7月7日の七夕は、保育園でも季節を感じられる大切な行事のひとつです。
子どもたちは短冊に願いごとを書いたり、カラフルな折り紙で飾りを作ったりして、天の川をイメージした世界を楽しみます。
特に園内では、年齢に合わせた簡単な折り紙製作が大活躍しますよ。
手先を使って集中したり、色や形を組み合わせて自由に表現したりと、遊びながら学べる要素がいっぱいです。
この記事では、簡単にできて見映えもする七夕飾りの折り紙アイデアをたっぷり紹介します。
- 保育園で七夕を楽しむためにぴったりな、折り紙を使った製作活動のヒントが得られる
- 七夕の由来や行事の意味を子どもにもわかりやすく伝えるための情報がわかる
- 年齢別に取り入れやすい、簡単で可愛い七夕折り紙アイデアを10種類紹介している
- 折り紙を通じて養える、子どもたちの集中力・表現力・手先の発達など保育的ねらいも学べる
折り紙のねらい・七夕について
七夕の起源
七夕は、古代中国の「織姫と彦星」の伝説をもとに、日本の「棚機(たなばた)」という習わしと合わさってできた行事です。
織姫と彦星が年に一度、7月7日に天の川を越えて会えるというロマンチックな物語は、日本中で親しまれています。
日本では古くから7月7日に願いごとをしたり、織り機で着物を織って神様にささげる「棚機たなばた信仰」もあり、現在の七夕行事のベースとなっています。
今では短冊に願いごとを書く習慣が定着し、子どもたちにも親しみやすい行事になりました。
折り紙のねらい
折り紙は、子どもたちの創造力や集中力、手先の器用さを育むとても大切な製作活動です。
紙を折るというシンプルな動作の中に、「形を理解する」「順序を守る」「完成形を想像する」など、たくさんの学びが詰まっています。
特に保育園では、遊びの一環として取り入れながらも、子どもたちの成長や発達を支える貴重な時間になります。
また、完成した作品を飾ることで達成感を得られるので、自信にもつながるでしょう。
友達と一緒に作ることで、協調性や表現力も育まれます。
七夕飾りの折り紙アイデアおすすめ10選
七夕製作で人気なのが、折り紙を使った華やかな飾り作り。
保育園では、年齢に応じたシンプルな工程で取り組めるものが好まれますよ。
星や天の川、吹き流しなど、色とりどりの折り紙で作る飾りは、子どもたちの創造力も引き出してくれるでしょう。
はさみやのりを使わずにできるアイデアや、たくさん繋げて飾れる連続折りなども人気です。
ここでは、保育士さんがすぐに取り入れやすく、子どもたちも夢中になるおすすめの折り紙飾り10選を紹介します。
笹の葉
折り紙で作る「笹の葉」は、七夕飾りに欠かせないアイテムのひとつです。
簡単な折り方で作れるので、3歳児ごろからの製作にもぴったりですよ。
色とりどりの折り紙を使えば、視覚的にも楽しさが広がります。
ひとつだけでなく、複数の笹をつなげてリース状にしたり、壁に貼って天の川のように飾るのもおすすめです。
折り目が分かりにくい部分もあるので、保育士さんが見本を見せながら一緒に折り進めると、子どもたちも安心して取り組めますよ。
- 折り紙(緑系) 1枚
- 折り紙(他の色) 数枚
- のり
- 折り紙を三角形になるように対角線で半分に折ります。
- 次に右の角を中央より少し左側へ向けて斜めに折り、左側の角も同様に右へ向けて折って重ねます。
- 両端の飛び出た部分を下方向に斜め折りし、笹の葉らしい形を作ります。
- 左右の角をさらに半分に折って立体感を出し、最後に複数枚をのりで貼ってつなげると、リースなどにも使える笹の葉飾りが完成します。
星
七夕といえば星で、天の川や夜空を表現するうえで欠かせない存在です。
星は複雑な工程が少ないので、4歳児からでも楽しく取り組めるでしょう。
色違いの折り紙を使えば、星の表情もさまざまに広がりますよ。
完成した星は、天の川に貼ったり、リースやモビールの装飾としても大活躍!
星をたくさんつなげて壁面に飾れば、保育室全体が七夕の雰囲気に包まれます。
手先の動きが自然と養われる、折り紙製作です。
- 折り紙(1/4サイズ)5枚
- テープ
- 折り紙を縦半分、横半分に順に折って正方形を作ります。
- それを開いて三角に折り、さらにその三角形の角を中心線に向かって順に折り込んでいきます。
- 折った部分を上に向けて折り返し、星の先端を作ります。
- 続けて左右の角を内側に折り込み、対称な形を整えます。
- 裏返してバランスを見ながら形を微調整し、完成したら、天の川や壁飾り、モビールなどにアレンジして楽しく飾りましょう。
織姫と彦星
七夕の物語を象徴する、織姫と彦星。
子どもたちがこの2人を折り紙で製作することで、自然と七夕の意味や背景に興味を持つきっかけになります。
それぞれに表情を描いたり、服を模様入りの折り紙でアレンジしたりして、創造力を広げる製作活動としてもぴったりです。
また、着物部分に願いごとを書き込んでも素敵な作品に仕上がりますよ。
完成した織姫と彦星は笹の飾りにつけたり、画用紙に貼って壁面に並べたりと多彩に活用でき、園内全体を七夕ムードで包み込んでくれるでしょう。
- 折り紙(15×15㎝)各1枚
- ほっぺ用丸シール(5㎜)各2枚
- ペン
- ハサミ
- まず折り紙を縦横に半分ずつ折って折り筋をつけ、上端を中央に合わせて折ります。
- その後、角を中心線に沿って折り進め、顔や袖部分を形成します。
- 裏返して角を折り返すことで頭部を整え、顔を描き込んだら織姫の完成。
- 彦星も同様の手順で、帽子や服の形を折りながら進めていきます。
- ペンやシールで顔や模様を描けば、2人そろって飾る準備は完了です。
吹き流し
七夕飾りの中でも、とくに華やかな印象を与えるのが「吹き流し」です。
紙を切って貼るだけの簡単な製作なので、ハサミの使い方を学びはじめた3歳児ごろからでも楽しめますよ。
複数の色を組み合わせたり、絵を描きこんだりすることで、世界にひとつだけの個性的な飾りに仕上がるでしょう。
風に揺れる様子も涼しげで、園内の窓辺などに吊るしておくと、視覚でも季節を感じられます。
七夕らしい、にぎやかな雰囲気づくりにおすすめです。
- ペーパーフラワー
- 色画用紙
- クレヨンやフェルトペンなど
- タコ糸などのひも
- ハサミ
- 両面テープ
- のり
- カラーペーパーを数枚用意し、半分に切ったものをじゃばら折りにします。
- 中央をひもで結び、両端を尖らせるようにカット。
- これを2セット作って結び合わせ、ぽんぽん部分を完成させます。
- 別の画用紙に絵を描き、1cm間隔で切り込みを入れて、ぽんぽんを中に貼りつけて筒状に丸めれば、吹き流しの完成です。
簡単!ちょうちん!
提灯(ちょうちん)は、七夕飾りや夏祭りの定番アイテム!
ハサミを使って作る簡単な製作なので、ハサミデビューの子どもたちにもぴったりの製作です。
短い長さを切るだけなので、集中力を保ちやすく、達成感も得やすいのが魅力ですよ。
色とりどりのちょうちんをつなげてガーランドのように飾ったり、壁に貼りつけて七夕の装飾として活用したりと、使い方もいろいろです。
年齢に応じて、難易度を調整して取り入れてみましょう。
- 折り紙
- はさみ
- のり
- 飾り用のタコ糸
- 折り紙を半分に折り、開いた部分を1cmほど外側に折り返します。
- 折り目が下になるように置き、上から下へ向けて1cm間隔でハサミを入れます。
- その後、折り紙を開き、両端を丸めてのりでしっかりとめます。
- 乾いたら完成。タコ糸を通せば吊るして飾れますし、複数作って並べれば華やかさがぐんと増します。
巾着
七夕飾りの中でも「巾着」は、昔から“商売繁盛”や“金運上昇”などを願う縁起物として親しまれています。
子どもたちにとっては少し難易度が高く感じる製作ですが、そのぶん完成したときの達成感も大きく、集中力や手指の巧緻性を育むのにもぴったりです。
保育士さんが丁寧に見本を見せながら、一緒に折ることで安心して取り組めます。
作りながら「どうして巾着を飾るのかな?」といった問いかけをして、七夕の意味も一緒に学んでみましょう。
- 折り紙
- ティッシュペーパー
- タコ糸など
- 両面テープ
- のり
- 鉛筆
- はさみ
- 折り紙を表を内側にして、縦・横に2回ずつ折って折り目をつけます。
- 鉛筆で巾着の形を描き、線に沿ってカットします。
- 開いたら2か所切り込みを入れ、切れ込みを重ねてのりで貼りつけます。
- 細く切った折り紙をじゃばら折りにして周囲を囲むように貼り、はみ出た部分をカットします。
- 中にティッシュを詰めてふくらみを出し、折り紙で作った飾りをつけ、裏にタコ糸を貼れば完成です。
天の川
「天の川」は、七夕を象徴する幻想的なモチーフのひとつ。
細やかな切り込みや広げる動作が必要になるため、特に5歳児の発達に適しているでしょう。
また保育士さんが事前に折っておく、または下描きをしておけば、3〜4歳児も楽しく参加できます。
完成した天の川は、カラフルな折り紙を使うことで一層華やかになり、壁面や天井に飾ると、お部屋全体が夜空に早変わりしますよ。
制作活動を通して子どもたちに、「星の世界」や「日本の伝統行事」を身近に感じてもらえるきっかけにもなります。
- 色画用紙(青色系)
- 飾り付け用にほかの色合いも用意
- ハサミ
- 折り紙を縦半分に折り、長方形にします。
- それをさらに2回折って細長くします。
- 上部から3mm間隔で、下まで切り落とさないようにハサミで等間隔に切り込みを入れます。
- 折り紙を上下逆にし、先ほどの切れ目の間に入るように互い違いで再び切り込みを入れます。
- 最後にゆっくり折り紙を広げて、端を持ってやさしく左右に引っ張れば、ふわっと広がる天の川が完成です。
網飾りの作り方~折り紙1枚で完成!
網飾りは、漁で使う網をイメージした伝統的な七夕飾りで、「大漁祈願」や「豊作祈願」の意味が込められた縁起の良い作品です。
作り方はとてもシンプルで、折り紙を折って切って広げるだけで完成します。
ハサミを使い始めたばかりの子どもでも、無理なく挑戦できますよ。
完成した網飾りは、自然光の入る窓辺などに飾ると切り込みから光が漏れて、幻想的な雰囲気に。
色違いで複数作ってつなげれば、より華やかになります。
ぜひ笹飾りや、モビールの一部として活用してみてくださいね。
- 折り紙
- はさみ
- のり
- 飾り用のタコ糸
- 折り紙を半分に折って長方形にし、さらにもう一度半分に折ります。
- 折り目側から1〜2cm間隔で、完全に切り落とさないように切り込みを入れていきます。
- 次に折り紙を回転させ、先ほどの切れ目と互い違いになるように、反対側からも同様に切り込みを入れます。
- ゆっくりと折り紙を開き、端を持って広げれば、立体的な網飾りが完成します。
- 笹や壁に飾ると、風に揺れてとてもきれいです。
星のベル
紙コップとモール、鈴を使って作る「星のベル」は、七夕らしさと音の楽しさを両立できる製作です。
短時間ででき、飾るだけでなく音遊びにもつながるので、園内での活動にぴったりですね。
子どもたちの好きな色を選んだり、星型を貼ったりと、アレンジも自由に楽しめますよ。
完成したらみんなで鳴らして、「きれいな音〜!」と喜び合う時間も大切にしてください。
年齢に応じて工程を工夫すれば、1歳児クラスからでも楽しめますよ。
- 紙コップ 2個
- モール 1本
- 鈴 1個
- 水色、黄色の画用紙 各1枚
- 好きな色のクレヨン
- きり
- えんぴつ
- 接着剤
- はさみ
- 紙コップの側面を切り取り、型として画用紙に写し取ります。
- 画用紙をカットし、クレヨンや絵の具で模様を描いたら、紙コップの側面に貼りつけます。
- 底面にキリで穴を2つ開け、モールに鈴を通して内側から通し、外側で固定します。
- 星形の折り紙や画用紙を貼りつけ、飾りつけをすれば完成です。
- 吊るして揺れると鈴の音が鳴り、見ても聞いても楽しい七夕飾りになります。
七夕のモビール
七夕の「モビール」は、星や月、織姫・彦星のを吊るすことで、七夕の世界を立体的に表現できる魅力的な製作アイデアです。
はさみやのりを使うシンプルな工程なので、年少児でも取り組みやすく、手指の操作や空間認知の育成にもつながります。
保育士さんが下書きやパーツの準備をしておけば、1〜2歳児クラスでも絵を描いたり貼ったりする工程を楽しめます。
完成したモビールは、天井から吊るすだけでお部屋全体を七夕ムードに変えてくれる華やかさが魅力です。
- 色画用紙(黄色/オレンジ/緑など数枚)
- 糸またはひも
- えんぴつ
- はさみ
- セロハンテープ
- のり
- 色画用紙を2回半分に折って四角にし、円形や星形などの下書きを描きます。
- 下書きに沿ってハサミで切り取り、数枚用意します。
- 各パーツを半分に折り、片側にのりをつけて順番に貼り重ね、最後の1枚に糸を挟んで閉じます。
- 星・丸・短冊などさまざまなモチーフを作って糸でつなぎ、上部にリングをつけて吊るせば完成です。
- カラフルにするとより華やかになりますよ。
まとめ
七夕は、日本の伝統行事としてだけでなく、子どもたちの願いや気持ちを表現する大切な機会です。
折り紙を使って作る七夕飾りは、園でも取り入れやすく、子どもたちの年齢や発達に合わせた製作活動が可能です。
今回ご紹介したアイデアは、どれも簡単でありながら見映えがするものばかり。
指先を使った活動を通じて、表現力や集中力を育てるだけでなく、完成した飾りを一緒に飾ることで子どもたちに達成感や季節を感じる喜びを届けられることでしょう。
ぜひ、七夕保育に取り入れてみてくださいね。
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