【練馬区】保育士の借り上げ社宅制度(家賃補助)の概要
「上京して保育士をしたい」「東京都での家賃が支払えるか不安」という方は必見です。
借り上げ社宅制度というものをご存知でしょうか。借り上げ社宅制度とは、国と自治体、保育園が保育士の住む場所を担保してくれるための制度です。
保育園を運営する法人が借り上げている社宅を使わせてもらえ、上限8万2,000円の住宅補助の利用が出来ます。
概要は以下の通りです。
家賃補助の上限割合 | 区外:対象外 区内:8分の7 |
---|---|
補助額の上限負担額 | 区外:対象外 区内:8万2,000円 |
雇用形態 | 常勤(1日6時間以上かつ月20日以上の保育従事者) |
役職者も利用可能? | 可(事業所の運営者と親族にあたる者は対象外) |
勤務地と違う市区町村でも利用可能? | 原則、不可 |
同居人がいても利用可能? | 可 |
注意点 | 借り上げ社宅制度は年度更新 |
自己負担額の相場 | 約0〜3万2,000円 |
礼金の補助 | あり |
敷金の補助 | なし |
居住から1ヶ月が経過していない場合は、家賃と共益費賃は日割り計算と支払った金額を比較して、少ない方が補助対象となります。
借り上げ社宅制度は練馬区で働く保育士に対して、法人が借り上げた社宅に安く住めることで、保育士の確保をねらった制度です。
社宅は原則、練馬区内に限っており、住宅手当は受け取れません。
同居人(配偶者や子どもなど)がいても問題ありませんが、同居人も住宅手当の支給がある場合は制度の利用が出来ない仕組みとなっています。
借り上げ社宅制度は年度毎の更新になるため、引っ越し先を見つけるまでの試用期間に当てることも可能です。
補助に利用できる項目は、賃貸料・共益費(管理費)・礼金・更新料です。敷金は補助の対象外のため、注意しましょう。
また、自身の雇用形態でも利用できるかが変わります。
練馬区の借り上げ社宅制度を利用できる人の条件
練馬区で借り上げ社宅制度が利用できる人の条件は下記の通りです。基本的には借り上げ社宅制度以外の家賃補助を受けていないことや、勤務時間などが条件になります。
- 勤務先の保育園から住宅手当を受け取っていない人
- 同居者いる場合、住宅手当またはそれに準ずるものを受けとっていない人
- 法人の経営に欠かわる役員または運営者の親族でない人
- 月の勤務日数が20日以上かつ1日6時間以上の保育従事者(園長、保育士、看護師、調理師などを含む)
保育士が住宅手当を受けていると、家賃補助を二重に受け取ってしまうため、借り上げ社宅制度は利用できません。制度を利用するには、前もって保育園に知らせましょう。
また、同居人も住宅手当などの家賃補助を受けていないことも条件に含まれるため、同居する場合は、必ず確認をとってから補助の話しを進めて下さい。
働いている時間も条件の一つです。
保育園での勤務時間が月の勤務時間が20日以上あり、1日6時間勤務している者のため、常勤や契約職員、フル勤務のパート職員の保育士が当てはまるでしょう。
練馬区の借り上げ社宅制度は園長も対象ですが、法人を運営している親族、いわゆる家族経営の保育園は制度が受けられません。
練馬区の借り上げ社宅制度を利用するには
保育士が練馬区で借り上げ社宅制度を利用するためには、制度の申請をしている保育園に勤務する必要があります。
また、事業所が借り上げている宿舎に入居契約しないと制度の利用が出来ません。
自身が契約した賃貸を勝手に制度に利用することは出来ないため、先走らず、保育園に確認を取りましょう。
制度を利用するための入居契約の際に、保育士が用意するものは以下の2つです。
- 保育士証の写し
- 住民票の写し(補助対象期間に取得したもの)
就職する際は必要なもののため、事前に準備を進めておくと良いでしょう。
練馬区の借り上げ社宅制度(家賃補助)の自己負担額は?
実際のところ借り上げ社宅を利用すると、どの程度の負担が減るのか疑問になると思います。
ここでは、家賃や、入居にかかる初期費用、引っ越し費用について、練馬区の相場と自己負担額について解説します。
特に、初期費用や引っ越し費用は、金額がかかるため、事前の準備が必要です。
自己負担を知ることで、練馬区で安心して働けるでしょう。
家賃の自己負担額の目安
練馬区で借り上げ社宅制度を利用したとき、家賃の自己負担額は約0〜3万2,000円です。
練馬区の一人暮らしの相場は1Kは7万8,000円、1LDKでは、11万4,000円で、補助額の上限である8万2,000円を差し引くことで計算しています。
一人暮らしの家賃の目安は、給料の3分の1とされる中、手取りの給料が月額20万円でも、約6分の1に抑えられるでしょう。
借り上げ社宅制度を利用することで、家賃の自己負担は大幅に下げられます。
参照:東京都練馬区(東京都)の賃貸マンション家賃相場・賃料相場情報
賃貸契約の初期費用の自己負担額
賃貸契約の初期費用については、おおよその金額になりますが、約39万円です。
仮に築年数4年目の1LDK、家賃は10万2,000円とすると、内訳は以下の通りです。
- 前家賃10万2,000円
- 敷金10万2,000円
- 礼金10万2,000円
- 共益費3,000円
- 仲介手数料 6万3,000円
- 鍵交換代2万7,500円
- 保証料金5万1,000円(家賃の50%)
- 火災保険料を約2万円
総計が約47万円となり、そこから補助の上限額を差し引く
初期費用は思っている以上にかかるため、事前の貯蓄が必要となります。
しかし、借り上げ社宅制度は法人が事前に借りている物件のため、鍵の交換代や火災保険や保証料などを既に払っている場合もあります。
利用を申し込む際に、就職先の保育園に確認すると良いでしょう。
引っ越し費用の自己負担額
引越し費用の自己負担額は、SUUMOが公表しているデータによると約5万6,438円〜8万538円ほどです。
就職のための引っ越しなら繁忙期の2〜4月が多く、費用が高くなるため早めに資金を準備すると良いでしょう。
練馬区から500km以上遠方の引っ越しだと、更に費用が高くなるため、相見積もりや自家用車で荷物を運ぶなどをすると費用が抑えられます。
また、ひとり親世帯の場合、練馬区の補助制度を利用すれば、上限10万円の引っ越し費用が補助されます。
この制度は練馬区内から同区内への引っ越しや、住んでいる家賃よりも安い賃貸への引っ越しする必要があるなど条件があるため、利用できる場合はおすすめです。
参照:引っ越し見積もり価格はだいたいいくら?
参照:ひとり親家庭転宅支援給付金
練馬区の借り上げ社宅制度についての質問に回答
【Q1】年度途中からでも、借り上げ社宅制度の利用は出来ますか?
結論、練馬区での借り上げ社宅制度は、年度途中からでも利用が可能です。
初月から入居が出来ない場合は、概要でも触れている通り、賃貸料と共益費が日割り計算され、実際に支払った金額と比べて少ない方が補助金額の対象となります。
多くの場合は、日割りのほうが支払った金額よりも少なくなる場合が多いでしょう。
練馬区の借り上げ社宅制度は、途中採用の場合でも利用が出来るため、安心して保育園に確認して負担額を減らして下さい。
【Q2】借り上げ社宅制度を利用すると、給料は減りますか?
結論、減っているように見えます。
借り上げ社宅制度は、国や自治体からの補助が8分の7のため、残り8分の1は、保育者負担になる場合があります。
その際、給料から天引きとなるため、給料が減っているように感じるでしょう。
練馬区の借り上げ社宅制度の要項には、補助を受けている職員の給料を低下させてはいけないと明記されています。
そのため、保育士の給料から、天引き以外の理由で、減らされることはないので、安心して下さい。
練馬区の保育園の実情・保育環境
練馬区の保育環境について、待機児童数は令和3年から令和6年まで4年連続で待機児童数がゼロとなりました。
障害児保育に対しても区立保育園では基準が明確で、保育園に3人まで、クラスに2人までです。
1歳児についても国の保育士配置基準に6人に1人の保育士に対して、練馬区は5人に1人の保育士を配置する基準を設けています。
令和5年度の練馬区子育て会議議事録からは、待機児童がゼロであるものの、特定の認可保育園に入園希望の偏りがあるという課題が分かりました。
現在の練馬区は保育士にとって、働きやすい環境であるといえるでしょう。
参照:保育所等利用待機児童数ゼロ “4年連続”達成
参照:配慮を必要とする児童の保育(障害児保育)
参照:令和5年度 練馬区子ども・子育て会議議事録
練馬区で保育士が使えるその他補助金や制度はある?
- 練馬区独自に対象者を拡大して保育士等の処遇改善を支援
- 就職後の研修でキャリアアップサポート
国は令和3年から保育士に対して給料の約3%(9,000円)の処遇改善手当を支給し始めました。
練馬区は独自の保育士配置基準を設けて、1歳児について5人に対して1人の保育士を配置しています。
基準よりも多くの保育士を配置しているため、増えている保育士分の処遇改善は練馬区が支援しているのです。
練馬区に保育士として就職すると、保育士が足りないことへの問題も改善しつつ、心に余裕を持って働けます。
また、就職後の研修でもキャリアアップサポートを受けられ、処遇改善手当も安心して受け取れるでしょう。
まとめ
- 借り上げ社宅制度の上限額は8万2,000円
- 家賃の自己負担額は約0〜3万2,000円
- 賃貸にかかる初期費用は高いので貯蓄が必要
- 練馬区は保育士が働きやすい地区
練馬区の借り上げ社宅制度は原則、区内の社宅に住むことで、保育士が長い間、働ける環境を整えるための制度です。
補助の上限額は8万2,000円と住宅手当に比べると大きな補助額になります。
練馬区の家賃相場から考えると、家賃の自己負担額は約0円〜3万2,000円でしょう。
しかし、賃貸にかかる初期費用や引っ越し費用は大きな金額となるため、事前に準備して下さい。
練馬区は保育士が働きやすい環境を作るため、国が定めている保育士の配置基準よりも、多くの保育士を配置しています。
その分の処遇改善も練馬区が独自に支援しているため、働く環境の実情としては、とても良いといえるでしょう。
保育士として上京したいなら、練馬区で借り上げ社宅制度を利用しながら働くことを、一つの選択肢に加えてみて下さい。
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