7月といえば、七夕や海の日、夏祭りなど楽しい行事がたくさんある季節です。
1歳児にとっては、季節の変化を肌で感じながら五感を使って遊ぶことが大切な時期。
製作活動も、素材の感触や色彩に触れることを通して、感性や興味を育む貴重な体験となります。
この記事では、1歳児でも無理なく楽しめる7月の製作アイデアや、保育現場で取り入れたい製作アイディアをご紹介します。
日々の保育の中で、季節感を感じながら子どもたちと楽しめる製作を見つけてみてくださいね。
- 7月にぴったりな季節の行事やイベントを取り入れた製作のアイデアを紹介
- 1歳児の発達段階に合った無理のない製作活動のポイントや配慮点がわかる
- 七夕や海をテーマにした、簡単で楽しい製作活動を10個ピックアップ
- 実際に保育に活かせるような活動内容やアレンジ方法のヒントも掲載
【7月】イベントや製作アイデアは?
7月は夏本番に向けて、子どもたちの活動もダイナミックになってくる時期です。
七夕飾りや水遊びに関連した製作はもちろん、涼しさを感じるモチーフを使った製作など、1歳児の発達に合った内容が求められます。
シール貼りや手形・足形、指スタンプなど、身近な素材で気軽に楽しめるアイデアを取り入れることで、子どもたちの感性も豊かに育まれていきます。
7月のイベント
夏の始まりを感じる7月は、行事や自然をテーマにした活動が多く行われる季節です。
特に七夕や海の日は、日本ならではの伝統文化や自然への親しみを育む良い機会になるでしょう。
保育現場でもこれらのイベントにちなんだ製作を取り入れることで、季節への理解を深めながら楽しむことができます。
また、暑さが増してくる時期なので、水遊びや涼感を感じる工夫も活動に取り入れたいところです。
- 七夕(7月7日)
- 海の日(7月第3月曜日)
- 夏祭り(園内・地域ごとに開催)
- プール開き・水遊び開始
1歳児にできること・取り入れたい活動は?
1歳児は、指先を使った簡単な操作や、音・感触など五感を使った遊びが楽しめる時期です。
この時期に無理なく楽しめる製作活動としては、ちぎり絵やシール貼り、スタンプ遊び、絵の具を手で塗る感触遊びなどが挙げられます。
また、季節を感じる素材(スズランテープや透明フィルム、布など)を使うと、視覚的にも楽しく、作品にバリエーションをつけることができます。
- シール貼り
- 手形スタンプ
- スポンジ遊び
- 紙をちぎる
1歳児におすすめ!7月の製作アイデア10選
1歳児でも無理なく楽しめる製作アイデアを、10個厳選してご紹介します。
季節感を感じられるもの、感触を楽しめるもの、保育士のサポートがあれば完成できる作品などをバランスよく取り上げました。
繰り返し遊べる作品や、持ち帰ってご家庭で飾れるようなアイデアも盛り込み、家庭との連携を図るきっかけにもなります。
製作そのものを楽しむことはもちろん、完成したときの喜びや達成感も大切にしていきましょう。
指スタンプでえがく花火
1歳児はまだ道具の使い方に慣れていない子が多く、筆を持つことよりも、指で直接スタンプする方が楽しみやすい年齢です。
夏の風物詩である花火をテーマにした製作では、自由に色を選ばせましょう。
指先で「ポンポン」と押す動作を繰り返すことで、色彩への興味や表現力を養うことができます。
完成度よりも「やってみる楽しさ」を大切にし、保育士がそっとサポートしながら行うことで、安心して取り組めるようになります。
- 黒い画用紙
- 絵の具
- 黒い画用紙を丸く切って夜空をイメージした土台を作ります。
- パレットに複数の絵の具を用意し、子どもの指先に少量ずつ色をつけて、画用紙に「ポンポン」とスタンプのように押していきます。
- 色の重なりや配置の違いが花火のように見えてくる様子を楽しめます。
- 保育士が見本を見せたり、一緒にスタンプすることで、より安心して活動に取り組めます。
- 完成後は「打ち上げ花火みたい!」と飾るのも楽しい時間になりますよ!
手形で作るカニ
1歳児でも楽しめる夏らしい製作あそびとしておすすめなのが、手形を使って表現するカニの手形アートです。
赤い絵の具で手形をとるだけで簡単にカニの体が作れるので、製作に慣れていない小さな子どもたちでも安心して取り組めます。
1歳児の場合は、自分で手形を押す経験も大切にしながら、先生の声かけや補助によって自信につながります。
完成後は、はさみや目を描き加えたり、周囲に魚や波、海の生き物を貼り付けたりして、にぎやかな海の世界を表現してみましょう。
- 絵の具
- 画用紙
- ペン
- 子どもの手のひらに赤い絵の具をまんべんなく塗ります。
- その後、親指が上になるように、手のひらを横向きにして画用紙へ丁寧に手形をつけましょう。
- 反対の手にも同じように絵の具を塗り、先ほどつけた手形と対になるように反対側へ押します。
- 絵の具がしっかり乾いたら、手形の親指部分に目を描き、胴体やはさみ、口をクレヨンで加えましょう。
- 背景に海藻や魚を貼れば、夏にぴったりの海の風景が完成します。
折り紙で好きな模様の花火を作ってみよう
自分の描いた模様が大きな花火のように広がるこの製作は、色や形への関心を高めてくれます。
折り紙を使って蛇腹折りをする工程は、1歳児にとってやや難しい部分もあるでしょう。
ですが太めに折ったり、先生が手を添えていっしょに進めたりするなどし、無理なく楽しめるよう工夫が必要です。
たとえまっすぐ折れなくても、カラフルな模様で彩られた作品は個性が光り、1人ひとりの違いを大切にする活動にもつながりますよ。
- 折り紙 2枚
- ペン
- 両面テープ
- 好きな色の折り紙を選び、自由にクレヨンやペンで模様を描いていきます。
- 絵を描いたら、折り紙を太めの幅で蛇腹状に折り、半分に折って両端をテープでとめます。
- これをもう一枚作り、2つを貼り合わせて円形に広げると、花火のような形ができます。
- 完成した花火は黒い画用紙に貼って夜空を表現すると、華やかな雰囲気になります。
透明な袋でつくる金魚
夏祭りの定番「金魚すくい」をモチーフにした、1歳児でも楽しく作れる製作です。
折り紙を丸める作業は、まだ細かな作業が苦手な子どもでも、くしゃくしゃと丸める感触を楽しみながら取り組めます。
透明の袋を使うことで、中に入れた色の見え方の変化も楽しめ、感覚遊びの要素もたっぷりです。
目をシールで貼ったり、ひれの形に切った色画用紙を付けたりしてアレンジするのもおすすめですよ。
夏らしい壁面飾りとしても活躍します。
- 透明なポリ袋
- 折り紙
- モール
- シールなど
- 折り紙をくしゃくしゃと丸めて柔らかくし、いくつか色を組み合わせて用意します。
- 透明な小さめの袋に丸めた折り紙を入れ、袋の口をモールでねじってしっかりととめ、金魚の形に整えます。
- 目のシールを貼りつけ、ひれの形に切った色画用紙を両側に貼ると、かわいい金魚に変身します。
- できた金魚は壁に吊るしたり、水を模した青い布の上に置いたりして飾ると、夏らしい演出になります。
スパッタリングでえがく花火
スパッタリングとは、絵の具をブラシなどで弾き飛ばして模様を描く技法です。
1歳児には少し難しく感じるかもしれませんが、先生がしっかりとサポートしながら体験させましょう。
「飛ばす」「色が広がる」という、感覚遊びとして楽しむことができます。
夜空をイメージした黒い画用紙の上に、色とりどりのスパッタリングを重ねると、まるで打ち上げ花火のような華やかな作品に。
大胆で、ダイナミックな表現ができる活動です。
- 折り紙
- 黒い画用紙
- 絵の具
- ブラシ
- 金網
- 鉛筆
- 折り紙を三角形に何度か折りたたみ、はさみで切り込みを入れて花火の模様になるような型紙を作ります。
- 広げて形を確認したら、黒い画用紙の上に置き、歯ブラシや金網を使って絵の具をスパッタリングします。
- 絵の具を飛ばすときは、保育士が手を添えて一緒に行うと安全です。
- 型紙をそっと外すと、模様の部分だけが黒く残り、カラフルな花火が浮かび上がります。
絵の具を重ねて浮き上がる、はじき絵花火の作り方
「はじき絵」とは、クレヨンと絵の具を使って色の変化を楽しめる技法で、1歳児でも不思議さを体験しながら楽しく製作できます。
白い画用紙にクレヨンで描いた線が、絵の具を重ねることで浮き上がって見えるため、完成したときの驚きも大きく、子どもたちの笑顔につながります。
絵の具は水で少し薄めに溶くことで、クレヨンの線がよりはっきりと浮かび上がりやすくなります。
色が変わっていく様子に夢中になる子も多く、感性を刺激する活動です。
- 画用紙
- クレヨン
- 絵の具
- 白い画用紙にクレヨンで自由に花火の模様を描きます。
- できるだけ濃く、太めに描くと、仕上がりがくっきりしてきれいです。
- その上から、水で少し薄めた絵の具を広い面に塗っていきます。
- 絵の具を塗っていくと、クレヨンで描いた部分が絵の具をはじいて、模様が浮かび上がってくる様子に子どもたちは大喜び!乾いたら壁に飾って楽しみましょう。
カラフルかき氷
1歳児でも楽しめる、のり貼りを使った簡単かき氷製作です。
あらかじめ先生が材料を用意しておくことで、子どもたちは“貼る”という工程に集中できます。
PEテープの色の組み合わせによって、いちご・メロン・ブルーハワイなど、いろいろな味をイメージしながら製作を楽しみましょう。
想像を膨らませて、「これはなに味?」と話し合うのも楽しい時間になりますよ。
感触や視覚の刺激が豊かで、子どもたちの五感を育てる活動としてもおすすめです。
- 色画用紙
- PEテープ
- はさみ
- のり
- 白い画用紙を三角形に切って氷部分を作り、青い画用紙で器を作ります。
- のりで氷を器の上に重ねて貼ったあと、あらかじめ準備しておいたカラフルなPEテープをちぎっておきます。
- それを子どもが自由にペタペタ貼りつけて、シロップのように飾っていきましょう。
- 赤はイチゴ味、緑はメロン味など、おしゃべりしながら楽しく進めると盛り上がりますよ。
紙皿でカラフルなお魚を作ろう
1歳児でも楽しめる、紙皿を使ったお魚製作です。
カラフルなシールやマスキングテープを使って、うろこの模様を自由に表現できます。
台紙からシールを剥がす作業自体が指先の発達にもつながるため、遊びながら成長を促せるでしょう。
目や口、ヒレの部分もペンやシールで自由に描いたり貼ったりして、自分だけのお魚を完成させてみませんか。
完成した作品は壁に貼ったり、ひもをつけて吊るしたりと飾る楽しさもあります。
- 紙皿
- 丸シール
- ハサミ
- セロハンテープ
- 紙皿の一部を三角形に切り取って尾びれに見立て、反対側に貼りつけて魚の形を作ります。
- あとは紙皿全体に、カラフルなシールやマスキングテープを自由に貼って模様をつけていきます。
- うろこや背びれなどを想像して貼ることで、表現の幅も広がります。
- 最後にクレヨンやペンで目を描いたり、目玉シールを貼って、個性たっぷりのかわいいお魚の完成です♪
ビー玉アートで作る傘
コロコロ転がるビー玉に絵の具をつけて、画用紙の上を自由に走らせる“ビー玉アート”は、偶然できる模様の面白さを楽しめる製作活動です。
1歳児の場合、ビー玉を転がす動きがまだ難しいこともありますが、保育士が一緒に動かすことで安全に取り組むことができます。
傘の形に切った画用紙を使えば、雨の季節にぴったりの作品に仕上がるでしょう。
完成した模様を見て「虹みたい!」「雨が降ってるね」など、子どもたちの言葉も広がります。
- ティッシュ箱
- ハガキサイズの画用紙(10cm×14.8cm)
- 絵の具(好きな色)
- ビー玉
- ハサミ
- ゴム手袋
- ティッシュ箱の片面を切り取ってトレイのようにし、中にハガキサイズほどの画用紙をセットします。
- 絵の具を少しつけたビー玉を入れて、箱をそっと左右に傾けながら転がしていくと、ランダムな線や模様ができあがります。
- 複数の色を使うとより鮮やかで楽しい仕上がりになりますよ。
- 絵の具が乾いたら傘の形に切り、柄の部分を貼りつければ完成です。
紙コップで花火製作
夜空に咲く大きな花火をイメージしながら、子どもたちと一緒に紙コップで華やかな花火を作ってみましょう。
折り紙をちぎって貼る工程は、手先の練習にもなり、1歳児でも楽しみながら取り組めます。
金や銀の折り紙を使うことで、キラキラとした見た目に仕上がり、完成後は壁に飾って夏らしい雰囲気を演出できます。
花火大会に行ったことのある子は思い出を語ったり、まだ行ったことがない子には想像の世界が広がったりと、会話も弾む製作です。
- 紙コップ
- 折り紙3枚
- のり
- はさみ
- 紙コップにのりをつけて、あらかじめ小さくちぎっておいた折り紙を自由に貼っていきます。
- 色とりどりの折り紙や、金・銀の光る折り紙を混ぜることで、より華やかで夏らしい見た目になります。
- 全体に貼り終えたら、紙コップの飲み口部分に等間隔で8か所ほど切り込みを入れ、ひらひらと外側に開くように折り曲げます。
- 紙コップを逆さに置けば、夜空に咲く大きな花火のような立体作品になります。
まとめ
7月は、行事が盛りだくさんで製作活動も広がる季節です。
1歳児は、見て、触って、感じる経験を重ねながら、少しずつ表現することの楽しさを知っていきます。
今回ご紹介した製作アイデアや活動例は、すべて1歳児の発達段階に合わせた内容となっており、無理なく楽しみながら取り組めるアイデアばかりです。
季節感を取り入れた活動を通して、子どもたちの「やってみたい!」という気持ちを大切に育てていきましょう。
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