを調査しました。

ここでは、X(旧Twitter)に寄せられた口コミを紹介します。

全く別の分野の資格試験を受けてきてました!
いやーーーー保育士試験に比べたら、簡単すぎてびっくり。
量も内容も難易度も。

満開になるまで、時間かかってる方々安心してください。
保育士は難しい!むちゃくちゃ難しい!

引用元:X(旧Twitter)の口コミ

保育士試験と看護師試験なら、圧倒的に保育士試験のほうが難易度高いからな…

誰でも取れる資格、誰でもなれる職種、遊んでるだけ、若い女の馬鹿な職種

とバカにされる保育士ですが、福祉の国家資格舐めるなよ?一般試験受けてみろ。

引用元:X(旧Twitter)の口コミ

仕事で使えるかもと保育士資格調べたけど
難易度高いな
この難易度で給料があの水準はちょっと酷いな

引用元:X(旧Twitter)の口コミ

口コミからも、「保育士はむちゃくちゃ難しい!」「看護師試験より難易度が高い」など、保育士資格の難易度が高いことが分かります。

試験科目の多い保育士試験は、他の資格よりも難易度が高いようです。

また、「試験の難易度と給料の水準が釣り合っていないのでは!?」という声もありました。

保育士の給料の安さが疑問視されているのも事実なので、試験の難易度の高さを給料に反映してほしいと願っている保育士の方は多いかもしれません。

まとめ

保育士資格の難易度や、試験合格のための学習ポイントを詳しくご紹介しました。

保育士資格の合格率は20%と低く、難易度が高いです。

筆記試験で9科目全て6割以上点数を取らないといけない、筆記試験と実技試験の両方で合格しなければならない2点が、保育士試験の難しさの理由と言えるでしょう。

本記事で紹介した学習ポイントも参考にして、保育士試験に臨んでください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

保育士歴9年。ピアノが得意で、子どもと一緒に歌をうたうことが好きでした。現在は、専業主婦兼Webライターとして活動中です。保育士や保育士を目指す方の力になれるような記事を執筆しています。

コメント

コメントする

目次