3月は子どもにとっても保育士にとっても特別な季節。
進級を控えた子どもたちが、一段と成長を見せる時期でもあります。
特に2歳児クラスの子どもたちは、4月の頃と比較して言葉や感情表現がぐんと豊かになり、集団生活の中でのやりとりも活発になってきた頃ですよね。
本記事では、2歳児クラスで取り組みやすい製作アイデアや工夫のポイントをご紹介します。
限られた時間の中でも子どもたちの「できた!」を引き出せるヒントが満載です!
- 2歳児クラスの子どもたちの集中力は短いので、短時間でできる製作がおすすめ
- 3月の製作では、ひな祭りをモチーフにした題材や春らしいものが人気
- はさみやのりを使った製作も可能なので、幅が広がる

2歳児の3月は進級へのわくわく感があふれる時期。
中には卒園する子もいるので、楽しい製作活動を通してすてきな思い出が作れるといいですね!


ちあき
認可保育園で勤務後退職して留学。その後は英語の幼稚園で働く。結婚を機に派遣保育士に転身し、さまざまな園で経験を積む。保育士歴は通算7年ほど。
子どもが重度アレルギー児になったことでライターに転身した2児の母。
2歳児の3月製作は何を作る?3月のイベント・行事とは?
3月は進級を控えた特別な季節。
2歳児クラスでも、これまでの成長を振り返り、次のステップへ向けて期待を膨らませる子どもたちが多いのではないでしょうか。
3月にぴったりな製作活動といえば、ひな祭りや春の訪れを感じるテーマが子どもたちにもわかりやすく、楽しく製作できます。
次の章から、おすすめの製作アイデアや行事を楽しむヒントをご紹介します。
2歳児にできる製作とは?
2歳児クラスの子どもたちの集中力はまだまだ短めなので、製作活動は楽しみながら短時間でできるものがおすすめです。
とは言っても、もうすぐ3歳児クラスになる時期なので、手先も4月の頃と比較するとだいぶ器用になり、できることの幅も広がっていますよね。
- ちぎり絵
- 指スタンプ
- シール貼り
- ハサミを使った製作
- のりを使った製作
- 簡単な折り紙
- デカルコマニー
- はじき絵 など
どの製作も簡単でありながら、達成感を得られる定番アイデアです。
また、2歳児クラスの子どもたちの中で「もっとやりたい」という気持ちが出てきたとき、比較的対応しやすい製作でもあります。
3月にあるイベント・行事
- ひな祭り(3月3日)
女の子の健やかな成長を願う日本伝統の行事。毎年、ひな人形や桃の花をテーマにした製作が人気! - 卒園・進級準備
進級や卒園を控えた子どもたちと一緒に感謝や成長を振り返る時間。記念品やメッセージカード作りもおすすめ。 - 春分の日(3月20日頃)
春の訪れを祝う行事。桜やちょうちょをモチーフにした製作が子どもたちにも喜ばれます。
3月は季節の変わり目ですが、卒園や進級の時期でもあります。
春らしさを感じるテーマを取り入れたり、卒園や進級をイメージできるものを取り入れると3月ならではの製作活動になりますね!
【2歳児向け】3月のイベント・行事に関する製作のねらい
- 行事から季節感を味わう
- 次の学年にあがることに期待感を持つ
- 1年の振り返りをして達成感を味わう
- 日本の伝統文化に興味を持つ
3月の製作活動は、子どもたちが季節の変化や日本の行事に触れながら成長を感じる大切な時間です。
ひな祭りでは、ひな人形や桃の花をテーマに、日本の伝統文化に親しむきっかけを作れます。
また、少しずつ寒さが和らいでいくことから、春の訪れを感じられる桜や春の製作を通じて、季節や自然への興味を育むこともねらいの1つです。
さらに、3月というタイミングなので、進級を意識した製作を取り入れることで、新しい学年への期待感を高められます。
【3月はこれ!】2歳児向けのおすすめの製作10選
2歳児クラスの子どもたちは、少しずつ季節や行事に対しての疑問や興味が湧いてくる時期でもあります。
好奇心に合わせた製作活動を通して、子どもたちの創造力や手先の発達を育みましょう。
ひな祭りや進級の準備をテーマにした製作はもちろん、桜やちょうちょなど春らしいモチーフも大人気です!
本章では、実践しやすく、子どもたちも楽しめる2歳児向けのおすすめ製作を10個ご紹介します。
にじみ絵でおひなさま
にじみ絵と聞くと、2歳児クラスの子どもたちには難しそうに感じるかもしれませんが、事前準備をしっかり行うことで楽しい製作活動になります!
- コーヒーフィルター
- 水性マジックペン
- 画用紙
- はさみ
- のり
- 霧吹き
- 保育士があらかじめおひなさまの顔と髪の毛、細かな装飾品のパーツを画用紙で切って用意しておきましょう。
- 子どもたちが主体となって、水性マジックでおひなさまの顔を描きます。
- コーヒーフィルターに水性マジックで絵や模様を描きます。
- 霧吹きで水をかけ、絵がにじんでいる様子を観察してみましょう。
- コーヒーフィルターが乾いたらおひなさまの顔や装飾品をのり付けし、台紙に貼って完成です!
トイレットペーパーの芯でおひなさま
動画ではひな祭りの製作を4つ紹介していますが、その中から2歳児クラスにぴったりなトイレットペーパーの芯を使った製作をお伝えします。
- トイレットペーパーの芯
- 折り紙
- ビニールテープ
- はさみ
- のり
- ペン
- 保育士は事前におひなさまの顔のパーツや装飾品を切っておいて、子どもは顔を描くだけにしておくとスムーズです。
- 折り紙の白い面を上にして、トイレットペーパーの芯を巻き付けていきます。
- トイレットペーパーの芯からはみ出たところは芯の中に折り込みます。ここが一番難しいところなので、困っている子どものサポートに配慮しましょう。
- 保育士がカットしておいたビニールテープを子どもたちが貼り付けます。
- 最後に顔と装飾品のパーツをトイレットペーパーの芯に貼って完成です!
ふわふわおひなさま
- 色画用紙(おひなさま)
- 折り紙(髪飾り)
- 綿
- 紙皿(深めのもの)
- リボン
- ポンポンボール(ぼんてん、ひなあられ)
- 布テープ
- カラーペン
- ハサミ
- 接着剤
- のり
- 動画では、対象年齢が3歳児クラス以上~になっていますが、事前に保育士が画用紙でおひなさまの細かなパーツを作っておくことで2歳児でも可能です!
- 紙皿に接着剤で綿を貼り付けます。
- おひなさまパーツにカラーペンで顔を描きます。
- 綿の上に接着剤でおひなさまを貼り付けましょう。
- 最後にひなあられに見立てたポンポンを貼り付けて完成です!
- 保育士が飾る前にリボンをつければ、壁に飾ることも可能です。
もしかしたら、2歳児クラスの子どもたちに綿や接着剤などの素材は初めてかもしれませんが、さまざまな素材と触れ合う経験としてぜひ挑戦してみてくださいね。
折り紙で作るおひなさま
2歳児クラスでも簡単なものであれば、折り紙を使った製作も可能です。
手順が少ない作り方なので、ぜひ挑戦してみてくださいね。
- 折り紙
- カラーペン
- はさみ
- のり
- 保育士はあらかじめ、おひなさまに必要な小物パーツをはさみで切って用意しておきましょう。
- 子どもは、折り紙を折るところからスタートです。白い面を上にして、3等分になるように折ります。折ったときに色のついた部分と白い部分が同じくらいになるイメージです。
- 向きを変えて、さらに3等分になるように折ります。
- 白い部分の角を少しだけ後ろに折り込んで折り紙パートは完成です。
- 最後に、白い部分におひなさまの顔を描き、のりで小物を貼り付けて出来上がり!
デカルコマニーで蝶々
- 絵の具
- 画用紙
- はさみ
- のり
- 保育士はあらかじめ蝶々の顔となるパーツを用意しておきましょう。動画では、半分に折った後ではさみで蝶々の形に切り取っていましたが、最初から蝶々の形の画用紙を用意しておくとスムーズです。
- 子どもは、半分にした画用紙の片面に絵の具で色をつけます。
- 半分に折り、よく画用紙と画用紙をくっつけたら広げましょう。
- 絵の具が乾いた後、蝶々の顔のパーツをのりで貼って出来上がりです!
デカルコマニーで使う絵の具の量はたっぷりめしておくと、綺麗な模様が出来上がります。
動画では、絵の具チューブから直接画用紙に出していましたが、2歳児クラスでは水少なめで溶いた絵の具で行うことをおすすめします。
手形で蝶々
動画では、蝶々、桜の木、ハート、花束の4つの手形アートを紹介していますが、その中から春の製作にぴったりな蝶々の製作を紹介します。
- 画用紙
- 絵の具
- 手拭きタオル
- スタンプ台
- クレヨン
- 保育士が画用紙に蝶々の身体の部分を描いて準備しておきます。
- 手に好きな色の絵の具を塗る、もしくはスタンプ台を使って絵の具を付けて、蝶々の羽になるように手形を押しましょう。保育士は最低限のサポートで、子どもたちが自由に絵の具の色を選ぶことで個性的な作品に仕上がります。
- 手形が乾いたら、空いているスペースに花や蝶々を描き足して完成です!
手についた絵の具をすぐに拭きとれるように、あらかじめ手拭きタオルを用意しておくとスムーズです。
はさみで菜の花
動画では、菜の花、つくし、自分のお顔の3つのアイディアを紹介していますが、その中から2歳児さんにぴったりな菜の花の製作を紹介します。
- 画用紙
- 折り紙
- のり
- はさみ
- 保育士が前もって菜の花の土台と菜の花の茎と葉の部分を製作しておきます。
- 子どもたちがはさみで切りやすいように、保育士が折り紙や画用紙を細長く切っておきましょう。
- 子どもたちは、細長い折り紙や画用紙を好きな大きさではさみでカットします。
- 菜の花に貼り付けて完成です!
子どもたちが一生懸命にカットした菜の花は机に置いておくと散らばってしまい、誰が切ったものかわからなくなることもあります。
小さな紙皿などを用意して、切った菜の花を入れておくように声をかけると、のりで貼り付けるときに便利です。
スタンピングの菜の花
ボックスも含め、このセクション全体で300文字程度
- 綿棒
- 絵の具
- 紙コップ
- 輪ゴム
- 画用紙
- のり
- はさみ
- 保育士が事前に綿棒6本を花の形になるように整えて、輪ゴムでしっかり固定しておきます。さらに、菜の花の土台や葉や茎などもあらかじめ画用紙から切り取って用意しておきましょう。
- 子どもたちは、綿棒で作った花のスタンプを絵の具につけて、菜の花の土台にスタンプします。
- 乾燥したら、画用紙にのりで菜の花と茎と葉を貼り付けて完成です!
綿棒で作った花の形はしっかり輪ゴムで固定しないと、子どもがスタンプをした力で崩れてしまいます。
子どもたちに優しくスタンプすることを伝えてくださいね。
折り紙で作るいちご
ボックスも含め、このセクション全体で300文字程度
- 折り紙
- はさみ
- のり
- ペン
- シール
- 保育士の事前準備は、いちごのヘタになる部分を作るために使う緑色の折り紙を4等分にしておくことのみです。
- 子どもたちは保育士のお手本を見ながら、いちごを折り紙で折ります。
- 半分に折り、さらに半分に折って1つの角を折ったら完成です!
- ヘタは、1/4サイズの折り紙を半分に折り、また半分に折って細長い長方形にし、広げて出来た線に沿ってはさみで切ります。
- 切った緑色の折り紙を輪のようにしてのり付けし、いちごのつぶつぶはペンで描く、もしくはシールで表現すれば完成です!
もし、子どもたちがはさみの連続切りがまだ難しいのであれば、ヘタのはさみの工程は保育士があらかじめやっておくとよいでしょう。
子どもの成長発達状況を優先してくださいね。
スポンジスタンプで作るタンポポ
- 画用紙
- のり
- はさみ
- 絵の具
- スポンジ
- 割り箸
- 輪ゴム
- 保育士は事前に割り箸とスポンジと輪ゴムを使って、スポンジスタンプを作っておきましょう。また、タンポポの形や葉、茎などのパーツも画用紙で切って用意しましょう。
- 子どもは、スポンジスタンプでタンポポの形に自由に模様を付けます。
- 画用紙が乾いたら、背景となる画用紙にタンポポの形と葉や茎を貼り付けて完成です!
タンポポの形をはさみで切るのは、2歳児クラスの子どもたちには難しい場合が多いです。
しかし、子どもたちの成長発達を見て、はさみの連続切りができるのであれば、タンポポの形を丸の形にして、子どもたちの挑戦する機会としてもいいかもしれません。
まとめ
2歳児クラスの3月におすすめの製作アイデアを10選ご紹介しました。
もうすぐ3歳児クラスになるタイミングなので、少し難しいと感じる製作でも、子どもたちの意欲や集中力を引き出すチャンスになります。
活動を通じて「できた!」という達成感を味わえるようにサポートしながら、成長をしっかり見守ってくださいね。
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