元園長監修【3歳児・6月】月案/週案の文例(ねらい・子どもの姿・養護・教育・ふりかえりの書き方)


梅雨の季節に入り、しっとりとした雨の日が続く6月。子どもたちは室内外で元気に過ごしています。
雨の日も楽しめる遊びを取り入れながら、季節の変化を感じられる時間を作りましょう。
それでは3歳6月の月案文例を解説していきます。

この記事の監修者

Aki 園長歴6年

保育士歴18年、園長歴6年。これまで多くのカリキュラム添削や、保育士さんたちの悩みに寄り添ってきました。この記事では園長として多くの月案・週案をチェックしてきた経験を活かし、 効率よく質が高い月案・週案を仕上げられるようサポートします。

最初に月案作成のポイントをご紹介します。
ただ、いち早く例文をご確認したいという方は「こちらのリンク」を押してください。

目次

元園長が教える月案・週案の重要ポイント

大前提、月案を作る上でどんなことが重要なのか?

実際に保育士さんたちの数々の月案をチェックしてきた元園長先生に、重要ポイントを伺いました。

意識してほしいポイント
  • 年間カリキュラムに基づく計画を立てる
  • まずは「前月の子どもの姿」から考え始める
  • 「今月のねらい」と「具体的な内容」は連動して考える

この3つが、年齢・時期関わりなく月案を作成する上で意識してほしい点です。

要するに、「保育園での活動を通して、子どもたちにどんな姿になってもらいたいのか」を考えると良いということですね。

3歳児・6月の月案のポイント

次に、「3歳児・6月」ならではの月案のポイントを紹介します。

3歳児・6月の月案を考える上でのポイント
  • 梅雨の不快な時期を清潔で健やかに過ごせるよう、着替えやシャワー、室温の管理など、必要な配慮・環境設定を行う。
  • 身の回りのことを自ら行う姿勢を大切にしながら、新しいことにも意欲的に挑戦しようと子ども自身が思えるような保育者の関わりを考える。
  • 友だちとの関わりが増えて楽しむ一方、トラブルも起こりやすくなる為、子どもの気持ちを受け止めながら、相手の思いに気づき、考えていけるような援助をする。
  • 梅雨の時期の自然や生き物に触れ、興味・関心を広げられるような活動を取り入れる。

梅雨のジメジメとした気候により、不快感や蒸し暑さから体調を崩しやすくなります。衛生面に十分配慮しながら、子ども達が快適で元気に過ごせるような、配慮や環境設定を行っていきたいですね。

また、雨天が続くことで室内で過ごす機会が多くなることが予想されます。室内でも十分体を動かし、伸び伸びと遊べるような活動を取り入れましょう。

それではここから、具体的な月案の例文をまとめていきます。

STEP1》 前月の子どもの姿を思い出す

  • 一日の生活の流れが分かるようになり、排泄・着替え・手洗い・片付けなど身の回りのことに自ら取り組もうとする姿があった。
  • GW明けは登園時に泣いたり、不安そうな表情の子どもがいたが、保育者や友だちとの関わりを重ねることで、徐々に安心感を取り戻していった様子だった。
  • 生活や遊びの中で友だちと意見がぶつかり合い、手が出てしまうことがあった。
  • 戸外遊びや散歩では体を動かして伸び伸びと遊んだり、様々な生き物や植物に興味を持ち、触れたり観察して楽しんでいた。

STEP2》 今月のねらいを決める

養護のねらい

教育(5領域に対応)のねらい

養護のねらい①の具体的な月案

ねらい

梅雨の時期を、清潔で健やかに過ごす

養護・内容

  • シャワーや着替えを行い体を清潔に保ち、さっぱりとした気持ち良さを味わう。(生命の保持)
  • 手洗い・うがい・水分補給を行い、梅雨の時期を元気に過ごす。(生命の保持)

養護・予想される子どもの姿

  • 汗をたくさんかく為、あせもなどの皮膚疾患にかかりやすくなる。
  • シャワーを浴びてさっぱりすることをを喜ぶ。
  • 蒸し暑く不快な気候により、不機嫌になったり、疲れやすくなったりする。

養護・環境構成/保育者の配慮

  • シャワーや着替えの際に子どもの様子をよく観察し、皮膚疾患など異常が無いか確認する。異常がある時は保護者に伝え、通院などの対応をしてもらうようお願いする。
  • 換気をしたり、空調を利用し、気温・湿度の調節をこまめに行い、快適に過ごせるようにする。
  • 子どもが遊びや活動の合間に自由に水分補給ができるよう、個々の水筒を家庭から用意してもらい、いつでも手に取りやすい位置に置いておく。

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養護のねらい②の具体的な月案

ねらい

生活の中で次の行動の見通しを立てる

養護・内容

  • 大まかな生活の流れが分かる。(生命の保持)
  • 次の行動を見越しながら、身の回りのことをやろうとする。(生命の保持)

養護・予想される子どもの姿

  • 次の活動や、今やることについて、保育者に合っているか確認する。
  • 自分でできないことは、保育者の手助けを求める。

養護・環境構成/保育者の配慮

  • 自分から取り組もうとする姿を優しく見守り、認める声かけをし、自信へと繋げていく。
  • 上手くできないなど、困っている時は様子を見ながら、必要に応じて援助や励ましを行う。

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養護のねらい③の具体的な月案

ねらい

保育者と信頼関係を深め、安心して過ごす

養護・内容

  • 保育者に気持ちを受け止めてもらい、信頼関係が深まる。(情緒の安定)
  • 生活の中で、自分の思いを安心して伝える。(情緒の安定)

養護・予想される子どもの姿

  • 保育者に思いを受け止めてもらえることで、安心し、落ち着いて過ごす。
  • 甘えたり泣いたり怒ったり、自分の気持ちを素直に表現する。

養護・環境構成/保育者の配慮

  • 子ども自身が、自分の気持ちをいつでも安心して保育者に話せるような雰囲気づくりをする。
  • 子どもが伝えたいことを汲み取りたいという姿勢や、一人一人と向き合ってやり取りする時間を、大切にする。

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教育のねらい①の具体的な月案

ねらい

友だちとの関わりの中で、相手の気持ちに気づく

教育・内容

  • 友だちと関わりながら、自分の思いを自由に表現する。(人間関係・言葉)
  • 相手の気持ちを聞くことの大切さを知る。(人間関係・言葉・表現)

教育・予想される子どもの姿

  • 友だちとの関わりを楽しむ一方、拒否されたり、嫌なことを言われると、怒ったり泣いたりする。
  • 自分の思いが通らず、とっさに手が出ることがある。

教育・環境構成/保育者の配慮

  • 子ども同士のやり取りや世界観を大切にし、そっと見守る。
  • 子どもの思いを十分に受け止めながら、相手の気持ちを聞くことの大切さも、やり取りの中で一緒に伝えていく。
  • 手が出てしまう時は保育者が仲立ちとなり、危険が無いよういつでも制止できる位置につく。相手に気持ちを言葉で伝える方法を、繰り返し根気よく伝えていく。

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教育のねらい②の具体的な月案

ねらい

梅雨の時期でも体全体を十分に動かし伸び伸び遊ぶ

教育・内容

  • 運動遊びやリズム遊びを通して、体全体を思い切り動かして遊ぶ気持ち良さを味わう。(健康・環境・表現)

教育・予想される子どもの姿

  • 梅雨入りにより室内で過ごすことが増え、活動量が減る。
  • 保育者や友だちと一緒に運動遊び・リズム遊びを楽しみ、開放的な気持ちになる。

教育・環境構成/保育者の配慮

  • 様々な体の動きができる運動遊び・リズム遊びを積極的に取り入れ、一緒に楽しむ。
  • 運動遊びで使用する備品や道具の安全点検を事前に行っておく。危険の無いよう、マットや平均台など、大型遊具の配置を工夫する。

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教育のねらい③の具体的な月案

ねらい

梅雨時期の自然に触れ、親しむ

教育・内容

  • 梅雨時期の植物や生き物に興味・関心を持ち、感じたことを言葉にする。(言葉・環境・表現)
  • 雨天での遊びを存分に楽しみながら、梅雨を感じる。(環境・表現)

育・予想される子どもの姿

  • 戸外で見つけた生き物や植物を持ち帰り、生き物を園で観察したり、自然物を遊びに使ったりして楽しむ。
  • 水たまりや泥で遊び、感触を楽しむ。

教育・環境構成/保育者の配慮

  • 雨天の中でも遊ぶ体験ができるよう、レインコート・長靴・汚れても良い衣服などを用意してきてもらう。
  • 子どもの驚きや発見の声・表情に注目し、共感した声かけをしながら一緒に楽しむ。
  • 生き物を大切に扱うよう、子ども達に伝える。

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行事・遊び・食育・職員との連携・家族や地域との連携・自己評価の月案例

今月の行事

  • 歯科検診
  • 歯の健康週間
  • プール開き
  • ファミリーデー(父の日)
  • 時の記念日
  • 夏至
  • 誕生会
  • 身体測定
  • 避難訓練

今月の遊び

  • 泥んこ遊び
  • 雨天での遊び
  • 散歩
  • 運動遊び
  • リズム遊び
  • ファミリーデー(父の日)の製作
  • 時の記念日の製作
  • 6月の歌「とけいのうた」「てるてるぼうず」「かえるのうた」
  • 6月の手遊び「はをみがきましょう」「かたつむり」
  • 絵本・紙芝居「ぞうくんのあめふりさんぽ」「でんでんでんしゃ」

食育

  • 箸の使い方を知り、使用してみようとする。
  • 食材に興味を持ち、名前や味を言う。

職員との連携

  • 蒸し暑い気候を考慮し、水分補給や室温の調節・休息時間をとるなどの対策を、保育者間で声を掛け合い行っていく。
  • 雑菌の繁殖や食中毒が発生しやすい時期なので、掃除や消毒を職員間で連携して行い、清潔を保てるようにする。
  • 子ども一人一人の生活の様子や活動状況を共有し、成長に繋がる働きかけや配慮について保育者間で話し合いながら考える。

家庭や地域との連携

  • 子どもの日々の様子を伝えることで成長を喜び合うと共に、不安や疑問には丁寧に答え、信頼関係を築いていく。
  • 疲れが出やすい時期であることを保護者に伝え、家庭でも子どもの体調の変化について気にかけてもらうようお願いする。
  • シャワーや着替え用の衣服・タオルを多めに用意してきてもらうようお願いする。

自己評価

  • シャワーでは慌ただしくなってしまう場面があった為、来月から本格的に始まる水遊びに向けて、保育者間で流れや担当を再確認し、安全でゆったりと行えるようにしていきたい。
  • 泥んこ遊びやシャワーを行う為、着替えをする機会が多かった。子どもが自分でやろうする姿を大切にしながら、援助を求めてきた際には丁寧に応え、励ましたり良い方法を伝えていくことができた。
  • 戸外では、生き物や植物に触れられる場所をあらかじめ下見しておいた為、触れる機会を多く持って存分に楽しむことができた。
  • 友だちとの関わりを楽しむ姿が増える一方、トラブルも増えてきているので、注意しながら見守っていきたい。

まとめ

梅雨の不快な時期を清潔で健やかに過ごす為には、着替えやシャワー、室温の管理など、必要な配慮・環境設定を行うことが大切でしたね。

また、梅雨の時期の自然や生き物に触れ、興味・関心を広げられるような活動を子ども達が存分に楽しむことができたでしょうか。振り返ってみましょう。

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この記事を書いた人

ほいポケ編集部のアバター ほいポケ編集部 保育士ライター集団

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