新年度がスタートしてから2か月がたち新しい環境に慣れた6月は、子どもたちが製作活動で自分を表現しやすい時期とも言えるでしょう。
緑が濃くなりはじめ梅雨とも重なり、自然の不思議さや面白さ、美しさを感じられる季節を、製作を通して身近に感じられると良いですね。
また室内で過ごすことが増える時期ですので、のびのびとした活動を取り入れることもおすすめです。
本記事ではそんな6月にぴったりな製作アイデアをお届けします!
- 6月の行事や文化、自然を取り入れた製作活動のヒントを得ることが出来る。
- 5歳児の子どもの製作活動における姿を知り、保育をするうえで必要なことを発信している。
- 手先の器用さや表現力が発達する5歳児に適した製作を紹介している。
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【5歳児におすすめ】6月のイベントや製作アイデアは?
「5歳児の6月の製作って何を作ればいいの?」
「5歳児が製作活動でできることってどんなこと?」
毎日忙しい保育の中で、製作活動に悩むことは多々ありますよね。
本章では6月のイベントや製作アイデア、5歳児ができる製作の課題についてお伝えしていきます。
実際の環境や子どもたちの興味を大切にしつつ、参考にしてみてくださいね。
6月の製作におすすめ!イベントや製作アイデア
- 梅雨(紫陽花、雨、傘、かたつむり、てるてる坊主など)
- 蛍
- 虫歯予防デー
- 時の記念日
- 父の日
- 夏至
- 田植え
- ジューンブライド
6月は新しい環境に少しずつ慣れ、園での生活のリズムも掴めるようになる頃です。
また梅雨の時期は普段と違った自然の姿を見ることができます。
雲の様子や雨の降り方を見たり音や匂いを感じたりと、この時期ならではの自然を感じて豊かな感性を育みたいですね。
また虫歯予防デーや時の記念日を製作のテーマにすることで、様々なことへの興味関心につながります。
6月の自然や文化に触れ、理解やイメージを深めて製作活動に生かせると良いですね。
5歳児ができる製作の課題は?
- はさみを使って曲線や丸などのある程度複雑な形も切ることができる。
- のりやセロハンテープを正しく使うことができる。
- クレヨンや色鉛筆、マーカー、絵の具など様々な画材を使って描くことが出来、筆の使い方が上手になる。
- 空き箱や紙コップなどを使って立体的なものを作ることが出来る。
- 何を作るか、どうしたらもっと良くなるかと考え工夫することが出来る。
- 友達と協力して作品を作ることが出来る。
個人差はありますが、5歳児になると大方の道具を上手に使えるようになります。
そして、製作活動を通じて想像力や指先の器用さ、表現力をどんどん伸ばしていける時期でもあります。
様々な素材や道具を使用する環境を用意し、楽しさや達成感を味わえるような活動を取り入れることで成長に繋げていきましょう。
子どもが意欲をもって主体的に取り組むために、見本と全く同じものを作るのではなく、個性を出せるようにすることも大切です。
【5歳児におすすめ】6月に作りたい!製作10選
6月は雨で外に出られない日が多くなりがちです。
そんな時だからこそ製作活動に取り組むことで楽しさを感じ、出来上がったものを飾って心地よい空間を作りたいですね。
ここからは、子どもたちが経験する6月の身近な自然や記念日にちなんだ製作活動をご紹介していきます。
子どもが主体的に取り組みやすい内容となっていますので、それぞれの子どもの個性を生かして、オリジナリティあふれる作品を作りましょう。
6月の製作活動
10色の傘飾り
カラフルな傘は梅雨時にぴったりの製作テーマです。
円形の紙を折りたたんでそれをつなげることを繰り返すという作業なので、やり方を覚えれば黙々と集中して取り組める内容です。
円形の画用紙は10枚ではなくても良いですし、折り紙は自分で染めた染紙やスタンプした紙などにするアレンジができます。
また、円形の紙は保育士が用意するか子どもが自分で切るか等、子どもの状況に応じて製作の内容を設定することもできますね。
- 画用紙
- モール
- のり
- セロテープ
- 円形の画用紙を2回折って扇形にします。これを10枚作ります。
- 扇形の面全体にのりを塗って、別の画用紙を貼り合わせます。
- ②の作業を繰り返します。
- モールをJの形に曲げ、てっぺんになる部分を丸めて傘の柄の形にします。
- 画用紙で作った傘の真ん中にモールを置き、セロテープで固定します。
- 傘の形に円く整えたら完成です!
シャボン玉アートのあじさい
6月といえば色鮮やかに咲くあじさいが美しい時期ですね。
様々な方法で作られることが多いあじさいですが、ここではシャボン玉アートで作るあじさいをご紹介します。
シャボン玉の気泡の集まりがあじさいの花が集まっている様子とよく似ていますし、重なり合った色が美しいです。
泡のつけ方は2通りあるのでどちらも試してみてくださいね。
動画は前半に手作り封筒の解説、2分8秒の所からそのアレンジとしてあじさいの解説となっています。
- シャボン玉液
- 水彩絵の具
- 水
- 紙コップ
- 画用紙
- ストロー
- スプーン
- 絵の具:シャボン玉:水=1:1:1の割合で混ぜます。(好みで調整してください)
- ストローで息を吹き込み泡立てます。
- できた泡をスプーンですくって画用紙に乗せます。(または泡を直接画用紙につけてもOKです。)
- ③を、色を自由に変えながら繰り返します。
- 画用紙が乾いたら、あじさいの形にはさみで切って出来上がりです。
トイレットペーパーの芯で作るぴょんぴょんカエル
カエルは雨の日が好きというのは、子どもたちも絵本を見たり声を聞いたり戸外で見かけたりしてよく知っているのではないでしょうか。
そんな経験を元にカエルを作って遊んでみるのも良いですね。
トイレットペーパーの芯を使用するので、事前に集めておきましょう。
はさみを入れる部分に事前に目安となる線を書いておくと取り組みやすいです。
好きな色のカエルを作れるように、いろいろな色のペンを用意しておくと良いですね。
- トイレットペーパーの芯 1本
- はさみ
- ペン
- トイレットペーパーの芯の中程まで、縦に4本等間隔で切り込みを入れます。
- 細長く切った4本のうち対角線上の2本を切り取り、2本を残します。
- ②で残した2本を折り曲げ、カエルの後足の形にします。
- 足の反対側に、前足を作る切れ込みをそれぞれ2本入れます。(腹の方を短めにすると足に角度がつけられます。)
- 頭の部分を丸く切ります。
- カエルに色を塗って顔を描いて完成です。
トイレットペーパーの芯で作る腕時計
6月10日は時の記念日です。
5歳児になると数字や時計に興味を持つ子どもが増えてきますし、生活に欠かせない時間や時計に興味を持つには6月は絶好の機会です。
腕時計は主に大人が身に着けるものであり、子どもたちにとっては憧れの存在ですので、興味をもって取り組むことが期待できます。
トイレットペーパーを3等分にするところには線を書いておくと取り組みやすいです。
製作後に子どもたちが時計を使って遊ぶ様子が目に浮かびますね!
- トイレットペーパーの芯
- はさみ
- 画用紙
- のり
- トイレットペーパーの芯に縦にはさみを入れて切り開きます。
- 開いたトイレットペーパーの芯を3等分に切ります。
- トイレットペーパーの芯より1㎝程長めに切った画用紙にのりを塗って②に貼り付けます。
- 文字盤の形に切った画用紙に数字や模様を描きます。
- 作った文字盤にのりを塗って、トイレットペーパーの芯に貼り付けて完成です。
折り紙で作るはみがきセット
6月4日は虫歯予防デーです。
身近なはみがきが子どもたちの歯の健康を守るのに大切であることをあらためて意識できる記念日であり、健康な体作りについて考えるきっかけにもなります。
今回は折り紙でコップと歯ブラシを作ります。
折り紙製作では手先の器用さや集中力が養われますし、見た動きを真似する必要があるため、そこで観察力を養うこともできますよ。
作り方がわかると、その後自分で作って遊ぶことにもつながりますね。
- 折り紙
- はさみ
- のり
- 折り紙を三角に折ります。
- 二等辺三角形の両端を斜めに折ります。
- 上の部分を折り返してコップの形にします。
- ③に取っ手を付けてコップの出来上がりです。
- 別の折り紙を細長く折って歯ブラシの柄を作ります。
- 白い折り紙をブラシの大きさに四角く切って、のりで貼ります。
- ブラシの部分にはさみで切り込みを入れたら完成です。
紙皿で作る!父の日のお花とメッセージカード
父の日には、いつもお世話になっているお父さんに感謝の気持ちを伝えるメッセージカードを作ってみましょう。
この製作は、細かく切り込みを入れたり棒に紙を巻き付けたりと、子どもにとっては少し難しく感じる工程がありますので、子どもたちの様子を見ながらサポートすると良いですね。
自分やお父さんの好きな色の折り紙やクレヨンを選ぶことで、お気に入りの作品に仕上げることができます。
紐を通して壁掛けにしても素敵なプレゼントになります。
- 紙皿 1枚
- 折り紙 1枚
- ストロー 1本
- クレヨンまたはクーピー
- はさみ
- 両面テープ
- セロハンテープ
- 紙皿の外側の凸凹部分に色を塗り、真ん中の部分にメッセージを書きます。
- 凸凹部分に切り込みを入れ、真ん中の部分を円く切り取ります。
- 凸凹部分のパーツの内側に両面テープを貼ります。
- 縦に4分の1に切った折り紙を縦半分に折り、輪の方に切り込みを入れます。
- ④にセロテープを付け、ストローに巻き付けます。
- ③の両面テープをはがし、ストローに更に巻き付けてセロハンテープでとめます。
- 切り込みの部分を開き、ストローを根本で切ります。
- お花をメッセージカードに貼り付けたら完成です。
かんたん!父の日にシャツ型メッセージカード
父の日のメッセージカードをもう一つご紹介します。
こちらのカードは、作り方はシンプルですが色や模様のアレンジでオリジナリティあふれる作品を作ることができます。
動画ではネクタイを貼っていますが、子どもの好みでボタンやポケットを付けたり、布や毛糸を使って自由に服のデザインを展開することもできます。
また、文字が書ける場合は自分で書いてプレゼントすると、よりその子らしさが表現できますし、お父さんも成長を感じることができますね。
- 画用紙
- 折り紙
- 両面テープ(またはのりを使用してもよい)
- はさみ
- 画用紙を半分に折って開いたら、上の方に線を書く。
- 線を引いた部分の左半分は切り取る。
- 裏返して、切り取っていない方に折り紙を貼る。
- 折り紙を貼った方は、書いた線の両端からそれぞれ3分の1まで切り込みを入れる。
- ④で切った部分を折って襟を作る。
- 余った折り紙でネクタイを作る。
- カードを開いたところにメッセージスペースを作る。
色水の雨アート
色水を垂らすこの製作は、水の動きを見ながら作品ができていくドキドキワクワクがあります。
また出来上がった作品は本当に雨が降っているようで、見ても楽しい作品です。
そしてあらかじめ子どもたちがクレヨンで描いた絵に雨を降らせることで、作品がグレードアップするような嬉しさを感じることができます。
雨水をためておいてそれを利用すれば、雨を使って雨を描く面白さを感じ、より雨に親しみを持てることも期待できますね。
- 画用紙
- クレヨン
- 絵の具
- 透明のプラスチックカップ
- スポイト
- 画用紙にクレヨンで絵を描きます。(雨をモチーフにした絵がいいですね。)
- 透明プラスチックカップに絵の具をといた色水を3色用意します。(赤・青・黄)
- 絵の具を混ぜ合わせて、好きな色を作ります。
- 好きな色を、スポイトで画用紙の上端に並べて乗せます。
- 画用紙を持ち上げると色水が流れ落ち、完成です。
切り紙で作るかたつむり
ここでは切り紙のかたつむりをご紹介します。
切り紙は、開いたときにどんな模様になっているのかと、完成した姿を楽しみにしながら取り組める製作活動です。
切り紙は3歳や4歳の子どもでも楽しむことができますが、5歳児になるとより細かい模様や、オリジナリティのある切り方を考えることが出来るようになります。
子どもの様子に合わせて、かたつむりの体や目の部分も自分で切り貼りして作れるようにすると良いですね。
- 折り紙
- 画用紙
- モール
- 丸シール
- 折り紙を三角形に4回折ります。
- 折った折り紙の外側を、弧を描くようにカットします。
- 中心部分も少しカットします。
- 思い思いの場所に切れ込みを入れる。
- 展開して紙皿の裏面にのり付けします。
- かたつむりの体の部分に両面テープで貼り付けます。
- モールと丸シール(白と黒)で目を作ります。
- 口を貼り付けたら完成です。
にじみ絵でカラフル!てるてる坊主
雨も悪くないけれど、たまには晴れてほしいもの。
「元気に外で走りたい」「お散歩に行きたい」と子どもたちが感じた時、カラフルでかわいいてるてる坊主を作ってみましょう。
にじみ絵は、インクが水でにじんで幻想的な模様を作り出し、色が混ざったところがいい味を出します。
失敗が少なく、製作に苦手意識を持っている子どもでもあまり身構えずに取り組める活動だと言えるでしょう。
筆を霧吹きに変えても作ることが出来ますよ。
- ティッシュペーパー
- 半紙
- モール
- 水性のカラーペン
- 筆
- 水
- 半紙を半分に切ります。
- ティッシュペーパーを2枚使って丸めます。
- 半紙を一度くしゃくしゃにして広げます。
- 丸めたティッシュを半紙で包み込みます。
- さらにもう一枚重ねます。
- 形を整えたらモールで縛ります。
- 水性ペンで好きな模様を描きます。
- 筆に水を含ませて、ペンで描いた部分をにじませます。
- 乾いたら目と口を描いて完成です。
まとめ
5歳児にとって6月は新しいクラスや先生に慣れ安心感をもって過ごせるようになる時期です。
また美しい自然はこの時期ならではのもので、表現のもとになる感性を豊かにします。
本記事でご紹介したアイデアは身近な自然や生活を取り入れたもので、保育に取り入れやすいものばかりですので、ぜひ目の前の子どもに合わせてアレンジしてみてください。
子どもたちが意欲をもって楽しみながら取り組む中で成長していけるよう、ご活用ください!
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