幼稚園教諭の年収は?平均年収や手取り、年齢別地域別の年収、現役幼稚園教諭への年収調査も!

幼稚園教諭の年収は?平均年収や手取り、年齢別地域別の年収、現役幼稚園教諭への年収調査も!

幼稚園教諭になろうと考えたときに、平均年収が気になりますよね。

手取りにするとだいたいいくらなのか、ボーナスや初任給はどの程度なのかは、就職や転職を考えるうえでの重要情報です。

本記事では、幼稚園教諭の平均年収を年齢別、地域別で丁寧に解説します。

実際に幼稚園教諭として働いた人の実体験もありますので、最後まで読んで年収相場を正しく把握していきましょう。

この記事をまとめると
  • 幼稚園教諭の年収は年齢を重ねるごとに上がっていく傾向がある
  • 都道府県ごとに賃金の差がある
  • 規模ごとに賃金の差はあるが、ボーナスの差はほとんどない
ちあき【元保育士ライター】

現場で働いていた幼稚園教諭さんのリアルな情報が知れるレア記事です。必見ですよ!

この記事を書いた人

ちあき

認可保育園で勤務後退職して留学。その後は英語の幼稚園で働く。結婚を機に派遣保育士に転身し、さまざまな園で経験を積む。保育士歴は通算7年ほど。

子どもが重度アレルギー児になったことでライターに転身した2児の母。

目次

幼稚園教諭の給料・年収の基本情報

まずは、幼稚園教諭の給与や年収についての基礎知識を確認していきましょう。

以下では、厚生労働省のデータを根拠に、幼稚園教諭の給与(手取り)・初任給・ボーナスについてまとめています。

なお、幼稚園教諭の給与を理解するには平均額だけでなく、地域差や雇用形態など、さまざまな要素を幅広くチェックすることも必要です。

幼稚園教諭の手取り月収と平均年収は?

厚生労働省のデータを元に算出すると、令和6年の幼稚園教諭の平均年収は約413万円です。

  • きまって支給する現金給与額(月額)=276,600円
  • 年間賞与その他特別給与額=808,100円

実際の手取りはここから社会保険料・所得税・住民税などが差し引かれ、おおよそ22万円前後が目安です。

扶養家族の有無や住宅控除の適用などによっても変動しますが、額面と手取りの差があることを理解しておきましょう。

参考:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査

幼稚園教諭の1年目の初任給は?

幼稚園教諭の初任給は、厚生労働省の令和6年調査によると平均22万7千円程度が目安です。

ただし、実際の金額は勤務する地域や公立か私立か、園の規模などによっても異なります。

初任給には基本給のほか、地域手当・職務手当・通勤手当などが含まれる場合もあるので、求人票を見る際は、基本給だけでなく各種手当もしっかり確認しましょう。

地域によって給与額に差が出ることもあります。

参考:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査

幼稚園教諭のボーナスはいくらもらえる?

幼稚園教諭のボーナスは、厚生労働省のデータから算出すると平均約80万円です。

同じ月給でも、園によって賞与月数が異なるため、年間収入に大きな差が生じますよ。

また、勤続年数が長くなるとボーナスの金額は大きくなる傾向があります。

求人票を見る際は、賞与支給月数と支給基準を必ず確認し、実際の年収イメージを具体的に把握しておくことが大切です。

参考:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査

幼稚園教諭の年齢・地域・規模別の給料比較

幼稚園教諭の年収は、経験年数、地域、勤務先の規模などによって異なります。

たとえば、経験を重ねることで基本給や役職手当が上がり、都市部では物価や人材需要の影響で給与水準が高くなる傾向があります。

就職や転職する前に、自分の年齢や勤務環境に近い条件で相場を確認して、自分の給与額をシミュレーションしてみてもいいかもしれません。

年代別の幼稚園教諭の平均年収

年代別の平均年収を見ると、幼稚園教諭は20代前半の約329万円から、年齢とともに緩やかに上昇していく傾向が見られます。

30代で400万円前後、40代では約430万円を超え、50代以降は450万円〜500万円台と安定した水準になります。

特に55歳以降の上昇幅が比較的大きいことから、勤続年数や役職手当、ベテランとしての評価が年収に反映されやすいと考えられます。

年齢平均年収
20~24約329万円
25~29約386万円
30~34約395万円
35~39約414万円
40~44約432万円
45~49約455万円
50~54約456万円
55~59約486万円
60~64約512万円
65~69約508万円
70~約570万円

参考:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査

地域別の給料の違い

地域別に見ると、幼稚園教諭の平均年収は全国的に300万~370万円台が中心で、地域による差が表れています。

下記の表から、最も高い水準は関東や近畿の都市部などが上位である一方で、東北や四国、九州南部では300万円前後と低めの傾向が読み取れます。

都市部は給与が高い反面、生活コストも上昇するため、実質的な手取り感は地域によって異なる点にも留意が必要です。

地域都道府県平均年収
北海道北海道約361万円
東北青森約318万円
岩手約324万円
宮城約316万円
秋田約311万円
山形約308万円
福島約301万円
関東茨城約342万円
栃木約340万円
群馬約340万円
埼玉約340万円
千葉約376万円
東京約366万円
神奈川約361万円
中部新潟約319万円
富山約315万円
石川約328万円
福井約348万円
山梨約323万円
長野約343万円
岐阜約341万円
静岡約341万円
愛知約364万円
近畿三重約354万円
滋賀約310万円
京都約367万円
大阪約359万円
兵庫約360万円
奈良約369万円
和歌山約323万円
中国鳥取約340万円
島根約310万円
岡山約368万円
広島約342万円
山口約350万円
四国徳島約311万円
香川約356万円
愛媛約365万円
高知約307万円
九州福岡約325万円
佐賀約340万円
長崎約330万円
熊本約337万円
大分約348万円
宮崎約341万円
鹿児島約319万円
沖縄沖縄約318万円

参考:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査

幼稚園の規模による収入差

企業規模別に見ると、幼稚園教諭の平均年収には差が見られます。

従業員数が10~99人規模では約409万円、100~999人規模で約422万円、1,000人以上の大規模園では約455万円と、規模が大きいほど平均年収は高くなる傾向です。

一方、ボーナス額はほぼ同額で大きな差は見られませんでした。

企業規模平均年収年間ボーナス平均額
10~99人約409万円約81万円
100~999人約422万円約80万円
1,000人~約455万円約80万円

参考:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査

公立と私立の幼稚園での年収の違いは?

幼稚園教諭の給与や年収は、公立と私立で違いがあります。

公立園では地方自治体の人事給与制度や俸給表に基づいて昇給・賞与が決まり、共済制度による退職金や福利厚生も手厚いのが特徴です。

一方、私立園は運営法人の方針によって給与体系が異なります。

下記の表で確認してみましょう。

公立と私立の給料比較

幼稚園教諭の給与を比較すると、公立園の方が私立園より高い傾向が見られます。

公立園で働く幼稚園教諭は公務員に該当し、毎年の昇給や安定したボーナスが支給されるため、勤続年数が長いほど収入が上がりやすいのが特徴です。

勤続年数も私立園と比較すると若干高いというデータが出ています。

対して私立園は法人ごとに給与体系が異なり、園の方針や財政状況によって差が生じやすい傾向があります。

私立公立
平均勤続年数9.2年11.2年
賞与(1/12)を含む給与月額335,387円404,537円

参考:こども家庭庁「令和6年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果<速報>」

公務員として働く幼稚園教諭は何が違う?

公務員として働く幼稚園教諭は、民間と比べて身分の安定性が高く、昇給や賞与の基準が定められています。

福利厚生も充実していて、年休や育休などの休暇制度も整っており、家庭と両立しやすい環境が整備されています。

ただし、採用試験の倍率が高く、異動や配置転換が定期的にある点は公務員ならではの特徴です。

安定を求める人には大きな魅力がありますが、採用されるのは狭き門だということを理解しておきましょう。

幼稚園教諭の皆さんに聞いてみた!ズバリ、あなたの年収は?

幼稚園教諭として働く人々の年収は、勤務先の規模や地域、経験年数によって差があります。

近年は処遇改善が進んでいるものの、依然として「責任の重さに対して収入が見合わない」と感じる声も少なくありません。

本章では、実際に現場で働く幼稚園教諭のリアルな声を紹介します。

日々子どもたちの成長を支えながら、やりがいと経済的な現実の間で悩む先生たちの本音から、現場の課題や希望を発見しましょう。

幼稚園教諭の皆さんに聞いてみた!ズバリ、あなたの年収は?

ゆう先生さん(32歳/女性)

勤務先の種類私立幼稚園
勤務年数5年以上10年未満
雇用形態正規職員
残業の頻度週に数回
現在の年収(総支給額)350万円程度
ボーナスの回数と金額2回 合わせておよそ50万程
今の年収への不満は?どんなところが不満ですか?今の年収には少し不満を感じています。仕事の内容が多く責任も重いわりに収入がそれほど高くない点が正直なところです。それに保育や行事の準備だけでなく保護者対応や園内の掃除事務作業まで一日中動き回っています。それでも子どもたちの成長を間近で感じられるこの仕事が好きなので続けられています。
年収アップのために行動していることは?(副業や資格取得など)年収を少しでも上げるために資格取得やスキルアップに取り組んでいます。最近では幼児教育に関する研修に積極的に参加しピアノや英語などの指導力を高める努力をしています。また副業として通信教育の添削の仕事を短時間で行うこともあります。
今後も幼稚園教諭を続けたいですか?はい
コメント幼稚園教諭の仕事は子どもたちの未来を支える大切な役割があります。その一方で収入面ではまだ十分とは言えません。多くの先生方が子どもたちの成長を第一に考えて自分の時間を削って働いています。保育や教育にかける情熱はとても強いのに待遇が追いついていない現実があります。社会全体で幼児教育の価値をもっと理解してもらえるようになれば嬉しいです。

ゆう先生さんのように、日々多忙な業務をこなしながら子どもたちの成長を支えている幼稚園教諭は本当に多いです。

忙しい毎日に追加で副業にも取り組む姿に、勇気をもらう保育者も多いのではないでしょうか。

ちあき【元保育士ライター】

保育や行事準備に加え、保護者対応や事務作業まで幅広い業務を行っているのに対して、収入が見合わないと感じるのは当然ですよね。

シュンさん(36歳/男性)

勤務先の種類認定こども園
勤務年数10年以上15年未満
雇用形態正規職員
残業の頻度ほぼ毎日
現在の年収(総支給額)約450万円
ボーナスの回数と金額年に2回、夏と冬に支給されます。
合計で給料の3ヶ月分ほどです。
今の年収への不満は?どんなところが不満ですか?子どもの命を預かるという責任の重さや、日々の保育準備、行事の企画・運営、保護者対応、膨大な書類作成といった業務量の多さを考えると、現在の年収では見合っていないと感じます。特に、保育時間外の会議や事務作業、持ち帰り仕事が常態化しているにも関わらず、それらが残業代として適切に反映されていない点に大きな不満を感じています。
年収アップのために行動していることは?(副業や資格取得など)管理職(主任や園長)への昇進を目指し、キャリアアップのための研修に積極的に参加しています。また、特別支援教育に関する専門資格の取得を検討しており、自身の専門性を高めることで資格手当の増額や、将来的により待遇の良い園への転職も視野に入れています。
今後も幼稚園教諭を続けたいですか?はい
コメント子どもの成長を日々間近で感じられる、本当にやりがいのある素晴らしい仕事です。しかし、その専門性や労働量、背負う責任の重さが、給与という形で社会から正当に評価されていないのが現状だと感じています。特に男性の場合、将来的に家族を養っていくことを考えると、経済的な理由でこの仕事を断念せざるを得ない同僚も見てきました。未来を担う子どもたちを育てるという重要な役割を担っている私たち保育者の処遇が、社会全体で向上していくことを切に願っています。

シュンさんの体験からも、認定こども園で働く責任の重さと業務量の多さが伺えます。

持ち帰りの残業が適切に処理されていないのは急速に解決しなくてはならない問題ですよね。

また、将来的に家庭を持つことを視野に入れている男性教諭にとって、正当な給与として社会から評価されていないのは、続ける意欲を削ぐ要因にもなり得ます。

nya_naさん(30歳/女性)

勤務先の種類認定こども園
勤務年数5年以上10年未満
雇用形態正規職員
残業の頻度週に数回
現在の年収(総支給額)280万
ボーナスの回数と金額ボーナス回数は、年に3回
金額はまばらですが、平均25万
今の年収への不満は?どんなところが不満ですか?毎月の収入が一定ではなく控除されるものがあったり徴収もあったりするので年収にも響いていると思うので少し不安。
年収アップのために行動していることは?(副業や資格取得など)独学ではありますが、保育に関する資格で取れるものは取ったりしています。後は、少しの残業で手取りを稼いでしまってるところもあります。
今後も幼稚園教諭を続けたいですか?はい
コメント年収はそれぞれの園で異なると思いますが、就職の時に注目する点ではあると思います。基本給だけでなく手当とかの配慮など確認してもよいかと思います。年収よりもこの仕事をやりたい、続けたい。が大切なので長く続けることで金銭面も少しずつ形にはなるので頑張ってみてください。

収入が一定でないことに将来への不安を感じる教諭は少なくありません。

それでも資格取得など自己研鑽を続け、前向きに子どもたちと向き合う姿勢はとっても素晴らしいと思います。

ちあき【元保育士ライター】

保育者が安心して働き続けられる環境になってほしいものです。

幼稚園教諭が利用できる手当や制度

幼稚園教諭の収入は基本給だけでなく、国や自治体、法人が設ける各種手当や支援制度によっても大きく変わります。

代表的なものには、処遇改善等加算や奨学金返済支援、住宅手当などがあり、勤務先によって受けられる内容が異なります。

これらの制度を上手に活用することで、実質的な手取り額が増える可能性もありますよ。

処遇改善等加算(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)(令和7年度より一本化)

保育士等に対する処遇改善等加算は、令和7年度より従来の加算(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)を廃止し、区分1〜3に再編されました。

  • 区分1:基礎分(経験に応じた昇給制度や職場環境改善の取り組みが対象)
  • 区分2:賃金改善分(賃金改善の実施が要件)
  • 区分3:質の向上分(副主任保育士や職務分野別リーダーなど、一定の職位や研修修了者が対象)

加算額の算定方法も見直され、賃金改善計画書・実績報告書の様式も統一されました。

この改正により、保育士の処遇改善がより明確かつ公平に行われることが期待されています。

奨学金返済支援制度

一部の自治体や学校法人では、奨学金の返済を支援する制度を設けています。

  • さいたま市:年額上限18万円で最長5年間支給(最大90万円)
  • 大阪府高槻市:月額2万円まで最大36か月(3年間)支給
  • 兵庫県西宮市:奨学金返済額の1/2(年10万円を上限)

月々の返済額の一部を補助したり、一定期間勤務した場合に返済を肩代わりしてもらえるケースなどさまざまな支援形態があります。

対象資格や勤務年数などの条件は地域によって異なるため、自治体の公式サイトや採用要項で詳細を確認しましょう。

住宅手当

住宅手当や借上げ社宅制度は、特に物価の高い都市部で働く幼稚園教諭にとって重要な支援です。

家賃の一部を補助してもらえることで、生活費の負担を大きく軽減できます。

支給額や上限、単身・世帯の可否は園によって異なるため、採用担当者に直接確認するか、募集要項の住宅手当欄・借上げ社宅欄をしっかり確認しておくと安心です。

自治体独自の支援制度

自治体によっては、保育士や幼稚園教諭として働く人材を確保するためや長く働いてもらうことを目的とした独自支援制度を設けています。

  • 家賃の一部補助
  • 通勤費の助成
  • 保育料軽減
  • 保育所の優先入所制度
  • 引っ越し費用の補助
  • 就職準備金の貸付 など

地方自治体では、若手やU・Iターン希望者を対象にした補助金制度も増加しています。

ただし、制度は変更・廃止される可能性があるため、自治体の公式サイトで最新情報を確認するのが確実です。

幼稚園教諭の年収アップの方法

幼稚園教諭が年収をアップさせるには、大きく分けて3つの方法があります。

  • 長期勤務による昇給
  • スキルアップや資格取得
  • 給与水準の高い園や自治体への転職

まず基本となるのが長期勤務による昇給で、勤続年数を重ねることで基本給や賞与評価が上がり、安定した収入増が見込めます。

スキルアップや資格取得も効果的で、幼稚園教諭二種から一種への上位免許取得や、特別支援教育・英語教育など専門分野の資格を取得すると、手当が付くケースもあるので確認してみてください。

また、給与水準の高い園や自治体への転職も現実的な選択です。

公立園や大規模法人は賞与や住宅手当が充実しているため、トータル年収の向上につながりますよ。

幼稚園教諭になるには?

幼稚園教諭になるには、幼稚園教諭免許状の取得が必要です。

免許には2種類あり、短大・大学・大学院などの教育課程で、教職課程と教育実習を修了することで取得できます。

短大卒…二種免許
大学卒…一種免許

また、すでに保育士資格を持っている人は、科目等履修生や通信制大学で必要科目を履修して免許を追加取得することも可能です。

最近では通信制大学や夜間課程でも取得を目指せるため、社会人や子育て中の人にも門戸が開かれています。

進学先を選ぶ際は、実習のサポート体制や卒業後の就職実績も確認しておくと安心です。

まとめ

幼稚園教諭の年収は、経験年数や勤務先、地域によって大きく異なることを厚生労働省のデータに基づいて紹介しました。

処遇改善や住宅手当などの制度を活用すれば、実質的な手取りを増やすことも夢ではありません。

自分の働き方や将来設計に合った職場を選び、キャリアを重ねることが年収アップの近道です。

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この記事を書いた人

認可保育園で勤務後退職して留学。その後は英語の幼稚園で働く。結婚を機に派遣保育士に転身し、さまざまな園で経験を積む。保育士歴は通算7年ほど。子どもが重度アレルギー児になったことでライターに転身した2児の母。

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