6月といえば、雨が続く梅雨の季節。
そんな時期にぴったりなのが、「てるてる坊主」の製作です。
子どもたちにとって、空模様への興味を持つきっかけとなるだけでなく、手指を使って表現する楽しさも味わえる活動です。
製作を通して、「明日は晴れるかな?」と空を見上げる心も育ちます。
今回は、年齢別に楽しめるてるてる坊主の製作アイデアをご紹介。
0歳児から5歳児まで幅広く対応できる内容で、保育現場でそのまま活用できるヒントが満載です。
- 6月の製作活動におすすめの「てるてる坊主」の由来や意味を学べる
- 各年齢ごとに適したてるてる坊主の製作アイデアを具体的に紹介している
- 製作のねらいや保育で取り入れる際の工夫ポイントを知ることができる
- 手先の発達や季節への関心を促すための保育の視点も丁寧に解説している

てるてる坊主の由来と製作のねらい
「てるてる坊主」の製作は、子どもたちにとって身近で親しみやすい題材です。
由来を知ることで日本の伝統文化にも触れられるうえに、製作を通して季節感や空への興味も深まりますよ。
また、発達に応じた遊びの要素もたっぷりなので、楽しみながら育ちを支える製作活動となるでしょう。
てるてる坊主の由来
「てるてる坊主」は、古くから日本に伝わる風習のひとつです。
晴れを願って軒先に吊るすてるてる坊主は、農家の人々が天気に左右される生活の中で、晴天を願う象徴として大切にしてきました。
名前の「てる」は「照る(太陽が出る)」の意味があり、「坊主」はその形が僧侶のように見えることから呼ばれたとされています。
今では子どもたちが「明日、晴れますように」と願いを込めて作る習慣となり、保育現場でも定番の製作となっています。
てるてる坊主の製作のねらい
てるてる坊主の製作には、季節を感じるだけでなく、さまざまな発達を支えるねらいが込められています。
紙を丸める・結ぶ・貼るといった工程は、指先の器用さを高める良い機会になるでしょう。
また、表情を描いたり飾り付けをしたりすることで、自分のイメージを表現する力も育ちます。
晴れを願う気持ちを込めることで、自然への関心や心の豊かさも育まれます。
製作を通して、五感を刺激しながら情緒面の発達も促せる活動です。
【0~1歳児におすすめ】てるてる坊主の製作4選
0~1歳児の子どもたちは、まだ製作の工程を一人で行うのは難しい時期です。
しかし素材の感触に触れたり、先生と一緒に作業する楽しさを味わったりすることが大切です。
てるてる坊主の製作では、紙をくしゃくしゃにしたり、のりの感触を確かめたりと、日常では得られにくい刺激がたくさんあります。
先生が手を添えながら進めることで、子どもたちの表情にも自然と笑顔が広がりますよ。
可愛らしい作品が仕上がれば、保護者の方にも喜ばれるはずです。
お花紙で可愛いてるてる坊主作り!
梅雨時期の保育にぴったりの、ふんわり可愛いてるてる坊主を作ってみましょう。
お花紙を丸めるシンプルな工程は、0歳児や1歳児でも無理なく楽しめます。
身近な素材であるビニール袋を使えば、立体感のある仕上がりになりますよ。
触ったり握ったりする感覚遊びの要素も含まれており、感触を楽しみながら季節を感じられる製作です。
以下では、保育の現場で取り入れやすい工夫とともに、作り方の手順も詳しく紹介します。
- お花紙(フラワーペーパー)
- ビニール袋(28㎝×15㎝)
- 凧糸(30㎝)
- PEテープ(すずらんテープ 8㎝)
- 折り紙or画用紙
- はさみ
- のり
- 千枚通し
- お花紙を手でくしゃっと丸めて、てるてる坊主の頭の部分を作ります。
- ビニール袋の上側にキリで小さな穴を開け、凧糸を通して内側で結んでおきます。
- 丸めたお花紙を袋の中に入れて頭に見立て、中央部分をPEテープで巻いて首元をしっかり留めます。
- 最後に、目や口のパーツを貼って顔を作れば完成です。吊るせば可愛らしいインテリアになりますよ。
すぐできる可愛いてるてる坊主
にじみ絵の技法を取り入れることで、淡く広がる色の変化が美しく、幻想的な作品に仕上がります。
水性ペンで自由に描いた模様に水を加えるだけなので、絵の具を使わずに楽しめるのも安心ポイントですね。
ティッシュや半紙など、家庭にある身近な素材だけでできるため、準備の手間も少なく取り入れやすい製作です。
0~1歳児のクラスでも無理なく参加できるよう、工程もとてもシンプルに構成されています。
にじみの様子を、じっと見つめる子どもたちの表情も見どころですよ。
- ティッシュペーパー
- 半紙
- モール
- カラーペン(水性)
- 筆
- 水
- まず半紙を半分にカットしておきます。
- ティッシュペーパーを2枚丸めて、てるてる坊主の頭の部分にします。
- 半紙を軽くくしゃくしゃにして柔らかくし、ティッシュを包み込むように覆います。
- 形を整えて首元をモールで結びます。
- 顔部分に水性ペンで自由に模様を描き、水を筆で加えてにじませましょう。
- ドライヤーなどでしっかり乾かしたら、最後に目や口を描いて完成です。
カラフルなてるてる坊主
視覚的にも楽しい、色とりどりのてるてる坊主を手作りしてみませんか?
あらかじめ画用紙でてるてる坊主の形を用意しておくことで、製作にすぐ取りかかることができます。
丸シールを使った飾り付けは、子どもたちが集中して楽しめる工程です。
特に1〜2歳児は、シールを貼ることに夢中になる姿がよく見られるでしょう。
5枚程度のシールを個別に配ると、トラブルも防げてスムーズに進められます。
自由な感性で楽しめる製作です。
- 白い画用紙
- 丸シール
- あらかじめてるてる坊主の形に画用紙をカットしておきます。
- 子どもたちには、それぞれの形に自由に丸シールを貼ってもらいましょう。
- 表情を描いたり、シールを使って模様をつけたりすることで、個性豊かなてるてる坊主が完成します。
- 必要に応じて、毛糸を通して吊るせるようにするのもおすすめです。
- シール貼りの活動を通して、手指の発達や色彩感覚も養えます。
てるてる坊主とカサを作ろう!
梅雨の時期にぴったりの製作として、てるてる坊主とカサのセットを作ってみましょう。
折り紙を活用し、1枚から2つのパーツが作れるアイデアです。
手のひらスタンプを取り入れることで、個性あふれる作品ができ、子どもたちも喜びます。
仕上げには、傘に指スタンプで模様をつけることでよりカラフルな印象に。
絵の具の感触や、貼り付けの工程も楽しく、乳児から幼児まで楽しめる内容となっています。
作品は壁面装飾としても活用できますよ。
- 画用紙
- のり
- 絵の具
- 筆
- てるてる坊主の顔と傘のパーツをあらかじめ画用紙で作成しておきます。
- 体の部分となる画用紙に子どもの手のひらに絵の具を塗って手形を取りましょう。足形にしても可愛いです。
- 傘のパーツには、指に絵の具をつけて指スタンプで模様を加えます。
- 絵の具が乾いたら、台紙に体のパーツを貼り付け、顔のパーツをのせて完成です。
- カラフルに仕上げてお部屋に飾ると季節感もアップします。
【2~3歳児におすすめ】てるてる坊主の製作4選
2~3歳児は、自分でできることが少しずつ増えてくる時期です。
てるてる坊主の製作にも、興味津々で取り組む姿が見られるでしょう。
丸めたティッシュや紙に目や口を貼ったり、カラフルなリボンを結んだりする工程では、指先を使う力が養われます。
また、表情や飾りつけを自由に楽しむことで、個性も表れやすくなります。
保育者が工程をわかりやすく提示することで、達成感や「自分でできた!」という自信も育まれていきますよ。
手形アートでてるてる坊主
子どもの成長記録にもなる、手形を活用したてるてる坊主アートをご紹介します。
絵の具を使って手形をとることで、季節感あふれる作品になりますよ。
色鉛筆やクレヨンで模様を描き足したり、マスキングテープを使って雨の雰囲気を演出すると、より楽しい仕上がりになるでしょう。
吊るし飾りにすることで、立体的にも見せられます。
赤ちゃんの手形が難しい場合は、足形でも対応可能です。
記念にも残る作品なので、ご家庭へのプレゼントにも最適です。
- 画用紙(水色)
- 絵の具
- ボンド
- 毛糸
- マスキングテープ
- 画用紙に、子どもの手に絵の具を塗って手形を取りましょう。
- 手のひらがてるてる坊主の体になり、指先を下に向けて、頭部分を絵の具で描き加えます。
- 顔やあじさいの絵を描いても可愛いですよ。
- マスキングテープを貼って雨模様を表現すると、季節感が出ます。
- 毛糸をボンドで貼りつけて吊るす風に仕上げると、立体的な作品になります。
- 乾燥後に飾れば、保育室が梅雨の装飾で明るくなります。
折り紙のてるてる坊主
色とりどりの折り紙を使って作るてるてる坊主は、梅雨の時期の保育にぴったりの製作です。
折り方を丁寧に伝える際には、見本を大きな紙で用意すると子どもたちにもわかりやすくなります。
3歳児くらいの子どもには、あらかじめ折り線をつけておくと製作がスムーズに進みますよ。
自分の好きな色を選ぶ工程も、楽しさの一つです。
完成したてるてる坊主に顔を描けば、世界に一つだけのオリジナル作品ができあがります。
壁面に飾ってみるのもいいですね。
- 折り紙
- ペン
- 折り紙を縦と横に3等分になるように折ります。
- 折り目を目印にしながら、上部の角を三角に折って形を整えます。
- 折り目を活かして左右の端を順番に折りたたんでいき、てるてる坊主の体を作ります。
- 顔の部分は、角を折って丸みを出すと可愛らしい印象になります。
- ペンで目や口を描いて仕上げましょう。シールやモールを使って装飾すると、さらに華やかになります。
コーヒーフィルターで作るてるてる坊主
コーヒーフィルターを活用して、にじみ絵のような味わいのあるてるてる坊主を作ってみましょう。
子どもたちが自由に模様を描いたあと、霧吹きで水をかけることで、インクがにじんで幻想的な模様に変化します。
3歳児や4歳児であれば、顔の形を画用紙に下書きしておくとカット作業にも挑戦でき、ハサミの練習にもなります。
完成した作品に短く切ったモールなどを使って装飾すれば、より個性的な作品になるでしょう。
壁面や窓辺の飾りにぴったりです。
- コーヒーフィルター
- 画用紙
- モール
- 糸
- ハサミ
- セロハンテープ
- 水性ペン
- クレヨン
- コーヒーフィルターに子どもたちが自由に模様を描きます。
- 水性ペンなどを使うと、にじみが綺麗に出ます。
- 霧吹きで軽く水をかけると模様が広がり、幻想的な色合いになります。
- ドライヤーや自然乾燥で乾かします。
- 乾いたら左右を内側に折ってテープで固定し、顔の画用紙と貼り合わせます。
- モールで飾りをつければ完成。吊るすために穴をあけて糸を通すのもおすすめです。
ティッシュで作るてるてる坊主
身近な素材で手軽に作れるティッシュのてるてる坊主は、昔から親しまれている定番の製作です。
子どもたちが自分の手で丸めたり包んだりする工程を楽しめるので、指先の発達にもつながります。
顔を描いたり、リボンやモールを使って装飾することで個性も引き立ちます。
3歳児は保育士のサポートを受けながら、4歳児・5歳児は自分の力で完成を目指すと、達成感も味わえるでしょう。
飾る場所を決めて、クラスの雰囲気を季節に合わせて演出してみてください。
- ティッシュ
- ハサミ
- ペン
- 輪ゴム
- 紐
- ティッシュを2枚ほど丸めて、てるてる坊主の頭を作ります。
- その上から柄付きのティッシュで優しく包み込み、輪ゴムで首部分を止めて形を整えましょう。
- 顔はペンで目や口を描いて表情をつけます。
- 紐を頭の左右あたりにテープで貼ることでバランスよく吊るせるようになります。
(紐が正しい位置にくると、頭が前に垂れにくく、綺麗に飾れますよ)
【4~5歳児におすすめ】てるてる坊主の製作4選
4~5歳児になると、手先の器用さや表現力がより豊かになってきます。
てるてる坊主の製作では、自分なりのデザインを考えて作る楽しさが広がります。
例えば、晴れを願う気持ちを絵に込めたり、服や帽子をアレンジして個性的なてるてる坊主を作ったりと、自由な発想を生かせます。
また、グループで作って「お部屋に吊るそうね」と話し合うことも、協調性やコミュニケーション力を育てる貴重な機会になります。
ガーゼで作るてるてる坊主の作り方☆
ガーゼは紙よりも柔らかく、ふんわりとした雰囲気が魅力です。
顔をマジックで描いたり、中に入れる素材を綿やティッシュに変えることで、子どもたちのオリジナリティが広がります。
輪ゴムが切れるのが心配な時は、髪用ゴムなどを使えばしっかり固定できて安心です。
首元には、リボンや飾りをつければ華やかさもアップしますよ。
工程が多めなので、年長児の製作活動におすすめです。
大きさは自由にアレンジ可能なので、発泡パーツの代わりに綿や紙玉を使っても楽しいですよ。
- ガーゼハンカチ
- 発砲パーツボール 50mm
- 毛糸(コットンヤーン極太)
- グルー
- リボン(6mm幅)
- キラキラストーンシール
- 油性マジック
- 刺繍糸(黒)
- ボンド
- ガーゼを四角に折り、中心に印をつけます。
- 印の位置に発泡パーツを置き、ふんわり包んでてるてる坊主の形に整えます。
- 輪ゴムで首元をしっかり留めます。
- 裏側から輪ゴムを持ち上げ、毛糸を通して結びます。
- 吊るす紐はグルーガンで固定し、リボンを首に結びます。
- 目の部分は、ストーンシールを油性ペンで塗り。
- 刺繍糸を口の形に切り、貼って顔を作れば完成です。
切り紙でつながる!てるてる坊主
1枚の折り紙からたくさんのてるてる坊主がつながって現れる、楽しい切り紙製作アイデアです。
ハサミを使って自分の手で形を作ることで、子どもたちの創造力と集中力も育まれます。
出来上がったてるてる坊主は、まるで手をつないでいるようでとても可愛らしく、飾るだけで教室やお部屋が明るくなります。
切り込みの工夫次第で表情や形が変わるため、個性豊かな作品に仕上がります。
ハサミを上手に使えるようになる、年長クラスにおすすめの製作です。
- 折り紙
- カッター
- 定規
- のり
- 鉛筆
- ハサミ
- 穴あけパンチ
- 折り紙を半分に切って長くつなげます。
- 接着面にのりを塗り、しっかり貼り合わせます。
- 半分に折り、さらにもう一度折って、最後に三等分に折りたたみます。
- 端の向きを確認して、てるてる坊主の形を下書きします。
- 目の部分は穴あけパンチで開けます。
- ハサミで図案に沿って丁寧に切り、開いて広げれば、つながったてるてる坊主の完成です。
立てて飾れる!てるてる坊主
折り紙で作る、自立可能なてるてる坊主を作る楽しい製作アイデアてるてる坊主ををご紹介します。
吊るすだけでなく、立てて飾れるので、玄関や棚の上などいろんな場所に飾ることができ、園内やお家のインテリアとしてもおすすめです。
頭と体をそれぞれ折って組み合わせる工程が楽しく、子どもたちも夢中になること間違いなし。
少し複雑な折り方ですが、完成した時の達成感は格別です。
顔の表情や飾り付け次第で、どんな雰囲気にもアレンジできますよ。
- 折り紙(白・リボンの色)
- のり
- 丸シール
- 折り紙の色面を上にして三角に折り、さらに半分に折って折り目をつけます。
- 中央の線に合わせて両端を折り、上下を逆にして下部を約1cm折ります。
- 折り紙を閉じて裏返し、角を内側に折って整えます。
- 出っ張った部分は開いて潰し、四角を半分に折ります。
- 頭と体を同じように折り、組み合わせて完成です。
- 顔を描いたり飾りをつけて、立てて飾れるてるてる坊主に仕上げましょう。
トイレットペーパーの芯で!遊べるてるてる坊主
トイレットペーパーの芯を使った、遊んで楽しめるてるてる坊主の製作です。
飾るだけでなく、ボーリングのピンにして遊ぶなど、アクティビティと組み合わせて活用できるのが特徴です。
芯の形を活かして立体感があり、顔を描いたり飾りを工夫すれば、かわいい個性派てるてる坊主が完成します。
主にハサミで作り上げるので、年長児におすすめの活動です。
素材を再利用している点も、エコで嬉しいですね。
- トイレットペーパーの芯
- 油性ペン
- トイレットペーパーの芯を軽く押しつぶして平らにし、真ん中より少し上の両側に切り込みを入れます。
- 上部を丸くカットして顔の形に整えます。切り込み部分の上も丸く切って顔の形をはっきり出します。
- 体部分を台形型に折り、内側に折り込みます。
- 底を波型に切り、油性ペンで顔を描きます。
- 首元に飾りをつければ、立って遊べるてるてる坊主の完成です。
まとめ
てるてる坊主の製作は、子どもたちが季節の移り変わりに触れるきっかけになるだけでなく、感性や表現力、手指の発達を育む大切な活動です。
年齢に合わせた工夫を取り入れることで、無理なく楽しめ、達成感や創造性も引き出せます。
先生とのやり取りや、完成した作品をお友だちや保護者と共有する経験は、子どもたちの心を育てる時間にもなります。
梅雨の時期を明るく楽しく過ごすためにも、てるてる坊主の製作を取り入れて、季節を感じる保育を充実させましょうね。
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