11月に入ると、園庭や通園路の木々が赤や黄色に色づき、子どもたちの目を楽しませてくれます。
紅葉をテーマにした製作遊びを取り入れることで、自然の美しさや不思議さに興味を持つきっかけになるでしょう。
落ち葉の色や形、感触に注目することで、五感をフルに使った活動にもつながりますよ。
この記事では、0歳児から5歳児までの発達に合わせた紅葉製作アイデアを紹介します。
秋ならではの魅力を、製作を通して楽しんでみましょう。
- 秋の自然を取り入れた、紅葉にちなんだ製作活動のアイデアを年齢別に紹介
- 0~1歳児が楽しめる感触遊びや、指先遊びを通じた紅葉製作の工夫が分かる
- 4~5歳児向けの構成力や表現力を活かした、紅葉製作と壁面装飾のヒントを掲載

【0~1歳児におすすめ】紅葉に関するおすすめの製作3選
0〜1歳児は、紅葉の色や形にふれることで、季節の変化を感じられる貴重な時期です。
まだ道具を上手に扱えない年齢でも、スタンプ遊びや手形アート、触って楽しむ感触遊びなどを通して秋の自然に親しむことができます。
赤・黄・橙などの秋色を使った製作は、視覚的な刺激にもなり、絵の具や紙の感触を味わうよい機会になるでしょう。
今回は、身近な素材を使いながら、0〜1歳児が無理なく楽しめる紅葉製作アイデアを3つ紹介します。
折り紙でちぎり絵の落ち葉を作ろう
秋が深まる11月は、色とりどりの落ち葉が舞い散る季節です。
そんな自然の変化を感じられる製作として、ちぎり絵の落ち葉作りを取り入れてみませんか?
折り紙をびりびりとちぎって貼る作業は、手指の発達途中の0~1歳児でも無理なく楽しめます。
色とりどりの折り紙を使って、赤や黄、茶色の美しい紅葉を再現すれば、製作しながら秋の自然への興味も高まりそうですね。
保育士があらかじめ木の幹を描いておくと、より制作に集中しやすくなりますよ。
- 折り紙
- 画用紙
- のり
- 赤・黄・茶色など、秋らしい色の折り紙を数種類用意します。
- 子どもたちが自由に指でちぎれるよう、保育士が適度な大きさに切ってあげてもOKです。
- 次に、あらかじめ木の幹が描かれた画用紙を用意し、ちぎった折り紙を葉っぱに見立ててのりで貼っていきましょう。
- 葉が舞い散るような配置にしたり、密集させたり、子どもたちの自由な感性を大切に仕上げてください。
- 完成したら、名前や日付を書き入れて掲示すると季節感ある作品になります。
落ち葉フクロウ
落ち葉を使って、個性豊かなフクロウを作ってみましょう。
実際に園庭や散歩中に拾った落ち葉を使えば、自然と触れ合う体験にもつながります。
画用紙をフクロウ型にカットしたものに、拾った落ち葉を自由に貼っていくこの製作は、子どもたちの発想力や表現力を育てます。
1歳児の場合、難しい部分は保育士が補助しながら、のりの感触を楽しみ、貼る工程を中心に関わらせてあげましょう。
落ち葉の種類や色合いによって、さまざまなフクロウが完成しますよ。
- 画用紙 1枚
- 絵の具 数色
- 紙コップ 数個
- 筆
- ストロー 1本
- 落ち葉 適量
- 水
- のり
- ペン
- はさみ
- 画用紙をフクロウの形にカットして準備します。
- 頭と胴体をわけたパーツでもよいでしょう。
- 次に、園庭や公園で集めた落ち葉を、子どもと一緒に観察しながら選びます。
- のりを使ってフクロウの体部分に落ち葉を丁寧に貼り付けていきましょう。
- 仕上げに、丸シールや色画用紙で目・くちばし・羽などのパーツを作って貼り、個性あふれるフクロウに仕上げてください。
- 貼る順番などを声かけしながら行うと、製作をより楽しめますよ!
芯に色紙を巻くだけ!秋の工作 ぶらぶらミノムシ
秋になると、木の枝にぶらさがる「ミノムシ」を、紙コップと折り紙を使って作りましょう。
材料も少なく、作り方もとてもシンプルなので、0~1歳児でも保育士の援助があれば安心して取り組めます。
折り紙をくしゃっと丸めたり、裂いたりする工程では、指先の巧緻性や感覚を養うことにもつながりますよ。
完成したミノムシは紐で吊るして飾ることで、ゆらゆら揺れる様子を楽しめるほか、保育室全体に秋らしい彩りを添えることができます。
- 紙コップ
- 折り紙
- のり
- 紐
- ストロー
- 紙コップの底にボールペンなどで穴をあけ、そこに紐を通して結びます。
- 紐の内側には短く切ったストローを結び、ぶら下げるときの重りとアクセントになります。
- 次に、折り紙をクシャクシャに丸めてから広げ、縦方向に細長く裂いていきます。
- その紙片を紙コップに貼りつけて、ミノムシの殻を表現しましょう。
- 色や向きを変えて貼ることで、より自然な雰囲気が出せます。最後に目のシールをつけて完成!
- 吊るすとゆらゆら揺れてかわいいですよ。
【2~3歳児におすすめ】紅葉に関するおすすめの製作3選
2〜3歳児になると、指先を使ったちぎり絵やのり貼り、クレヨンでの模様描きなど、製作の幅がぐっと広がってきます。
紅葉をテーマにすることで、自然の美しさに気づいたり、色の変化を楽しんだりできますよ。
実際に拾った落ち葉を使ったり、絵本で紅葉の話をしたりと、製作前の導入を工夫すると、子どもたちの創作意欲も高まるでしょう。
今回は、秋の魅力を存分に楽しめる、2〜3歳児にぴったりの製作アイデアを3つご紹介します。
もみじリースで園を秋色に染めてみよう
紅葉の季節におすすめなのが、「もみじリース」の製作です。
紙皿をくり抜いて作った土台に、折り紙で作った紅葉を自由に貼っていくこの製作活動は、2~3歳児でも無理なく参加できます。
赤、黄、オレンジ、茶色など秋らしい色の折り紙を用意して、色彩感覚を楽しめますよ。
葉っぱの貼り方や組み合わせによって、子どもたちの個性も出てくるのが魅力です。
リースとして完成した後は、保育室の壁やドアに飾るだけで空間が一気に秋らしくなります。
- 折り紙
- 紙皿
- はさみ
- のり
- 折り紙を半分に折り、さらに半分に折って小さな四角にします。
- 次に折り目に沿って折り重ね、三角形の形を作ります。
- もみじの形に切り取るため、はさみで葉の輪郭をカットしましょう。
- 広げると紅葉の形になっています。
- 紙皿の中央をはさみでくり抜き、輪の状態にしたら、子どもたちがのりで紅葉を貼っていきます。
- 最後にリボンや名前札をつければ完成です。
落ち葉でどうぶつを作ろう♪
今回は、落ち葉の形を生かしてかわいい動物たちを作る製作を紹介します。
動物の形に紙皿や画用紙をカットし、そこに本物の落ち葉や折り紙で作った葉っぱを貼り付けて飾っていきます。
例えば、ハリネズミのトゲトゲを落ち葉で表現したり、子どもたちの自由な発想が活きる製作です。
自然に触れながら、身近な材料を使ってものづくりをする楽しさを味わえますよ。
外遊びで拾った落ち葉を使えば、観察力や自然への興味も引き出せる活動に繋がるでしょう。
- 画用紙または落ち葉(折り紙でも可)
- 紙皿
- 丸シール
- のり
- ハサミ
- 紙皿を半分に切り、動物の体の土台を作ります。
- 折り紙を使って葉っぱの形に折り、複数枚用意しておきます。
- 折った葉っぱや本物の落ち葉を紙皿に重ねるように貼っていきましょう。
- 丸シールで目をつけ、黒ペンで鼻や口を描き入れます。
- 必要に応じて耳や足のパーツも画用紙で作り、貼りつけるとより完成度がアップしますよ。
画用紙で作るみのむし
「みのむし」は、秋の訪れを感じさせる生き物のひとつです。
みの部分は色画用紙を使って自由にちぎったり、細長く切って貼ることで個性を出せますよ。
ちぎる動作や貼る作業は、2~3歳児の指先の発達にも効果的でしょう。
糸で枝に吊るすと、まるで本物のように揺れる様子も楽しく、壁面や玄関装飾としても大活躍します。
子どもたちが、自分の作ったみのむしを見て喜ぶ様子が目に浮かびますね。
保育室を秋の森のように演出できる、おすすめの季節製作です。
- 画用紙
- のり
- ペン
- 画用紙を筒状に丸めて本体を作り、目のパーツを貼り付けます。
- 次に、殻に見立てる色画用紙(茶・濃茶・黄など)を小さくちぎり、のりで本体にランダムに貼っていきます。
- 殻が完成したら、別の画用紙で枝を作り、先端に葉をつけて糸を通します。
- その糸にみのむしを吊るして、全体を台紙にレイアウトすれば完成です
【4~5歳児におすすめ】紅葉に関するおすすめの製作4選
4〜5歳児は、構成力や表現力が発達してくるため、自分なりのイメージを形にすることができるようになります。
紅葉の葉の形や色を観察しながら、「この色にしたい」といった自分なりの工夫やストーリー性を込めた作品づくりが期待できるでしょう。
また、立体的な作品やグループ制作にも挑戦しやすくなる時期です。
今回は、紅葉をテーマに、4〜5歳児ならではの表現力や創造力を活かせる製作アイデアを3つご紹介します。
もみじモチーフの灯篭を作ろう!
今回は飲料パックを使って、紅葉モチーフのやさしく光る「もみじ灯篭」を作る製作を紹介します。
もみじの形を折り紙で作って、窓部分に貼り付けることで、光を通してほんのり赤く染まった幻想的な雰囲気を楽しめるでしょう。
製作の前には、「昔の人は、電気の代わりに灯篭を使ってたんだよ」とお話をすると、子どもたちの学びのきっかけにもなります。
保育室を秋らしく照らしてくれるだけでなく、季節や文化に興味をもつ良い体験になりますよ。
- 折り紙
- 飲料パック
- 白色の花紙
- はさみ
- のり
- セロハンテープ
- 飲料パックを広げて底と飲み口を切り落とします。
- 4面の中央を四角く切り抜いて枠を作ります。
- 折り紙を折ってもみじの形にカットし、花紙を窓部分に貼ってから、切ったもみじを上に貼りましょう。
- 枠を立てて灯篭の形にし、セロハンテープで固定します。
- 最後に電池式のLEDライトの上からかぶせれば、やさしく光るもみじ灯篭の完成です。
葉を再現!紙コップの木
紙コップを2つ組み合わせて幹に見立て、色画用紙で作った色とりどりの葉っぱを貼りつけていきます。
使う色によって春・夏・秋など、さまざまな季節にアレンジできるのも魅力の一つです。
葉の形を自分で切る工程は、4~5歳児の手先の発達を促す良い練習にもなりますよ。
紅葉の季節には赤や黄色を多く使って、落ち葉の舞い散る木を表現してみましょう。
完成した木はそのまま立たせて飾ることもできるので、立体作品としても楽しめます。
- 紙コップ
- 色画用紙
- セロハンテープ
- 両面テープ
- ハサミ
- カッター
- 紙コップを縦に切り開いて展開図を作り、それに合わせて色画用紙を2枚カットします。
- それぞれを紙コップに巻きつけ、テープで固定しましょう。
- 2つのコップを底同士で貼り合わせて幹を作ります。
- 上部を縦にカットして外側に開き、枝のように広げます。
- 葉っぱの形に切った色画用紙を、両面テープでランダムに貼っていけば完成です!
落ち葉でこすりだし
落ち葉を使って、自然の美しさをそのまま紙の上に再現する「こすりだし」は、4~5歳児にぴったりの製作活動です。
葉っぱの裏側にある細かい葉脈の模様を、クレヨンを使って紙に写し取る工程では、力加減や手の動きを意識して行うため、集中力や運筆力も養われます。
紙がずれないように押さえる、クレヨンをまっすぐこするなど、少し難しい工程もあるので、はじめに保育士さんが見本を見せると良いでしょう。
完成したらそのまま飾ったり、形を切り抜いてモビールや壁面にも活用できます。
- 落ち葉
- 半紙、わら半紙などの薄い紙 1枚
- クレヨン
- 拾ってきた落ち葉を裏返して机に置き、その上に白い画用紙を重ねます。
- 紙がずれないようにしっかり手で押さえ、クレヨンの側面を使って上からこすります。
- すると、葉脈や輪郭が紙に浮かび上がってきます。
- 複数の葉っぱを使って何枚かこすりだしをしても素敵です。
- 最後に好きな色で仕上げたり、切り抜いて吊るすなどのアレンジもおすすめです。
紅葉に関するおすすめの壁面アイデア2選
秋の保育室を彩るなら、紅葉をテーマにした壁面装飾がぴったりです。
赤や黄色の落ち葉、山の風景、小さな動物たちなど、秋の自然を盛り込んだデザインにすることで、季節感をたっぷりと演出できます。
子どもたちの個性あふれる作品を取り入れることで、ひとつとして同じもののない素敵な壁面が完成しますよ。
今回は、子どもたちと一緒に取り組める、11月らしい紅葉の壁面アイデアを2つご紹介します。
季節の変化を身近に感じながら楽しみましょう。
タンポ遊びで作る紅葉
3歳児クラスから楽しめるタンポ遊びは、絵の具をポンポンとスタンプのように押して色をつける製作活動です。
ガーゼと脱脂綿で作るタンポは持ちやすく、絵の具の量も調整しやすいため、初めての絵の具遊びにもぴったりです。
黄色・赤・オレンジの暖色をメインに使うことで、やさしく温かみのある秋らしい色合いに仕上がります。
木の幹を描いた大きな模造紙を用意し、子どもたちに葉っぱを咲かせるようにポンポンしてもらえば、クラス全体の共同製作としても楽しめますよ。
- 木の描かれた画用紙
- ガーゼ 1枚
- 脱脂綿 1枚
- 絵の具
- 輪ゴム
- 脱脂綿を丸めてガーゼで包み、輪ゴムで止めてタンポを作ります。
- 木の幹を描いた模造紙や画用紙を用意します。
- 水で溶いた絵の具(赤・黄・橙など)をタンポの先に付け、葉っぱのように模造紙にポンポンと押していきます。
- 色を重ねたり、複数のタンポを用意して違う色で押すことで、より立体感のある紅葉を表現できます。
水彩アート風!落ち葉のガーランド
落ち葉の形や模様をしっかり観察して、水彩絵の具で表現するアート風のガーランド製作です。
輪郭を写し取り、葉脈を描いたら、水で濡らした筆でやさしく色をのせていきます。
赤・黄・青の三原色だけで、さまざまな秋色を作り出す色彩表現の楽しさを伝えながら、自然への関心も育てられる製作活動です。
完成した葉っぱはひもに貼りつけて壁に飾ったり、窓際につるしたりして、保育室を一気に秋色に彩ってくれます。
- 落ち葉
- 画用紙
- ボールペン(黒)
- 絵筆
- 絵の具(赤・青・黄)
- ヒモ(麻紐・たこ糸など)
- ハサミ
- セロハンテープ
- 落ち葉をよく観察しながら、白い画用紙にボールペンで輪郭を写し取ります。
- 次に葉脈を細かく描き入れ、筆に水をつけて紙全体を軽く濡らします。
- 赤・黄・青の水彩絵の具を混ぜながら、葉の内側を自由に着色していきます。
- 色のにじみや重なりを楽しみましょう。
- 乾いたら葉の形に切り取り、ひもにセロハンテープなどで固定して並べれば、落ち葉のアートガーランドが完成です。
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